あなたの知らない視点で語りたい〜フォト 詩 小説 エッセイ

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詩の部屋・なげき

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フリッカーサイトより

波よ 波よ――
打ち寄せる波よ――

懐かしい唯一無二のあなたを 運んでおいで

波よ 波よ――
引いてゆく波よ――

痛ましい慟哭のあの瞬間を さらっておくれ

わたしは再び ここに立つ

足首にまとう この限りなき 水の冷たさ――
この限りなき 運命の冷たさ――

春はまだ遠い 春はまだ遠い

それでも この日がやってきて
あなたと私は再び 此処に戻るだろう

首筋を吹きぬける この一瞬の風の速さ――
この一瞬の時の速さ――

季節は繰り返す 季節は繰り返す

波よ 波よ――
打ち寄せる波よ――

疑問もない一途な希望 
あなたの明日を 運んでおいで

波よ 波よ――
引いてゆく波よ――

おぼれたままの息苦しい悔恨 
わたしの過去を さらっておくれ

幾千のたましいのきらめきが 
波間波間に見え隠れする

この海は黄金の午後のまま 
そしてこの海は祈りの午後のまま

わたしは天と地を分ける水平線に 
手を合わせる

あの日以来 ずっと手を合わせる

あなたは 波間波間のしぶきとなった

わたしは そのときから 
渚でたたずんだまま 砂のつまった貝となり 

くり返しくり返し―― 
あなたの潮辛い涙を呑む

この海は記憶の苦い水 
あの日の海を呑み込んだ重い水

わたしに流れ込むのは あなたの循環
あなたの終わり無き わたしへの呼びかけ

あなたは とうに永遠となった
とうに永遠となった――

わたしは 束にした白い時間を手放そう
百合の香りは とうに潮の香りとなった

とうに潮の香りとなった――

波よ 波よ――
打ち寄せては引く波よ――

わたしのなかの潮騒は いまだ満ちている
あの日の海のように 満ちている――

by都環咲耶子


アクアブルーに輝く
この球体!
 
 
――主は 
 
親指と人差し指でつまむ
 
 
なんということだろう
この球体は! 
 
 
沈黙と 悲鳴を
同時に放つ
 
 
なんということだろう
この球体は!
 
 
平安と 争乱の
コントラストに震える
 
 
この球体は!
この恐るべき球体は!
 
 
――主は
親指と人差し指でつまむ
 
 
アネモネ揺れる丘 寝そべる少女
 
白銀に輝くドレスが
朝露を吸いこんでゆく
 
少女の瞳は
高さを夢見 天空に注がれる
 
 
大地は震えている
未明の冷気に震えている
 
 
――主は
親指と人差し指でつまむ 
 
 
なんということだろう!
この球体は!
 
 
瓦礫と硝煙の丘 寝そべる少女
 
白銀のボロ切れも無い
血のりは吸いこまれている
 
少女の瞳は
高さを失い 天空に注がれる
 
 
大地は震えている
砲弾の振動に震えている
 
 
どうしたものだろう!
この球体を!
 
 
――そっと指でつまむ
 
 
その指に 振動が伝わる
 
 
親指には 絶望の振動が!
人差し指には 希望の振動が!
 
 
――主は 考えあぐね
 
 
結局 そっと球体を戻される
永劫のビロードの上に
 
 
そうして 
ゆっくりと その場を立ち去る
 
 
                 by咲耶子
 
 


聖なるひと
 
 
苦しいときは いつも
 
 
あなたの小さき足もとに
ひざまづきます
 
 
あなたのその 
海のごとき底知れぬ愛と
 
 
あなたのその 
もみの木のごとき 毅然とした覚悟とを
 
 
どうか わたしに
あなたの純白の魂の ひとかけらでも
分けてくださったなら
 
 
聖なるひと
 
 
もしも あなたの薔薇の微笑みや
あなたの朝露の涙を
 
岩に押さえつけられた荒野の
スミレのような わたしが
 
 
理解することが出来たなら
 
 
わたしは 
苦しみから解放されるでしょうか?
 
 
聖なるひと
 
 
わたしは あなたを慕って
 
銀の流れる 天を仰ぎ見ます
 
 
わたしは あなたを真似て 
 
 
血を吸った大地にひれ伏し 祈りを捧げます
 
 
聖なるひと
 
 
苦しみを生きたひと
 
 
罪を許したひと
 
 
わたしもいつか あなたのように
 
 
苦しみから
解放されるでしょうか?
           
 
                            by咲耶子

 
気分が落ちたときは
どうしたらいい?
 
 
ひとり彷徨うには 
街は巨大すぎる
 
 
だからといって きみと過ごせば
 
ますます ひとりでいられなくなる
 
 
気分が落ちたときは
どうしたらいい?
 
ひとり立ちすくむには 
永遠は広大すぎる
 
だからといって 語りつくせば
 
ますます きみを傷つける
 
 
愛しているとは 沈黙して叫ぶこと
愛しているとは 目を閉じて見つめること
 
 
深夜の都会を 横切るのは
金色の目をしたコヨーテ
 
誰もがおまえを恐れ嫌うけど
 
おまえは立ち止まり
 
わたしという存在を認めるのだ
 
 
気分が落ちたときは
どうしたらいい?
 
 
想うのは まずきみのことだろう
 
 
そしてきみには
 
 
もはやコヨーテほども
野生の血は 流れていないのだ
          
 
                      by咲耶子
 

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                                                         ※フォトは咲耶子
 
愛していたわ
遠い遠いあなた
 
地平線の淵に落ちるほど
盲目に

身体がちぎれるほど
一途に

愛していたわ
儚い儚いあなた
 
幽玄に立ち尽くすほど
所在なく
 
すべての夢を明け渡すほど
従順に
 
あなたの無神経さも
あなたの無邪気さも
 
わたしがその残酷な仕打ちで
がんじがらめであっても
 
わたしのくちびるは
あなたの
封印を解くためにあり
 
わたしの手は
あなたの
空虚を掴むためにあり
 
わたしの目は
あなたの
憂いを捉えるためにある
 
愛しているわ
遠雷ほども 不実なあなた
 
愛しているわ
驟雨ほども 冷淡なあなた
 
それだからといって
あなたへの真実に
なんら揺るぎが
あるでしょうか?
 
わたしは今もこうして
鰓(えら)すら持たず

息も絶え絶えに
あなたという目的地のない

沖へ向かって 
泳ぎ続けている
 
そろそろ肺は寂しさで
いっぱいになってきたわ
 
愛してほしかった
 
自分だけを愛する 罪深きあなた
 
                                  by咲耶子

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