|
「峠」
真壁 仁 昭和の農民詩人で山形人
峠は決定をしいるところだ。
峠には訣別のためのあかるい憂愁がながれている。
峠路をのぼりつめたものは
のしかかってくる天碧に身をさらし
やがてそれを背にする
風景はそこで綴じあっているが
ひとつうしなうことなしに
別個の風景にはいってゆけない。
大きな喪失にたえてのみ
あたらしい世界がひらける。
峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい。
みちはこたえない。
みちはかぎりなくさそうばかりだ。
峠のうえの空はあこがれのようにあまい。
たとえ行手がきまっていても
ひとはそこで
ひとつの世界にわかれねばなちなぬ。
そのおもいをうずめるため
たびびとはゆっくり小便をしたり
摘みくさをしたり
たばこをくゆらしたりして
見えるかぎりの風景を眼におさめる。
この詩には、峠に立つ人の心模様が、そのまま描かれていると思います
一人峠(人生)に佇むと、いろんな思考が脳裏をよぎります。 |
全体表示
[ リスト ]




こんばんは。
山形の詩人ですか。
初めて知りました。
私もこんな文才があったらなあ。
川柳でもはじめようかな。
2011/10/26(水) 午後 7:52
輪行菩薩さん
すごく情緒がありまた、現実的に書かれている詩だと思います
とくに「ゆっくりしょうべんしたり」なんてなかなか書けませんね。
2011/10/27(木) 午後 0:01 [ 鈴鹿のあび ]