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寝台特急「はやぶさ・富士」引退から早や10年が経つんですね。

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ブルートレイン「はやぶさ・富士」のラストランを見送ったあの日から一週間が経ちました。
あれからまだ1週間、何だか随分日が経った気もします。
今週も仕事が忙しく、これまでならちょうどうまい具合に名古屋駅で見送る事のできる時間。
残されたままの4番線足元の「寝台特急乗車位置表示」に余計切なさがこみ上げて来ました。
いくらこの乗車位置で待っていても、もうあの列車はやって来ません…。
なんて、いつまでもこんな事を嘆いていても仕方がないのですが…

今日この記事を書こうと思ったのは、こんな事を言いたかったからではなく、
最終列車がそれぞれの終着駅に到着した土曜の夜、NHKで放映された「はやぶさ・富士」のドキュメンタリー
番組の内容がとても素晴らしかったのでこの記事を書こうと思った次第です。
廃止になって改めて寝台列車の魅力を感じさせてくれるものでした。

番組では廃止直前の上り列車に密着して、乗客の皆さんや乗務員の方へのインタビューが中心でした。
新婚旅行以来ブルトレに乗ったと言うご夫婦。
名古屋から80歳と60歳の父と子の九州への温泉ブルトレ旅行。
うらやましいなあと思いながら、自分にはもう名古屋からブルトレに乗ることも、
親父と一緒に旅行する事も、もはやどちらも叶いません…。

中でも、親子4代での横浜から九州往復ブルトレの旅がとても心に響きました。
九州に住む88歳になるおばあちゃんは、ブルートレインを利用して横浜に住む孫やひ孫の所へと
はるばる会いにやって行って来ました。
でもおばあちゃんは膝が悪いため長時間座っていられないから、寝転ぶ事のできる寝台列車がないと
もう娘や、孫やひ孫に会いに来る事もできないのだと…。
何とも寂しいこの現実。

寝台列車を利用される乗客の中にはこんな方もおられるのですよね。
たった一度でしたが私が高校の卒業旅行で「富士」号に乗った時に一緒に乗り合わせたおばあちゃんも
お正月に東京の息子さん宅へ遊びに行かれての帰路でした。
お年寄りにはどんな乗り物よりもやさしい寝台列車なんだなと改めて痛感いたしました。
確かに飛行機や新幹線ではお年寄りはあまり見かけませんものね。

上りのラストランの乗務を勤めた車掌さんの「お別れ車内放送」には思わず涙がこみ上げてしまいました。
この車掌さん自身も誰よりもブルートレインの廃止を惜しんでおられました。
国鉄の車掌になってから30年、ブルトレ乗務を最後に退職したいとの願いも叶わず、
車掌さんご自身が先にこの列車を見送ることになろうとは…。
ブルートレインへを愛し、乗務出来る事を大変誇りに思われている様子が随所に見られました。

上り列車から見える富士山、あんなに盛り上るのですね。
ちょっとビックリしつつも、一緒に感動を皆さんと分かち合いたかった…。
富士川鉄橋を渡る際の車内放送もあったりして、列車の中は乗客も乗務員とがまさに一体になって走っているんだなって思いました。
普通列車に乗っていても地元の乗客が多いのか、富士山に感心を示す人はほとんどいませんからね。

高度経済成長期を支えた寝台特急でもありますが、故郷へ、また上京するための選択肢として
寝台列車がなくなってしまうのは本当に残念でなりません。

時代は移り変わり、人々のニーズもさまざまに変化して来ました。
新幹線や飛行機に多くの乗客を奪われ、
その結果全廃に追い込まれてしまった東京と九州を結ぶ寝台特急。

旅をするのに、必ずしも急いで目的地へ向かいたい人ばかりではありません。
たとえ新幹線が東京から博多まで5時間と言えども、実際5時間も座りっ放しではかなりの苦痛です。
それならばむしろ16時間かかってでも寝転がって行ける寝台列車を選びたい人だっているのです。

30年も前の古い設備なのにもかかわらず、料金は新幹線や飛行機より高いとあっては…
さすがに利用するのをためらってしまうのも無理はありません。

今時の住宅も30年前に建てられたものとは格段に向上しています。
それだけに車両の老朽化は否めません。
でも人間だって高齢化による「老朽化」が急速に進みつつあります。
先程のおばあちゃんの話ではありませんが、
だからこそ廃止ではなく、新型車両への更改を望みたかった。

約半世紀にも渡ってさまざまな人生を運んできた東京と九州を結んだブルートレイン。
このままこの灯を途切らせてしまってもよいのでしょうか。

東京、関西から北海道へ向かう寝台特急「北斗星」「カシオペア」「トワイライトエクスプレス」が
人気を保ち続けて成功している例からみても、寝台列車へのニーズは相当あると思います。

スピード化時代と言われ、我武者羅に働いて来た時代は今、徐々に変わりつつあります。

これからは心のゆとりや豊かさを求める時代がやって来ていると思います。


全国に張り巡らされた路線網を持つJRグループだからこそ運行できる長距離夜行寝台列車です。
他の交通手段にはない付加価値のある寝台列車をこの廃止を機に、我々乗客としても
JR各社様にも改めて見直して欲しいと切に願います。





写真:2008.2.29撮影 1レ寝台特急「はやぶさ・富士」名古屋駅4番線にて


2015年2月19日 この3月で廃止になる「トワイライトエクスプレス」が豪華寝台車両に更改されて『TWILIGHT EXPRESS 瑞風』として生まれ変わります。
コンセプトは違いますが、トワイライトエクスプレスが新型車両に受け継がれるのはうれしいことです。




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