弁護士阪口徳雄の自由発言

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【情報公開法にインカメラ制度を導入すべだ】
外務省の情報公開請求事件の判決を読んで痛感した。
http://courtdomino2.courts.go.jp/Kshanrei.nsf/c1eea0afce437e4949256b510052d736/c2e195d0f5af665649257134000642cc?OpenDocument

【外務省が報償費(外交機密費)の支出文書を不開示としたのは不当として、NPO法人「情報公開市民センター」(東京都新宿区)が不開示処分取り消しを求めた訴訟で、東京地裁は28日、文書をほぼ全面的に開示するよう命じた。外務省側は「公にしないことを前提とする外交活動に充てられ、開示すれば支障が出る」と主張したが、大門匡(たすく)裁判長は「そうでない支出が相当数含まれていると推認でき、外務省は不開示理由の立証を尽くしていない」と指摘。説明責任を果たさず、機密を理由に公開を拒む外務省の姿勢を厳しく批判した。】(毎日新聞) - 3月1日10時16分更新

この判決の意義が大きい。今後の多くの情報公開請求に与える影響が大だ。

ところで国などに情報公開請求をすると『外交の秘密』とか『防衛の秘密』とか、『第3者との信頼関係を損ねる』とか言って情報を公開しない。

情報公開請求事件ではないが、五洋建設の談合株主代表訴訟で公正取引委員会の記録に対して文書提出命令の申し立てをした。公取委は『公取委の談合に関する調査・摘発ノウハウが、談合企業に先読みされ今後の調査に支障になる・・・』という趣旨で『その文書の提出により、公共の利益を害し、公務の追行に著しい支障が生じる恐れ』があると言って開示を拒否している。

それほどの公取委の調査にノウハウがあるとも思われない。企業の談合実態を開示した方が国民の監視にに役立つ。国や県の発注者に企業の談合のやり方を開示し、警告を与えた方がはるかに公共の利益にもなる。

それはともかく、民事訴訟法では、国の文書でも文書提出を命じることが出来る(民事訴訟法223条)
『公共の利益を害し、公務の追行に著しい支障が生じる恐れ』があるかどうかはその現物の文書を裁判官だけが、当事者を排除して、コッソリ見ることが出来る【インカメラ】制度がある(同法の223条6項)

東京地裁で係属している五洋建設事件では、今裁判官がインカメラで、公取委の文書を見ている最中だ。
インカメラで裁判官が判断する内容は
・本当にそのような内容を書いているのかどうか?
・文書提出命令により、公取委に被害がでるのかどうか、でるとしてもその大きさがどうか?

開示することのプラスとマイナスを裁判官に判断させる制度だ。(もちろん裁判官だけが見て開示請求する弁護士が見れないという問題が残る)

ところが情報公開法にはこのインカメラ制度がない。従って裁判官も『外交の秘密』とか言われると、どうやら、外交官のワインの飲み代や、絵画の購入費かも知れないと思っても、その現物の文書を見ていないで、開示命令を出すことに躊躇する。このために判決に年月がかかった。

しかし、実物の文書を見せた方が『外交の秘密』だとか『公務の追行に著しい支障が生じる恐れ』とか言われても、インカメラでみれば、ワインの購入だとか、絵画の購入だとかの明細がとっくに判明するはずだった。

この事件の発端は2000年2月、3月の外務省の報償費だ。
裁判所への提訴が2001年6月15日である。判決が2006年2月28日だから約4年8ヶ月もかかっている。支出されてから6年も経過した。

外務省は東京高裁に控訴し、最高栽まで行くだろう。。これでは支出されてから10年以上がかかる。情報が開示されても5年も6年、10年もかかるのでは情報としての価値がない。

この原因の大きな理由が裁判官が現物の文書・情報を見ないで判断することにある。

情報公開法にインカメラ制度の導入を要請したい。

さる2/14、大阪高裁で、旧橋本派の収支報告書の開示を求めた判決に対して一部だけ最高裁に上告した

この判決の主文は次のとおりだった。
1原判決を取り消す。
2本件訴えを却下する
3訴訟費用は1審、2審とも被控訴人=原告の負担とする

これに対して最高裁に上記3項だけの取り消しを求めて上告受理の申し立てをした。
【訴訟費用は1審は国が負担し、高裁の訴訟費用は2分しその1を国が、その1を原告が負担する】
とするべきだという上告だ。

この判決の経過は「政治とカネ11」に書いた
http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/26631606.html

上記1、2の主文が当然としても訴訟費用が【1審、2審とも被控訴人の負担とする】
という3項の主文が市民感覚から見ておかしいので、この内容だけ最高裁に上告した。

モトモトこの訴訟は収支報告書を開示しなかった国=総務省がおかしいのだ。
その不開示処分の取消しを求めて原告が大阪地裁に提訴した。
国は何ら不開示処分の正当な理由を主張できず、原告が勝訴し、国が敗訴した。
ところが、国は引き伸ばしをして、結局のところ10月に開示した。

収支報告書が開示された以上、その開示を求める理由がなく
上記判決のとおり高裁で却下になった。

高裁では形式的理由で却下になったとしても、この責任は原告にない。
収支報告書の開示を拒否し、その上、1審判決を尊重せず、引き伸ばしの為に高裁に控訴
した国が悪いのだ。

にも関わらず、【1審、2審とも被控訴人の負担とする】というのは
高裁の裁判官が、常識がない、というより【安易】すぎるのだ。

本来なら
【訴訟費用は1審は国が負担し、高裁の訴訟費用は2分しその1を国が、その1を原告が負担する】
とすべきだった。

総務省は情報公開法が出来た段階で即時開示にすべきだった。
しかし、【安易】に従来どおりの9月か10月に開示してきた。

高裁の裁判官も却下で原告が敗訴したのだから【安易】に上記主文となった
訴訟費用と言っても16000円位の印紙代だ。最高裁上告費用は26000円が必要だ。
原告の公認会計士がかえって損をしている。

この裁判の終結が2005年12月21日であった。判決日は2006年2月14日だった。
判決理由は6行で、それも、上記のとおり実態を見ない主文になっている。
このような判決なら、翌日の12月22日でOKだ。【安易】すぎる

このような【安易】な判決に警鐘し、裁判官(裁判長横田勝年、植屋信一、末永雅之)
に、どんな判決でも国民の求めにキチント実態を見て判断するべきだと言う意味を込めて上告した。

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