こんばんは。船長です。 ずいぶん前に作った家具です。
食器棚、サイドボード。
記憶が定かではないが、多分25歳くらいの時に作ったのでは?
独立して間もなく。
元々、
旦那様がオーディオが趣味で、レコードやカセットデッキなどの機械が一式入っていた。
一番上の左右に、スピーカーを横にして積んであったんだけど、
もうオーディオそのものが使われなくなったので。
昔のデッキはそれぞれが大きく、
ビデオデッキのような箱が5段くらい積まれた高級なオーディオだった。
それが今は要らなくなってしまったので、
すっかり食器棚にリメイクしたということです。
スピーカーのところにも同じデザインの棚を入れた。
当時、工房はまだ無く、
このお仕事のために自宅の庭に ほったて小屋を自作して、
万能機の小さいのを買ってやっとの思いで作ったんだ。
一体で作るとこの部屋に入れられないので、
12個?の箱に分かれている。
旦那さんは優しく、温和な人だった。
僕はまだ、自分でも自身を持って「家具職人です」と言える状態ではなかった。
もう20年前の話だから話しても良いかな、と思うけど、
旦那さんは
「100万くらいでできますか?」と言った。
たまげた!
ほぼ初対面の、経験も何もない、「自称家具職人」に、
それだけの予算を掛けると言ってくれた。
なにを見てそう言ったのだろう?
とにかく(自分で言ってはなんだが)一生懸命作った。
それは確かに、お金…。というのもあった。
機械も揃えたかった、道具も足りていない、材料を買いたい、
そして毎日キノコ雑炊で暮らしていたから。
しかし、お金ではないな、
と、それもほんとうに思った。
信用っていうのはなんだろう?
僕は実績というものを持っていなかった。
それでも信用してくれる人っているんだなと不思議だった。
モヤシ男が、ガタガタの不細工な家具を持って来たらどうする?
なぜ疑わないのだろう、と思った。
作るのが怖い気がした。
それでも考えて考えて、時間をかけて形を作って、
ガラスもデザインして特別に加工してもらったり、
材料は青森の(世界遺産になってしまったので今は取れない)白神山地付近のミズナラ。
結果、予算もすこし抑えて作って、
とても喜んでもらえて、
そしてなにより、
自分は「家具職人です」と言えるようになったはじめてのお仕事だった。
この方の「信用」が無かったら、
今、ものづくりしていないかもしれないな・・・・・。
恵まれているよね。
ありがとうございます。
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