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今、夢中になって読み耽っている「鬼平犯科帳」の面白さの中身の一つに、<食べ物屋>に付いてのエピ
ソードがある。
物語の随所に出てくる食べ物屋のうんちくにはその都度、思わず唾を飲み込みたくなる。
その中でも、軍鶏鍋屋の「五鉄」はピカ一の存在だ。
その「五鉄」という軍鶏鍋屋が、今も現存しているという情報を、ブログ友の一人(迷えるオッサン)さ
んがコメントしてくださった。
店の造りは、今も冷暖房無し、昔のままの面影を残しているとのこと。
小説では「五鉄」となっているその店は、現在も「鳥栄」という名前で、小説の舞台と同じ場所ではない
が、「鬼平」の舞台の一つである湯島天神の近くにあるという。
「これは、すぐにでも行って写真に収めておきたい」と、オッサンさんのコメントを読んだとき思った。
が、この埼玉の果てから、湯島天神まで出かける時間と、電車の乗り降りを考えると、すぐには出かける
ことは出来ない、と半分諦めていたところだった。
ところが思いがけないチャンスがやってきたのである。
私は三人姉妹の長女だが、最近になって二人の妹から、箱根に行って温泉にでもつかって、ゆっくりしよ
うではないか、という誘いを受けた。
29日、30日と箱根に遊んで31日に東京まで帰ってきたが、私は翌日の午後ちょっとした用事がある
ので、新橋のシティホテルに一泊することに決めていた。
翌日の用事は、午後からだった。当初は午前中、ホテルで体を休めるつもりでいたが、ふと
「そうだ、こんな貴重な時間が出来たんだ。のんびり寝てなどいられない。
このチャンスにかの軍鶏鍋屋・五鉄を見ておこう!」
と、いうわけで、ホテルの近くの地下鉄乗り場から、二度ほど乗り換えて「湯島」駅まで来てしまった。
とりあえず、湯島天神に参拝。
境内の札所には、合格祈願の祈願札が山のようにかけられていたが、今の私には全く関係ない。
そして、いよいよ「五鉄」へ。つまり今の「鳥栄」へ、である。
それは湯島天神の後ろを通っている大通りの向こう側にあった。
あり広くない道路の四差路の一角にそれは建っていた。
着いたのが朝の10時を過ぎたばかりだったので、勿論店は開いてはいない。
外から見たところでは、思ったほど古びているようには見えなかった。
中が見られなかったのが、残念と言えば残念だが、今日はここへ来るのが目的ではなかったのだから致し
方ない。
やはり、物語で語られているように、さほど大きな店ではなかったけれど、ここが、鬼平達がたびたび
出入りしていたところだと思うと、なんとも言えず懐かしい気持ちになった。
といっても、その辺には大きなビルがいくつも立ち並んでいて、周りには昔の面影は全くといっていいほ
どなかった。
鬼平をご存知ない方のために記しておくと、鬼平こと長谷川平蔵は実在の人物なのである。
その鬼平がたびたび訪れた舞台の一つがこの軍鶏鍋屋「五鉄」なのだ。
こんなに早々にここに来ることが出来るなんて思っても見なかった。
念のためにいうと、私は今「鬼平犯科帳」の17巻を読み始めたところである。
★上は湯島天神社殿
★下は軍鶏鍋屋「鳥栄」(物語の中では<五鉄>という名前の店で、場所は深川の本所にある、というこ
とになっている)
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