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別れのブルース     藤浦  洸
 
窓を開ければ  港が見える
メリケン波止場の  灯が見える
夜風  潮風  恋風のせて
今日の出船は  どこへ行く
 
むせぶ心よ  はかない恋よ
踊るブルースの  切なさよ 
 
       < エッセイ >
 
     昭和11年   2・26事件
             日独防共協定調印  
     昭和12年  上海事変開始
             国民精神総動員体制
 
    「別れのブルース」が流行した昭和12年ころはこのような時代で  
   あった。
    代用品生活、配給、パーマネントはやめましょう、日の丸弁当
   奨励、国民服・もんぺ姿。 
    今でも右翼の街宣車で声高く歌われている「出征兵士を送る歌」
   のような軍歌で国民精神が高められていた背景にあって、何の
   へんてつもない恋歌「別れのブルース」の意味がきわやかにたって
   くる。
    娼婦か女給が本気で一夜限りの外人マドロスに恋をする歌は
  淡谷のり子によって、いやがうえにも退廃的に、そして彼方への
  憧憬を込めて歌われたのに違いない。 
 
       執筆   阿木津  英
                 歌人  福岡県生まれ
 
 
        * 写真    横浜港に面した赤レンガ倉庫
 
 

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