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災害弔慰金の支給に配偶者、子供、親などの遺族がいない場合に兄弟姉妹も含めるべきという立法改正の運動を開始している。
その中で条例で≪兄弟姉妹に災害弔慰金を支給する≫と定めながら、実際のHPの案内では誤解を生じる案内をしている自治体があるという指摘が東京の弁護士からあった。
東松島市の条例では
≪第4条 災害弔慰金を支給する遺族の範囲は、法第3条第2項の遺族の範囲とし、その順位は、次に掲げるとおりとする。 (1) 死亡者の死亡時において、死亡者により生計を主として維持していた遺族を先にし、その他の遺族を後にする。 (2) 前号の場合において、同順位の遺族については、次に掲げる順序とする。 ア 配偶者 イ 子 ウ 父母 エ 孫 オ 祖父母 2 (略) 3 (略) 4 第1項に掲げる遺族がいない場合で、死亡した者と生計を一にしていた兄弟姉妹がいるときは、その者に対して災害弔慰金を支給するものとする。≫ 東松島市災害弔慰金の支給等に関する条例
ところが実際の東松島市の災害弔慰金の支給案内では
東北地方太平洋沖地震で死亡された方のご遺族に対して、東松島市災害弔慰金の支給等に関する条例に基づき、災害弔慰金を支給します。
■対象となる方
東北地方太平洋沖地震により死亡した方で、被害を受けた当時、東松島市に住所を有していた方のご遺族が対象となります。 遺族の範囲・順序は次のとおりです。 (1)配偶者 (2)子 (3)父母 (4)孫 (5)祖父母 とだけ案内され、その遺族がいない場合に≪生計を一にしていた兄弟姉妹に支給する≫案内が抜けている。 宮城県色摩町も同じ
色摩町の案内(東松島市と同じ案内)
東北の弁護士のブログに兄弟姉妹の関する相談が多いという報告がある。
もし、このような被災者が、東松島市等の市役所に相談して、その案内人が条例を知らずに兄弟姉妹は無理ですねと回答すれば、泣き寝入りする可能性がある。
おそらく、これらの自治体ではHPの作成を業者に依頼し、この条例に詳しい職員が被災しているなどのケースでは、このような不十分な案内を非難できないが、条例を知っている市民が少ないのであるから、丁寧な案内をすることが求められる。
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震災
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≪兄弟姉妹に災害弔慰金の支給を弁護士有志が政府に要請≫
災害弔慰金の支給は親、子供、祖父(母)がいない場合は兄弟姉妹がお互いに助けあって生計を維持していても支給されない≪矛盾≫は
『災害弔慰金・義援金を兄弟姉妹にも給付する改革・改善をすべき(震災10)』で指摘した。http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/62778122.html
その後、弁護士の多くが参加する東日本大震災MLに同様の相談があることが報告されている。
例えば≪4月30日私が行った宮古の避難所でも、生計維持者でもある独身の兄と二人暮らししていた妹が、津波でなくなった兄について喪主となって葬式を出したにもかかわらず、全く支給の対象外にされている≫
同じ被災地の自治体で宮城県東松島市、栗原市などの一部の市町村では、単独予算で兄弟姉妹にも災害弔慰金を支給できる条例を制定していることが判明した。
東松島市
栗原市
この問題を最初に問題提起した岩手県の遠野市の亀山元弁護士が政府に次のような要望書を出すので弁護士達に賛同の要請メールがあった。
なお、このブログを見た弁護士の方で賛同される方は、abc5def6@yahoo.co.jp に『氏名・所属単位会』を書いてメールを下さい。マスコミの記者の方、ぜひこの問題の報道をお願いしたい。
なお、被災地の県、市町村にもほぼ同じ内容の条例(又は要綱)を作り兄弟姉妹にも支給するように要請する予定。
要 請 書
(死亡者の兄弟姉妹に対する災害弔慰金の支給について)
2011年(平成23年)5月 日
内閣総理大臣 菅 直人 殿
〒028―0513
岩手県遠野市東穀町8番13号
遠野ひまわり基金法律事務所
TEL:0198−63−1755
FAX:0198−63−1756 弁護士 亀 山 元
外別紙賛同者弁護士○○名
平成23年3月11日に発生した東日本大震災に関する災害弔慰金の支給に関し、以下の通り、要請致します。
第1 要請の趣旨
災害弔慰金の支給等に関する法律第3条第2項の遺族の範囲を改正し、遺族の範囲に兄弟姉妹も含むこととし、兄弟姉妹にも災害弔慰金が支給されるよう要請致します。
第2 要請の理由
災害弔慰金の支給等に関する法律(以下「災害弔慰金支給法」といいます。)3条2項では、災害弔慰金の支給対象たる遺族は、死亡者の「配偶者、子、父母、孫及び祖父母」とされており、死亡者の兄弟姉妹は除かれています。したがって、死亡者に「配偶者、子、父母、孫及び祖父母」がいない場合には、兄弟姉妹がいても、その兄弟姉妹は災害弔慰金を受領できない結果となります。そして、災害弔慰金の支給方法は市町村の条例に委ねられているところ(同法3条1項)、多くの被災地の市町村の条例も、遺族の範囲を災害弔慰金支給法と同じにして兄弟姉妹を除いています。災害弔慰金支給法通りの条例でないと、国2分の1、県4分の1の災害弔慰金の負担が市町村に措置されない結果となるからです(同法7条)。
しかし、被災地における弁護士に対する相談においては、死亡者の兄弟姉妹から、兄弟姉妹が震災によって亡くなったにもかかわらず、災害弔慰金を受領できないことはおかしい、不公平だという声が寄せられています。中には、兄弟姉妹と二人暮らしであり、唯一の同居の家族である兄弟姉妹が亡くなったにもかかわらず、災害弔慰金が受領できないというケースもあります。
死亡者の兄弟姉妹は、災害によって兄弟姉妹を失ったという悲しみに加えて、災害弔慰金を受領できないことにより、不公平感や失望感を抱くことになります。これでは、被災者の復興への意欲を削ぐことにもなりかねません。
他方、被災地自治体でも、宮城県東松島市、栗原市などの一部の市町村では、単独予算で兄弟姉妹にも災害弔慰金を支給できる条例を制定しています。居住する自治体が異なることで災害弔慰金が受領できないことになれば、被災者が不公平だと感じることは避けられません。
また、義援金についても、例えば岩手県等、支給対象を災害弔慰金の支給と同一の基準としている場合も多く、死亡者の兄弟姉妹は、災害弔慰金のみならず、義援金も受領することができない事態が生じているのが現状です。家族が亡くなったにもかかわらず、災害弔慰金も義援金も受け取ることができないのでは、その被災者には、家族の死亡についての救済が全く及んでいない結果となってしまいます。
従来の法律と比較しても、例えば、戦傷病者戦没者遺族等援護法では、弔慰金の支給対象である遺族には、兄弟姉妹が含まれていますし(同法35条)、また、犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律でも、遺族給付金の支給対象である遺族には、兄弟姉妹が含まれています(同法5条1項)。このように、従来の法体系の遺族概念との整合性から考えても、災害弔慰金の支給対象たる「遺族」には兄弟姉妹を含ませるべきです。
特に、生計を一にして生活をしていた同一世帯の同居の兄弟姉妹が亡くなった場合に、災害弔慰金が全く支給されないという結論では、死亡者の兄弟姉妹が不公平感を抱くのは当然といえます。東日本大震災の被災地域は、核家族化が進んでいる都市部と比較して、兄弟姉妹が生計を一にして生活している世帯も多いと考えられます。被災者の救済のために、少なくとも生計を一にしていた兄弟姉妹には災害弔慰金を支給すべきです。
そこで、災害弔慰金支給法第3条2項を改正するか又は死亡者の兄弟姉妹への災害弔慰金分を市町村に交付する予算措置を講じる国の特別措置により、死亡者の兄弟姉妹にも災害弔慰金が支給されるよう要請致します。 以上
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≪今、菅総理大臣の不信任の提出時期ではないだろう≫
5/5に、浜岡原発地域の20キロメートル以内に親戚の法事があり出かけた。
その時に浜岡原発を見学してきた。
私の関心は福島原発事故を受け、地震、津波対策がどのように変更しているのか知りたかったからだった。しかし、浜岡原子力館のEゾーン『放射線・地震対策』は以前のままで、「考えられる最大の水位上昇が起こっても敷地地盤を越えることはありません」「津波対策は万全です」とうたっており、福島原発から何を教訓として浜岡原発に生かすのかを知ることはなかった。
原子力館の展望台から浜岡原発を一望できたが、少し大きな津波が来たら福島原発と同じ事態になる可能性に背筋が寒くなった。一刻も早く、現場を立ち去りたい衝動にかられた。
同じ日に海江田大臣も調査に来ていたことを、当日の夜のニュースで初めて知った。駐車場がないほど見学者が多い理由が判った。
5/6に菅総理の≪中部電力に原発停止要請≫の報道を知った。浜岡原発20キロメートル以内の地域で、お茶の栽培・販売をしている親戚達と本当に良かったと喜んだ。
歴代の総理の中で、脱原発とまでは言わなくても、原発に対して≪危険性≫の側面から消極的な総理は初めてである。パホーマンスとか、根回しがないとか、他の原発はどうするのかとか、非難ごうごうであるが、政治家は国民に安心を与えることが基本。
その菅総理大臣に、原発利権派達が、我慢がならずついに菅総理の不信任の動きに出るようだ。
彼ら連中の常套語は
≪結論がポツントでるだけでその経過が不透明≫
≪政治主導という暴走で、関係する政府機関、自治体などへの根回しがない≫
≪このような指導者では日本の国を危うくする≫
≪今のような対応を続ければ、被害は拡大し、取り返しのつかないことになる≫
菅内閣を支持するわけではないが、菅総理が浜岡原発を停止させたことだけは評価する。今菅総理の引き下ろしを画策している連中は、何だかんだ言っても、原発推進利権派か又はそれに結果として加担するだけ。
自民党の石破議員は
≪不信任案を可決するために全知全能を絞らないといけない≫と言った。
全知全能を絞らないといけないのは東北の被災者の救済の為であって、不信任案ではなかろう。お粗末政治家の典型。
小沢議員が「原発政策で今のような対応を続ければ、被害は拡大し、取り返しのつかないことになる」と批判を強めているというが、≪ではどうすれば今の事態が収拾できるの全く明らかにせず、後付けで批判する≫ようではテレビにでてくる≪3流のコメンテター並みの≫レベル。
小沢チルドレン議員達が署名運動をする暇があるなら、被災地自治体の市町村などを回り、復旧、復興の為に今何が必要か現場からの声を与党議員として政府に声を届けることではないのか。このようなレベルの国会議員を≪政権交代≫という≪津波≫で選んだ自分達=有権者として悲しい。
東日本大震災と福島原発の収拾の見通しが立った時期が来て、日本の総理がどのような人物が相応しいか、国民もあれこれ議論できる「心の余裕」時期がくれば大賛成だが、今の時期は国民がそのような議論、討論すべき気持ちになれない。
この時期に不信任案を提出しようとする政治家達に『何を考えているのか、この馬鹿!!』と怒鳴りたい気持ち。
石破氏 不信任決議案提出目指す
5月14日 16時4分 NHK 自民党の石破政務調査会長は山口市で講演し、菅内閣の政治姿勢について、「政治主導という名の政治暴走に陥っている」と述べ、民主党で菅総理大臣の批判を強めている議員の動向をにらみながら、今の国会に内閣不信任決議案の提出を目指す考えを示しました。
この中で、石破政調会長は、菅内閣の政治姿勢について、「中部電力の浜岡原子力発電所を止めるというのは、見た目はいいかもしれないが、菅総理大臣は、関係機関にも相談せず、今後のエネルギー政策も議論していない。政治主導という名の政治暴走に陥っており、これ以上続けることは被災地のためにも日本のためにもならない」と述べました。そのうえで、石破氏は「菅政権を打倒するには内閣不信任決議案を可決するしかない。衆議院では、民主党が圧倒的な議席を持っており、頭の痛いところだが、不信任案を可決するために全知全能を絞らないといけない」と述べ、民主党で菅総理大臣の批判を強めている議員の動向をにらみながら、今の国会に内閣不信任決議案の提出を目指す考えを示しました。 小沢元代表内閣不信任案賛成を働きかけ
5/15NHK
民主党の小沢元代表が、政府の原発事故への対応などを理由に、菅総理大臣の自発的な退陣を求めているなか、小沢氏に近い議員は、野党側から菅内閣に対する内閣不信任決議案が提出されれば賛成に回るよう、党内で働きかけを強めています。
民主党の小沢元代表は、政府の東京電力福島第一原子力発電所の事故への対応について、「今のような対応を続ければ、被害は拡大し、取り返しのつかないことになる」と批判を強め、菅総理大臣の自発的な退陣を求めています。こうしたなかで、小沢氏に近い議員は、菅総理大臣の政権運営や党執行部に批判的な議員を中心に、野党側から、原発事故の対応などを理由に内閣不信任決議案が出された場合に、賛成に回るよう求める署名活動を行うなど、党内で働きかけを強めています。また、自民党に対しても、不信任決議案を早期に提出するよう促すなど、接触を続けています。一方、働きかけを受けた議員には、不信任決議案に賛成することを決めている議員もいますが、「菅総理大臣の対応がベストだとは思っていないが、原発事故の収束の見通しがたたないなかで政局を起こすべきではない」という指摘も出ています。
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≪災害弔慰金・義援金を兄弟姉妹にも給付する改革・改善をすべき≫
災害弔慰金の支給等に関する法律は議員立法の為に弔慰金、遺族概念の理念が明白でなく、阪神大震災の時も同じ問題(=同居して、世帯が同じでも兄弟姉妹には支給しない)という矛盾を持ったまま、改正されず本日に至っている。
東日本大震災にも同様の問題が生じている。
この災害弔慰金の問題を岩手県の 遠野ひまわり基金法律事務所の亀山元弁護士TEL:0198ー63ー1755・FAX:0198ー63ー1756 http://www.nichibenren.or.jp/ja/committee/depopulation/syoukai64.html
が弁護士有志の加盟する震災MLに≪災害弔慰金・義援金を兄弟姉妹にも給付する改革・改善をすべき≫旨の投稿があった。
亀山弁護士及びその相談者の承諾を受けて問題提起をする。
ぜひマスコミで報道して頂き、この改革・改善に取り組みたい。 先日、岩手県釜石のシープラザ釜石で相談を受けたのですが、 「生計が同じで同世帯の弟が被災して死亡したが、弟には配偶者・子・親・祖父母はいない。 弔慰金・義援金を受け取れないのか」という内容の相談を 2件受けました。
一人目の相談者の方は、60代の男性で、
『病を抱えていた無職の弟を、同居して同世帯で 10数年間扶養してきたが、津波で自宅が被害を受け弟が亡くなった。ずっと家族として扶養してきたのに、弔慰金がでないのはおかしい 』
二人目の相談者の方は、40代の男性で、
『弟と二人暮らしであり、弟は津波にのまれて亡くなった。両親を亡くし弟と二人で同じ飯を食って生計を一緒にして暮らしてきたのに、 遺族として扱われないことが悔しい。その上 善意で集められた義援金まで行政の線引きで自分のところに届かないのは納得できない』 同時に義援金は各県によって支給対象者が異なります。
釜石市に聞いたところ、岩手県の義援金配分委員会では、災害弔慰金と同じ扱いをしているようで、 兄弟姉妹は支給の対象者になっていない。
他方
では、死亡者の兄弟姉妹にも支給される(相馬市では同一世帯や葬儀の執行が条件)。
この問題は早急に是正されるべきです。
災害弔慰金支給法では家族の生計を維持する者が災害で死亡した場合は500万円、他のケースでは250万円を「遺族」に支給する。
その遺族とは『配偶者、子、父母、孫、祖父母』になっている。
第3条 市町村は、条例の定めるところにより、政令で定める災害により死亡した住民の遺族に対し、災害弔慰金の支給を行うことができる。
2 前項に規定する遺族は、死亡した者の死亡当時における配偶者(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含み、離婚の届出をしていないが事実上離婚したと同様の事情にあつた者を除く。)、子、父母、孫及び祖父母の範囲とする。
兄弟姉妹のうち誰かが震災で死亡しても、この法律ではその兄弟姉妹の子供、父母、祖父母がいない限り、支給されない。その結果、上記のような亀山弁護士への相談となっている。
戦傷病者戦没者遺族等援護法等では弔慰金を受ける遺族には兄弟姉妹も含まれている。
第35条 弔慰金を受けるべき遺族の範囲は、死亡した者の死亡の当時における配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹及びこれらの者以外の3親等内の親族(死亡した者の死亡の当時その者によつて生計を維持し、又はその者と生計をともにしていた者に限る。)で、死亡した者の死亡の当時日本の国籍を有していたものとする。
弔慰金という以上、死亡当時における配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹か、これらの以外の者の場合は、その者によって生計を維持していたか、又は生計をともにした3親等の親族とするのが従来の法体系の遺族概念とも合致する。
災害弔慰金の支給等に関する法律が議員立法の故に理念・体系が明白でないと揶揄される所以(災害援護貸付金についても同様の問題あり。(注)参照)
そこまで拡大しなくても、災害で死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母がいない場合は≪生計をともにしていた兄弟姉妹≫にも支給しないと災害弔慰金制度が『一部欠陥法』になりかねない。
この改革の為には
①災害弔慰金の支給等に関する法律の第3条2項を『前項の遺族とは死亡した者の死亡当時における配偶者(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含み、離婚の届出をしていないが事実上離婚したと同様の事情にあつた者を除く。)、子、父母、孫及び祖父母、及び生計をともにしていた兄弟姉妹の範囲とする』と改正すること。
②災害弔慰金の支給は自治体の事務であるので各自治体の条例に遺族とは『生計をともにしていた兄弟姉妹』と改正すること。
法の改正を待たずに自治体の条例だけでも改正すれば『生計をともにしていた兄弟姉妹』にも支給できるが、予算措置は市町村が100%準備しなくてはならない。
(災害弔慰金の支給に関する法律が改正されれば、市町村の予算措置は4分の1で足りることになる)
更に亀山弁護士の報告によると、災害弔慰金だけでなく『義援金』も、東北の自治体において指摘の通り格差があると言う。
多くの国民や企業からの寄付である「義援金」は法、条例の改正を待たずに支給できるのであるから、災害弔慰金のような硬直な運用をすべきではないだろう。
(注)
災害援護貸付金は法13条で借主が死亡した時は市町村は放棄できる条文になっている。
第13条 市町村は、災害援護資金の貸付けを受けた者が死亡したとき、又は精神若しくは身体に著しい障害を受けたため災害援護資金を償還することができなくなつたと認められるときは、当該災害援護資金の償還未済額の全部又は一部の償還を免除することができる。ただし、政令で定める場合は、この限りでない。
議員立法の議員らの発想では借主が死亡すれば免除できるという規定を作ったはず。しかし政令に定める場合はこの限りにあらずという『官僚』によって但し書が挿入された。議員連中は政令まで検討しない。この法律が国会を通過した後、官僚が政令をコッソリ挿入した。
その政令とは
第12条 法第13条第1項ただし書に規定する政令で定める場合は、保証人が当該災害援護資金の償還未済額を償還することができると認められる場合とする。
保証人の要求自体は法律事項でなく政令に委ねられている事自体問題であるのみならず借主が死亡した場合でも相続人がいる場合も免除できないと厚労省の『通達』では決めれている。
このような免除できる規定、出来ない規定は本来なら法律で予め定めるべきところ、全て政令や『通達』に委ねられている点に議員立法の『お粗末さ』があると揶揄される所以。 |
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≪福島原発による原子力損害のうち『風評被害』は今後大きな争点となるだろう。過去の判例をこの機会に整理した≫
1 「風評被害」はどうして起こるか
判例にみる原子力被害(敦賀原発、東海村原発事件)に関する『風評被害』は、次のような順序で発生した。
① 原子力事業者が原発事故を起こす。
② 国や自治体が一定の指示、勧告などを国民・消費者等に行う
③ 事故の内容や、国等の取った行動をマスコミが広く、大量に報道する。
④ 国等の指示、勧告や報道を知った流通業者が「消費者は買わない」と想定して取引拒絶、返品、ひいては買控えの行動にでる。
⑤ その結果、国等の指示、勧告やマスコミで報道された商品=販売物が損害を受ける。
⑥ 本来の事故に関する安全宣言がなされても、それ以降、相当の期間、その商品=販売物の買い控えが継続する。
⑦ 同時に、国等の指示、勧告等やマスコミに報道された以外の付近の地域や商品=販売物まで消費者は『風評』によって買い控えする
⑧ その結果、それらを販売していた事業者は大きな損害を受ける。
一般的な損害賠償事件と異なるのは、①の事件発生と⑤⑧の損害の間に②又は③及び④の第3者が介在し、その上⑥⑦の一般の消費者の心理が介在する点である。なお①②の行為により⑤の結果だけの場合は風評被害と言わずいわば「真正被害」である。
2 敦賀原発廃液漏えい事件(名古屋高裁金沢支部・H1.5.17)
(1)この事件の概要は、
日本原子力発電(株)の事業所内でコバルト60を含む放射性物質の流出事故がありその一部が一般排水路から海へ排出された。しかもそれを秘密にしていた。それが発覚し、
①S56.4.18に通産省から公表され、マスコミに大きく報道された。
②4月19日から順次名古屋、東京、大阪等の卸売市場が敦賀産をはじめ福井県産の魚介類の集荷自粛を始めた。
③他方、4月19日、敦賀市が安全宣言を行い、4月20日福井県も安全宣言をした
④4月23日県外の卸売市場の自粛は解除された。
⑤その後も、敦賀産魚介類の価格の暴落、取引量の低迷、敦賀湾一帯の観光地での旅館、民宿の予約キャンセルが相次いだ。
(2)原告=控訴人らの請求内容は
原告ら(魚介類の仲買業者ら4名)は、主に金沢港の魚市場で仕入れ、それを主に敦賀魚市場等に卸すことを主な業者であったが4/18から8/末までの間、大幅な売り上げ減少が生じた。その減少額に利益率を乗じた金額を損害額等として4社で合計528万円余の損害賠償を請求した。
(3)判決内容は原告の請求棄却。その理由は
①「本件事故により漏洩した放射能による汚染区域は浦底湾内に限られしかも魚介類についてはわずかにホンダワラ・・・・サザエに検出されたにすぎず、その他の魚介類には検出されず、仮にこれを毎日食べても人体に影響がないほど極めて微量であって結局本件事故によって敦賀湾でとれた魚介類には殆ど影響がなく、従って当然に金沢産魚介類は無影響であったと認めるのが相当である」
②「本件事故の発生とその公表及び報道を契機として、敦賀湾の魚介類の価格が暴落し、取引量の低迷する現象が生じたものであるところ、敦賀湾内の浦底湾に放射能漏れが生じた場合、漏出量が数値的には安全でその旨公的発表がなされても、消費者が危険性を懸念し、敦賀湾産の魚介類を敬遠したくなる心理は、一般に是認でき、したがって、それによる敦賀湾周辺の魚介類の売上減少による関係業者の損害は、一定限度で事故と相当因果関係ある損害というべきである」
③「敦賀における消費者が、敦賀湾から遠く離れ、放射能汚染が全く考えられない金沢産の魚まで敬遠し、更にはもっと遠隔の物も食べたくないということになると、かかる心理状態は、一般には是認できるものではなく、事故を契機とする消費者の心情的な判断の結果であり、事故の直接の結果とは認め難い」
④「上記控訴人らの売上高が本件事故後減少したとしても、消費者の個別的心理状態が介在した結果であり、しかも、安全であっても食べないといった、極めて主観的な心理状態であって、同一条件のもので、常に同様の状態になるとは言い難く、また一般的に予見可能性があったともいえない。すると、本件浦底湾における人体に影響のない微量の放射能漏れと敦賀の消費者の金沢産魚介類の買い控えとの間には、相当因果関係はないというべきである」
(4) この判決の評価
①この判決は理論的には敦賀湾内の魚介類については風評被害を肯定している。『敦賀湾内の浦底湾に放射能漏れが生じた場合、漏出量が数値的には安全でその旨公的発表がなされても、消費者が危険性を懸念し、敦賀湾産の魚介類を敬遠したくなる心理は、一般に是認でき、したがって、それによる敦賀湾周辺の魚介類の売上減少による関係業者の損害は、一定限度で事故と相当因果関係ある損害というべきである』これは正しい。
②この判決は消費者の心理状態を誤解している
イ『敦賀における消費者が、敦賀湾から遠く離れ、放射能汚染が全く考えられない金沢産の魚まで敬遠し、更にはもっと遠隔の物も食べたくないということになると、かかる心理状態は、一般には是認できるものではなく、事故を契機とする消費者の心情的な判断の結果であり、事故の直接の結果とは認め難い』
『売上高が本件事故後減少したとしても、消費者の個別的心理状態が介在した結果であり、しかも、安全であっても食べないといった、極めて主観的な心理状態であって、同一条件のもので、常に同様の状態になるとは言い難く・・・・』と認定した。
ロ しかし、消費者が、本判決の『放射能汚染が全く考えられない金沢産の魚』というような事実を知ってでも、買い控えしているとは思われない。一般的に消費者は必ずしも敦賀原発事故に判決に関与する裁判官ほど正確な情報を入手して行動するわけでもない。行政機関からの 安全宣言がなされても、その情報を正確に入手するとは限らないし、その安全宣言なるものを信用できるかどうかの情報も持ち得ない。『安全でないから買わない』のではなく『安全でなさなそうだから買わない』又は『安全かどうか判らないから買わない』という心理過程を経て購入を控えるのである。このような『心理状態は一般に是認できない』のではなく『一般的に是認できる消費者の心理状態』である。
本判決の想定している消費者とは情報をほぼ正確に入手し、理性的な消費者像である。本件判決はこの点に関して消費者の一般行動を誤解している
3 東海村JCO臨界事故(東京地裁・H18.4.19)
(1)事実の概要
平成11年9月30日、東海村において臨界事故が発生した。東海事業所周辺では4.5ミリシーベルト/毎時中性子線が測定され、土壌、ダスト、ヨモギ等からセシウム137・・・ヨウ素131等が検出された。従業員の2名が死亡する等して、半径350㎡以内の付近の住民に退避勧告をし、10㎞圏内の住民には屋内待避勧告をした。本件事故は我が国初めての臨界事故であり、情報が被告会社から関係機関への通報の遅れたことも加わり、マスコミには大きく連日報道した。原告会社は事故現場から約9キロメートル離れた場所に本社、工場を有していた納豆の製造・販売する業者であったが、この報道と同時に、取引先から納豆製品の取引停止等を受け、その後も風評損害により事故後2年分の営業利益、銀行からの借入金の利息相当の損害金、慰謝料なども含めて、合計約15億9577万円余の請求をした。他方会社は仮払い金2億1300万円の反訴請求。
(2)結論
原告の請求は棄却。
但し、納豆業者の損害があったが、2億1300万円をJCOから仮払金として、受け取っているので、納豆業者の損害と仮払金との差である3112万円の返却が逆に命ぜられた。
(3)理由
①即時損害(廃棄分相当)
平成11年10月1日、取引先から拒絶され、それを廃棄した分2,564,763円。これについては、『本件臨界事故に伴い、納豆製品の安全性を懸念する消費者、販売店の心理は一般に是認できる』として取引拒絶、返品損害はこれを全額認めた。
②営業損失
経験則上、風評被害については、一般に、事故直後に最も強く事故 の影響を受け、その後、正確な情報が伝えられるのに伴って、徐々 に終息していくものと考えられる、として、平成11年10月から 平成12年2月分までの5ヶ月間を風評損害として認定した。但し この5カ月間の売上減少額は最大値であった平成11年10月の2 分の1が相当と認定し、その額に5カ月分を乗じて、それに営業利 益率を乗じた結果3915万円余が損害と認定。
③慰謝料 500万円
④テレビコマーシャル料支払い済による中止分 支払った2億658 万余の半分である1億3290万円が損害
⑤合計 金1億7961万円余を本件臨界事故による相当因果関係ある損害と認定した。
⑥ 納豆業者の損害が1億3290万余あったが、2億1300万円をJCOから仮払金として、受け取っているので、納豆業者の損害と仮払金との差である3112万円の返却が逆に命ぜられた。
(4)本判決の評価
①JCO事件に関して原子力損害賠償紛争審査会が風評被害が安全宣言 後2カ月だけ認めるという意見書(注1)があり、本判決以前の風評被害 は最高2カ月という判例(注2)があったがそれ以外の判例(注3)は風評 被害を肯定しなかったことからすると風評被害を5カ月と認めた点、 および納豆という財産の被害であるにも関わらず慰謝料として500 万円を認定したことは評価できる。
②しかし納豆は、日本人の食生活に米などのような無くてはならない食品ではなく、且つ同じような商品を作る競争業者が多数あり、代替可能商品である商品の特性が考慮されず、このような商品が、一度マイナスイメージをもたれるとその回復には相当の時間がかかる「商品の特性と消費者の関係」があまり考慮されているとは思われない。2年間かかったという原告の主張が妥当かどうかは事実認定の問題もあり肯定すべきかどうは判らないが、風評被害が判決摘示の通り『一般に、事故直後に最も強く事故の影響を受け、その後、正確な情報が伝えられるのに伴って、徐々に終息していくものと考えられる』ならば5カ月で突然終了するのではなく、その後も徐々に金額を逓減しながら被害を認定する方法もあったのではないか。
4 福島原発事故に関する風評被害と上記原発事件との比較
(1) 最大の違いは
①原子力災害対策特別法15条2項により内閣総理大臣が原子力緊急事態宣言をすることが同法により義務付けられ同3項により県及び市町村などに指示することが義務付けられ等原発事故とその指示との間に法的因果関係があることが明白であること。野菜、原乳などの農作物の出荷制限、作付制限などの指示も同法に基づく指示である以上、風評被害ではなく原子力被害そのものであること(JCO事件の場合は報道による流通業者の取引拒否とは異なる)
② 仮に法15条に基づく指示がホウレンソウ等の一部農産物であっても、それ以外の農産物及び指示された地域以外のホウレンソウであっても福島県、茨城県などの『東北県』まで広範囲に及んでいること。
③一部農産物に関して安全宣言がなされたが、他方で今なお原子力非常 事態解除宣言(法15条4項)がなされていないこと。
(2)詳細は次回。
(注1) JCOの平成12年3月29日の『原子力損害調査委員会』報告
(注2)東京地裁(平成18年2月27日判決。判例タイムズ1207号116P)同じ納豆業者の風評被害による請求。
(注3) ①東京地裁(平成16年9月27日判決。判例時報1876号34P)
②東京高裁(平成17年9月21日判決。判例時報1914号95P)
(本件臨界事故により販売土地価格が下落したという請求が否定さ れたケース)
③ 東京地裁(平成18年1月26日判決。判例時報1951号95P)
(パチンコ店の風評被害による損害が否定されたケース)
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