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日本を代表する大企業、日立、日航が経営に苦しんでいるという報道が相次いでありました。 世界同時不況の影響だけとは言い難いようです。 どうしたというのでしょうか。 かねてから、政治だけでなく、変化への対応が鈍い日本の企業経営と言われ続けてきました。 特に、業界を代表するような企業に、それが見られるということでした。 つまり、産業を動かし、倒産するようなことはあり得ないとされ、いわば官業に近い企業に危機が訪れているのではないでしょうか。
記事は、日立について、「新興国企業の追い上げなど、激変する経営環境への対応につまずき、業績低迷から抜け出せない」と述べています。 “川上”から“川下”までを吸収して巨大化した大企業、 一口でいえば、巨大化には、それがもたらすプラスもありますがマイナスもあるということで、結果としてマイナスが表に出たということだと思います。 その対策として、「好調な子会社を完全に取り込み、日立グループの底上げを狙うのは妥当な判断だろう」としていますが、その結果好調な小会社5社の業績を落とす結果にならなければいいがという懸念がありましょう。 改めて、日本企業の国際競争力を問うてみなければならないのではないでしょうか。 法人税率の軽減や派遣労働者などによる人件費削減によって得た利益体質だけでは、国際競争力の向上とは言わないでしょう。
「日立再建 脱・総合電機への険しい道」
日立製作所が「総合電機」の路線から転換し、復活を目指す。大胆な改革で、収益力を向上させることが急務だ。
日立は、日立マクセルなど上場子会社5社に対し、株式公開買い付け(TOB)を開始した。5〜7割の出資比率を100%に引き上げ、今年度内に完全子会社化する方針である。 日立は今年3月期決算で、国内企業で最大の7873億円の連結最終赤字となった。今期も巨額赤字が予想される。 重厚長大を代表する日本のトップ企業だった日立が、新興国企業の追い上げなど、激変する経営環境への対応につまずき、業績低迷から抜け出せない。
原子力発電から半導体、家電まで、何でも手がける「総合電機」は、総花的な経営を招き、苦境に陥る要因になったといえよう。
日立本社とは対照的に、日立マクセルなど5社は、ハイブリッド車向けのリチウムイオン電池や、次世代情報システムなど有望な成長ビジネスを手がける。 好調な子会社を完全に取り込み、日立グループの底上げを狙うのは妥当な判断だろう。 これを機に、事業の「選択と集中」を進め、総合電機からの脱却に弾みをつける必要がある。
親会社と子会社がともに上場する「親子上場」は、日本企業独特の経営手法とされる。日立がこれを見直す利点は、5社が稼いだ利益を少数株主への配当などでグループ外に流出させず、収益増を期待できることだ。
しかし、巨艦・日立が業績を早期に回復できるかどうか、展望は不透明だ。5社を囲い込んでも、巨額赤字の穴埋めには、とても及ばないからだ。甘い企業体質の抜本的な改革が欠かせない。 日立の上場子会社は、5社以外にも11社あり、連結子会社は900社超に上る。 巨大グループに分散する重複事業を再編して、効率化を図り、経営資源を成長分野に集中できるかどうか。赤字事業からの撤退、非中核部門の子会社売却など、課題は山積している。 リストラ頼みで事業を縮小するだけではなく、技術革新などで競争力を回復し、収益基盤を強化することが大事だ。
こうした日立の試みは、世界不況の克服をめざす日本の産業界にとっても教訓になる。 新興国市場の急成長など、世界が激動する中、新たな成長戦略を描き、有望な事業拡大に先手を打つ姿勢が各社に求められよう。(8月21日 読売新聞)
「日航、赤字の地方路線で廃止・減便上積みへ」
国土交通省は20日、政府監督下で再建を進める日本航空に対して指導や助言を行う有識者会議(座長=杉山武彦・一橋大学長)の初会合を開いた。 この中で、国交省は、不採算路線のさらなる縮小は避けられないとして、日航に対し一定程度の路線の廃止・減便を検討するよう求めた。 日航は2009年度下期に国際、国内の計16路線を廃止・減便する計画だが、9月末までに策定する経営改善計画で、赤字の地方路線などで廃止・減便を上積みする見通しだ。
国交省はこれまで、航空網維持の観点から路線の大幅縮小には慎重だったが、日航の経営悪化が深刻化する中で、「企業体として存続できない路線を残すわけにはいかない」(航空局)との姿勢に転じた。 20日の会合では、日航が示したコスト削減方針が具体性に乏しかったことに対し、出席した委員から批判が相次いだ。
国交省は、貨物など不採算事業について、他社との事業統合や共同事業化を促す考えも示した。 会議は、大学教授や、企業再生に主に取り組んでいる弁護士ら6人で構成する。日本政策投資銀行など金融機関もオブザーバーとして参加。民間企業の再建問題で監督官庁が有識者会議を設置するのは極めて異例だ。 (8月20日 読売新聞)
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