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        未来都市インターネット社会     撮影は咲耶子


憶えているだろうか?
東名高速道路で2017年6月、ワゴン車が大型トラックに追突され夫婦が死亡した事故を。

多くの人が、あおり運転をした男を非難した。
そして、その非難のホコ先が、とんでもない方向へ向けられたことを知る人はどのくらいいるだろう?
じつは同性、同地域の無関係な企業が「容疑者の勤務先」としてネット上で拡散されたのだ。

その結果、まったく関係の無い会社に、中傷や嫌がらせの電話が殺到した。
被害の規模は、多い時で1日100件近くもの迷惑電話がかかってきたという。さらに自宅の住所や電話番号、個人情報も晒され、ヤクザまがいの脅しもあり、恐怖した家族は子どもの学校を休ませたともある。

もちろん、この間違えられた方は、誤情報を流した11人に対して刑事および民事訴訟の手続きをした。
さらに転載した人たちについても調査を要請している。

このように不用意なリツイートによって「名誉毀損罪」や「業務妨害罪」に問われることがある。
名誉毀損罪とは簡単に言えば、
事実かどうかに関係なく悪口を広めてはいけないとなっている。

これらはネット時代の悩ましい問題点のひとつだが、
米マサチューセッツ工科大学(MIT)がこんな研究結果を発表している。
「Twitterではデマが真実よりも6倍速く拡散する」というのだ。
さらに分析の結果「誤った情報は真実の1.7倍リツイートされる可能性がある」また「デマが1500人に伝わるまでの速さは、真実の6倍だった」

なぜデマが拡散しやすいのだろう?
「誤った情報はより斬新であり、人々は斬新な情報を共有する可能性が高い」
と研究者は結論づけている。

このような心理を利用したのが、いわゆる「フェイクニュース」である。
元々は広告収入を得る目的で作られた。
だが、2016年の米大統領選挙でクリントン候補に対する無数の虚偽情報がSNSで拡散されたのを機に、政治的な目的で発信される虚偽情報もフェイクニュースと呼ばれるようになった。

現在では、
従来の広告目的の意図的な偽情報のほか、政治的な意図のあるもの、単なる勘違い、デマや陰謀論の類いまでが幅広く含まれている。

これらが恐ろしいのは、冒頭であげたような、まったく関係の無いひとへ攻撃が向かうことである。
信じた人々は、まさかそれが誤情報だと知らない。しかし鉄槌だけは、くだしたいと考える。

このような非難や嫌がらせは“ネット私刑”と呼ばれている。
私たちは、相手が犯罪者や不道徳者なら、鉄槌をくだしてもよいと考える。
そしてその鉄槌は当事者でない人間でもOKとされる。
昔、引き回しの刑で、人々が罪人に石を投げたようなものだ。

今はどんな人間に対してでも、そんなことをしたら傷害罪になるので、せいぜいネットで嫌がらせコメントをして自分の正義感に酔う。

だが、事例がどんなものであれ「非難することは正しい」という考えは、人を死に追いやるほどの武器となる。
実際、外国では無実の人がニセ情報で扇動的になった人々に、火を付けられ殺された事件があった。
非難という武器を学んだ子供たちは、SNSでいじめられっ子を自殺に追い込む。

まして差別意識で特定の人を非難すれば「侮辱罪」が成立する。
実際、初のケースとして、66歳の男が匿名ブログで、在日中学生を誹謗(ひぼう)中傷し、男性は侮辱罪で刑事告訴され書類送検を受けている。

弁護団によると「匿名の書き込みでも犯罪として処罰されることが示され、同様にネットで差別を楽しんでいる者たちにも教訓になる事例だ」とヘイトスピーチに警告を発している。

さて、冒頭に戻るが、フェイクニュースはどのように生まれるのか?
じつは創作した本人だけで止まっていれば、問題にならない。

それを見た人が、大切な話だから知らせてあげようと拡散したり、ただ面白いからと話を広めたりする人がいて、はじめてフェイクニュースになる。
つまり、挨拶代わりの「いいね!」やシェアが、フェイクニュースに力を与える。
さらにマスメディアがこのネットの情報をそのまま取り上げるなら、さらに拡散、信じてしまう者が増える恐れがある。

これらフェイクニュースの悪影響に危機感を持つ国も多く、法律で罰する国が出て来た。
また民間では「ファクトチェック」という第三者の試みが広がり始めている。
“誤情報”を検証、公表する試みだ。

日本でもようやく2017年に「ファクトチェック・イニシアチブ(FIJ)」というNPO法人が設立され、賛同するネットメディアや個人の協力の下、国際的に確立されたガイドラインに基づくファクトチェックが行われるようになった。

彼らは言う。
「他人や団体の名誉を損なうものや犯罪に関するものなどは、投稿を鵜呑みにして反応するのではなく、少しでも怪しいと思ったらそのニュースソースや情報源をしっかり確認してからリツイートや引用をするようにしてください」

SNSで私たちは、ひとりひとりが主役になれるようになった。
つまりは、それによってひとりひとりが、自らの責任を負う義務も出来たわけだ。
この新しい媒体は混乱期から成熟期へ向かう準備を始めた。



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おはようございます。
フェイクニュースさえ世界のある村から発信され収入になると最近しりました。
いつか、できれば早く、嘘か本当かを判断してくれるAIをプログラミングしてくれる天才の出現をまちたいと思っています。

2019/1/23(水) 午前 7:13 [ setonoyume ] 返信する

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> setonoyumeさん
コメントありがとうございます。
「AI]私も同じことを考えていました。
ネットは紐づけが出来ているので、関連ワードを追っていけば、おおもとにたどり着くはずです。
さらに、その創作のおおもとが何から、そのアイデア(情報のソース)を得たかもわかるはず。
枝分かれした過程を逆にたどるわけですね。

2019/1/23(水) 午前 11:00 都環 咲耶子(とわさくやこ) 返信する

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