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さて、最近あったニュースで、伊勢神宮がこれまで「神社」の定訳であった shrine を改め、temple とすることを検討している、というニュースがありました。
<伊勢神宮>英訳は「Shinto Temple」に? 毎日新聞のこの記事は、毎日の英語版にも出ていたので、読んだのですが ちょっと考えさせられたところがなきにしもあらず。
というのは、昔から shrine と temple の違いというのは割と疑問で、
神社を shrine, お寺を temple と訳すのは英語的に正しいのだろうか?と思っていたのですが
辞書とかを見てもそう書いてあるし、そういうものなんだろうなあと、なんとなく思っていたからです。
しかし、当然ながら shrine とか temple というのは、日本にしかないものではないので、
もともとの意味は何なのか?というのを考えたことがなかった。
ということがあり、ためしに英和辞典を見てみました。Yahoo! 辞書で引ける新グローバル英和辞典の訳では、shrine は
ということです。
shrine というのは、もともとの語源は[4]のことらしく、キリスト教における shrine というのは
こういうイメージのものが多いらしいのですが、一方で、教会みたいなもののことをshrine ということもあり
実際、ぼくのいたアトランタでは、カトリックの教会でThe Catholic Shirine of the Immaculate Conception というのがありました。
こういう名前のカトリックの教会なんですね。
一方、同じ辞書で temple を引いてみると
[1](古代ギリシア, ローマ, エジプトなどの)神殿. という訳が出ています。
仏教以外に、古代ギリシャや古代ローマの神々の神殿、またユダヤ教やヒンドゥー教の寺院など、
要するに「キリスト教以外」という色合いが強いですね。イスラム教は出てこないけど。
アテネの「パルテノン神殿」とかも、temple ということですね。
「神殿」が「寺」だといわれてもピンときませんが・・・
ということは、パルテノン神殿に勤めている神職の人は「お坊さん」なんでしょうか?
それはそれとして、これから日本の神社のことを shrine ではなく temple にする、というのはどうなんでしょうか?
学問的には、temple の方が定義上、近いのかもしれないけど、ここまで普及している言い方を、今から変えられるのでしょうか?
どうせ、どっちにしても正確な翻訳ではないですからね。
逆に、外国のものを無理やり、日本にある似ているものに訳してもだめじゃない。
例えば、エジプトのピラミッドを「天皇陵」と訳すとか
あるいは、ブラジルの「これ」を「リオの大仏」と訳すとか
みたいなことになるので・・・
逆に、日本の独特のものを、無理に英語に訳しても、ちゃんと伝わらないですからね。
例えば、「お好み焼き」を Japanese pancake (←これはたまに見る)
あるいは、「おでん」のことを Japanese bouillabase (←これは見たことない)
あるいは、「じゃじゃ麺」のことを Japanese meat sauce spaghetti (←これはあったりして)
やっぱないですかね。
結論としては、「神社」の英語訳は、あんまりいじんない方がいいと思います。
【記事からおぼえた単語】 ① ponder 熟考する <記事に出てきた表現>というか見出し Ise Shrine ponders changing name to Ise Temple 伊勢神宮、Ise Temple への英文名称の変更について熟考 ② proponent 賛成者、支持者
<記事に出てきた表現> Ise Shrine may change its name to Ise Temple if proponents of the change have their way. 伊勢神宮は、賛成者の意見が通った場合、その英語の名称を Ise Temple へ変更するかもしれない。 ③ enshrine (遺物などを)納める、安置する、(神聖なものとして)祀る。
この動詞には shrine が含まれていますが、伊勢神宮の英訳が shrine じゃなくなったら、この動詞も使わないのだろうか? <記事に出てきた表現> Ise Shrine enshrines the ancestral gods of the Imperial Family and tutelary deity of the Japanese people. 伊勢神宮は、皇室の祖先の神々や日本人の守護神を祀っている。 【参考にした記事】
The Maihicni, May 25, 2012
Ise Shrine ponders changing name to Ise Temple http://mainichi.jp/english/english/newsselect/news/20120525p2a00m0na019000c.html 同じ記事の日本語版(内容は微妙に違います)
毎日新聞 2012年6月12日
<伊勢神宮>英訳は「Shinto Temple」に? http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120612-00000038-mai-soci |
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先日(と言っても数ヶ月前)伊勢神宮に行った者としては、ちょっとびっくりです。アメリカ人に伊勢神宮を説明するにあたり私なりに神道と仏教、そしてtempleとshrineを説明したつもりだったんですが。
なんか無理矢理ズボン(死語?)をパンツと呼んだり、ジャンパー(これも古すぎ?^^)がブルゾンと呼ばれてるのに通じるような気がするのは私だけですか?
2012/6/18(月) 午後 5:06 [ ミー ]
Atlantaさん、こんばんは<m(__)m>>Shinto Temple:外国人には「神道」が理解できないと思うので今まで通りの呼び方でいいように思います。実際日本人でも寺と神社の違いがわかっていないので(両方ともお参りする人がほとんどでは?)今までの呼び方で十分だと思います。
2012/6/18(月) 午後 9:33
こんにちは♪shrineは神社でtemmpleは寺..と単純に思ってました。それで神道と仏教の違いがわかるんだと思ってました。本来の英語の意味を教えていただき、改めて考えさせられました。とちらの単語を使っても、伊勢神宮を表現するのは無理ですね。きちんと補足説明しないかぎり。。(といっても地元出身の私でもきちんと説明できません)
2012/6/22(金) 午後 3:24
へええ!!スゴイです。
式年遷宮が来年なんですね。立派な慣習ですよね。
2012/6/27(水) 午前 0:11
ミーさん:
お久しぶりです。
伊勢神宮行かれましたか。ぼくはまだ行ったことがないので行ってみたいです。
出雲大社は行ったことがありますが、あれはShrineのままでいいんですかね。
2012/7/1(日) 午前 0:36
hisahisa さん:
ぼくも寺と神社の違いって日本語でも説明できないです。近所にある○○寺って、手水場もあるし、お正月になると初詣もやってて、おみくじも売ってますよ。
2012/7/1(日) 午前 0:40
お茶飲猫さん:
あれ?三重県ご出身でしたか・・・
ぼくはまだ行ったことないのですが、住みやすそうなイメージのところですね。
2012/7/1(日) 午前 0:42
クラクラさん:
式年遷宮をご存知とはさすがクラクラさんですね。
ぼく自身はこの記事で初めて知りましたし、それが英文名称の見直しとどう関係があるのかも、いまいちわかりません。
2012/7/1(日) 午前 0:44
わたし的にはshrineはヘブライ語で『安息の場所』を意味するシャイロ(shiloh)が何らかによりシュラインになったのではないかと思います。
そして日本語の『社(やしろ)』はヘブライ語で神を現す『Yah』と『shiloh』が組み合わされてヤーシャイロ→ヤシロになったと…
因みにヤシロの意味を調べたものをコピペします↓
や‐しろ【社】 の意味
出典:デジタル大辞泉
《「屋 (や) 代 (しろ) 」の意。「代 (しろ) 」は神を祭るために地を清めた場所》
1 神を祭る建物。神社。
2 神の降臨する場所。土地を清めて祭壇を設け、神を祭った場所。
以上の考察により神社はshrineが妥当だと思います。
2017/5/5(金) 午後 0:48 [ bok*sar*sun*88 ]
ShrineとTempleについて同じ疑問を持っていた方がいて良かったです。
伊勢神宮に関しては見たところ、信仰の象徴として見るか権威の象徴として見るかという文化的な問題が絡んでそうですね。
それに上記のbok*sar*sun*88さんの意見も踏まえて私もShrine派です。(笑)
2018/11/9(金) 午後 8:53 [ Ashino ]
> bok*sar*sun*88さん
日本語の社(やしろ)は、ヘブライ語から来ているのですか?他にもヘブライ語由来の日本語があるのですか?日本の古代から、ユダヤの影響があったとは、よくある話ですが、どのくらい遺跡遺物があるのでしょうか?考古学的資料や、出典の書籍をご存知なら教えてください。
2019/1/5(土) 午前 0:24 [ 緑泉 ]