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    この岩の壁の先には何がある? 青くきらめく美しい人工湖があるんです。 撮影は咲耶子

「今の時代に生まれるって、かなりラッキーなんじゃない?」
と聞いたら、あなたはどう思うだろうか?

「ラッキーだって? 頭、お花畑だね」と顔をしかめる?
それとも「うん、ほんとラッキーだよね」と大きくうなずく?

どうして同じ世界にいるのに、正反対に考える人がいるのだろう?
それは、世界に意味付けしているのが「あなた」だからだ。

出来事は、ただ起こっているだけだ。

たとえば「雨が降る」というのは、単に出来事である。
ある人は「うっとしい雨だな。気分が暗くなるよ」と雨を暗い気分にさせる
ものと思う。

ある人は「恵みの雨だ。花も農作物も生き生きしてる!」と雨を天からの
贈り物だと思う。

単純に「雨の音が大好き!気分が落ち着くわ」と、
雨を癒しと思う人もいるだろう。

こんなふうに、すべては「思考」によって「意味付け」されていく。

もし、あなたがロボットなら何が起ころうと、それはただの出来事と受け取り一喜一憂とは無縁だろう。

さて、人間の寿命は、たったの九十年ほどだ。
長生きしたい? 残念! 壮大な時間軸からみれば、悲しいほど一瞬だ。出来事だけで観れば「あちゃーちゃちゃちゃ!」
(ケンシロウいわく)「すでにあなたは死んでいる」となる。

「今の時代に生まれるって、かなりラッキーなんじゃない?」と言った人は、自分の人生にどんな意味付けをしたのだろう?
――気の遠くなるような時間軸において、今に生まれることは奇蹟という意味付け――

「時」を俯瞰(ふかん)したことがあるだろうか?
うん十年前とか、うん十年後とかではなく、人類誕生からの時間軸だ。
現生人類が地球上に登場して25万年だ。私たち人類は、この25万年のほとんどを原始人で過ごしてきた。

ようやく進化と言える文明が現れたのは、わずか1万年前のことである。
小学生のように、この時間軸を棒線を引いて表わしてみると、その長さの違いがわかる。
さらに、その一万年から「あなたの九十年」に赤のマーキングをしてみればいい。

もしこの時間軸のマーキングがほんの一ミリでもずれたら、あなたは原始人として生まれていた。
文明も秩序も食べ物もなく、ゆえに平均寿命が25歳だった過酷な時代にだ。

では、もう少し慎重にマーキングしてみよう。
おっと、みた目ではほとんど違いがわからないが、わずかにずれていたに違いない。
どうやら、食事をするより簡単に隣人と殺し合いをする中世に生まれてしまったようだ。
じつは、古代、中世の人間から見れば、大量虐殺である現代の戦争さえ紳士的に見えるのだ。
戦争には一応、大義名分があるが、それ以前の古代、中世ではわけもわからず理不尽に、しかも日常的に人は殺し合っていた。

そんな時代に生まれるのはマズイ。
こいつは、かなり正確にマーキングが必要だ。それでも数十年のずれを正すのは、そうとう困難だ。今をチョイスしたのは奇跡的だ。

もちろん、現代でも私たちは殺し殺されている。
とはいえ、この濃密な時代の流れの中で、無念の死への恨みは、驚くほど激減している。
激減を感じられないのは、世界中あまねく、いきわたる情報のせいだ。

ならば「わたしがこの人生において、誰かに殺されて恨みつつ死ぬ確率はほとんどない」
と、あなたは時代に感謝するだろうか?

それとも「わたしが殺されなくとも、少なくとも誰かが殺されているのは事実だ」
と、あなたは今という時代を憂うるだろうか?

言えることは、出来事は、出来事でしかない。
意味付けをして、この世界をどう見るかは、あなた次第ということだ。

そして、その意味付けによって、あなたの人生は独特の色を帯びる。
無個性な世界が、あなたによって個性的な世界へと表現されていく。



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