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忘れもしない8月27日。台風が近づいていて、強い雨が降りつける午後だった。一人で留守番をして
いたら、玄関の引き違い戸がカタカタと鳴った。郵便屋さんだった。玄関に行くと、封筒が戸の隙間に刺
さっていた。その封筒を見たとたんに、なにやらピ〜ンと来るものがあって、急に喉が渇いた。ピンクの
封筒だった。裏書きの部分がこちらを向いていた。そばに行くと間違いなく彼女の名前が青インクで書か
れていた。今日という日に一人で留守番をしていた運の良さに、心から神に感謝しながらその封筒を手に
した。少しの厚みが、少しの喜びといくらかの緊張感をもたらせた。便せん3枚と少しの文だった。何て
こと無い文面にすぎなかった。しかし、女の子から初めて封書をもらった僕は、大きな錯覚をしてしまっ
た。「彼女は、僕に好意を抱いてくれているかも知れない。」と。
かくして、誰にも言えない秘密に、心地よい良い窮屈感を持ちながらの日々が始まった。このあと、僕
の中では、中学卒業までに「運動会のクラスリレー」「フォークダンス」「修学旅行」「マラソン大会」
等、今でもタイトルがつきそうな懐かしい出来事が展開されていった。(明日は、このまま手紙の内容と
運動会に向かっての流れを書こうかなとも思いましたが、マラソンの練習との関連を先に書くことにしま
す。)
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