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南風が吹いている
ドライブに行きたいね
なんの目的もないけど
地平線へ向かいたいね きみが
アクセルを踏みこむ
わたしは ただ無言で横にいよう
相変わらずの
無邪気なジョーク 質の悪いジョーク
わたしは
ただ前を向き 苦笑していよう
道はずっとずっと 続いている
たどり着く先など 憂うる必要もないね
どこまでも アクセルを踏みこむ
どこまでも 寄り添っていよう ああ 突風のように
南風が吹いている
ドライブに行きたいね
ピカピカの車で行きたいね
戻ることのないほどの遠くへ
いっさいの終着もない遠くへ ただただ
道は道として続いている
地平線はゆるやかに世界を覆い
光の弧を描いている だから ただただ
きみの この時と
わたしの 永遠に向かって by咲耶子
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詩の部屋・かがやき
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私たちは
命に向かって落ちている
青い 青い
命に向かって落ちている
なんという その深みよ!
あなたは喜びに溺れる
なんという その広がりよ!
あなたは感動に息詰まる
大地が あなたを覆(おお)うなら
その足元は親しい死であり
その頭上は よそよそしい生となる
私たちは
静寂から飛び立った
蒼い 蒼い 沈黙から飛び立った
なんという その深みよ!
あなたは
苦しみに浮き上がる
なんという その広がりよ!
あなたは
寂しさを抱きしめる
あなたの息づかいを 聞くものは
命あるものである
あなたの血の温かさに
触れるものは
命あるものである
私たちは 永遠に落ち続けている
手を広げ 足を投げ出し
ただ あるがままに
あの大地へと 生まれ落ち続けている
あの海へと
生まれ落ち続けている
つまりは母なる星へと
飛び立ち 生まれ落ち
つまりは 何度も何度も
命に向かって
落ち続けている
――咲耶子――
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by咲耶子
あなたに出会ったのは 運命を 嘆くためではない
あなたを愛したのは
後悔に 横たわるためではない
感謝するためだ
そう
このような瞬間に
驚きにふるえるためだ
そう
このような奇跡に
喜びが
魂をひねりつぶすだろうか? ときめきが
身体を打ちのめすだろうか? いいや
私たちは 滴(しずく)ほどの
思いちがいという 涙によって
雨にぬれた ヒナ鳥のごとく
怯えているのだ あなたという
未知の存在に
そして
わたし自身という
深淵に
この恩寵に背を向け
なにか別の幻想に
執着してしまったのだ ああ!
あなたと私の
うっとりする有り様
これほどの十全を!
もしもそこに
いつわりの罪を 持ち込んだなら 崇高な情熱は 否定され
純真な想いは 汚されるのだ
そうしたら そうしたら
いたたまれず
病の床に 横たわるかしら? 消沈して
死の門に 立ちつくすかしら? けれど 人生よ!
それが なんだって言うの?
あの まったくもって
ながれ星のような刹那! あの驚嘆すべき
稀有な接点! それらに比べたら
どんな物理的事象すら
感謝の光に満たされ
ふたりを照らした真実が
観念に侵されることは
ありえないのというのに! 都環咲耶子
感情は常に体内の科学的バランスとホルモンの産出量を変化させています。それが危険な状態になるのは、あなたが自分の意識の中身を直視しようとしないときだけです。自分を知ろう、自分の経験の本質を直視しようという意志は、感情を生み出し、それが行動を開始するためのエネルギー、刺激をもたらします。心の健康とはいつも陽気で意志が強く親切で、泣いたり、落ち込んだりしないと、そのようにあなたが信じていると、皮肉なことに心も身体も浄化してくれるはずの感情の流れを妨げたりしかねないのです。自分の感情を恐れることは、その感情を表現することより、はるかに大きな問題をもたらします。
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あなたはひとつの
瑠璃色の 球体の上にいる あなたは満天の
銀の神秘を 見上げる あなたのなめらかな 氷の頬に
無数の時間の欠けらが
降りそそぐ
あなたは想いを光に変え
ぎっと握りしめた 石の拳(こぶし)から
天空の果てに向かって
それをとき放つ
あなたの創る 不滅の光は
法則における 怠惰な速さを超える
千もの神秘が 開け放たれる
自由と書かれた とびら
尊厳と書かれた とびら
愛と書かれた とびらだ
それらは太古から
銀河と呼ばれた とびらだ あなたはひとつの
瑠璃色の 球体の上にいる あなたは創造という
鍵束を握りしめ
深遠の内がわと
悠久の外がわに
千の銀河を開いていく
by咲耶子
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盛り上がっては砕け散る
大海原をプリズムに
輝かせている
命の記憶から生まれた
珊瑚(さんご)
想いは何億年もかけ
結晶となる
脆(もろ)く
脆(もろ)く
これほどの危うさ
これほどの儚さ 脆(もろ)く
脆(もろ)く
崩れ落ちるが 忍耐強い
しかも砕けることを
恐れはしない
くりかえす
くりかえす
無心の抵抗 無言の抵抗
もうすぐ凪ぎが
やってくる
潮の香りと 薔薇の香りと
精霊のシナモンの香り もうすぐ凪ぎが
やってくる
もうすぐ絶対なる
安らぎがやってくる
by咲耶子
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