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「野田首相の謝罪が必要」…米大統領機情報流出
読売新聞 9月10日(土)10時32分配信

 羽田空港の航空管制官が、米大統領専用機「エアフォースワン」の飛行計画などをインターネット上に流出させた問題で、政府高官は9日夜、「日米首脳会談で野田首相からオバマ大統領への謝罪が必要になるだろう」と述べ、ニューヨークで21日にも行われる日米首脳会談で、野田首相が直接大統領に謝罪する検討に入ったことを明らかにした。

 別の政府高官は、今後の日米関係に深刻な悪影響を及ぼしかねないとして、「事実関係の詳細な調査と厳正な対処を(国土交通省に)指示した」と述べた。

 複数の政府筋によると、情報流出については8日までに野田首相に報告され、国土交通省から米軍にも説明したという。米側からは、再発を防止するよう厳重な申し入れがあったという。
<東日本大震災>あれから半年 被災地、明日へ歩き出す
毎日新聞 9月10日(土)2時9分配信

街が、家が、生活が、そしてかけがえのない多くの命が流され、絶望のふちにいた。もう立ち上がれないと思った。あの大震災の日から半年を迎える。乾かぬ涙、止まらぬおえつ、将来へのいたたまれない不安……。心の傷は癒えないが、子のため、家族のため、亡くなった人のため、被災地はゆっくりと、でも着実に明日に向かって歩き出している。

【津波、火災、避難】3.11東日本大震災発生当日を写真で振り返る

 ◇立ち上がる海の男

 「子供のために頑張らないと……。父から受け取ったバトンを子供に渡したい」

 宮城県女川町竹浦の漁港で、阿部敏郎さん(35)と藤田清貴さん(35)が今秋から養殖を再開する。それぞれ父が手伝い、父から子、子から孫へと海の将来が託される。

 阿部さんは父敏雄さん(57)と震災前に取り組んでいた銀ザケの養殖を10月から再開する。銀ザケ養殖は餌や稚魚代などの経費が他の養殖よりかかるが、「復興を目指すには、リスクを負っても収益が高い銀ザケしかない」と思った。震災前は年間12万匹を養殖していたが、今年は8万匹からスタートする。

 収益が出るまでアルバイトで生活費を賄うことも覚悟している。それでも銀ザケに懸けるのは、小学生の時から父を手伝って銀ザケ養殖に打ち込んできた漁師のプライドがあるからだ。

 「銀ザケ養殖をやってみたい」。中3で進路を考えていた長男碧仁(あおと)君(14)が興味を持ってくれているのが励みだ。

 「休んでても始まらない。今年は小規模でも息子の代に借金を残さないようもう一度成功させたい」

   □  □

 藤田さんは11月から、先輩漁師の鈴木祐二さん(55)と共同でホタテ養殖を始める。震災前はカキとホヤの養殖をしていたが、ホタテは経費が比較的かからないからだ。稚貝は北海道から調達する。父清さん(69)には、養殖で使うロープの用意などの陸上作業で力を貸してもらう。

 竹浦は県と町が進める漁港集約化の拠点港にならず、港施設などの復旧遅れが懸念されている。がれき処理も進まない。岸壁が沈下した港での養殖再開は「見切り発車」とも藤田さんは思う。

 くじけそうな気持ちを支えてくれるのがやはり子供たちの笑顔だ。震災間もない4月7日、長女朱里(じゅり)ちゃんが生まれ、3人の子の父になった。「子供たちを見ていると、もう一回やってみようと思う。子供たちに海の恵みを食べさせたい」【宇多川はるか】

 ◇ジャズ喫茶、仮設店で営業再開

 震災津波で岩手県陸前高田市のジャズ喫茶「ジャズタイム ジョニー」の常連客の多くも犠牲になった。店を経営する照井由紀子さん(58)は話す。

 「あの顔も、あの顔も……。カウンターに戻ってこないという現実を受け止められる自信はまだありません」

 でも、照井さんは仮設店で営業を再開することを決めた。支えてくれた人と前を向いていきたいと思うようになったからだ。

 前身の喫茶店は75年に開業。照井さんは調理や清掃など裏方として店を支えてきた。経営状態が悪化し、立ち退きを迫られていた10年前に店を引き継ぎ、軌道に乗せた。

 3月11日は店内で洗い物を片付けていた。

 激しい揺れに外へ飛び出した。「津波が来る!」。高台の本丸公園へ急いだ。自宅も店も流された。自慢の6000枚のレコードも消えた。「でも、もっと大切なものを津波は奪っていきました」

 「恩人」がいた。立ち退きを求められていたころ、大家と交渉し経営を続けさせてくれた常連客の老夫婦。夫(当時79歳)は3月10日夜も来店した。「俺たちが店を守る」。それが最後の言葉だった。

 ライブを毎年9月に企画してくれた写真店の夫婦も津波にのまれた。直前、その夫(当時56歳)はお年寄りを車で避難所へ送り届け、照井さんに「嫁さんを乗せてくる」と手を振って自宅に向かった。それきりだった。

 市立高田一中の避難所にいた照井さんはふさぎ込んだり、あふれるようにしゃべったりしては後悔した。店のことなど考えられなかった。しかし3月下旬に新聞記者の取材を受け、とっさに「仮設の店でもいいから働きたい」と答えていた。新聞を見た常連客や知人からレコードやプレーヤー、食器が届いた。「みんなに押されて、覚悟が固まりました」。7月にNGOの支援制度に申し込んだ。8月から仮設住宅で1人暮らしをしている。

 店は今月21日に再開する。旧店舗から約2キロ離れた所に平屋のプレハブを建てた。カウンター5席、テーブル席16席。客がデータ保存していた旧店舗の看板文字をシールにし、プレハブの壁に貼り付けた。「店は不格好でいい。ただ、生きてくれた人たちと楽しい時間を過ごしたい。時には逝ってしまった人とも、おしゃべりしながら」【市川明代】
「知っている」が学ぶ心を妨げる
Business Media 誠 8月30日(火)14時45分配信

企業で研修を行うと、たいてい主催の人事部(人材育成担当)は受講者(社員)に事後アンケートを取ります。そのアンケート結果は、研修プログラムの開発者であり講師である私にとっては、いわば成績表のようなもので、良い評価であれば励みにし、意見やクレーム・批評のようなものがあれば改善要求書ととらえて参考にします。いずれも見るのは楽しみです。

しかし、そんな中で残念な感想というのがあります。それは例えば――「分かりきった内容のことが多かった」「どこかで聞いたような話だった」「1日拘束されてやるほどの情報量がなかった」「理論的に目新しいものではない」「実際の業務には使えない」といった類のものです。

 もちろん私も、このような声が出ないよう、もっと知的満足を与えるための改善の努力を重ねるわけですが、このような類の感想はどうしても出てしまうのです。その理由は「知識が学ぶ心を妨げているから」です。

●「観念が仕事を作り、観念が人を作る」

 私が行う「プロフェッショナルシップ(一個のプロであるための基盤意識醸成)研修」は仕事やキャリア形成に関わるマインド・観を涵養する内容なので、いわゆる知識習得・実務スキル習得ではありません。働く上での原理原則の観念をさまざまに肚に植え付けること、そして思索・内省の脳を大いに動かすことを狙いとしています。

 私は「観念が仕事を作り、観念が人を作る」と確信しています。さらには、観念は価値を生み出す基となるものであり、観念は人を結びつけるものであるとも確信しています。例えば私が紹介する観念は――。

 「心が変われば、行動が変わる。行動が変われば、習慣が変わる。習慣が変われば、人格が変わる。人格が変われば、運命が変わる」(星陵高校野球部・山下智茂監督の指導書き)。あるいは「悲観は感情に属し、楽観は意志に属する」(アラン:仏哲学者)、または「チャンスは心構えをした者に微笑む」。(パスツール:科学者)といったようなものです。

 これらわずか1文に表された観念を肚に落としてもらうために、ワークをやり、ゲームをやり、ディスカッションをやり、1日とか2日とかの研修プログラムをこしらえます。

 原理原則を含んだ観念というのは、古典的な言い回しです。当然それらは一読して当たり前の内容であり、新規性のある情報や理論は含んでおらず、地味で説教じみたものです。そんなとき、「心が変われば運命が変わる? まぁ、教訓としてはそうだよね」「ああ、その言葉、聞いたことある。知ってる(で、それが何?)」「チャンスは努力しないと来ないってことでしょ。はいはい、分かってます(で、明日から使えそうな具体的ハウツーは何か教えてくれるの?)」……受講者の中で「知識狩り」「ハウツー情報狩り」の人の感想はこうなりがちです。

●「知識が学ぶ心を奪ってしまう」

 知識を狩るにしても、ハウツー情報を狩るにしても、それは1つの好奇心の表れですから、まったく悪いというつもりはありません。しかし、自分の外側にある新奇のものばかりの収集・消費に忙しく、自分がすでに持っている内側のものの耕作・醸成を放置していることが私は残念だと言いたいのです。

 私たちはあまりに知識所有教育を受け、情報優位社会に生きているので、「ああ、それなら知ってるよ」と思ったとたん、それ以降の「考えること」をしなくなります。そして、もっと知らない知識・もっと目新しい情報を欲しがるのです。

 ここで、小林秀雄を引用しましょう。次の箇所は小林が小中学生に語った『美を求める心』に出てきます。

「言葉は眼の邪魔になるものです。例えば、諸君が野原を歩いていて一輪の美しい花の咲いているのを見たとする。見ると、それは菫(すみれ)の花だとわかる。何だ、菫の花か、と思った瞬間に、諸君はもう花の形も色も見るのを止めるでしょう。諸君は心の中でお喋りをしたのです。菫の花という言葉が、諸君の心のうちに這入って来れば、諸君は、もう眼を閉じるのです。それほど、黙って物を見るという事は難しいことです。(中略)言葉の邪魔の這入らぬ花の美しい感じを、そのまま、持ち続け、花を黙って見続けていれば、花は諸君に、嘗て見た事もなかった様な美しさを、それこそ限りなく明かすでしょう。画家は、皆そういう風に花を見ているのです」

 小林は「言葉が美を見る眼を奪ってしまう」と言います。それと同じように、私は「知識が学ぶ心を奪ってしまう」と思います。つまり、「ああ、アランのその言葉なら知ってるよ。『幸福論』に出てくるやつでしょ」と、自分がそれを知識としてすでに持っていると認識するや、その人はもうその言葉に興味をなくします。その言葉の深い含蓄を掘り起こし、自分の生きる観念の一部にしようという心を閉じるのです。

 知識狩りに忙しい人は、新奇のものを知ることに興奮を得ていて、本当の学び方を学ばない。ハウツー情報狩りに忙しい人は、要領よく事を処理することに功利心が満たされ、物事との本当の向き合い方を学ばない。

 とはいえ、人生とはよくできているもので、こうした情報狩りに忙しい人も、ハウツー情報狩りに忙しい人も、いつかのタイミングで古典的な言葉に目を向けるときが必ず来ます。誰しも、悩みや惑い、苦しみに陥る時があるからです。人は何か深みに落ちた時に、断片の知識や要領のいい即効ワザだけでは自分を立て直せないと自覚します。そんな時、自分に力を与えてくれるのが古典的な言葉です。その言葉を身で読んで、強い観念に変えて、その人は苦境から脱しようとします。

 そういうことがあるから、私は古典的な言葉を通して、大事な観念を研修で発し続けます。今はピンとこないかもしれないけれど、その人の耳に触れさせておくということが決定的に大事です。

 自分の外側には無限の知識空間があり、そこを狩猟して回るのは興奮です。他方、自分の内側には無限の観念空間があり、そこを耕作することは快濶です。狩猟の興奮を与えるコンテンツ・サービスは世の中にあふれていますが、耕作することの快濶さを与えるものは圧倒的に少ない。私はその圧倒的に少ない方に自分の仕事の場を置きました。

 3・11以降の日本がどうなるかを考える時、日本人がこの耕作にどれだけの振り返りをみせるかは1つの重要なポイントになると感じます。人を強くするのは多量の知識ではなく、健やかな観念です。興奮は一時的な刺激反応ですが、快濶は持続的な意志活動です。日本人の1人1人が「知ること」を超えて、「掘り起こすこと」に喜びを見出していくなら、日本は1つ強くなれると思います。(村山昇)
冷蔵庫いらずの保存法 余った食材を乾物に
産経新聞 8月28日(日)7時55分配信

節電対策として賢い冷蔵庫の使い方は、冷蔵室に食品をため込まないことだ。しかし、ついつい食材を買い過ぎて余らせた分を冷蔵室に詰め込み、腐らせたという人も多いはず。食材を常温で長期保存するには“干す”という手段もある。達人に聞いた。(村島有紀)

 ◆竹串で干す

 『冷蔵庫いらずのレシピ』(1260円、ワニブックス)の著者、按田(あんだ)優子さん(34)は乾物や塩漬け肉など保存食を活用するストック料理の研究家。「余った食材を乾物にしたり、塩漬けにしたりすることで長期間常温保存でき、調理も簡単になる」と利点を説く。

 自家製乾物に必要な道具は、竹串や洗濯ばさみ、ざる、紙など意外にも身近にあるものばかりだ。作り方は、薄く切ったダイコンやニンジン、キノコを竹串で刺し、洗濯ばさみにつるしたり、ざるの上に乗せたりするだけ。もちろん、専用の干しかごを使って、ベランダなどにつるしてもいい。大切なのは、食材全体に空気が当たり、風通しを良くすることだそうだ。

 按田さんは「環境によって違うので、何日ぐらい干せばいいという目安はない。カビさせず、これ以上小さくならないというところまで乾いたらOKです。洗濯物が乾く部屋なら、室内でも乾物を簡単に作れますよ」とアドバイスする。

 ダイコンなどの場合、ゆでてから干すと、生から干すのとは違った食感が楽しめる。完成した干しダイコンは、水で戻してあえ物にしたり、鍋や煮付けに入れたりすればいい。「戻した乾物の方が調味料がよく染み込み、味付けも簡単。しかも食材の味も凝縮されているのでうまみが強い」(按田さん)

 ◆干しゴーヤー

 今夏、窓やベランダでの日よけ用「緑のカーテン」として人気のゴーヤー。ゴーヤーも干して保存すれば、長期にわたって食べられる。

 作り方は、縦半分に切って種を除き、厚さ5ミリほどに薄くスライスして紙の上に並べて干す。時々、紙を動かしカビの発生を防ぐといい。調理の際には、10秒ほど湯につけて戻す。乾燥した海藻とあわせて天ぷらにしてもおいしい。干しゴーヤーに湯を注ぐとゴーヤー茶にもなるので試してみよう。

 イカや貝柱などの海産物も塩水で煮詰めてから干して使うといい。

 ◆ストレス減少も

 以前から冷蔵庫に野菜を詰め込み、食べきれずに腐らせてしまうことにストレスを感じていた按田さんは、東日本大震災後の数カ月間、節電のために冷蔵庫の電源を切って生活をしていたという。

 「常温でストックする習慣があるので、それほど不便を感じなかった。狭い部屋だと冷蔵庫が発する熱でも暑くなる。食材を長期保存用にアレンジすることで、『早く食べ切らなきゃ』と思うことがなくなり、ストレスも減りますよ」と話している。

 【干しゴーヤーと海藻の天ぷら】

 《材料・2人分》▽干しゴーヤー8枚▽フノリ(またはアオサなど)10グラム▽小麦粉大さじ2▽水大さじ▽揚げ油、塩適量

 《作り方》〔1〕干しゴーヤーを湯(分量外)に10秒ほど浸して戻す。フノリはさっと水(分量外)にくぐらせ、ざるに上げる。〔2〕(1)をボウルに入れて小麦粉をまぶし、水を加えて軽く混ぜる。〔3〕(2)をつまみ、180度の油でカリッとするまで揚げる。仕上げに塩をふる。

 【ゆで干しダイコンの作り方】〔1〕皮をむき、薄さ5ミリ程度に輪切りしたダイコンを全体に透明感が出るまでゆでる。〔2〕中央に竹串を通し、串の両端をざるにかけて干す。〔3〕水分が完全に抜けたら出来上がり。
誰もが陥っている“その場しのぎ症候群”の処方箋
ITmedia エンタープライズ 8月22日(月)7時45分配信

 企業人、誰にも覚えがあろう。毎日毎日が忙しくて忙しくて、こなしている仕事で雑用が多く、しかもどうも自分で選択したというより、他から与えられて、あるいは押し付けられて余儀なくやらざるを得ないトラブル処理や、会議出席などに振り回され、限られた時間の中で、一見テキパキ処理しようが、悩み苦しんで処理しようが、結局は「その場しのぎ」で切り抜けている。

 偶然できたつかの間の空白の時間、しかもごく短時間にホッとして机に座って書類を処理して、それがあたかも本来の仕事をしている錯覚に捉われ、それさえ叶わぬときは自宅に書類を持ち帰り、あるいは休日に出てきて書類を処理する。本来は「その場しのぎ」を脱するための根本策を講じなければならないのに、精神的にも肉体的にも疲れ果てて、そこまで思いが及ばない、いや少なくとも手が付かない……というわけだ。

 この状態を放置しておいてよいはずがない。放置すれば、いろいろな問題が深刻化する。

 ロジャー E.ボーン教授(カリフォルニア大学)も、その研究成果の中で指摘している(「Diamond Harvard Business Review」=「DHBR」May 2011. 「その場しのぎ症候群から脱する法」西尚久訳、本記事のタイトルはここから一部借用)。R.E.ボーン教授によると、企業では問題が次々と発生し、対処する時間が不足することが常態化している。問題を放置するよりも「その場しのぎ」でも手を打った方がよい場合もある。

 しかし、「その場しのぎ」による悪影響は、仮に問題が解決してもシステマティックな解決よりも時間を要し、生産性が著しく低下し、不充分どころか間違った解決をもたらし、最悪の場合は製品の市場回収や工場の操業停止、有能な人材の疲弊による退職など、本来業務の経営資源まで食いつぶすことである。

 なぜ「その場しのぎ症候群」が多くの企業で発生し、しかも常態化しているのか。

 企業の実態を若干分析してみよう。大手エレクトロニクス・メーカーA社のB生産管理係長の例だ。よくもまあ毎日毎日、問題が次々と発生するものだ。製品の納期問題が、最多だ。購入資材や外注部品の納入遅れ、治工具や型などのトラブルによる製造工程の遅れ、顧客からの短納期品の飛び込み受注などにより、製品納期遅れが発生する。それに伴う生産計画変更が必要だ。さらに製造ラインを遊ばせる事態になると、製造班長や係長から猛烈な突き上げを食らう。

 火消しのため東奔西走の活躍だ。しかしB係長は、資材や外注部品の恒常的遅れに対する根本的解決策や、頻発する短納期飛び込み受注に対する営業との背景分析や根本策などの手を打たなければならないと時には思いつつ、いつも時間がない。むしろ、その場しのぎの手を打って事態が一段落するたびに、一種の達成感さえ味わった。

 次は、設計の例だ。中堅健康機器メーカーC社のD設計課長は、毎日時間に追われていた。まず、C社ではプロフィットセンターが設計部署になっているので、担当部門の業績結果はD課長の最重要課題だ。予算収益未達成が予想されると(大体未達成が多い)、D課長はその原因究明と対策で多大の時間を取られた。製品改良や新製品開発の推進も必要だ。さらに、多くの会議の膨大な資料作成があり、ほとんどの場合設計部署責任で作成する。合間を縫って、関連部署からの問い合わせに対応したり、多くの会議に出席する必要がある。

 ある時トップから、健康機器のある電気部品を価格低減の目的で、国産からドイツ製に切り替える検討をするよう指示された。該当電気部品のテストが必要だ。Dは担当者Eに指示した。指示されたEは、これまた毎日時間に追われていた。該当電気部品について、メーカーからの性能データの裏づけをするテスト指示書を出した。彼も、相談を受けたD課長も、トップ指示でもあり、その程度のテストで何とかなると安易に考えた。

 2年後に、市場で該当健康機器の出火事故が発生した。ドイツ製電気部品の耐用試験がC社ルールに厳密にのっとらず、甘かったのだ。「その場しのぎ」の付けが回った。

●その場しのぎ症候群の症状

 R.E.ボーン教授は、次のうち3つ以上の症状が見られたらその場しのぎ症候群に陥っていると指摘する。これは、その原因とも解釈される。(1)すべての問題解決の時間がない、(2)おざなりの解決だ、(3)問題が再発しエスカレート、(4)ことの重要性よりも緊急性が優先、(5)小事が大事に発展、(6)パフォーマンスが下がる。しかし、これらは単なる現象の羅列だ。

 「その場しのぎ症候群」の原因は、上記実態例でも示唆されているように、

 (1)「その場しのぎ」でむしろ充実感さえ味わい、結果的にこれでよしの認識に陥っている、

 (2)「その場しのぎ」が習い性になってしまい、例えば部長・課長・係長共に大きな問題が発生した際には部下に任せていた中小問題について、大きな問題がない時につい手を出してしまう、

 (3)あまりにも時間に追われるため、根本対策を考えて実行する発想が頭から消えている、

 (4)そして何よりも、「その場しのぎ」が社内認知されているということだ。

 さて、「その場しのぎ症候群」の処方箋だ。R.E.ボーン教授提案の処方箋を一部参考に、次の処方箋を提案する。

 (1)問題に優先順位をつける(R.E.ボーン:一部の問題は放置することを覚悟の上で、問題発生時点で問題を取捨選択する)。これは、軍医学からの応用だというところが面白い。

 そんなこと当たり前だ!と言われそうだが、現実には問題が起こるはなから手を付けているので、謙虚に反省すべきだ。原因でも触れたように、発生した問題の重要性に無関係にとにかく食らいつくことを止めることだ。辛いことだが、中には放置する覚悟が要る。

 「放置」できる1つの根拠はある。しばしば指摘されることだが、P.F.ドラッカーも主張する、「「企業は、自然現象ではなく社会現象である。そして社会現象は正規分布しない。つまり社会現象においては、一方の極の10%からせいぜい20%というごく少数のトップの事象が成果の90%を占め、残りの大多数の事象は成果の10%を占めるに過ぎない」(P.F.ドラッカー「創造する経営者」ダイヤモンド社)。

 (2)問題をグルーピングして、まとめて根本的に解決する。上記A社の例で部材納入遅れや短納期飛び込み受注などは頻繁に発生するが、グルーピングして根本解決すべきだろう。

 (3)「その場しのぎ」に報奨を与えない(R.E.ボーン:最悪の窮地から組織を救った人は英雄視される。しかしその人は、問題が発生した時にはどこで何をしていたのか。何故問題が大きくなる前に、先手を打って行動しなかったか)。確かに陥りがちな罠は、「その場しのぎ」で縦横無尽の活躍をする者をつい優秀な人材とみなし、評価してしまうことだ。それでは、「その場しのぎ」は決して無くならない。

 (4)さて、最も根本的な処方箋だ。まず大前提として、何が何でも「その場しのぎ症候群」を根絶するのだという強い意志を全社に浸透させ、企業文化として定着させなければならない。それをブレークダウンして示せば、

 ・「その場しのぎ」は罪悪であるという認識を社内に植えつけ、社長方針に明記し、あらゆる機会に経営者はそれを復唱する。さもなくば、「その場しのぎ」人は「やり手」と誤解され、本人も間違った充実感を持つからだ。これは、経営側の課題だ。

 ・「その場しのぎ」に参画しないと、疎外感さえ持つ。その「その場しのぎ」習い性から、意識的に脱出する努力をする。中小問題を振り切る冷たさと思い切りを持ち、空いた時間で根本策を練る努力をすべきだ。これは、その場しのぎ実行側の課題だ。

 ・「その場しのぎ」の実績を「登録」し、その後フォローアップして根本策を実施したという「報告」を義務付ける制度と、それを監査するシステムを整備する。

 「その場しのぎ」は火消しとして避けられないだろうし、大火に至る危険があるから認めざるを得ない必要悪だが、根本策でフォローアップすることを義務付けることが必要だ。【増岡直二郎】

(ITmedia エグゼクティブ)

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