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先週、アクセスのインターンをしていた学生が「永遠のゼロ」という本を読んでいたので、それを貸してもらって、仕事の合間に読んでいます。あと一章残っているのですが、いくつか感想を書いてみます。

 まず第一に、太平洋戦争の流れがだいぶ理解できました。ミッドウェー、ラバウル、ガダルカナル、サイパン、など、今まで、一つ一つの名前は聞いていたけれどもそれらがつながらず、理解できてなかったのですが、それぞれの戦闘の持っていた意味がつかめてきました。
 合わせて、日本軍と米軍のそれぞれの、軍事力や兵器の開発状況、指揮体制の違いなど、かなり詳しく書かれているので、これもだいぶ理解できました。

 第二には、この本に書かれていたので気がついたのですが、日本の海軍は、1904年のロシアとの戦争以来、約40年近く、戦争をしていないことです。戦争をしない、ということは正しいことなのでどうこう言うつもりはないのですが、それがいきなり太平洋を舞台にアメリカと戦争になったために、海軍指導部の指揮に非現実的なものが多かったのだろう、という見方はできると思います。
 
 第三に、陸軍、海軍ともに、それぞれ、陸軍大学校、海軍大学校の卒業時の成績順に序列が作られ、それがそのまま定年退職まで続いていく、という官僚機構化に問題があったのでは、という指摘がありました。これは、よく言われてきていることで、目新しいことではないのですが、この本の中で、実際の現場の地獄のようなありさまと、上官たちの高待遇の間の大きな隔たりが書かれていて、軍隊が官僚機構化することの恐ろしさを感じました。
 これと合わせて、真珠湾攻撃の際に、在米日本大使館職員が、日本から送られてきた「戦線布告」の電信の翻訳に遅れ、結局「戦線布告なき奇襲攻撃」という形になってしまい、これが当時のアメリカの平和主義者たちまで戦争に協力する結果までもたらしていることも、外務官僚の問題だったとして見ることができると思います。

 第四に、この本の中で何度も出てきている点ですが、ゼロ戦は性能を挙げるためにすべての安全機能を外してしまい、軽量化したので、当時としては驚異的な皇族距離と速度を出すことができたそうです。しかし、そのために、燃料タンクにも保護版をつけていなかったので、被弾すればすぐに火を吹いてしまう、あるいは、パイロットのイスも薄い板なのですぐに撃ちぬかれてしまう、そして無線機器までも取り外してしまったり、と、すべてがパイロットの腕と精神力にかかっている、という問題です。
 この点で最近思うのは、日本の原発開発に、この発想が残っているのではないか、という点です。つまり、原発による事故の安全対策や廃炉のコスト、放射性廃棄物の10万年におよぶ厳重管理のコストなどを計算に入れず、「原発は発電コストが最も低い」と主張されてきました。たしかに、発電コスト自身は低いでしょうし、その結果として、経済が大きく成長したのは事実ですが、安全を後回しにして現場の労働者や住民を犠牲にしている、という意味では戦前の日本軍の発想がいまだに残っているのではないか、と思います。
 ただし、これは日本に限らず、他の原発保有国にも言えることで、さらには核兵器保有国にいたっては、かつての日本軍以上に責任が大きいと思います。

 第五には、当時の日本軍の対アメリカ観というのが、「アメリカ人は、個人主義で、組織や国のために自己を犠牲にしようというような考えがなく、身が危険になれば真っ先に逃げ出す。」といったもので、このような精神主義的な考え方が支配的だったのだろうと思います。
 しかし、アメリカは移民国家で、それぞれに貧困から脱出して安定した生活を得たい、という人々の集まりであり、そこに、能力主義、実力主義の基準を持ち込むことで、絶えず、競争が起こり、それが、戦争になれば、少しでも功績を挙げて昇進していこう、という形になるのだと思います。そうした点を、当時の日本軍は見ていなかったのだろうと思います。

 戦争の非情さや残酷さについては、戦後の米軍のしていることを見ていると、常々、感じます。
 最近見かけたサイトの記事ですが、米軍兵士の脳にセンサーを埋め込み、精神的な錯乱状態などを司令部が把握できるようにする、という研究だそうです。
 
http://japanese.ruvr.ru/2014_01_08/127002932/

 かつて、アメリカは、核兵器の爆風に兵士をさらし、結果を調べた、といったこともしています。

 以上が、いったんの感想です。

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こんばんわー

お寒い日が続いております
風邪
ご注意のほどを

将軍様
いすわり

とてもよくないですねぇ

遊びにも全力
ブログ村

正常に運営されてなく
人格破壊で悩んでます

できましたら
ご声援の
ポチ

ヨロシクです

2014/1/16(木) 午後 9:45 [ sekiya ] 返信する

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せきやさん
ありがとうございます。この本(「永遠のゼロ」)を読むと、彼ら(特攻隊兵士)を死に追いやった当時の軍指導部の責任を痛切に感じます。

2014/1/17(金) 午後 11:56 [ access実験農場 ] 返信する

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