道草agenda

本とか映画とか昼寝とか。

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冬の本

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このところの冷え込みの厳しさといったら。
もう、本当に冬って感じですね。

こうなると、ただでさえ引きこもりなのに、ますます部屋から一歩も出ない日々が
やってくることとなります(仕事には、嫌々ながら行くが)。
このブログに足を運んで下さる方、皆さん熱心な本読みで、
私は読まない時はホントーーーに読まず、酒飲んでDVDとかドラマ観て惰眠をむさぼって
いるのですが(そして、その「読まない時」が圧倒的に多い)、
それでも、なんとなく冬は読書モードに入りやすかったりします。

積ん読本が多すぎて(これに関して語ると一つの記事になるので、それは改めて)
まずはそこから片付けろよ!と方々からツッコミが入るものの、
新しく出たあの本読みたいなあ、とか、今度図書館であれ借りよう、とか、
はたまた、読みかけで放置してウン年のあの本、そろそろ再度トライするか…とか
色々と考えます。それもまた楽しいひととき。

で、冬の時期は、「今度、なに読もうかな」と考える時のワクワク感が
強いような気がします。なんでだろう?やはり年末年始だから?

そういえば、小学校の時から、冬休みに入って、部屋の大掃除を終えて
(私は病的な「片付けられない女」で、子供の頃から母にどやしつけられて
泣きながら部屋の片付けをしていたものでした…そして今は…考えないことにしよう)
ポッカリと時間のあいた大晦日の昼過ぎから夕方。
駅ビルの書店で、「お正月に読む本」を買ってくるのが最も心躍る時でした。

年が明けてしまえば、おせちを食べてダラダラして、ふと我に返ると三が日も終わり、
新学期の準備出来たの!?もーいい加減ダラダラするのはやめなさい、と再び怒られる。
むしろ、年内の雑事を片付けて、あとは新年を迎えるだけ、という、空白の時間。
それでいて、皆、なんとなく浮き足立っていて、町中も最後の賑わい
(当時は、いまのように1月2日とか、ヘタすりゃ元日からお店がやっているなんてことはなかった)。

そんな中で、翌日にはお年玉を入手するというプレ好景気な気分も手伝い、
羽振り良く、新刊のハードカバーを、それも上下巻の読みでのあるものを買ったりして。

で、夕食の年越し蕎麦(私の実家は、年の変わり目に食べるのではなく、夕食を兼ねていた)
が出来るまでの間や、紅白歌合戦の、興味のない歌手が歌っている間などに
パラパラと開いて読み始める、あの感じがとても幸せでした。

実際に年が明けると、コタツでダラダラとテレビをみながらお菓子を食べて、
深夜映画をみて(年末年始の深夜映画って、なんであんなに充実してるんでしょう?
で、毎年同じようなのをやってた。アラン・パーカーの「フェーム」とか
エリザベス・テイラーの「熱いトタン屋根の猫」とかヘップバーンの「おしゃれ泥棒」、しかも吹替、とか)
・・・・・なんてやってるうちに本を読み進めることもなくお正月は終わってしまっていたりしました。
それでも、毎年、大晦日に本を買うのが楽しみでした。

いまとなっては、そういう習慣もなく…恐らく、常日頃からのべつまくなしに本を買ってるからだと思いますが。
でも、やはり、年末年始に何を読もうかな、帰省(世帯主の実家が九州なので)や旅行の際に
新幹線で読む本はどれにしようかな、などと考えるのはウキウキします。

去年(というか今年)、とても印象的だった読書体験があって。

世帯主の実家に帰省していたのですが、元日、家で特にすることもなく、
「中学の同級生の家に遊びに行く」と世帯主が言い出したので
一緒に出かけ、私はいい加減一人になりたかったこともあって、
彼が遊びに行っている間、途中にあるモスバーガーで時間をつぶしていることにしました。
元日から営業していることにも驚いたけれど、
お客さんは私以外に一組いるかいないか、時には店内に私だけ。
時々、車で来て(田舎なので車でしか来ない)テイクアウトしてまた車で去っていく気配。
そんな感じで、静かなモスバーガーの、一番奥の窓際の席で、
窓の外の、出たり入ったりする車や、裸になった木々などを時折眺めながら、
コーヒーを飲んで、煙草を吸って、本を読んでいました。
その時に読んでいたのは、堀江敏幸の「雪沼とその周辺」だったのですが、
これがもう、なんとも、その時の空気や、自分の気分に、異様にしっくりきたのでした。
しん、としていて、少し心許なくて。
いまでも、あの時、その中の一編「スタンス・ドット」を読みながら
物語に出てくるボウリング場のひんやりした空気を体感していた、あの感触が甦ります。

これから、毎年、冬が来て、どんな本を読もうかと思った時に、
田舎の貸切状態のモスバーガーでの、あの情景を思い出すだろうな、と思います。

そんなわけで、目下の私の「冬に読む本」としてのインパクト1位は
堀江敏幸「雪沼とその周辺」です。

他にも、アリステア・マクラウドの作品群はカナダの冬の厳しさが身に凍みるし、
立原正秋にも冬の小説が多く、読みながら(そして大抵、男にイラつきながら)
身体の真ん中を冷たい風が吹き抜けるような気持ちになったりします。

さて・・・この年末年始は何を読もう。

閉じる コメント(8)

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暮れの印象的な読書体験といえば、10年ぐらい前の大晦日に、一人
事務所で電話番しながら読んだ、デイヴィッド・ハントの「魔術師
の物語」(新潮文庫)。ミステリーなのだけど、一人称で語る女の
人が眼の病気で白と黒でしかものを識別できない。白黒の世界で語
られる一人称小説という凝ったものでした。その日は一本の電話も
なく、夢中で読み終えたのを憶えています。

2008/12/15(月) 午後 5:34 [ すいす ]

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こんばんは。
しんみり心に残る本に出会えて本当によかったですね〜
うらやましいです。

私なんて過去やたらミステリー小説程度しか
読まなかったので思い出の書なんて思い浮かばない(笑)
なんかさみしいですね〜(笑)

私の年末年始は読書は休憩かなぁ。
今年はふだんの自分とは別人になったみたいに
すごく、すごく読んでいるほうので(笑)

2008/12/15(月) 午後 8:57 [ 海外の長篇小説 ]

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>まさゆきさん
あーーー、それは、なんともいえない感じですね〜。
なんだか想像してしまいました。
ガラーンとした事務所に一人、大晦日。
読んでいる本はモノクロームの世界で描かれたミステリー。

ミステリーの語り部が、肉体的な特殊性を持っているという時点でドラマですよね。
ブリジット・オベールの「森の死神」(全身麻痺の車椅子の女性が主人公)を思い出しました。

2008/12/15(月) 午後 10:56 [ salvaje ]

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>モーラさん
物語と、情景と、シチュエーションがリンクしたって感じですね。
違う本を読んでいたり、季節が違ったりしたら、また印象が違うと思います。
でも、それを抜きにしても「雪沼とその周辺」はとても良い短編集です。寒い日にコーヒーを飲みながら読むのにぴったり。

私は逆に、ミステリーは門外漢です。ほぼ全部読んだのはパトリシア・ハイスミスぐらいで・・・
でも、ものすごく叙情的なミステリー小説もありますよね。
おぼろげな記憶ではトマス・H・クックかなにかの小説にそんな余韻のあるものが、あったようななかったような・・・

>今年はふだんの自分とは別人になったみたいに
すごく、すごく読んでいるほうので(笑)

えっっっ、ものすごく読まれてるじゃないですか!
世を忍ぶ仮の姿なんですか???

2008/12/15(月) 午後 11:09 [ salvaje ]

salvajeさん、こんばんは。
↑皆さんのコメントに臆してしまいますが、参加させてください。笑
私は今とてもブログ(しかも文学)に書けないような雑用に追いまくられ、そそっかしい私がほんのわずかなミスも許されぬという状況に、読書どころでなく心身ともにダウンしています。
でもこうして全くそんな世界を忘れさせていただけるブログをROMさせていただくのは楽しい。
立原正秋・・高校生の時よく読みました。「春の鐘」とか。
高校生の選択ではないですよね 笑
実家でなにげなく見つけたんです。パラ見していたのですが、途中から!!!!の未知なる描写の連続(笑)に読みいってしまいました。

本当は今こそ立原正秋適齢期?なんですけどね。

後、salvajeさんの小学生の時の年末年始の話はほぼ私の話といっていいくらい似てます。
ただし私は本ではなく付録のある漫画だったんですけど。

本は今はともかく年末年始にいろいろ読めたらなーとは思っているのですが、そううまくいくかどうか。。ってところです。

2008/12/16(火) 午後 10:19 [ reona678 ]

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>レオナさん
いや、そんな、臆するなんて言われたら。。。
私なんて年内にもネタ切れするんじゃないか位のお粗末ぶりです。

お忙しくて大変みたいですね。
無理して体調崩さないようにして下さいね。
でも、息抜きに来てもらえるのはとても嬉しいです。
いつでもお待ちしております!!

しかし高校生で立原正秋とは、早熟ですね〜。
私は30歳になるかならないかの時に、図書館で1、2冊読んだらハマって、ちょうど全く同じ全集をヤフオクで安く入手して一気に読みました。
でも、高校生だとよくわからない機微がある一方、恋愛経験を重ねた身で読むと、立原作品に出てくる男どもにはイライラさせられます、、、
オメーラ、なんつー勝手な〜〜〜!!と。
またそれに翻弄されて流される女にもイラつくんですけどね。
ま、それも含め、男女の機微というか、「わかってはいるけど、でも、でも、、、」という味わいともいえるでしょうけど。

年末年始は少しゆっくりできるといいですね。
そういう時は、壮大な物語でも読んで、
「あー自分の日々の悩みなど小さいことだなあ」という気分になると良いかも???

2008/12/17(水) 午前 0:00 [ salvaje ]

こんばんは。

堀江敏幸の「雪沼とその周辺」
僕は「末見坂」を先に読んでからそちらを読んだんですけど、雰囲気は似てますよね。
凄くジジくさい小説だと思ったんですけど、主人公をさんづけで呼ぶ辺りは新鮮で面白かったです。
僕は何だろ、文章の雰囲気からもっと歳がいってる人なのかと思ったらまだ40歳くらいなんですよね。

いつだったか何かの雑誌で藤沢周が絶賛してました。
僕は個人的に藤沢周フリークなので、それで読んでみたしだいです。

冬に読む本。
僕は必ずこのくらいの時期になると太宰治の「人間失格」を読みますね。
何故だかは理由はないです(笑)
もう7、8年はそんな感じです。
ちなみに今年はさっき読み終わりました(笑)
一つの年中行事みたいなものです。
何の感慨ももう沸かないんですけどね。
ハイ、今年も終わり、そんな感じになります。

ちなみに年始め一発目に読む本は夏目漱石の「こころ」ってのが、やはりお約束だったりします(笑)

2008/12/18(木) 午前 0:22 [ - ]

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>てつきちさん
そうそう、「未見坂」は「雪沼」の続編みたいな感じらしいですね。
読みたいけど、まだ読んでません(まさしく「未見」…)。
堀江敏幸は、なんというか都電荒川線テイストですね
(実際、王子近辺在住らしいし、「いつか王子駅で」という作品もあり)。
そこらへんが妙に落ち着いた、老成した感じになってるのかも。
ま、いいの、あたしもオバハンなんで…

藤沢周は、顔がすごく好きでして…芥川賞とった頃
何作か読んでましたが、最近のは全然です。

年末年始の読書はクラシックなセレクトなんですね。
「人間失格」…思いつきませんでしたが、確かに春に読むよりは
木枯らしの晩に火鉢にあたりながらヒロポン打つ、的なイメージかも。
「こころ」は昔、市川崑が監督した映画があって、
「先生」は私の大好きな森雅之(彼は有島武郎の息子です)が演じていました。
森雅之は「影のあるインテリ」が超ピッタリなもんで、はまり役でしたが、映画自体は、ま、アレでした。

私は漱石は「草枕」が特に好きかな〜。
って、長らく読んでないんで、また読み比べると違うかも知れませんね。

2008/12/18(木) 午後 0:22 [ salvaje ]


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