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詩の部屋・ひかり

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わたしの かたわらには 
太陽があり月があり 星がある

ゆえに わたしは
燃やし尽くされ 凍らされ 砕かれる

ビロードの暗黒は 柔らかくゆったりと 
かつて わたしだった
欠けらを包む

わたしがいたという記憶を 
持つ者はいない

ゆえに 嘆くひともなく 罵るひともない

わたしの身体には 
太陽が溶け 月が溶け 星が溶ける

わたしは独りではなく 
指針でもなく 祈りですらない

時間はとうに止まった 歴史は刻むのをやめた
 
わたしが感じているのは

 熱と 光と 暗黒である


都環 咲耶子

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@MariaBoedeker: outer space

聖夜にしか 聞こえない音を
求めるものがいる

静寂という音

街は祝いの喧騒で
満ちている

けれど そこを離れて

高く 高く

昇るものがいる

喧騒を離れて 

昇るものがいる

ああ 

銀河は静謐という衣を
広げている

その衣のすそを コウベを垂れ 
持つものがいる



聖夜にしか 見えない光を
求めるものがいる

透明という光

街は七色の
絢爛(けんらん)で満ちている

けれど そこを離れて

遠く 遠く

広がるものがいる

絢爛を離れて 

広がるものがいる

ああ 

銀河は純粋という宝石を
撒き散らす

その宝石を 両手を差し出し

受け取るものがいる

聖夜には そのような奇跡を
求めるものがいる

静寂と透明を

 
世界に運ぶものだ

                   by 咲耶子

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Found on eso.org

銀河は 

いつもそこにあった

見上げるだけでよかった

かたときも 
離れたことはなかった

だが わたしは
コウベを垂れていた

固く冷たく 
動かぬ土塊を見ていた

そこには雑草が生え 

物言わぬ虫たちが
這いまわっていた

闇に恐怖した 

黒々とした大地が
続いていた

荒れ地を踏みしめる両足は 
いつも震えていた

わたしは 歩き歩き 

疲れ果て さらに歩き

ついに大地にたおれた

顔面に苦い土塊が へばりつき

わたしは 
なんとか振り払うために

仰向けになった 

冷えた指で土をはらい 
まぶたを開けた

光の洪水が 
網膜を貫いた

闇は闇ではなかった 

数千億の星に 彩られていた

光は狂ったように瞬き 
降り注いできた

わたしは 
限界に横たわっていたが

わたしの頭上には 

制限なきものが
広がっていた

銀河は 
いつもそこにあった

見上げるだけでよかった

わたしは喉を詰まらせ

恐る恐る 立ち上がった

闇などなかった 

咆哮する地平線すら 

ほの明るくなっていた

              by咲耶子


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                  Found on weareallstarstuff.tumblr.com
 
 
千億の星屑に
  埋もれて眠りにつく
 
 
窒息して眠りにつく
 
 
あなたのいる この銀河で
  欠片と砕け散って 眠りにつく
 
 
肉体も精神も魂も 
  合意のもとに 運命のもとに 永劫とともに
  
 
ねえご存じかしら?
 
 
あなたのいない空虚な銀河は
  千億もあるのですって
 
 
千億の意味を失った
 あなたの愛を知らぬままの
果てない世界があるのですって
 
 
そしてこの幸運!
  
 
ひとつ たったひとつ
  まったくシンプルに
 
 
あなたはこの星を つかみ取っていた
 
 
六十九億のひと息を 吐き出した
百九十四もの国境線を 打ち消した
  
 
そうしてなんと! 
 
 
奇跡にも似た深淵は
  そうして さもあらんと深淵は 
  
 
ひとり たったひとり
  
 
まったく一心不乱に
わたしはあなたを 探しだしていた
 
 
さまざまな異形の生き物たちに
  話しかけ 歌いかけ 笑いかけ
 
 
鳥や魚や動物らと すれ違い 一瞥をくれ
  
 
生まれ変わりながら この永劫を
 
 
人間と呼ばれるものよ
人間と呼ばれるものよ
 
 
この膨大な時の 沈黙につっぷす
さらなる沈黙となれ
 
この翻弄に渦巻く渦の 
  うねりの中心を揺るがす 
さらなるうねりとなれ
 
 
この広大な大陸のうめき 
うめきに誘われるうめき 
 
 
この球形に施されるばかりの 
永遠を叫ぶ軌跡となれ
 
  
 
千億の落下する星くずよ 
千億の荒れ狂う銀河よ
 
圧倒して吹きすさぶ 光の狂おしい嵐よ
 
 
わたしは光になり 光を放ち 窒息して眠りにつく
 
 
光の内側にあなたを 包み込んで
宇宙の中心として 不動となり眠りにつく
 
 
そう
 
行き詰まるように あなたにくちづけて
   
眠りにつく
 
 
by咲耶子
 
 
 
 
 
2011年の詩を少し変えて再掲載しました。

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「量」よりも「質」は愛も同じなんだ
私たちは悲惨な世の中を見て、自分の非力を感じる。
心根の優しいひとほど、自分の非力に思い悩む。
 
 
でもそれは絶望することじゃない。
世界を救えなくても、きっと身近な人を救っている
百人救うのと一人救うのでは、あなたの価値が変るのだろうか?
あなたが全力で愛を体現しているなら、あなたは救世主なのだ
 
 
沈みゆく船に向かって、ヘリコプターから拡声器で励ます大統領より
たったひとりの溺れている人を、あなたの小さいボートに引き上げるほうがよほど尊いのだ。
 
 
だれかが目撃し、だれかが模倣する。
溺れる人全員を救う必要はない。ただ見本であればいい。
皆がそのように目の前の一人を救えば、溺れる人はだれもいなくなる。
 
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           Found on Uploaded by user

――ありがとう――
 
とあなたは言う
 
それはとても
ささやかな「ありがとう」なんだ
 
それはほんとに
取るに足りない行為なんだ
 
でも
 
――ありがとう――
とあなたは言う
 
私には 世界は救えない
私には 世界は変えられない
 
それでも 
あなたを 救えるのかもしれない
 
もしかしたら 
あなたを 変えることは
出来るのかもしれない
 
もちろん 
あなたさえ 簡単には救えないのだ
 
たったひとりの人間さえ
簡単には 変えられないのだ
 
それでも
 
――ありがとう――
 
は 尊い布石だ 未来ある予感だ 
 
共に歩む道は 間違っていない

私には世界は 救えない
私には世界は 変えられない
 
ただ私は 目の前に差し出された手を
離さないと誓った
 
ありがとうは この世でもっとも 尊い言葉
 
――ありがとう――
 
と あなたは言う
 
けれど あなたは 
自分に関わる者を不幸にしたという
 
あなたは世の中の人々は  
もっと不幸になればいいという
 
けれど あなたは
私をしあわせにしている
 
――ありがとう――
 
の ひとことで 私をしあわせにしている
 
あなたのしたことは到底 
世界に赦されない
 
あなたのしたことは到底 
同情されはしない
 
それでも あなたには 
まだ感謝の心がある
 
それでも あなたは自分以外の者に 
ありがとうと言う
 
取るに足りない言葉だが 
あなたは他者を しあわせにしている
 
こんな私たちが
 
世界を救うのは 幻想かもしれない
世界を変えるのは 無謀かもしれない
 
それでも あなたは 
だれかを救っている
 
それでも 私は 
だれかに感謝されている
 
そして
 
これは 現実だ 
 
そして
 
これは 真実だ
 
 
 
by咲耶子

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