弁護士阪口徳雄の自由発言

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5/31の朝日新聞の朝刊に山口進記者の署名入りで【最高裁、変化の兆し 「藤山判決」への対応に見る】と言う地裁・高裁・最高栽の判決を検証した興味深い記事があった。

最近の司法記者は提訴、判決という単発の事件だと記事を書くが、自ら調査して記事を書く記者が少ない。いわゆる調査報道記事を書かないのだ。否書けない記者も多いのか知れない。
調査して書くとなると、記者に自ら書く視点が要求される。その視点の発見は簡単ではない。そして調べた事実を自ら検証するだけの能力が要求される。

東京地裁の藤山雅行裁判長(53)の時代を一部先取りした東京地裁の判決を、記事が述べるとおり、東京高裁の裁判官が破棄した。これを最高栽が高裁判決を破棄をした。
昔は、下級審の判決が時代を先取りし、これを古い年寄りの最高栽裁判官が逆に破棄するケースが多かった。この記事を見て東京高裁は深刻な状況にあると感じた

これらの東京高裁の裁判長クラスは、『司法エリート』と呼ばれる人達である。昭和40年代に裁判官になり、行政に迎合する判決を書き司法内部で『エリート』になった人達である。司法の『エリート』であったが故に東京高裁は深刻である。

私も『最高栽の方が柔軟か?』 というブログを書いた。http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/29401308.html 。高裁の裁判官の方が頭が固く、最高栽の方が柔らかいのだ。

このような裁判官には時代の新しい動き、時代を先導する藤山裁判官のような判決は出せない

東京地裁の藤山雅行裁判長は、新しい時代をリードする裁判官だった。(行政部の判決を評価して言っているので、最近はどのような判決をしているか、判らないので過去形にした)しかし異色である。
各地の裁判官は東京高裁のように今なお古い発想の裁判官も多い。

今回の山口記者の調査報道記事は弁護士も非常に勉強になったので、この記事の一部を引用させて貰う。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 最高裁が変わりつつある。そのことを端的に示すのが、東京地裁の藤山雅行裁判長(53)の一連の判決を最高裁がどう受け止めているか――という点だ。行政の違法性を厳しくチェックして注目を集めた

「藤山判決」は、地裁の次の段階の東京高裁で大半が覆されたが、主要な訴訟については、最高裁がその高裁判決を破棄するという例が相次いでいるからだ=表。藤山判決をめぐる「復活」現象から何が読み取れるか。外部からは容易にうかがい知ることのできない最高裁内部の変化を探った。(山口進)

 ●住民勝訴→高裁で逆転「林試の森」 再び見直しの動き 
 
今月22日。建設相(当時)が認可した東京都立「林試の森」公園を拡張する都市計画事業をめぐる訴訟で、最高裁が注目すべき動きを示した。
 この訴訟は、敷地内にある官舎をそのまま温存する一方、同じ敷地内に住む住民に対しては立ち退きを求めることの是非を問うもので、二審の東京高裁判決では住民側が逆転敗訴していた。
 
これに対し、最高裁第二小法廷は、住民側の上告を棄却する際には必要のない弁論を7月10日に開くことを決め、関係者に通知した。これは、東京高裁判決が見直される見通しとなったことを意味する。
 
この訴訟の一審判決を出したのが、藤山氏だった。藤山氏は02年8月、「可能な限り公有地を利用すべきなのにそうしなかった」として、都市計画を「違法」と判断。国の事業認可を取り消していた。
 最高裁判決は今秋に出る見通しだ。「林試の森」訴訟で、最高裁がどこまで藤山判決の論理に沿った理由づけをするかは不透明だが、国の事業認可を取り消す方向での結論が出れば、最高裁としては初めての判断となる。

 ●納税者重視へ 高い「再逆転率」  約7割。
 
藤山氏が行政訴訟を扱う東京地裁民事3部に在籍した00〜04年に言い渡し、判例雑誌などで公表された30件の税務訴訟の判決のうち、納税者側の主張を認めた割合だ。
 
従来、地裁段階での納税者側の勝率は数%とされていただけに、革命的ともいえる数字だった。
 こうした藤山判決はしかし、「司法は行政にあまり口を出し過ぎるべきではない」といった価値観を持つベテラン裁判官が多い高裁ではほとんど覆された。ところがその後、最高裁で「復活」するケースが相次ぐ。(以下一部略)
 
昨年の最高裁大法廷で、裁判で行政の違法性を問える市民の範囲(原告適格)を広げた小田急線高架化訴訟の一審も、藤山判決(01年10月)だ。
 最高裁は原則として、法律問題に限って審理する。それ以外は判決ではなく、書面だけの決定で上告を棄却する。このため「藤山判決のその後」のすべてをフォローするのは難しい。高裁で覆ったままのものも、公表されただけで10件はある。
 
ただ、最高裁が高裁判決を破棄する率は全体で3%前後であることを考えると、「再逆転率」は高いと言って間違いなさそうだ。

 ●「消極主義」から脱却図る
 藤山判決は、最高裁にどんな影響を与えているのだろうか。
 「普通の人に近い感覚から問題提起をした功績は大きい。社会の変化に対応するためには、従来の法的解釈だけでは対応できない」。ある最高裁関係者はこう言って藤山判決を高く評価する。
 その評価は、同時に、藤山判決を受け入れた最高裁自身の変化、つまり司法改革の流れの中で従来の「司法消極主義」から半歩抜け出そうとする姿勢への変化をも物語っている。
 別の最高裁関係者はこう解説する。
 
「ここ数年、最高裁裁判官の間の議論が自由になっている。弁護士や学者出身の裁判官などもみな持ち味を出し、自由に発言するようになった。キャリア裁判官出身者がにらみをきかすこともなくなり、黒衣役の調査官の報告書の内容が覆されることも多くなった」

 最高裁のそうした変化には、町田顕(あきら)・最高裁長官(69)の影響もありそうだ。町田長官は初任時代、藤山氏と同じ東京地裁民事3部で、司法の行政チェックの先例となる数々の判決に関与した。
 
02年の長官就任後は「(上ばかり見る)ヒラメ裁判官はいらない」「神髄は自分の信念を貫くことにある」などと訓示。法曹界では、藤山裁判長を意識した発言とも受け取られた。
 
一方、行政に対して厳しい姿勢で臨む藤山氏の背景には何があるのか。
 藤山氏が最近書いたエッセーに、それをうかがわせるような一文があった。「実務租税法講義」(民事法研究会)に収められた一節には――。
 
「近代市民社会は不当な課税への抵抗を通じて形成されたと言っても過言ではない」「法に従った課税が実現されるよう課税庁に対して司法機関が適切なチェック機能を果たすこともまた重要な課題である」
 
行政が恣意(しい)的に市民や企業の財産を侵しかねないことへの危惧(きぐ)。それが、藤山氏が手がけた数々の税務訴訟や「林試の森」訴訟の判決の根底にある。
 
また、行政が住民に経済的な負担を課すことは、公有財産によっては目的を達成できない場合に許されるという考えは、戦前に活躍した憲法学者・美濃部達吉の「日本行政法」に由来するものだ。同書は藤山氏の座右の書だといわれ、藤山判決の中で実際に引用もされている。
 
藤山判決は、高裁で覆され続けるとともにその「特異性」が喧伝(けんでん)された。藤山氏は04年、東京地裁医療集中部に異動し、現在も同じ部署にいる。
 
■藤山裁判長が関与した主な判決・決定と→その後の高裁→最高裁の判断
 (○=藤山裁判長の判断ないしそれと同じ結論、×=異なる、△=その他)

01年 3月 旧興銀への追徴課税を違法として取り消し   ○ × ○
01年10月 小田急線高架化、事業認可は違法と取り消し  ○ × △
01年10月 談合を追及する住民訴訟の原告に公取委が事件の記録を開示した処分は適法 ○ × ○
01年11月 難民認定を申請中、不法入国などを理由に収容されたアフガニスタン国籍の男性5人について収容を停止 ○ × ×
02年 3月 大手銀行を狙い撃ちにした東京都の外形標準課税条例は違法・無効と判断。都に納付分の返還を命令 ○ ○ △(和解)
02年 8月 官舎を温存して民有地を収用する東京都立「林試の森」公園拡張事業の認可を取り消し ○ × △(審理中)
02年11月 自社株購入権(ストックオプション)の行使で得た利益は一時所得と判断。給与所得とした課税処分を取り消し ○ × ×
04年 1月 第2次納税義務者の不服申し立て認める    ○ × ○

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このブログは 2006/4/11(火) 午後 4:11 に一度書いた内容である。その後に英文の迷惑コメントが1日に1通から5通入る。よって以前のブログは削除した。再度掲載する
=======================================
明日(4/12)に大阪高裁で、JR西の消防署員死傷事故判決がある。
マスコミはいつもの通り、有罪か無罪かが大きな争点であるとして、報道する。

しかし、このような事件の場合には、何故このような事故が発生したのか?
再発防止に関係する真実、背景が殆ど報道されないし、されてもごく一部だ。

1 この事件の概要は
石垣の上のフェンス(高さ1.1m)を乗り越え、JR東海道線塚本―尼崎間の線路の敷地内に侵入し遊んでいた市立中学生2人 の内の1人がフェンスに面した最も外側の下り線路内で大阪発姫路行き「新快速」にはねられ重傷を負った。負傷した中学生 を救助するため、線路内に入った消防隊員4名の内2名が後続列車の京都発鳥取行きの特急「スーパーはくと11号」に接触し、 1人は死亡、もう1人は重傷を負った。運行を指令する指令員などの救助作業中の安全確保が適切でなかったためであると言われ責任が追求されている。

2 1審判決は
報道によると、指令員は「信頼の原則」により業務上の過失罪に要求される注意義務違反はなく無罪となった

3 「ヒューマンエラー」の追求のあり方

私はこの事件が有罪か、無罪かを論じるつもりはないし、その立場にもない。
ただ、このような多くの人間の過失が競合して発生する過失事件において、ある特定の個人の刑事事件で立件して起訴すべきかどうかについて、いつも疑問を感じる。

航空機事故のパイロットや管制官の責任追求、原発事故の担当者の過失責任・・・・などの関係者の過失が連続する事故の場合である。

業務上過失事件では、ある一瞬の「ヒューマンエラー」が過失致死罪に要求される注意義務違反かどうか
を論じ、事件全体の極一部を論じることになる。1秒か2秒の瞬間の責任を問うからである。

事故が起る原因は、その「ヒューマンエラー」が、何故生じたのかにある。その「ヒューマンエラー」から苦い教訓を引き出すことが今後の再発防止に連なる。

事故に関係する人達も、自己の行為が刑事責任追及されることの危険性があるために、真実の事故原因を語らない場合もあろう。

その結果、事件本体がどうして発生したのか、本件の場合であれば、1次災害が発生した場合の事故救出のあり方や、何故、司令員が、安全の為に列車を止めて、注意をしなかったのか、本当の事故原因がどこかに放置される危険性がある。
刑事事件の過失責任を追求するあまり、事件の真相は解明されない。教訓も導き出せない。
特に、現代型の、組織的な事故に対して、単なる個人の過失を問う業務上の過失事件では役に立たない。
仮に有罪になっても、その個人のレベルで反省するだけになるからである。

関係者の責任追及だけではなく、今後の再発防止に関する原因の解明に役立つ事故原因が求められるのに、その「ヒューマンエラー」の評価を巡って刑事事件では争いになり、原因究明は放置される。
そのためには、関係者への免責特権を与えるなどして、再発防止に役立つ情報の提供を求めた方が、長い目でみれば良いのではないかと思う。
特に関係者の「一瞬のヒューマンエラー」で大量の被害者が発生する事故の場合には、何故その「ヒューマンエラー」が発生したのか?その労働者の意識、考え方、ひいては職場環境のあり方、企業の風土などについて、言及した方がもっと社会にプラスになる場合が多い。

JR西が、この事件の再発防止の観点から、真剣な教訓を導きだし、それをその後の運転などに生かしておれば、昨年の悲惨な事故が防止できたかどうかは断定が出来ないが、何らかの影響があったのでないかと思う。

ところが、何故か刑事責任のみが優先され、それで有罪にすれば、責任追及が出来たと判断する市民やマスコミのあり方も問題だ。

企業内部の事故原因の解明や鉄道事故調査委員会の結果が、どのように再発防止に生かされたかを点検する方がはるかに良いように思うがどうだろうか?

その為には、業務上の過失罪等の過失犯の刑事責任の追及やその厳罰化を求める市民感覚について、私達市民自身も反省する必要を感じる

関西の地裁・高裁の全裁判官(家裁を除く)をインターネット上で評価する弁護士の運動を3年前から準備した。インターネットで評価するやり方は世界で初めと自画自賛している。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
民事事件の評価項目は次のような内容で、5段階で評価する。
大変良いは5。良い4。普通3。悪い2。大変悪い1で採点する

1)訴訟当事者等関係人に親切に接して話を良く聞くか。 
2)当事者に対して公正で公平な訴訟指揮をしているか。 
3)記録をよく読んで審理に臨んでいるか。       
4)事件の法的争点を的確に捉えているか。       
5)証拠調べに必要で十分な時間をとっているか。    
6)適切・迅速に審理を進める工夫をしているか。    
7)当事者の意見をよく聞いて和解を進めているか。   
8)和解で妥当な解決案を示すことができるか。     
9)裁判官としての決断力があるか。          
10)事実認定能力は優れているか。           
11)事案に即して迅速に判決を書いているか。      
12)判決は説得的なものか。              
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
昨年の7月から完全にリニューアルして再スタートした。
http://www.saibankan-hyouka.net/index.html
関西の弁護士に限定しているが、上記サイトから入会できる
現在の参加弁護士は350名強。

それまでは、私のような年寄り弁護士が中心だったが、昨年から、インターネットに詳しい大阪の菊元弁護士を中心に奈良、京都の若い弁護士も入ってくれ、リニューアルして、充実してくれた。
裁判官ごとの経歴、新聞報道による判決、論文なども取り入れることができた。

裁判官の評価はアメリカなどでは弁護士が評価し、実績をあげている。韓国、台湾では弁護士の
評価が裁判官の裁判所内部の人事も動かすほど威力を発揮しているという

日本では裁判官を評価することに抵抗する弁護士が多い
勝訴すれば良い点数になるが、敗訴すると低い点数になる。評価は客観的でないという理由だ。

評価する人間が少数だと、その批判はあたっている場合もあろう。しかしその評価人数が増えてくると、大体の傾向が判る。

敗訴した事件でも、事実認定や納得する理由を挙げておれば、評価は高くなる。
勝訴しても、事実認定や理由が杜撰だとマイナス評価にもなる。
訴訟指揮は勝訴、敗訴とあまり連動しない。その裁判官の性格がでている。

従って、多ければ多いほど評価は正確になる。大体10人前後の弁護士が評価するとその裁判官の傾向がほぼ判明する。

このサイトには、個別事件の感想も書かれていて実務上非常に役立つので参加している弁護士はよく利用されている様子だ

【○○裁判官は思い切りが早い。その分、早飲み込みもあるので、要注意。又法廷で、関西弁でよくしゃべるので、ビックリしない方がよい。しかし事実認定は良いように思う】

【最初は眠った感じで和解を進めた。漂流型の和解であったが途中から事案を理解したのかてきぱきと双方の言い分を聞き和解が成立した。最初から記録をよく読んで和解の勧告をしたらもっと良かった】

【この裁判官は境界事件に詳しい。・・・・普通の裁判官は境界事件に詳しくなく、漂流型の裁判になるが、○○裁判長は記録もよく読み、訴訟指揮もテキパキだ。ぜひ裁判所や弁護士会で研修するときはこの裁判官を講師にすると良いように思われる】

ところで、裁判官評価ネットの悩みは、書きこみする弁護士が少ないことにある。
*年配の弁護士は裁判官の評価になれている。多くの裁判官とその評価する裁判官と比べることが出来るからだ。しかし彼らの多くはパソコンを利用しない。インターネットの操作になれていない。その結果、裁判官の評価の書き込みが出来ない。

*若い弁護士はインターネットに慣れてはいるが、他の裁判官と比べて評価することに慣れていない

*若い弁護士も年配の弁護士もソモソモ、裁判をする人を公然と評価することに慣れていない現実がある
愚痴では、あれこれ裁判官の評価を言うが、このようなネットで、他人もその評価が見える形で評価することには抵抗があるのだろう

これでは弁護士は裁判官と対等にわたりあえない。

弁護士が評価しているということは、裁判官を公正・妥当な訴訟指揮や判決に導く一つの要素になる。法廷という密室の出来事を、当面はこのネット上の関西の弁護士の中だけだが、それがいずれ社会に明らかになる可能性があるからだ。

多くの関西の弁護士の参加をお願いする

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最高裁が驚くべき内容の要請を日弁連にしたらしい。
【裁判所からの人選・推薦前に、派遣を希望する裁判官に直接依頼したり、内諾を取ることのないように願いたい】とまである。

裁判官がどこで、何を講演しようが、本来はその裁判官が自己の責任と裁量で決めればよいことだ。
講演することが、裁判所の職務に影響するというなら、裁判官が本、論文を書くことも職務に
影響する。出版社が本を出す場合に、最高裁に執筆者の推薦をお願いするのと同じ論理だ。

裁判官が司法改革の中で、せっかく自由に発言する雰囲気がでてきた芽を摘むことになる。

それを日弁連の事務次長が、これを無批判に受け入れ、各単位会に通知をしたという。
単位会の関係者から知った

日弁連も腰抜けだ。日弁や単位会の集会やシンポに、現職の裁判官の講師の選任依頼は弁護士会の自由だ。【趣旨は判りましたが、これでは最高裁の権威も落ちるのでは!】などと最高裁の課長の申し入れ
をやんわり、断わるのが、長い目で見ると、双方の利益になったはずだ。

【あの裁判官は、このシンポジウムのテーマ-にピッタリだから講師にお願いするとか、実務経験からみると、あの裁判官にでて、話をして欲しい】と、単位会の現場サイドでは講師の選定に苦労する

ところが、それが最高裁や高裁長官の推薦する裁判官では、弁護士会のシンポも最高裁の許される範囲
の講師しか選定できない

最高裁もどうかしているが、これを受け入れる日弁の事務局ももっと狂っている。
司法は自由な討論が命だ。それが最高裁ご用達では面白くも何もない。

以下に最高裁の通知を掲載する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
平成18年3月13日

日本弁護士連合会事務次長 山本真弓殿

  最高裁事務総局総務局第一課長 中村慎
  最高裁事務総局人事局任用課長 堀田眞哉

「弁護士会から裁判所に対する講師等派遣・推薦依頼手続について(依頼)」

 弁護士会(弁護士会連合会、日本弁護士連合会を含む。以下同じ)が開催する研修、セミナー、シンポジウムなど名称の如何を問わず各種の会合における講師、パネリスト等(以下、講師等という)として、裁判所の派遣・推薦を希望される場合の手続については、下記の通りとして下さい。
 なお、最高裁事務総局に勤務する裁判官がその所掌する事務に関し講師等をする場合は除きます。
 おって、これらについては、弁護士会連合会、単位弁護士会に対しても、適宜の方法で周知するようお願いします。
               記

1 依頼先
 (1) 講師等の派遣・推薦の依頼先は、会合の主催者(会合の主催者が複数である場合には、当該会合の実質的な主催者とする。)の別により、次のとおりとする。
 ア 主催者が日本弁護士連合会の場合
  最高裁判所(事務総局人事局長宛)
 イ 主催者が弁護士会連合会の場合
  対応する高等裁判所
 ウ 主催者が単位弁護士会の場合
  対応する地方裁判所又は家庭裁判所
 (2)弁護士会連合会又は単位弁護士会にあっては、(1)により定めた依頼先裁判所又はその管轄内にある裁判所に所属する裁判官からは講師等として適するものを得ることが困難と思われる事情がある場合には、次の依頼先に講師等の派遣・推薦を依頼することができる。
 ア 弁護士会連合会 最高裁判所
 イ 単位弁護士会 対応する地方裁判所又は家庭裁判所を管轄する高等裁判所(ただし、当該高等裁判所又はその管轄内にある裁判所に所属する裁判官からは講師等として適するものを得ることが困難と思われる事情がある場合には、最高裁判所)

2 人選
 弁護士会が依頼先裁判所に対し、人選についての希望を伝えることは差し支えないが、裁判所の人選は事務への支障などを総合的に検討して行うため、弁護士会の希望通りの人選とならないことがあるので、その点留意されたい。
 なお、裁判所からの人選・推薦前に、派遣を希望する裁判官に直接依頼したり、内諾を取ることのないように願いたい。

【法を形式的に解釈するか、柔軟に解釈し運用するか。それが判決の結論を左右している】

最高裁で高裁の判決が破棄されるのが多いことにビックリした。
今年1月から3月10日までに民事・行政事件で合計17件も破棄されていた。
熊谷組の政治献金の最高裁上告事件で、高裁判決が破棄されるケースを調べている途中で発見した。
http://courtdomino2.courts.go.jp/judge.nsf/View1?OpenView

高裁判決が法律や契約書面の形式性から判断しているのに対して、最高裁の方が実態を直視し、法を柔軟に運用、解釈して判断しているケースが、上記破棄判決事例に比較的多いことに気がついた。

1 利息制限法の解釈などについては高裁は法律や書面に書いてあるとおり判断する傾向があるのに対して、最高裁は消費者契約者保護理念から実質判断をしている。
貸金請求事件 (最高裁判所 平成16年(受)第1518号 平成18年01月13日 第二小法廷判決 破棄差戻)などである。

2 平成17年12月16日 第二小法廷判決 平成16年(受)第1573号 敷金返還請求事件ふ 賃借建【物の通常の使用に伴い生ずる損耗について賃借人が原状回復義務を負う旨の特約が成立していないとされた事例】などはその典型である。

3 公務外認定処分取消請求事件 (最高裁判所 平成14年(行ヒ)第96号 平成18年03月03日 第二小法廷判決 破棄差戻し)原審 福岡高等裁判所宮崎支部 (平成12年(行コ)第8号)
【重い心臓疾患を有する地方公務員の死亡と同人が公務としてバレーボールの試合に出場したこととの間に相当因果関係があるということはできないとした原審の判断に違法があるとされた事例】もそうだ。

4 平成18年01月19日 第一小法廷判決 平成15年(行ヒ)第299号 違法公金支出返還請求事件【県議会議員の職にあった者を会員とする元県議会議員会の内部的な行事等に要する経費を補助するためにされた県の補助金の支出が県の裁量権の範囲を逸脱したものとして違法であるとされた事例】

それだけではない。
通常の民事事件でも高裁判決が形式的であり最高裁で破棄されている。

5 例えば平成18年2月21日第3小法廷判決の占有権に基づく妨害予防請求事件等も同様だ。
占有は実質判断なのに、法律形式だけで棄却している。極めて高裁判決は理論的に精緻なように見えるが
実態を見ない形式判断である。これに対して最高裁は実態から法の適用を検討して破棄している。

6 平成18年02月07日 第三小法廷判決 平成17年(受)第282号 建物明渡請求事件
【 買戻特約付売買契約の形式が採られていても,目的不動産の占有の移転を伴わない契約は,特段の事情のない限り,債権担保の目的で締結されたものと推認され,その性質は譲渡担保契約と解するのが相当である】も同じだ。

7 3月10日の朝日新聞記事もこの部類だ。
民事訴訟で、裁判所は当事者同士の主張を戦わせる審判役に徹するべきか、それとも不条理な結論が出ないよう当事者を手助けすべきか――そんな問題に最高裁は10日、「ある程度手助けすべきだ」との答えを示し、二審判決を破棄し、東京高裁に審理のやり直しを命じた。

若い裁判官ほど【法律】【書面】などを重視しすぎ、法を形式的に解釈しすぎる。その事件の実態や背後にある事実を見ないことを嘆く年配弁護士も多い。それを立証しようとすると形式【争点】だけに絞りたがる。年配弁護士の感覚と上記高裁判決が破棄されることと結びつく。

(もちろん若い裁判官でも最高裁裁判官以上に、実態を直視し、法の解釈、運用に柔軟な裁判官も多い
下級審の実態を直視した判決が、上に行くほど、硬直的になる場合も多い)

なお、今の最高裁は必ずしも法の運用、解釈に常に柔軟とは言えない。
消費者などの言わば「弱者救済型事件」では柔軟な解釈をするが、行政側には甘い判決となっているからだ。以下の判決がそれだ。

8 1審が市民を救済したのに、高裁が逆転させ、最高裁がこれを肯定した大法廷判決がそうだ。
【平成18年03月01日 大法廷判決 平成12年(行ツ)第62号、平成12年(行ヒ)第66号 国民健康保険料賦課処分取消等請求事件】

9 平成18年03月10日 第二小法廷判決 平成13(行ヒ)289 個人情報非訂正決定処分取消請求事件国民健康保険診療報酬明細書に記録された個人の診療に関する情報に係る京都市個人情報保護条例(平成5年京都市条例第1号)21条1項に基づく同人からの訂正請求につき市長が行った訂正をしない旨の処分が違法とはいえないとされた事例

10 同じ日の第二小法廷判決も行政側を救済した。
高松市が1999年に建設した市食肉センターを巡り、水質汚濁などを理由に地元漁協へ補償金5億5000万円を支払ったのは違法として、矢野輝雄・市民オンブズ香川事務局長(68)が増田昌三市長を相手取り、補償金全額を市に返還するよう求めた住民訴訟の上告審判決が10日、最高裁第2小法廷であった。 滝井繁男裁判長は「違法な公金支出とは言えない」と述べ、全額返還を命じた2審・高松高裁判決を破棄して、原告側の請求を棄却した。市長側の逆転勝訴が確定した。

ゼネコンが自民党に巨額の献金したことを高裁裁判官が肯定した。極めて形式論であった。最高裁の裁判官はゼネコンの献金実態をみてこれこそ、法を弾力的に、柔軟に解釈して高裁判決を破棄して貰いたいも
のだが、はたしてどうか。

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