Zeiss_Telementor_World

Carl Zeiss社の小型天体望遠鏡の世界を綴っています。

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今回はカール・ツァイス社製5cmアクロマートレンズAstro-Objektiv 50/540を使った拙宅のカスタムメイドな5cm望遠鏡(OTA)を紹介します。

<1号機>
1号機はドイツで製作されたもので、Telementer 1と同じツァイス製のヘリコイドフォーカサーM44と1セットの素通し照準を組み込んでおり、そのため外観もTelementor 1に似ています。

下の画像は4頭正立ターレットにφ24.5mmバレルの旧オルソ4-O、8-O、16-OとM44のエルフレW-31Sを装着したものです。8mm(67.5倍)までは快適ですが、4mm(135倍)になるとアクロマートの色収差だけでなく、旧オルソに起因する視野の着色、明るさ、アイポイントの高さの点でも苦しくなり、対象が限られます。

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対物レンズはいわゆる"E"タイプのフラウンフォーファー型2群2枚(BK7-F2)の対物レンズが組み込まれています。もともとE50/540と認識して入手したわけではなく、分解してそれと判明したものです。コーティングはオーソドックスなフッ化マグネシウムのモノコートが4面全面に施され、青紫色に反射しています。

鏡筒に使われているアルミパイプは、対物側の内径が約10cm長にわたってセルの外径に合わせて広げられています。したがって、セルを落とし込んでもそのまま接眼部側まで行くことはありません。突き当たりで小さなセットビスで固定するようになっています。

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50/540の最大の欠点はこのセルの形状です。工作しやすさを考慮してフランジ部分が省略されていますから、どうしても本機のように鏡筒内径が細めの構造になってしまいます。セルも肉厚があるわけではありませんので、いつも鏡筒内径と対物レンズの有効径がギリギリになりがちです。

照準はTelementor同様使いやすく、旧オルソの8mmアイピース(67.5倍)までは光学ファインダーの必要性を感じません。口径6.3cm(C63/840)を使ったTelementor 1向けに造られたものですから、5cm程度ならこのようなタイプの照準で対象天体の導入には十分なのだと改めて思います。


<2号機>
2号機は記憶が少し曖昧ですが、アメリカでカスタマイズされたものです。鏡筒の構造は独自のものですが、ツァイス製の1号機同様、ヘリコイドフォーカサーM44を組み込んでおり、それはそれで似合っています。

下の写真の4頭正立ターレットは、φ31.7mmスリーブの最終モデルでA-6、A-10、A-25、A-34のアッベアイピース(ZAO)を組み合わせています。この組み合わせを常用しているわけではありませんが、総じてZAOの方が旧オルソより快適です。

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激レアな黒いハウジングに収められた対物セルは、下記の写真の通りフードの中ほどに3本のセットビスで固定されています。そのフードを鏡筒にねじ込んで固定します。構造そのものは1号機より手が込んでいます。

対物レンズは、BK7-SF2の"C型"貼合タイプですが、これがまた良く仕上がっており、セルだけでなくレンズそのものも他の50/540よりていねいに仕上げられています。まずもってコーティングが丁寧で、明らかに研磨面が滑らかなことが分かります。また、対物レンズコバの墨塗りもがカメラレンズ並みの上質な墨塗りがされている点です。それにしても、どのような事情でこのような50/540が誕生したのか、いろいろと調べてみましたが、まったくわかりませんでした。

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直進ヘリコイドのヘリコイドフォーカサーM44は、回転と同時に駆動環(ヘリコイドリング)が移動するので、一見すると回転ヘリコイドかと思ってしまいます。というのも、見慣れた多くのヘリコイドは駆動環(外筒)が鏡筒側に固定され、内筒がアイピース側に繰り出されていきますが、このヘリコイドは鏡筒側に内筒が繰り出されていくからです。しかし、これは観察者側から見て接眼レンズと駆動環の位置関係が繰り出し量に関わらず一定ですから、むしろ合理的な構造です。

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細身の鏡筒の代償はもちろん筒内の迷光です。1号機はしっかりとした専用のつや消し塗装が施されていましたが遮光環はなく、2号機に至っては黒のつや消しアルマイト処理のみでした。どちらも像質に影響しており、月面を視野に置くと明らかにコントラストが悪化していました。しかし、遮光環を設置するには肌面の荒いつや消し塗装を剥離する必要があり、かなり手間がかかります。

こんなときはやはり植毛紙。対物セルの内側から、鏡筒内部全面、ヘリコイドフォーカサーM44の内部にも植毛紙をセットしてみました。効果は絶大で迷光が大幅に減少しました。

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ところで、ツァイス鏡筒の特徴であったアリ型・アリ溝でしたが、ツァイスの規格がベース幅40mm、テーパー角60度なのに対し、普及したビクセンの規格はベース幅44mm、テーパー角75度です。この数値からもビクセンの方が本来イレギュラーなのですが、一気にビクセン規格がディファクトスタンダードになった感があります。

現在、自作用にさまざまなサードパーティー製アリ型・アリ溝が出回っていますが、ツァイス規格はなかなか見かけません。上の写真は、左の2つがツァイス純正のパーツで、右の2つはドイツBW-Optik社のものです。現在、既製品のパーツはドイツのバーダー・プラネタリウム社とこのBW-Optik社しか出回っていないようです。

送料を考えると、国内のガレージメーカーにワンオフで作ってもらったとしても、ドイツから取り寄せるより安いかもしれませんが、念のためリンクを貼っておきます。

●Baader Planetarium - Schwalbenschwanz-System für Zeiss und Astro Physics

●BW-Optik - Schwalbenschwanz für Zeiss

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