弁護士阪口徳雄の自由発言

裁判・社会活動の中で感じたことを発言します

司法・裁判

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1 最高裁裁判官の構成

最高裁の裁判官は15名。
裁判官の出身者は6名。弁護士出身者は4名。検事出身者は2名。官僚出身者が2名。学者出身者は1名。
http://www.courts.go.jp/saikosai/about/saibankan/index.html

戦後間もなくは裁判官出身者が5名。弁護士出身者が5名、検事出身者は2名、学識経験者が3名という構成だった。ところがいつのまにか裁判官出身者は6名、弁護士出身者は4名、検事出身者は2名、学者出身者は3名から1名にされ、官僚が学識経験者にとって変わり2名に変わった。

官僚統制が裁判所にも及び、弁護士、学者のような民間人が少なくなった。

2 最高裁裁判官を実際は誰が決めているのか

憲法上、最高裁判事は内閣が選ぶことになっている。
しかし実際の運用は次のように選ばれていると云われている。

裁判官出身の判事(6名)の推薦は、最高裁長官が内閣に推薦し、そのママ任命されている。
検事出身の判事(2名)の推薦は検事総長らが最高裁長官に推薦し、内閣が任命する。

弁護士出身の判事(4名)は、弁護士界の複数推薦(2名から3名)の中から、誰を内閣に推薦するかも最高裁長官が握っている。

学者出身の裁判官は最高裁長官や事務総局が選んでいると言われている。

官僚出身の判事(2名)の推薦はよく分からないが、出身母体官庁(外務省、内閣法制局、厚労省)のトップが最高裁長官に推薦するのであろうと言われている。

今回の竹内行夫は外務省枠であったので、おそらく外務省のトップか、内閣官房と協議し、最高裁長官に推薦し、内閣がOKしたのであろう。この人事には最高裁長官が介入できない。

3 国民審査の対象になる8名の裁判官の評価

今回の国民審査の対象になる最高裁判事は8人。
http://www.courts.go.jp/saikosai/about/saibankan/index.html

那須弘平(弁護士出身)涌井紀夫(裁判官出身)田原睦夫(大阪弁護士会出身)近藤崇晴(裁判官出身)宮川 光治(弁護士出身)櫻井 龍子(厚労省官僚出身)竹内 行夫(外務省出身)竹崎博允(裁判官出身)

裁判官出身の最高裁判事はどうしても現状を追認する判決をする傾向が強い。地裁、高裁時代に現状を追認してきた判例を出してきた手前、最高裁判事になったからと言って突然に行政を批判する考えに変わらないからである。
(地裁、高裁時代に行政を批判する判決をする裁判官は、そもそも最高裁判事に選ばれない)
この裁判官達はほとんど×が妥当。

検察官出身の裁判官は一貫して体制を擁護する判例に組みすることは間違いがない。
これには全部×が正しい。

弁護士出身の判事はバラバラである。比較的関西からでた弁護士出身の判事は良い傾向がある。東京から選ばれる弁護士は今までは保守的、現状追従傾向が強い。
ケースバイケースである。

官僚出身の判事は現状追従そのもの。
これには全員×が妥当。

学者出身の判事はバラバラであるが傾向としては、民間人であるので、行政に批判的な傾向が強い。(今回の国民審査の対象には今のところ学者出身者は含まれていない)

このように書くと今回の国民審査の対象になる8名のうち、関西出身の弁護士1名を除き残り7名に×を呼び掛けているように見える。

最高裁判例を見ている年寄りの弁護士からみれば上のように呼びかけたい。しかし受け取る国民からみると、知らない裁判官に×をするのが、気が引けるらしい。

どうせ呼びかけても、あまりこの問題は世論の多数にならない。

それなら、憲法9条の改悪に反対する人達、イラク戦争協力に反対する人達、自衛隊の暴走に心配する人達に、竹内行夫だけは×と呼びけることが正解となり、社会にも分かりやすい。

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≪最高裁裁判官の国民審査で、竹内行夫にバッテン(×)を!≫

最高裁裁判官に、任命された元外務次官の竹内行夫に×の呼びかけが、私のところにも届いた。イラク派兵に反対する弁護団の一員からだ。
http://www1.ocn.ne.jp/~mourima/08.10.27takeuti.pdf

小泉政権のイラク戦争支持やイラク派兵を進めた張本人で,イラク戦争支持の日本政府に抗議した天木直人元レバノン大使をクビにした張本人でもあるという。

天木元大使が自身のブログでこの点を指摘している。

『竹内行夫元外務次官の最高裁判事就任に異を唱える』
http://www.amakiblog.com/archives/2008/10/16/#001184

行政の違法、不正行為を是正するはずの最高裁の裁判官に、行政庁のトップに登りつめた者がなることは、三権分立の原則からしておかしい。

昭和46年1月、外務省の下田武三外務省次官(もと駐米大使)が最高裁裁判官に任命された。外務省のトップが最高裁の判事に任命されることは戦後初めてであった。これが、日本の司法の一つの大きな曲り角になった。

昭和44年1月に石田和外という、今問題になっている田母神航空幕僚長と同じような考え方(超ウルトラ右翼)の人物が、最高裁長官に当時の政府・自民党によって任命された。

彼は当時の、裁判所の自由の雰囲気の芽生えを、政府、行政機関に忠実な裁判所に「改悪」しようとした。

当時の裁判所は、行政をチエックする違憲判決などが出始めた時期だった。
国、行政が司法で裁かれるという三権分立の方向が見えだした時期でもあった。

当時の自民党・政府は、石田和外長官のもとで、昭和46年1月に下田を任命し、同年4月、反動路線を忠実に実践した岸最高裁事務総長を最高裁判事に任命した。

下田、岸を中心として当時の最高裁の良識的判決を転覆にかかった。そのあとの最高裁判決が行政に追従してきたことは語るまでもない。下級審の裁判官の中では、行政を負かす判決をすると出世できないという意識がはびこった。「物言えば唇寒し」という風潮が裁判所を支配した。(この風潮が少なくなったのは、司法改革が実施された1990年代半ば頃までかかった)

司法の反動化に反対する「司法の独立を守る国民連絡会議」が昭和46年5月に結成され、昭和47年12月の総選挙で、「下田、岸、最高裁裁判官に×を!」という運動が展開された。

当時は、だいたい最高裁の裁判官の×は4%か5%前後だった。

投票用紙の最初に氏名のある裁判官の×が多く、順次減少する傾向にあり、最後の人は一番少なかった。これは、有権者が、最初に×をつけるが、だんだん×をつけるのに気が引けるのか途中では×がすくなくなり、終わりの人ほど×が一番少ないという現象があった。

投票用紙の順番はくじで決定される。
そのような×の傾向であっても、誰もがその用紙のトップになることを嫌がったという。投票結果を見て、誰が一番×が多いとか、誰が少ないとかの話が、最高裁裁判官の中で話題がでるようだった(笑)

岸、下田に×点をという運動が広がり、たしか下田は15%という戦後最高の×がつけられた。岸も15%には達しなかったが当時で2番目に多い×であった。

それまでは、上記のような実態であったので、国民審査は死んだ制度と言われていた。廃止論まででていた。

仮に罷免までは至らなかったとしても、いざというとき、すなわち、政府が御用裁判官を選んだ時に、それなりに威力を発揮することが、この下田・岸×運動の中で証明された。廃止論は少なくなった。

今度の総選挙で、審査の対象裁判官は8名だが、この中で竹内行夫裁判官に×を集中するやり方は賛成である。

憲法九条をないがしろにするイラク派遣を推し進めた外務次官は最高裁裁判官には相応しくないことは明白。

麻生タカ派内閣がタカ派の竹内最高裁判事を選んだ。
国民はこの選択に×を集中しよう。

この×運動は公職選挙法の適用がないので、事前運動、個別訪問、文書配布(メールでの呼び掛け、HPの更新など)はすべてOK。

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≪橋下弁護士は何故控訴するのか≫

橋下知事は800万円の損害賠償を命ぜられた地裁の判決に

【皆さんにご迷惑をおかけした。自ら法律解釈を誤り、表現の自由の範囲を逸脱した。一審の判断は重い」

と神妙な表情で謝罪しながら 一方で

「三審制もあるので高裁の意見をうかがいたい」
と、控訴する方針を明らかにしたという。

お粗末な弁護士の発言を巡って、ブログに書くことすら、馬鹿らしいが、記者から、取材を受けたので、
今後、同じ取材がある可能性があるので、ブログに書くことにした。

橋下弁護士の発言は判決によると、光市弁護団の主張が

「堂々と21人の資格を持った大人が主張すること、これはねえ、弁護士として許していいのか」

「明らかに今回はあの21人というか、あの安田ていう弁護士が中心になって、そういう主張を組み立てたしか考えられない」

「ぜひね、全国の人ね、あの弁護団に対してもし許せないと思うだったら、一斉に弁護士会に対して懲戒請求をかけてもらいたいんですよ」

と続く

彼の発言は、光市弁護団が(被告人が言ってもいない事実を、死刑を免れるためとかの理由で)創作したという事実を前提に懲戒請求を呼び掛けていることが明白である。

判決は「刑事事件において被告人が主張を変更することはしばしば見かけられることでもあるし、本件でも従前の弁護人の方針により上記主張をしなかったことも十分に考えられるから、弁護団が創作したものであるかどうかは、弁護士であれば少なくとも即断を避けるべきことである」

「摘示された事実の重要部分に・・・・弁護士である被告において真実であると信じたことに相当なり理由があるとは認められない」

として、弁護士であれば当然に解ることを、それを知らないで発言していると厳しく裁判所から批判された。

彼の発言は、弁護士として一番重視しなければならない事実認定の問題でにおいて、間違っていると地裁判決において指摘されている。

これは弁護士として、致命的な欠陥であることを裁判所から宣告されたことになる。

それ以外にも、地裁判決から、刑事弁護人の役割や懲戒制度の在り方まで、説かれ、橋下弁護士の初歩的な誤りを完膚なきまで断罪されている。

この判決によると、彼の行動が、基本的、初歩的な弁護士としての誤りであることなる。

これに対して、橋下弁護士は、「法律の解釈を間違えた」「表現の自由を逸脱した」とあたかも多様な解釈があるが、今回はたまたま法律の解釈を間違えたから、高裁の判断を仰ぐという論理に結び付く。

この判断は高裁に行ってもおそらく重要な部分では変更されないだろう。

にも関わらず何故高裁に控訴するのか。

彼の「謝罪」発言は、弁護団が「創作した」という事実誤認(初歩的誤り)を指摘されている点を社会に対して、当面ごまかし、他方で、法律の解釈を間違えたということにして、高裁の判断を仰ぐという論理にすり替えている。

同時に、控訴する本当の理由は

この地裁判決のママで判決が確定すると、大阪弁護士の綱紀委員会、懲戒委員会はこの地裁判決を一つの資料にして、懲戒事由の有無、ならびに、懲戒の軽重の判断をすることになる。

この判決が懲戒の資料にされれば、弁護士として初歩的な誤りを、確信犯的に行ったと弁護士として、厳しい懲戒処分になる可能性が高い。

控訴すると、弁護士会の綱紀委員会が高裁の判決待ちになる可能性もある。

弁護士会の懲戒の開始を、引きのばしするために控訴した可能性が高い。

もう一つの可能性は高裁で、光市弁護団に謝罪し、金銭を払う和解を目的に控訴し、懲戒処分を軽減する道の可能性を探る目的もあるのでないか。

弁護団が和解に応じるかどうかは不明だが、高裁の裁判官は和解を勧告するのが常態であるから、それに便乗して和解をする道を探った可能性である。

和解すると弁護士会の懲戒処分の軽重に影響することは間違いがないからである。

以上が私の感想である。

橋下知事は「原告弁護士に合計800万円及びこれに対する平成19年5月27日から支払済みに至るまで年5分の割合による損害を払え」と裁判所から命じられた。
http://wiki.livedoor.jp/keiben/d/FrontPage

橋下知事の完敗である。
判決内容も極めて常識的で予想された当然の判決。

≪おそらく損害賠償請求には、このママでは橋下弁護士は敗訴の可能性が高い≫と以前にブログに指摘した。http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/52875077.html

このような扇動にのって懲戒請求をした視聴者も

≪もし懲戒請求した弁護士から損害賠償をされたら、金額は1万円から10万円の範囲で、過失責任は肯定され、損害賠償が裁判所で認定される可能性がある≫とも指摘した
http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/53048896.html

その指摘の通り、橋下知事に合計800万円の損害賠償が命じられた。

橋下知事は損害賠償を免れようと実に裁判所で姑息な主張をしている。

光市の弁護士に
「一斉に・・・懲戒請求をかけてもらいたいんですよ」

「誰でも彼でも・・・懲戒請求を立ててもらいたですよ」

「1万とか2万とか10万とかこの番組見ている人が一斉に・・・懲戒請求かけてくださったら・・・弁護士会の方としても処分出さないわけにはいなかないですよ」

と発言している。この発言は素直に聞けば、懲戒請求を多数扇動していることは明白である

にも関わらず橋下弁護士は

≪弁護士法上の懲戒制度の存在を広く告知する目的で発言しただけであり≫
と姑息な逃げ方をしている。

裁判所の判決は

「原告らを含む弁護団に属する弁護士に対する懲戒を大規模に行うように、マスメデァを通じて呼びかけるものであることは否定する余地がない」
と厳しく断罪。

橋下の弁解は、見苦しい限り。

弁護士として事実を十分調査せず、懲戒を呼びかけたから弁護士達の名誉を毀損し業務を妨害したことによる民法709条の不法行為に該当すると認定された。

おそらくこの論調では、橋下弁護士に対する大阪弁護士会による、懲戒請求も肯定され、業務停止などになる可能性も多いにある。

橋下弁護士は、弁護士経験が浅い。
経験がいかに浅くても、弁護士としては軽率そのもの。

このような「幼稚な」弁護士の尻馬に乗り、そのまま報道した読売テレビの責任も同罪。

視聴者も、テレビのバラェテイ番組に出演する幼稚な弁護士の尻馬にのって懲戒請求などをしていると、今度は自ら損害賠償をされる危険性があることを示す事件。

要注意!!
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山口・光の母子殺害:弁護団賠償請求訴訟 橋下知事に賠償命令−−広島地裁

 ◇「懲戒」扇動は違法 テレビ発言「弁護団に支障」
 山口県光市の母子殺害事件(99年)を巡り、橋下徹弁護士(現・大阪府知事)のテレビ番組での発言で懲戒請求が殺到し業務に支障が出たなどとして、被告の元少年の弁護士4人(広島弁護士会)が計1200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が2日、広島地裁であった。橋本良成裁判長は「発言と懲戒請求との間に因果関係があることは明らか」として橋下氏に原告1人当たり200万円、計800万円の支払いを命じた。橋下氏は控訴する方針。

 視聴者の行為を促した発言が違法と認定されたことで、今後の番組制作や出演者のコメントに影響を与える可能性もある。

 判決によると、橋下氏は昨年5月放送の情報バラエティー番組「たかじんのそこまで言って委員会」(読売テレビ)で光市事件の弁護団を批判。事件の動機が「失った母への恋しさからくる母胎回帰によるもの」などとした弁護活動に対して、「許せないって思うんだったら一斉に弁護士会に懲戒請求をかけてもらいたい」などと発言し、4人に計2500件以上の懲戒請求が届いた。

 原告側は「発言は名誉棄損に当たり、裏付けのない理由で不特定多数の視聴者に対して懲戒請求を扇動する行為は違法」などと主張。橋下氏側は「懲戒請求は(請求者の)自発的意志に基づくもの」として発言との因果関係を否定していた。

 判決は、発言と損害の因果関係について「番組放送前に0件だった原告への懲戒請求が放送後に急増したのは、発言が視聴者に懲戒請求を勧めたためと認定できる」と指摘。「弁護団が元少年の主張を創作したとする証拠はなく、橋下氏の憶測に過ぎない」などと発言は違法と断じた。

 日弁連によると、弁護団メンバーに対し07年末までに計8095件の懲戒請求があったが、各弁護士会は「適正な刑事弁護」として懲戒しないことを議決している。【矢追健介】

 ◇法解釈誤っていた−−橋下徹弁護士(大阪府知事)の話
 大変申し訳ございません。私の法解釈が誤っていた。裁判の当事者のみなさん、被告人、ご遺族に多大な迷惑をおかけした。

 ◇刑事弁護に理解−−原告弁護団の児玉浩生弁護士の話
 我々の主張が全面的に認められた。裁判所に刑事弁護での弁護士の役割を理解してもらえた。

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 ◇判決骨子◇
◆名誉棄損にあたるか

 懲戒請求を呼びかける発言は、原告の弁護士としての客観的評価を低下させる

◆懲戒制度の趣旨

 弁護士は少数派の基本的人権を保護すべき使命も有する。多数から批判されたことをもって、懲戒されてはならない

◆発言と損害の因果関係

 発言と懲戒請求の因果関係は明らか

◆損害の有無と程度

 懲戒請求で原告は相応の事務負担を必要とし、精神的被害を受けた。いずれも弁護士として相応の知識・経験を有すべき被告の行為でもたらされた

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 ■解説

 ◇「根拠ない請求」戒める
 テレビを通じて懲戒請求を促した発言の違法性が問われた裁判で、広島地裁は橋下氏が単なるコメンテーターではなく、懲戒請求の意味を熟知した弁護士だったことで極めて厳しい判断を示した。光母子殺害事件報道についても、弁護団が「一方的な誹謗(ひぼう)中傷の的にされた」と苦言を呈した。

 根拠がないことを知りながら懲戒請求するのは違法とした最高裁判決(07年4月)がある。原告側によると、今回の請求の中には署名活動感覚で出されたものが多くあった。橋下氏は自らは請求しなかったが、判決は橋下氏が弁護士である以上「根拠を欠くことを知らなかったはずはなく、違法性がある」と断じた。

 懲戒請求は弁護士の品位を保つためにあり、数を頼んで圧力をかけることは想定していない。判決は「懲戒請求を呼びかけ、弁護士に心理的、物理的負担を負わせたことは不法行為」と批判。「弁護士は少数派の基本的人権を保護すべき使命もある」と強調し、(橋下氏の主張は)「職責を正解せず失当」とまで述べた。

 報道に関しては、問題の番組は録画にもかかわらず、発言をそのまま放送した。専門家は「弁護団の主張に違和感があっても、『気に入らないから懲らしめろ』では魔女狩りと変わらない。冷静な議論を」と警鐘を鳴らす。【矢追健介】

毎日新聞 2008年10月2日 東京夕刊

「土地区画整理計画、訴訟の対象に」最高裁が判例変更(2008年9月10日16時29分 読売新聞)

最高裁新判例
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=36787&hanreiKbn=01

市民から見れば当然の判決。

国などのダム建設、高速道路などの計画段階から、住民が訴訟ができることになり、この最高裁判例は大きな影響を与えることになろう。

昭和41年2月23日最高裁が「土地区画整理事業計画の決定は、その公告がなされた段階においても、抗告訴訟の対象とならない」として原告住民の訴えを却下(門前払い判決)した。

区画整理事業の計画は「青写真」であって、未だ、「計画段階」では住民の権利を具体的に侵害していないという論理であった。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=28059&hanreiKbn=01

このような計画段階で訴訟をすると「まだ早い」と言って却下(門前払い判決)し、他方で、事業計画が実施(完成)されてしまうと「もう遅い」と言って却下(門前払い判決)する。

このためにどれだけ、多くの住民が泣かされてきたことか。

当時は、できるだけ、裁判所は住民の訴訟ができないような屁理屈を述べて却下した。

私達は、日弁連の司法シンポで、「まだ早い」「もう遅い」と言って却下する最高裁の判例を批判し続けてきた。

非常識な昭和41年最高裁判例の変更まで42年もかかった。国の政策・計画などに関する、最高裁の裁判官の意識が変わったのでなく、国民の意識の変化がこの判例変更を生み出したのであろう。感慨深い。
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「土地区画整理計画、訴訟の対象に」最高裁が判例変更(2008年9月10日16時29分 読売新聞)

 自治体が決定した土地区画整理事業の計画について、住民が計画決定の段階で取り消しを求めることができるかどうかが問われた訴訟の上告審判決が10日、最高裁大法廷(裁判長・島田仁郎長官)であった。

 判決は「判例を変更し、事業計画の決定は訴訟の対象とすべきだ」と述べ、原告側の請求を却下した1、2審判決を破棄、審理を1審・静岡地裁に差し戻した。

 15人の裁判官全員が判例変更の判断を示した。事業計画が決定された後に起こされた取り消し訴訟は審理の対象にはならないとする最高裁判例が、42年ぶりに見直された。

 原告は浜松市内などの住民29人。同市が2003年11月に決定した上島駅周辺土地区画整理事業の事業計画決定の取り消しを求めた。


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