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新国立劇場で上演された、井上ひさし作・「雨」を観た。
この作品は1976年に主演が名古屋章で初演されたものだという。初演から数えると、35年を経ての
上演となるのかな。作品の位置から言ったら、もはや古典に属するほどのものだ。
今回、この芝居の主役の徳をを演じるのは、市川亀次郎。(35才だという)彼の演技力は今の同年代の
役者のなかではトップの位置にあるのではないかと、私自身は思っている。この芝居を見たいと思った理
由の一つはそういうことにもある。
物語は、江戸両国の大橋のたもと。雨宿りに入った金物拾いの「徳」という男は、新顔の老いた浮浪者か
ら「喜左衛門さま・・・?」と、声をかけられる。どうやら羽前平畠藩の紅花問屋「紅屋」の御当主、喜
左衛門と間違えているらしい。
莫大な財産と平畠随一の器量よしの女房おたかを残し、行方が分からなくなっていると聞き、浮浪者の言
葉に誘われるように、本物の当主に成りすまそうと、江戸を後にする徳。
北に向うにつれて変わっていく言葉に戸惑いながらも、喜左衛門として、一世一代の大芝居を打つ日々が
始まった・・・
そして、当地に着いた徳は、「顔や容姿は似せられたとしても、とてもなかみまでは似せられねぇ」とい
う現実に気づく。しかし、平畠に入った瞬間、「天狗隠し」という茶屋の娘の言葉を聞いてハッとする。
女房を含む家族と暮らすようになって、辻褄が合わないことが起きたら、「天狗隠しにあった」ことを
持ち出して、その場を切り抜けて行こうとする。その辺はなかなかの喜劇に仕上がっている。
貧しい金物拾いの男「徳」の計画は果たして成功するのだろうか。
ネタバレになるが、彼は逆に、この藩と紅花作りの紅屋が藩益のために仕掛けた罠にはめられてしまうの
だ。
東北弁を身に付け、喜左衛門になり切ったとたん、残酷な悲劇が起きる。
その命運を握るのが、喜左衛門の妻”おたか”の存在だった。(おたか役は永作博美)
彼女は美しく、気持ちは優しく見えるが、本人が意識しているいないは別として、恐ろしい女である。
最後は、徳もやっと彼女を妻として心が通じたと思う。
が、その瞬間を、おたかは待っていたかのように、徳を藩の謀略に利用し、殺してしまう中心人物の役割
を果たす。
舞台は時々観客の中から笑いが起きるような、陽気でにぎやかな場面も出てくる。
しかし、その笑いの背後には、得体の知れない一種の黒い秘密が隠されているような不気味な予感が漂っ
ていて、終始、舞台の進行に緊張感を強いられ通しだった。
随って、良く出来た戯曲ではあるけれど、後味はどうも良くなかった。
市川亀次郎は、この芝居の最後は死人の姿で終わる。
2度目のアンコールの時にやっと起き上がって頭を下げるがその顔を笑顔で終わらせるわけには行かない
だろう。
私の出かけた日は月曜日だったせいか、若い人の姿はほとんど見られず、観客は年配の人たちばかりだっ
た。そういう私も相当な年配の観客の一人というわけだけれど・・・
実は劇中で語られた東北弁の台詞も私はほとんど理解できなかった。
見終わって、こんなに疲れた芝居は初めてだ。
★一枚目の写真は「新国立劇場を玄関側から撮ったものです。
★プログラムを買ったのだけれど、市川亀三郎の写真が余り良く撮れていないので、新聞に載っていた
写真を複写しました。
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あらぁ〜・・・せっかく買ったのに残念でしたね。
でも素晴らしいショーを見られて良かったね。
2011/6/21(火) 午後 8:47
トマトさんは山本耕史クン、藤原竜也クンそれに市川亀次郎クンといずれもイケメン男優のファンですね。大昔から女性はこんな贔屓筋に入れあげていたのでしょうね(笑)。ポチ☆
デモ今の芝居は何でも複雑に作りすぎていて安心して可愛いいなあ、いい男だなあと浸ることが出来ないのが玉にきずでしょうかねえ。
2011/6/21(火) 午後 9:28
新国立劇場は初台のオペラシティの横の劇場ですね。
新宿の京王新線のホームがJRから凄く遠くてくたくたになった覚えがあります。
井上ひさしさんは東北弁にこだわりますね。
例えば、吉本の芸人さんの大阪弁は全国区ですけれど、大阪のお歳寄りの早口の大阪弁は聞き取れませんですからね。
影武者とか王様と乞食みたいな感じのお芝居かな?
そういえば、長い間お芝居も観ていません。機会があったら観に行きたいと思いましたよ。ポチ☆
2011/6/22(水) 午前 0:44
たかちゃん、私が観たのは「ショウ」なんかではないですよ。
2011/6/22(水) 午前 7:21 [ afuro_tomato ]
迷えるオッサンさん、上の3人の他に、境雅人君、福士誠治君、など、イケメンですけど、どこかに何かマイナス面を隠し持ったところのあるような俳優に惹かれます。若いときは、片岡知恵蔵、月形龍之介、藤原鎌足等が好きでした。錦之助、雷蔵、千代之介、橋蔵、などには全然興味が持てなかったです。長谷川一夫もだめでした。
井上ひさしの芝居は、良く出来ているけれど、もう一ひねりないと、結末は初めから予想されてしまいますね。
その辺に印象の薄さが残りました。
2011/6/22(水) 午前 7:38 [ afuro_tomato ]
小生は先週の金曜日(17日)に観劇しました。井上ひさしの作品は好きな作家の一人なので、いつも楽しく拝見しています。新国立劇場は料金も安く、席もすわり心地がいいので、ここのところずっと通っています。「雨」の最後は、tomatoさんと逆の感想で、これぞ井上作品!と思わせてくれた一編でした。栗山演出による紅花がたくさん彩られたラストの舞台美術は圧巻でした。東北弁は確かにむつかしかったですね!東北弁の会話の中で、客席から笑い声が起こると、彼らは東北出身の人かと、勝手にかんぐってしまいました(^^)
市川亀ちゃんは昨年さいたま芸術劇場で観た「じゃじゃ馬ならし」に続いて、歌舞伎役者の技術を見せ付けられた思いでした。
次の井上作品観劇は「父と暮らせば」「キネマの天地」を予定しています
2011/6/22(水) 午前 9:42
眼とろん星人スジャータさん、私も今回京王線で初台まで行こうとしたら、初台行きのホームへは随分遠くまで歩かされ、場所も良く分からなくて閉口しました。(苦笑)
井上ひさしさんご自身は東北出身の方ですから、東北の中の地方によっても東北弁の使い方が違うので、最初の場所と最後の場所の東北弁が違っているそうです。タダでさえ、東北弁が分かり辛いところに、そこまで凝って台詞を作っていらしたそうですが、役者の方々も、皆さん、これらの膨大な東北弁との格闘が大変だったようです。
観客の私もこれらの東北弁の台詞を聞き取るのに大格闘した気分でした。
2011/6/22(水) 午前 11:52 [ afuro_tomato ]
tさん、お久しぶりです。あれ以来ずーっと観劇を続けていらっしゃるのですか。
新国立劇場は客席から舞台が良く見えるように工夫されていますね。
今回私は前から15列目の真ん中あたりで見ました。舞台の左右の動きがとても観やすくて最高の席でした。
実は私は20年ほど以前に、市川亀次郎さんのお婆ちゃんである喜熨斗ひろさん(芸名・高杉早苗さん)と一緒に同じ結社で俳句をやっていたんですよ。
なのに、そのとき、彼女の口から亀次郎さんのことは一言も聞いていませんでした。が、今になって考えてみたら、20年前といったら亀次郎さんはまだ中学生ぐらいでいらしたわけですね。舞台でお披露目ぐらいはやられたかもしれませんが、まだ亀次郎という名前がついていたかどうか分からない頃でした。
それと、数年前、NHKの大河ドラマで武田信玄の役をやられていた時、偶然或るパーティーでご一緒になり、写真を撮らせていただいたりしました。そんなこんなで、この人のお芝居は出来るだけ観さしていただこうと思っているんですが・・・さて、上手く暇が取れるかどうか、です。
2011/6/22(水) 午後 1:06 [ afuro_tomato ]
素敵な、ちょっと日本語でありながら理解できない東北弁。ご苦労様です。それも楽しいですね。
2011/6/22(水) 午後 1:19 [ bet*i6* ]
beti6さん、東北弁もぜんぜん分からねわけではなけれども、細かなところはすっとばすて、聞くいげいに手はなかったす。
劇そのものはごっつ心に沁み申したす。
2011/6/22(水) 午後 1:31 [ afuro_tomato ]
本格派のお芝居なんて、長く観て無いです。読みながら、羨ましくてうずうずしてきました(笑)。
2011/6/22(水) 午後 9:15
井上ひさしさんは、「ひょっこりひょうたん島」を書かれた作家さんとだけしか知りません。そしてそのひょうたん島は先日の大震災で被害に遭った岩手県の大槌町にある島がモデルって事ぐらいです。
今回の記事「雨」とは関係なかったですね。
2011/6/22(水) 午後 10:29 [ - ]
モクレンさん、私はお芝居は好きですが、この眼で見たいというものは少ないです。
でも、これだけは何が何でも見ておきたいというのが、1年に2,3回位あります。そういう芝居は、何とか都合をつけて見に行くことにしています。今年はもうこれで3回見に行ってしまいましたから、後は無しですね。(苦笑)
2011/6/23(木) 午後 3:53 [ afuro_tomato ]
空色きりんさん、いやいやそんなことはありませんよ。彼の「ひょっこりひょうたん島」が井上ひさしさんの作だとは私、いままで知りませんでした。そうだったのですか。そういえば彼は一時期NHKに勤めていたそうですね。その頃、書かれた作品だったのでしょうか?
井上ひさしさんは、もう少し長生きして欲しかった作家の一人です。
2011/6/23(木) 午後 3:58 [ afuro_tomato ]
井上ひさしさんのファンの年齢層が高めだからかな??東北弁はなれないと聞きとれないですものね・・・
2011/6/27(月) 午後 4:32
むにゅさん、あまりに早口でしゃべられるので、台詞を言ってる役者さんも、果たして意味が分かって言っているのかな?と思わず思ってしまいました。(笑)
2011/6/27(月) 午後 5:46 [ afuro_tomato ]
こんにちゎ、検索から来ました。
実際に観られたのですね・・・
うらやましいです♪
わたしは、BSプレミアムシアターでみました♪
TBさせてください!
2011/10/2(日) 午後 0:23
museumさん、運良くよい席が取れましたので、見て来ました。
面白い筋立てでしたが、哀しいお芝居でした。
どうぞ、TBなさってください。
2011/10/3(月) 午前 8:54 [ afuro_tomato ]