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津保川

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   私が生まれたのは、岐阜県美濃加茂市、木曽川畔であるが、育ったのは、岐阜県加茂郡富加町加治田(とみかちょう・かじた)・・・しかし、加治田地区は戦国時代、佐藤紀伊之守の居城の加治田城のあった、梨割山という山の北と南に分かれており、私の育った北は、加治田地区に付くより、関市に付いた方が便利な、要するに加治田では不便な場所であった。しかしその私が育った川小牧という字の地区には、津保川という名の川が流れている。清流であった。

   この川は、ウィキペディアでは、木曽川水系になっているが、この伊勢湾に流れる木曽川、長良川、揖斐川は、最終的には木曽川になって伊勢湾に流れるらしいので、木曽川水系と言うらしい。

   直接的には、長良川の支流である。長良川というのは、鵜飼で名高いのだが、そういうわけで私が若い頃は、シーズンになると、それは多くのアユの友釣りをする釣り人達で溢れたものだ。

   水は驚くほど澄んでいた。私が子供の頃は、川の水を飲んだ覚えすらある。しかし、川下に関市という刃物の町があって、私が田舎を出た頃から、私の住んでいた川小牧の上流にまで、関市の刃物の仕事をする工場が出来たようだ。ことに洋食器のメッキをする工場が出来て、彼らが、恐ろしい水銀や、有害物質を津保川に流したらしい。

   私がいつか、アメリカから日本を訪問した時に、母が、「最近、ぎょうさん魚が死んだよ」と言うのである。要するに、上流のとある工場であろう、そこから毒が流されたようだ。問題はそれに対して、行政(富加町も含めて)は、大した対策を採っていないことである。

   日米(少なくともカリフォルニア)の、環境に対する意識は、雲泥の差である。母にしても、「最近、ぎょうさん魚が死んだよ」と能天気なことを言っていた。魚がそれだけ死んだのなら、草の根分けても、その出所を突き止め、この責任を取ってもらうべきである。私は、大体めぼしが付いている工場を知っている。しかし、今もなお、行政は抜本的な対策をとっているようには思えない。

   もはや、あの美しかった津保川は、とても泳ぐ気にもなれない川になってしまった。

●写真の津保川は、関市の平野部を流れている部分だが、私の両親の家のあたりは、もっと山と山の間の、谷川という感じである。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B4%A5%E4%BF%9D%E5%B7%9D

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