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もし、以前のように、学校で、毎年、インフルエンザワクチンの集団接種が行われている時代であれば、「新型が来た〜!ワクチンが足りない、生命に関わる優先順位をつけなければならない」等と、ワクチンで、大騒ぎすることはなかったのでしょう。細胞培養など、鶏卵を使わずに、短期間に大量生産できる技術開発も進んでいたかもしれません。毎年、皆がインフルエンザワクチンを接種していれば、そのような生産体制が整っているでしょうから。 しかし、ワクチン反対などで、閉鎖されてしまった工場も多いようですので、急に需要が増えたからと言って、増やすことは不可能なのでしょう。年間に必要とされる、特殊な鶏の有精卵も限られるでしょうから、はてさて、どうなるのでしょうか? 新型インフル ワクチンつくれ!メーカー側に自信と戸惑いhttp://sankei.jp.msn.com/life/body/090512/bdy0905122159012-n1.htmワクチンなどの梱包が行われる工程=香川県観音寺市八幡町の阪大微生物病研究会観音寺研究所(加藤孝規撮影) 新型インフルエンザ対策が急がれるなか、予防用のワクチンの製造メーカーが、「さまざまな困難があっても製造せざるを得ない状況」と対応に追われている。ただ新型に確実に有効なワクチンは開発途中で、すでに製造が本格化している季節性インフルエンザのワクチンといずれを優先させるかなど課題は山積している。厚生労働省は6月に製造割合を決めたいとしているが、メーカーは「国が方針を決めてくれないと動くに動けない」と困惑している。 「製造割合など分からないことが多すぎる。早く決めてほしい」 インフルエンザワクチンを製造している阪大微生物病研究会の観音寺研究所(香川県観音寺市)の奥野良信所長は苦渋の表情を浮かべる。同研究会は他のワクチンメーカーと対応を協議する一方、厚労省からの指示待ちの状況だ。 新型インフルエンザワクチン製造用のウイルスが国側から届けば、1カ月ほどかけて大量生産用に増殖する必要があるため、「ワクチン製造は最短でも7月初めごろ」と見込んでいる。ただ製造を統括する多田善一シニアマネジャーは「新型ワクチンも混乱なく製造できる」と自信を見せる。 ワクチンメーカーは同研究所を含め現在、国内に4団体しかなく、新型と季節性の製造にフル稼働の状態で対応する構えだ。 http://sankei.jp.msn.com/life/body/090512/bdy0905122159012-n2.htm かつてメーカーは7団体ほどあったが、数十年前にはワクチンの予防接種による副作用被害が相次ぎ、国の過失を認めて損害賠償を命じる司法判断が出されたこともあり、平成6年から予防接種が「義務」から任意の接種に変更。メーカー関係者によると、ワクチン需要は10分の1以下に減少し、大手メーカーなどが製造から撤退したという。このため、需要が増えたからといって簡単に増産することはできない状況になっている。 一方、今秋ともいわれる「新型流行第2波」に間に合わせるため「ワクチン開発を急いでも効果が薄ければ意味がない」というのが製造現場の見方だ。奥野所長は「初めてのワクチンだけに、動物を使って慎重に試験をするなど、しっかりしたものを作らないといけない。ただ、そうなると供給に時間がかかるかもしれず悩ましい」と話す。 現場の困惑に対して厚労省インフルエンザ対策事務局は「季節性への影響も看過できず、製造割合は最も難しい問題。メーカーの製造能力も決まっているので、季節性を抑えた分を新型に回すことになるだろう。流行に間に合うよう10月には供給できる」との見方を示すものの、こうした方針は正式にはメーカー側に伝わっていない。 新型ワクチンの効果を検証する動物試験について厚労省担当者は「メーカーの製造後に行うのかなどは次のステップで検討する」と話した。 新型インフルエンザ用ワクチンの製造方法は季節性と基本的に同じで、ワクチン用のウイルスをニワトリの有精卵に接種して培養し、感染性や毒性をなくしたうえで製品として出荷される。 ウイルスは生きた細胞の中でしか増殖できないため、有精卵が欠かせない。ワクチンは卵1個につき0.5〜1人分が製造できる。 http://sankei.jp.msn.com/life/body/090512/bdy0905122159012-n3.htm
阪大微生物病研究会の観音寺研究所では、香川県内の養鶏業者から毎週50万〜60万個がトラックで持ち込まれ、工場内に搬入する際に、紫外線照射などで消毒したのち、注射針で卵1つずつにウイルスを接種。室温35度前後で2〜3日間かけて培養したあと約8時間冷却する。 卵の中のウイルス培養液は、殻の上部を切断して取り出され、濾過(ろか)装置や超高速回転の遠心分離器などで不純物を取り除き、濃縮・精製して完成。国家検定を経て製品となる。単純計算で一連の工程は3カ月程度になる。 同研究所では今年、季節用のワクチンを1200万〜1400万人分(1回接種)製造する見込みで、新型のワクチンを作るとすれば、季節用の卵を転用することになる。 |
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