Zeiss_Telementor_World

Carl Zeiss社の小型天体望遠鏡の世界を綴っています。

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昨日5月4日から5日にかけて山梨県小渕沢(北杜市)で行われた「望遠鏡オフ」に参加してきました。ウェブサイト『ツアイス望遠鏡の展示室』の管理人である東京の鈴木隆さんと小山豊さんが主催して、毎年この時期に行われるミーティングです。その名の通り、望遠鏡にこだわったオフ会となっています。

今年はゴールデンウィークの真っ只中の開催ということで交通渋滞が心配でしたが、当日は早朝出発して茅野市の八ヶ岳総合博物館に寄り道し、集合時刻の約1時間前に会場のペンション「尋常高等小学荘」に到着しました。渋滞は結果的に、行きは圏央道から中央道に入る八王子ジャンクション前で30分程度、帰りも小仏トンネル付近で30分程度ですみました。

イメージ 2

全国から集まった参加者は23名。みなさんトップクラスの望遠鏡・双眼鏡フリークですが、会の始まりが2000年と翌年2001年に行われたパソコン通信"NIFTY-Serve"で知り合ったツァイス望遠鏡のファンクラブ"Zeiss-FC"のオフミーティングだったことから、今もツァイス望遠鏡のオーナーがたくさん集まるのが特徴です。それにしても、このようにツァイス望遠鏡が軒を連ねるように並ぶオフ会は世界的にも珍しいのではないかと思います。

しかし、オフ会の名にツァイスの文字が無いのは、TOA150(Tkさん)、TMB152(Ktさん)、TOA130EMS双眼(Inさん)、45cm自作ドブソニアン(Nsさん)と、秀逸なカスタマイズが施された完成度の高い望遠鏡を持参して参加している皆さんの存在が、この会の価値を高めているからでしょう。製造中止から22年目を迎えてますます煩悩に苛まれるツァイス・オーナーだけでは、ただの展示会になってしまいかねません。

とはいえ、このブログは「Carl Zeiss社の小型天体望遠鏡の世界を綴る」のが趣旨ですので、今回集まったZeiss望遠鏡に特化して以下にご紹介します。

イメージ 1

ツァイスの鏡筒(OTA)は私が確認した範囲で次の通りです。この他にもフィールドに出されなかったり、開封されなかったりした個体もあるようです。

 2x  APQ100/640
 4x  APQ100/1000 (Amateurfernrohr 100F)
 3x  APQ130/1000
 1x  APQ150/1200
 2x  MAK180/1800 (Meniscas 180)
 1x  AS130/1950(folded type)
 1x  AS80/1200
 1x  AS80/840
 4x  C63/840 (Telementor/Telemator)

今回集まった望遠鏡の傾向は
・APQ100/640が少なかった。(フィールドでは見つけられなかった…。)
・AS100/1000が1本も無かった。(あの名機が登場しないとは…。)
・APQ100/1000が4本もあった。(過去には1本も無い年があったのに…。)

YsさんのレストアされたAS80/1200、Tgさんのストレールレシオ99.1%のAPQ100/1000、HrさんのAP600Eに搭載されたAPQ130/1000、KyさんのZ型鏡筒に収められたAS130/1950、Aoさんの東独時代のプロトタイプAPQ100/1000など、AiさんのAPQ150/1200やHyさんの最終型AS80/840といったお馴染みの機材だけでなく、数々の興味深いツァイスモデルが並びました。

もちろん、鏡筒以外にもツァイスの赤道儀、三脚、アイピースをはじめとする各種アクセリーもたくさん集まりました。個人的はOkさんが持参した新品同様のTelementorのフルセットとC63/840用アグラマウントシステムS45/M44M44/S52にはしばし見入りました。現物を初めて目にしました。
    
イメージ 3     イメージ 4

肝心の天候の方は、当初曇っていた空が徐々に晴れだし、夜半前には抜群のシーイングに恵まれて最高のコンディションになりました。視野の中央でピタッと止まった木星はどの口径で見ても、それぞれのベストなイメージを見せてくれたように思います。

その後、夜半過ぎには土星が、そして月明かりが無くなると夏の天の川が見え出し、ディープスカイにも好適でしたが、途中から夜露がひどくなって私は午前1時半に撤収しました。願わくば土星をもう少しじっくりと見てみたかったです。

ところで今回、KyさんのAPQ100/640とMAK180/1800 Meniscasの売却が参加者に告知され、その場で次のオーナーが決まりました。確かにどこぞの見知らぬ人とやりとりするより、どちらにとっても安心なのは確かです。私も食指が動きましたがAPQ100/1000を入手したばかりですので我慢しました。このオフ会がこうした場として今後も続くのか興味深いところです。

イメージ 5実は会場では告知しませんでしたが、私の1cT赤道儀に搭載していたAPQ130/1000も売却を予定している個体でした。私の機材ではなくオーナーは長野県茅野市在住のNkさんです。オフ会でテストするために午前中にご自宅に伺いお預かりしてきました。

実視テストではバーダーのアミチプリズムを介してツァイスの双眼装置を取り付け、A-10mm、A-16mm、A-25mmアイピースを2本ずつ用意して観望しました。アミチプリズムを介した双眼像でしたがAPQらしい像質を見せてくれました。また、焦点内外像の対称性は完璧でした。

私はAPQ100/1000を1b赤道儀(110V,60Hz仕様)に搭載しましたが、こうした持ち込み機材もあって赤道儀不足が生じ、私自身のAPQ130/1000は結局フィールドには出さずじまいとなりました。

このオフ会は他所では味わえない人々や機材との出会いがあります。私はオフ会の会場近く(長野県富士見町)に自身の観測所を構えていますので、ツァイス望遠鏡を持ち出してこうした集まりに参加することは滅多にありませんが、このオフ会だけは毎年楽しみにしています。

今回も皆さんのおかげで楽しいひと時を過ごすことができました。参加者の皆さんと幹事の鈴木さん、小山さんには大変お世話になりました。ありがとうございます。

===
<APQ130/1000の売却情報>

前出のAPQ130/1000に興味のある方はご一報ください。ストレール値97.55%(1993年)の個体で、光学系、外観のコンディションともに良好です。

イメージ 6   イメージ 7   イメージ 8

純正の7.5x42mmロータリーファインダー、バーダーの2"/M68のクィックロックアイピースホルダー、タカハシ赤道儀に取り付けられるバーダープラネタリウム社製ツァイス規格のアリミゾプレートが付属します。ケースは付属しません。価格などの詳細は私の下記アドレスにご連絡ください。オーナーをご紹介しますので交渉は各自でお願いいたします。

ken-ichi.abe (at) nifty.com(アドレスの"at"は"@"に変えてください。)

※APQ130/1000の画像を追加して再構成しました。(2017年5月6日)
※アグラマウントの表記を訂正しました。(2017年5月27日)

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閉じる コメント(8)

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こんにちは。今回、この会に初参加させていただきました。ZEISS望遠鏡をよく知らない世代であり、一度かのZEISS望遠鏡とはどのような物なのか・・・と興味津々で参加させていただきました。絶好のシーイングの元、いろいろ覗かせていただきましたが、自分の貧弱な観察眼ではどれも良く見えた楽しい観望会でした。しかし皆さんの「天体望遠鏡愛」には恐れ入りました。
APQ130/1000の売却情報。ちょっと前にUTNで掲示があった物だと思いますが、同じ県内在住の方の出品で仲間内では「誰だろう」と話題になってました。

2017/5/6(土) 午後 2:35 [ こもロハス ] 返信する

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こもロハスさん、オフ会ではお世話になりました。TSAとAPQの勝負はいかがでしたか、TSAなかなか健闘していましたね。個人的にはディスコンをかなり惜しんでいます。

私のAPQ100/1000と記事にあるNkさんのAPQ130/1000はどちらもツァイスやバーダーのアミチプリズムを介して正立にして観望していました。ツァイス好きの参加者は究極の像質だけを求めている訳ではないように思います。
このオフ会では赤道儀までツァイスにした参加者が多いのですが、シンクロナスモーターを苦心して回して使っているのもその一つです。行き着く先はAPQではなく、たった6.3cmのアクロマートを搭載したむ手動のTelementorとHアイピースじゃないかなと思っています。(このブログの目的でもあります。)

2017/5/6(土) 午後 10:54 [ abe1998 ] 返信する

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(続きです。)
さて、APQ130/1000はお察しの通りUTNに掲載されたものです。オーナーの茅野市在住のNkさんは皆さんご存知無い方だと思います。10年ほど前に東京から移住した方ですが、オフ会のような集まりにはあまり参加されたことがない方です。
ドイツAPM社のマークス・ルーデスとも親しく、トーマス・ベックのサイン入りTMB152などをお持ちですが、断捨離のために機材整理を始めたそうです。APQ130/1000の他にもいろいろ処分したいとおっしゃっていました。

2017/5/6(土) 午後 10:55 [ abe1998 ] 返信する

> abe1998さん
自分はZEISS APQ100/1000とTSA102Nの比較を入念にやってみましたが、シーイングも良かったこともあって、正直、10僖ラスではどれも良く見えて、自分のヘタレ目ではあまり差が分かりませんでした…(^^; あえて言いますとAPQのほうが木星のSEBとNEBの色の違いをより表していたかな…とは思いましたが、刻々と変わったシーイングの影響も否定できない感じでしたし…。TSA102もよく収差が補正されてる望遠鏡で、自分もディスコンを惜しんでいます。マーケットにおいてもはや10僖ラスのアポは、最高性能ではなく利便性が優先されてるようですね。
ZEISSは光学史上で様々な革新を起こしたメーカー。abe1998さんがおっしゃっていることが分かる気はします。自分もその世界は嫌いではありませんし「天体望遠鏡」が大好きです。今回、噂のZEISS。そして皆さんのお話から情熱と光学機器の様々なお話を聞かせていただいたことはたいへん貴重な体験でした。
ありがとうございました。

2017/5/8(月) 午前 9:22 [ こもロハス ] 返信する

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abe1998さん、こんにちは。Tkです。
オフ会ではお世話になりました。2000年の第一回Zeiss-FCオフ会以来でしたが、皆さん暖かく迎えて下さり楽しく一夜を過ごせました。私はどちらかといえば、持参しましたTOA-150で好シーイング下の月・木星・土星・重星・Deepskyなどに興じる時間のほうが長かったのですが、皆さんの素晴らしい機材も色々覗かせていただいて、参考になる点を勉強させていただきました。中でもKtさんにお借りして試してみたBrandon-12mmは、A-10とA-16の間を埋めるものとして好印象でした。以前Abe1998さんにお聞きしていた通りですね。 機会があればまたご一緒しましょう。 それと、4頭正立ターレットのオーバーホール、大変ありがとうございました。これでようやく31.7mmEyepieceホルダーを使っての活用が叶いそうです。m(__)m

2017/5/8(月) 午後 5:33 [ vet***** ] 返信する

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> こもロハスさん
APQとTSAの比較は使用しているアイピースが違いましたから、その影響の方が大きいかも知れませんね。

Tgさんの実測ストレール0.991のAPQ100/1000をはじめ、今回APQ100/1000が4本ありましたが、今もって25年前のこのモデルが10cmの最高水準にあることを改めて実感しました。しかし、4本のそれぞれのオーナーがそのことを気にする様子もなかったところが面白いところです。(眼視性能の比較を面白がったのは望遠鏡ランキングのYsさんと私だけだったかも知れません)

鈴木さんとHtさんと私は、AoさんのプロトタイプAPQ100/1000が他と硝材が異なるのではないかとか、レンズコバの厚みが違うとか、話題は見え味以外の方が多かったかも知れません。これもまたツァイスの魅力のひとつかも知れません。

2017/5/14(日) 午前 1:04 [ abe1998 ] 返信する

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> Tkさん
Brandon-12mmさっそく注文されたと伺いました。到着が待ち遠しいですね。

BrandonとZAOは惑星の見え味が似ていますから、A-6mm、Brandon-8mm、A-10mm、Brandon-12mm、A-16mmと揃えると、ちょうどツァイスアッべのラインナップを補完できるので好都合です。ただし、惑星以外のターゲットでは像質の違いがわかります。例えば月面などでは中心部から離れるとやはりZAOにはかないません。しかし、現行品ではBrandonがベストな補完アイテムだと思います。

2017/5/14(日) 午前 1:13 [ abe1998 ] 返信する

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> abe1998さん、こんばんは。
そうなんですね。
Brandon、Vernonscopeの解説によればF値耐性は7以上とのことですが、届いたらいくつかのF値の筒でZAOと比較してみようと思います。

2017/5/15(月) 午後 9:53 [ vet*71*2*0819 ] 返信する

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