あなたの知らない視点で語りたい〜フォト 詩 小説 エッセイ

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       撮影は咲耶子

立花隆が無人島体験記で、面白いことを書いている。

実をいえば、ここにくるまでは、毎日のように食べきれないほど魚が釣れて、ウンザリして捨てたりという光景を頭に描いていた。立花隆氏

――ところが、現実はそう甘くなかった――

ほとんど釣れず、釣れる魚といえば毒々しい色のベラのみ。結局、気味が悪くて捨てたそうだ。
つまり、現地調達は、まるで出来ず、持参した食糧を食いつぶしたという。
さて、私たちが想像する無人島生活と現実の無人島生活には、どんな違いがあるだろう?
体験して、初めてわかることがある。
まず、やたらに気になるのが「時間」だという。

時計は持参しなかったので、現在が何時かわからない。もちろん文明社会のような予定に縛られた生活ではないので、時間など気にする必要もないのだが、やたらに知りたくなった。立花隆氏

他には「何かしたい」という欲求。人間は何もしないことに耐えられない生物なのだ。ヒマができて、さて何をしようかと考えたときに、まず何よりも先に思いつくのは生活環境の改善である。人間の三番目の本能が、生活環境の改善だという説は、ほんとうかもしれない。人間が道具を発明するのに、躍起になったのもうなずける。食事をするときに座るもの、調理台と同時に食卓になるもの、それらがいかに快適な役割を果たすか、無い生活をして初めてわかるのだ。立花隆氏

そうして、それらの代理品を島中を歩いて探し、見つければ、どんない重くとも、寝場所まで引きずるように運ぶことは、大変なエネルギーと時間を必要とする。これらの日常は「のんびり」とはほど遠く、原始生活は即物的、技術的なことなのだと立花氏は思い知る。

多くの人は無人島に行ったときの自分の行動をアレコレ想像する。
「退屈だろう、何もすることがないんだから」と思う人もいるだろうし「終日、釣り三昧」、「海岸の生物を見ているだけで飽きない」と想像する人や「島を探検して地図を作りたい」などと夢を語る人もいるだろう。

立花隆氏は、仕事に追われる日々を忘れて、自分の人生を振り返るなど思索にふけってみようと思ったらしい。

――再び、現実はそう甘くない――

多くの人の考える無人島生活は、自分ならこうやってみたいと思う単なる希望である。どんなに希望の数が多くとも、それはしょせん希望であって、人間は生命を維持するために生きていかねばならない。ゆえにどんな人もやることは同じだろう。というか、切実にやらねばならないのである。立花隆氏

それは文明生活でも同じだし、原始生活でも同じなのだ。私たちは食べるために働く。その仕事が好きか嫌いかは二の次で、とにかく食べるために働いている。給料を稼ぎだして、生物的生活を維持するわけだ。これは無人島でも例外ではない。生命を維持するために、金銭こそ関与しないが、やはり好き嫌いを二の次にして、食べるための行動が第一優先となる。立花隆氏


――無人島で「のんびり」はありえない――

無人島生活は、とにかく生活に追われる。食べるために、まず何を食べるかを考え、その仕度をし、できたら食べる。食べたらかたづけをする。日にそれを三度繰り返す。それだけで、一日五時間を費やす。起きている時間の三分の一を費やしてしまう。今回は食糧を持参したのでまだしも、これが何もなければ一日中、食べることだけにかまけて終わるだろう。人間にとって食べるということは、こんなにも大変なことなのか。立花隆氏

おまけに嵐が来れば、食事の仕度すら困難になる。天気が良ければ良いで太陽に焼かれるという恐怖に、テントの中からなかなか出られない。食べるということは、そう簡単なことではないのだ。このように考えると、人間が生きる本質は、なにも変わっていないということなのだろう。立花隆氏

――権力の発生についての考察――

毎日魚釣りから戻るたびに、一人でよかったと思った。もしもテントで魚を待ちわびている妻子がいたら、相当なプレッシャーとなる。さらに状況が改善されなければ、魚釣りがうまい男のところに、頭を下げて魚をもらいにいかねばならぬ。おそらく、権力の起源というのは、そういうところにあるのだ。立花隆氏

原始生活では、ぼんやり考え事をするとか、自然を観察して過ごすとか、風景を眺めている、未知の世界を探検するなどの、非実用的な想像を満喫するのは難しい。

今日、野外レジャーでそれらを満喫出来るようになったのは、人間の生活改善の長い努力と互いの協力であり、ようやく文明生活で現実となった。

つまり野外レジャーと原始生活は似て非なるものなのだ。
つまり私たちは「のんびりしたい」という夢を長い年月をかけて「獲得」したわけである。



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おはようございます

朝から

頭の使う記事でした。

んー。

そぉだよぉねっ!!

2019/4/8(月) 午前 11:13 Reveur & Sniper 返信する

> Reveur & Sniperさん
コメントありがとうございます!
また、遊びに来て下さいね〜

2019/4/10(水) 午前 10:53 都環 咲耶子(とわさくやこ) 返信する

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