気ままな人生1人旅(agasaの世界)

ブログと仕事を完全に切り離すことにしました

昔のagasa(50代後半の時期

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50歳後半のagasaと現在(71歳)の心の変化を知りたくて
10数年前に開設していたHP(エッセー)から拾い出して載せてみれば面白いかも?
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    「顔」
(前編)   
                         
 福岡生まれの杉田陽子と幼馴染の橋本太郎は、東京で開催された高校の同窓会で10年振りに出会う。
それからお互いに気が合い、1年ほど交際したのち、小さなアパートで同棲を始めた。
 太郎は頭の切れる外科医を目指す医者の卵。陽子は子供好きで保母さんをしていた。

 1年同棲した頃から太郎の様子が少しづつ変わり始めた。家に帰っても無口になり、今まで呑まなかったお酒を のんでは、陽子に当たるようになった。
 太郎には勤務先病院長娘との縁談が持ち上がっていた。院長の娘は生まれつきの病弱な身体で、太郎もほん の1回院長室で逢っただけの女性だった。

 小柄な陽子に比べ院長の娘裕香はスラリとした背の高い女性で、色白な透きとおるような、白い肌をしていた。
ある日院長は太郎に信じられないような話を持ち出してきた。
 「裕香は今のままだと数年の命と言う。君なら優秀な外科の腕がある、何とか娘の命を助けてくれないか、例え罪を犯すような事があっても後の事は全部自分が責任を取る。
もし成功したならば君を娘の婿としてこの病院を継いでもらう。
 君がアメリカに留学してもっと腕を上げたいと言うなら、それ叶えよう」一郎は迷った、陽子に対する愛情はなくはなかった。

しかし、それ以上太郎にはやってみたい仕事があった。
 以前より頭の中でいつも思う実験があった。それは人間の臓器移植で、それもある人間の全部の臓器をそのまま そっくり、別の人間に移植すれば人格はどうなるかと言う実験だった。
 裕香の弱った臓器を全部取り替えると言う、とてつもない構想が彼の頭にあった。
しかしそれには難題が山のようにあった。が、彼はそれをやってしまった。
 裕香の手術は成功した。裕香の父親が自分の別荘に、誰にも知れずにひそかに手術室を用意して太郎にすべてを任せた。

こうして裕香の手術は成功して1年の別荘での静養を終えた。
そして約束通りに太郎は裕香と結婚した。あれほど病弱だった裕香は、はつらつとした元気な娘となった。
 院長夫婦の喜びは大変なものであった。今まで両親に見せなかった、おちゃめな裕香に、両親は病気がこれほど子供を苦しめていたのかと、十数年の裕香の苦しみを始めて知った。
 太郎も自分が犯した罪の意識は微塵もなかった。自分の仮説がどこまで正しいかを考える事しかなかった。
ところが日に日に裕香は陽子のしぐさに似て来た、太郎は驚くのではなく満足だった。
 「俺は陽子を殺してはいない、現に今俺の前にいるのは裕香ではなく、陽子なのだ」

裕香の方にも変化があった。
 鏡を見る度に自分は誰だろうと不安を感じはじめた。
そのうちに裕香の顔に変化が出て来た。太郎の計算違いだった。裕香の顔が陽子の顔に変化し始めた。
 院長夫婦の嘆きは計りしれない。

 以前より陽子の失踪に疑いを持っていた陽子の、保育園の園長の岩井は陽子を探ししていた。
 岩井は太郎に疑いを持ち、別荘の中に入って探していた。偶然庭に埋められた女性の死体らしきものを発見して警察に通報していた。しかし警察官が太郎を同行して死体を掘り起こしたが、顔の腐敗が進み誰か見分けが つかなかった。
そんなところに裕香が現れた。岩井はてっきり陽子は殺されたと思っていたのに、薄暗くなっていた庭の懐中電灯に照らされた顔は陽子だった。
 太郎は驚く岩井にうすら笑いを浮かべた。女性の死体は身元不明の死体として、鑑識の検査のために警察に運ばれた

殺されたと思った女性が生きていている以上太郎がこの女性を殺したと言う証拠はない。
 院長夫婦もこの死体が娘の裕香の身代わりで殺された女性だと言う事は出来ない。
 病院がスキャンダルに巻き込まれひいては自分も殺人の共犯者になる。
 結局庭に埋められた女性の死体は、院長夫婦が、娘の生態移植の、身代わりの女性だと言わない限りは、身元 不明の死体として迷宮入りに入るしかない。

 院長夫婦は娘の顔でない、女性を家に置くわけにはいかない、身体は娘の裕香には間違いないのだが、事件の発覚を恐れて太郎と娘を家から追い出してしまった。
いくら裕香が両親に「私は裕香よ!」と。しかし両親には裕香の声は届かなかった。
 由香は太郎と一緒に家は出たのだが太郎はまるで別人のようになって、「何故顔が変わってしまったのか分からな い」と、ブツブツ言いながら夜の暗闇の中に消えて行った。

 裕香は自分の身になぜこんな事が起こったのか頭が混乱していた。途方にくれていると裕香を追って来た保育園の園長岩井が裕香のすべてを受け入れ結婚を申し込んだ。
 裕香は行く場所の無い自分に優しくしてくれる岩井を頼るしか仕方なかった。
 体型と顔が違う陽子を誰にも逢わす事が出来ない。

拓也はすぐに陽子を連れて母親の郷里の福岡に陽子を連れて行き、そこで2人は結婚した。
 母親が小さな幼稚園を経営していたので2人はそのまま母親の跡を継ぐ事となった。
 顔と内臓は陽子だが、体型はスラリとした、ナイスボディーの裕香の身体そのものだったが、裕香は自分のこの運 命を受け入れ、陽子として生きて行く覚悟を決めた。

両親の事が一番の気がかりだったがどうする事も出来ない。心の中は裕香そのもの、記憶もすべて裕香で ある。
しかし顔が全くの別人の顔を鏡で見る度にどうしようもない。そのやり場の無い自分をコントロールするのには長い年月がかった。
 夫の岩井拓也はとても優しい男だった。陽子とは違う裕香に最初は戸惑いを隠しきれなかった。しかしやはりお互い同じ屋根の下での生活をともにするうちに、互いに信頼関係が出来新しい陽子を心から愛するよ うになって来た
数年後2人の間には女の子が生まれた。
 (後編に続く)

 「顔」   (後編)
 拓也と陽子の間に生まれた女の子は朋子と言う。心のしっかりした女の子、いや!女の子と言う年齢ではない。今は短大卒業後、看護学校に通い今は立派な看護士となっていた。
 娘の朋子は本人の希望もあり東京の方へ看護学校卒業後上京し、東京の都心にある内科クリニックで働いていた
下町にある小さな「渡辺クリニック」と言う病院で院長は70歳近い医者だった。院長1人に看護士1人、でも患者さんは結構おおかった。
 下町人情があり、近所の患者と院長とはずっと昔なじみの関係だった。そんなある日院長が朋子に「岩井君、どうだ すっかり看護士も板についてきたじゃないか、ここに来て3年だな もうどこの病院にいっても仕事は大丈夫だ」「えっ!私はここにおいて頂けないのですか?」突然の院長の言葉に驚いた。
 
「実はな!このクリニックを閉じることにしたんじゃ」と院長。「でも患者さんも沢山なのに、何故ですか?」と納得でき ない朋子だった。「だいぶ前から私は身体の具合が悪かったのだ、親友の医者に看てもらってた」「でもお元気そう なのに」と朋子は信じられない様子。
 渡辺は「岩井君の勤務先は心配しなくても良い」「実は私の身体を看ていてた親友の開業している病院に岩井君の就職を頼んでいる」「君もきっと喜んでくれるだろう」

 数日後朋子は渡辺医師に紹介された病院の前に立っていた。大きな総合病院。朋子は今までは小さなクリニックで、人情のある患者さんに囲まれ本当に楽しく仕事をしていただけに、大きな病院の前に立った時大きな不安がよぎ った。
 事務員さんに案内されて院長室に朋子は入った。
 案内されて院長の前に頭を下げて「岩井朋子と申します」ちょうど院長は書類に何かを書き込んでいた。院長はもう70歳は過ぎた感じだった。顔を上げ朋子の顔を見た。
 院長の顔が真っ青になった。「君は?」院長は一言言うのが精一杯だったようだ。驚いたのは朋子の方で、ただな らない院長の様子にどうしてよいか分からない。
 
「えっ!何か?」院長は気を取り直し「いやっ!失敬、亡くなった娘と君がそっくりなので驚いた」院長は「そうだよな、世間にはざらにある事だろうからな」
「君のことは渡辺君から聞いている、福岡が実家だそうだね」「はい!両親は福岡でちいさな幼稚園を経営しています。
 「本当は私が幼稚園を継がなくてはいけないのしようが」
「なぜ看護士になったのかね?」朋子はゆっくり院長の顔を見ながら「自分でもよく分からないのですが、昔から私は看護士になるんだ」と決めていたのです」
 院長は立ち上がり窓の外を見ながら「家内が君を見たら驚くだろうな、うりふたつなのだ、娘とね」朋子は聞いては いけない事かもしれないと思いながら「娘さんは亡くなられたのですか」と。
 院長は「皆には亡くなったと言う事にしているが、本当は分けあって」と口を濁した。

この日は院長との面会で終わりそれから数日が過ぎた。朋子の担当は小児科病棟だった。職場の雰囲気も悪くは なく何となく安心した朋子だった。
 福岡の両親には数日前に渡辺クリニックを辞めて新しい病院に変わると言う事を話したがまだ病院の名前などは言ってなかった。
 今まで住んでいたアパートを出て寮に入ることになり、福岡の陽子に病院の住所と名前を携帯のメールで送った。

それから数週間はあっと言う間に過ぎていった。病院にもなれ同僚の看護士たちとも上手く溶け込む事が出来た。
ある昼休みナースセンターの同僚がはなしていることが耳に入った「ねえ!山田さん、あなた知ってる?この病院の娘さんのこと?」と40過ぎの看護士の佐藤が山田有紀子に話しかけていある
「えっ!どんなこと?」と佐藤幸子尋ねる。朋子は包帯を巻きながら黙って聞いていた。
 「ここの病院は娘のために腕のいい外科医を入り婿にして、病弱な娘の内臓の手術をさせたんだって」「娘さんはよ くなったの?」とさも興味がありそうに山田有紀子は尋ねた。
 「うん手術は成功したらしく、当時は院長夫婦は大喜びだったの。でも1年後に不可解なことが起こったの」
 「どんなこと?」「手術の1年後に娘夫婦が2人とも行方不明」でも本当は娘の手術が1年後に失敗した事が分かり娘は廃人同様になり病院の手前何処かの施設に入れられたと言ううわさ」山田有紀子は「じゃ婿の外科医は?」
 「病院に婿としていられるわけないじゃん、院長夫婦に追い出されたのよ」
2人が話しているとナースコールがなり「あっ!今行きます」
と山田有紀子は部屋を飛び出した。佐藤は仕事の続きを始めた。
朋子は院長が何かわけありだったことの意味を知った。

この病院にも若い外科医がいた院長の甥だと言う。
このところ朋子の側によく来ていた。悪い人間ではなさそうだ。
でも少し気が弱そうな感じの男性で名前を泉田進と言う。
 皆からは進先生と呼ばれ皆の信頼度はかなり高いようだ。だんだん2人は親しくなっていった。
 院長は2人の仲はむしろ喜んでいた。

ある日院長室に呼ばれた朋子は始めて院長婦人孝子と会った。
 孝子は朋子を見るなり泣き出してしまった。ハンカチで涙をふきながら「ごめんなさい、つい娘を思い出して涙がでたの。でも、よく似てるそっくり何だか娘が帰って来たように」またも院長婦人は泣き出した。

それから1年後2人は院長夫妻の仲人で結婚する事になった。福岡の両親も喜び挨拶をかねて院長夫妻に福岡か ら岩井夫婦が上京してきた。
 院長室で泉田夫妻と岩井夫妻が顔を合わせた。孝子は岩井夫妻に逢った時に院長婦人は陽子の顔を見て「あなた とは何処かでお逢いしたような気がしますが」と、陽子は「世間にはよく似た者は多いものですよ」陽子は乱視が少し悪くなり、メガネをかけていた。4人は結婚式の当日の様子などを話し合った。
 
岩井夫妻が帰るその時に院長は岩井と話ながら部屋を出た。陽子は院長夫人の後ろから部屋を出た。
 孝子はもう70歳は過ぎただろうか、後ろ姿に老いを感じた。
その孝子の後ろ姿に陽子は思わず「お母さん!」と涙声で声をかけた。前を歩いていた孝子は「えっ!裕香の声」と
驚いて後ろを振り返った。
 
後ろにはメガネを外して涙を流して立っている陽子がいた。その瞬間孝子はすべてを知った。
 陽子の両手を取り「裕香あなたなの?」孝子は25年前に橋本太郎と裕香を追い出す時に裕香が「お母さん私よ顔は違うけど心と頭は裕香なのよ、信じて」と泣き叫ぶ裕香を信じてやらなかった自分をこの25年間ずっと後悔しつづ けていた。
もう何も疑う余地はなく、顔は違うけれどそこに立っているのは娘の裕香に間違いない「朋子さんに逢った時から、 何故か裕香に逢えることができそうな気がしてた」
「裕香お母さんを許して」と泣き出した孝子たちの様子をみて院長もすべてを知った。
 岩井は陽子から上京する前に娘の朋子が泉田病院に勤めた事を聞きすべて承知の上で上京してきたのだった。
院長夫妻には信じてもらえないと思いあえてこの事には触れないでいた。
しかし裕香の方はやはり親子の血は濃く感情が抑えきれなかったようだ。顔を見ずに孝子の後ろから声をかけたの が幸いしたのだろう。
 声は死ぬまで女はほとんど変わらないまだ50代の裕香の声は。
その後岩井夫婦は福岡の幼稚園を閉め、若い朋子夫婦の住む東京に出てきて岩井は病院の事務長を勤める事に なり、25年の歳月を埋めるように裕香は母親の近くにマンションを借り毎日母親と過ごす数時間を大切に暮らす日 々となった。
 (完)  2003-11-5
以前アップしていた2003年 HPに記載していた短編小説をコーピー 貼り付けしてアップ
でも文字の不揃いが訂正出来ず 見苦しい文字になっていましたが(この書庫の前文)
今日「もしかしたら?」と
一太郎ソフトを使い 文章(文字数 行数)を設定したところにコピー貼り付けをして
成功したようです

14年ほど前 HPに記載したもので おかしな文章もあると思いますが 片目を瞑って読んで下さい
訂正 などの編集はボチボチ

(コンピューターゲーム)
朝から天気は上々、昨夜まで降っていた雨が嘘のようだ。
 手塚智子の机の窓際からは、急がしそうに小枝から小枝へと飛び回っている雀たちの様子が見える。
 智子はただ、ボーッとその小鳥たちの姿を目線で追った。

 「さっ!パソコンを開こう」
  智子はいつものようにパソコンのスイッチを入れた
 パソコンは「ヒユーン」と少し鈍い音を立てて画面が出てきた
 HPをこの頃開設したばかりで、週1回のパソコン教室に通っている。

 昨日習ったところの復習をと「えっと!ここは・・・・・・」とパソコンを操作し始めた。画像の上の方にさき
 ほどから気になる物がある。画像の左上になにやら肌色の小さな2ミリぐらいのボタンのようなもの。
 「昨日作りかけたリンクの残骸かな?」

 削除の操作を間違い、そのために画像に残ったと思った。その場所をクリックした。
 「えっ?」小さな赤ん坊、それもまだ子宮の中にいる、身体を丸くして入っている状態の形。
 「何だろう、でもかわいい!」と思わず声に出して言った・
 と、同時にその画面の赤ん坊が少し動き始めた。

 智子はびっくり!「えっ!この画面は声に反応するの?」そう思い試しに「どうしたの?貴女はだれ?」
と画面の赤ん坊に声をかけた。
よくみると先ほどの画像よりほんの少しだが、大きくなっているように思える。

 段々と気味が悪くなり、「何だか貴女気味が悪いわ!」と言ったとたんに大きさが元の小さな
赤ん坊の大きさになった。
 「何?これって!」とにかく変な気持ちになり、PCを切ることにした。
 終了を押す。画面は通常になりさきほどの小さな赤ん坊も消えていた。

翌日
 昨日のことが気になり午前中に家事をいそいで済ませPCの前に座った
心の中では昨日のことが何かの間違いでありますように、と祈る気持ちでおそる、おそるスイッチを
入れる。

 相変わらず鈍い音を立てながらPCは開いた。
 智子はぐっと目を昨日の画面にと・・・・・・・あった!やっぱり。
よく見ると昨日よりも赤ん坊の大きさが違っているように思える。

 「でもよくみると可愛いじゃない!」と思わずつぶやいた。
 画面の赤ん坊は少しつづ動き始めた。智子はなおも不思議そうに
「貴女はいったい誰なの?どうしてこの画面にあるの?」と赤ん坊に問いかけ始めた。
すると赤ん坊は段々と大きく成長し始めた。

 見ている間に、目や鼻口がはっきりして、本当にか愛らしい赤ん坊になって行った。
もう少し見ていようと思っていると玄関のチャイムが鳴った。
 智子は「はいっ!」と返事をして部屋を出て行った。

 画面の中の赤ん坊はまるで生きているようにさえ思うほどの動きをしていた。
 智子が部屋に入って来た
「セールスマンだったわ!どれどれ!赤ちゃんは元気かな!」とPCの前に座り込んだ
「大丈夫!元気だったみたいね」と智子は赤ん坊に話しかけた。

 「ただ見てるだけでは面白くないわね、貴女にお名前つけましょうね」智子は画面の赤ん坊がいたく
気に入った様子である。
 「じゃ!そうだな」と智子は窓の外を見ると、満開の桃の花が咲いていた。

 「そうだ、貴女の名前は桃子よ、桃ちゃんと呼ぶわね」智子は夫と2人暮らし、子供たちも全員独立
している。今は毎日PCとの会話の毎日。
そんな智子には画面の赤ん坊が可愛らしくてたまらない様子。

 不思議な事に画面の赤ん坊、いや桃ちゃんは智子が可愛がり、優しい言葉をかければかけるほど
 どんどんと成長し始めた。
 今はちょうど生まれる寸前の大きさかな・
 と、突如画面が真っ暗になった。智子は驚いた、PCが壊れたのでは?

あちらこちらを触りまくった。その時に画面が元に戻った。
 何と画面にはピンク色の美しい何とも言えない綺麗なおくるみに包まれた生まれたての桃ちゃんが
画面にいた。

 思わず、「綺麗な赤ちゃん、それに本当の赤ん坊みたい」と、画面の中に手を入れれば掴めそうな
 そんな気がするほどリアルな画像である。
 桃ちゃんは智子の方を見て、何となく笑った気さえした。

そんな時に玄関で音がする、急いで玄関に行くと
「飯、飯」」と夫の俊治が帰って来た。
 今日は朝から小雨のぱらつくお天気で、何となく薄暗い。

 智子はこの2日間PCには触っていない、と言うのは実家の母親に逢いに福岡まで出かけていた。
 PCの前に座り、スイッチを入れる。
 「今日は嫌な日だな、天気は悪いし、少々疲れ気味だし」そうぶつぶつ一人言をいながら画面が出るのを
待つ。

 「えっ!いつもの画面と違う」「何で・・・・・」
 「しまった!いぜんからこのPCの機能をレベルアップしてやると俊治が話してた」
 「福岡にいっている間に、新しいウインドーズをインストールしてるんだ」急いでアドレスを開いた
案の定、全部消えている。

 「あーーーっ、どうしょう私の桃ちゃんが消滅だ!」
ガッカリしてPCの前で放心状態。智子は何度もスイッチを入れては消しで何とか桃ちゃんが画面に出て
 こないかを試した。

でも全く桃の姿は画面には出ない。仕方なく今日はあきらめることにした。
それから2、3日は毎日PCとにらめっこ。でも桃の姿は二度と現れなかった。
 夕方俊治が帰り「どうだ、レベルアップして使い安だろう」と得意気に話す。智子は「とても有難いけどア
 ドレスが全部消えてるけど・・・!」

 「悪い悪い、操作ミスかな何処に行ったか分からん」智子はボソボソ「分からんではすまないんだよ」と。
 俊治は「何か言ったか?」
 「有難う、でも頼むから、ちゃんと私に入れ替えるよと事前に教えてよ、そしたら前もってアドレスをひか
 えるから」桃ちゃんのことは内緒の秘密だから・・・・・・

それから数日後
 「桃ちゃん何処に行ったのだろうね」とボヤキながらスイッチON!
 暫くしていつもの画像、でもよく見ると左上端に!
 「桃ちゃんだ!」良かったと智子は早速クリック

 しっかり、この前と同じ大きさの桃ちゃんが「アウアウア」と言いながら嬉しそうにこちらを見ている
「桃ちゃん声が出るようになったのね」智子は画面に釘付けになり、話かけた
お目目のパッチリした、本当に可愛い赤ちゃん。

 思わず智子は画面の桃ちゃんを優しくなぜた。すると桃ちゃんはぐんと大きくなり始めた。
 画面の赤ん坊が成長し始めたのだ。
 「桃ちゃんは。なぜたり、言葉をかけると成長するんだね。でも・・・」智子は1日中なぜたり言葉をかけても
沢山は成長しないことに気がついた。

ちょうど今は30日ぐらいかな
智子は思いついた「そうだ桃ちゃんお宮参りをしようよ」とは言ったものの、はて?」
しばらく智子は考えた

「そうだ、平安神宮を検索して、神宮の写真をダウンロードしよう。そして・・・・」
 早速平安神宮の建物を検索して、画像取り込みに成功した。
それから、お参りする時に着せる着物はと、これまたお宮参りで検索して着物もダウンロード。

 桃ちゃんに着物を着せた。それから神社の中にドラッグ。
 「桃ちゃん1人になるけれどいいよね、桃ちゃんは1人で宇宙から来たんだからね」
 「それからついでに祝詞もダウンロードだ、これで完璧、桃ちゃんの成長をお祈りしようね」

今日は朝から天気は悪く、今にも雨が落ちてきそうだ。
さてっと!桃ちゃんは今日も元気かな。智子はいつものようにPCスイッチ、ON
いつもスイッチを入れると桃ちゃんのニッコリした顔が出る、でも今日は?

またPCの調子が悪くなったのかな?と少し不安になって来た。暫くすると画像が出てきた。
 智子はほっとしていつもの場所に目をやった。
いた!桃ちゃんが、智子は桃ちゃんのお顔を「よかった、今日も桃ちゃんに逢えたね」と画面の桃ちゃん
 に「ちゅっ!」とキスをした。

 画面の桃は「きゃっ!きゃっ!」と喜んでこえを出している。先日は「アウアウア」だったのが今日はまるで
3歳ぐらいのこどもの笑い声。
 画面をよく見ると、桃ちゃんは産着から手足が出てヨチヨチ歩きをしている。

 智子はあわてて、HPの子供服の場所を検索した。やっと可愛らしい服が表示していた服に桃ちゃんをド
 ラック。
 智子は桃ちゃんをドラックしながら「これって!窃盗?」
 桃はその洋服がとても気に入ったようです。

 桃は智子に向かい「ママ?」と尋ねてる。智子は嬉しくなり「私は桃ちゃんのママよ」
そうだ桃ちゃんに、言葉を教えなくては!
 「桃ちゃん、これが目、鼻、口」と昔子供たちに智子が教えたように桃ちゃんにも教え始めた。
 桃は何でも覚えるのが早く、その度に成長が進んでいった。
 智子は忙しい、桃が大きくなる度に、その身体にあった洋服の検索。

そんなある日、
いつものようにPCをONした。驚いた桃が怪我をしている「どうしたの?大丈夫、桃ちゃん」
と心配そうに智子が画像を見ると。

 「ママ!昨日怖いお化けのようなのが私を襲ったの」と半べそをかきながら桃は智子に訴えた。
 「誰なの?どんな奴?」と智子はききながら、「もしかしたら!ウイルスでは?」と直感した。
 「桃ちゃん、大丈夫だよ、パパにお願いして、もう桃ちゃんを攻撃出来ないようにしてもらうからね」
 夕方俊治が勤め先から帰って来た

「ねえ!ウイルス防御が弱くなったんじゃないの?」と智子は夫に尋ねた
「そう思って、今日ベスト電器から、最新型の「アンチ・ウイルスソフト」を買ってきた」
 「お前のPCにもインストールしたろか?」
 「お願い!早く」と俊治を急かせてPCにインストール。「これで大丈夫」とほっと胸をなで下ろした。

いつもなら、PCには午前中だけ座り、夜はほとんど触らない。でも今日は違った、どうしても桃の事が気になって
仕方ない。ウイルスにやられてはいないかと。
はやる気持ちを抑え、夕食の後片付けもそこそこに

PCはいつものように鈍い音をたてながら、しばらくして画面が出た。でも桃の姿は?
 画像よりも桃の声の方が早かった
「ママ、心配しないで、ほら私はここよ!」声の数秒後に桃の顔が画面に現れた。桃はちょうど7歳ぐらいの歳に成長していた。智子はほっと胸をなで下ろした。「桃ちゃん心配したわ、怖いお化けは出て来なかった」と桃に話かけた。

 桃は「大丈夫よ、一度襲いかかったの、でも何だかよく分からないけれど、大きな音がすると、急に姿が消え
 たの」「良かった、パパがね、お化け退治のソフトを組み入れてくれたの」
 「そんなものがあるの、じゃーこれからは心配ないのね」と桃は安心したようだ。

 「いつものように、桃ちゃんのお洋服や色々なもの、ママと一緒にお店に行こうね」と桃にはなす。
 「ママ、私それ大好き、だって電波に乗っていろんなところに行けるんだもの」と桃は画面の隅っこで待機の態勢を取った。
 「桃ちゃん行くわよ」智子はネットサーフィーを始めた。いろんなとこに行き桃に必要なものをゲット。
いつも「これって窃盗?」と少し心配「でも大丈夫お店のサンプルをコピーして桃に着せるのだから。

やれやれ、今日は夜なので少し目が疲れた「桃ちゃん、今日は遅いのでまた明日にしようね」と智子が桃にはなす。桃は「うん!桃も回りが暗いので、お昼がいいよ」と。
 「それじゃ、ママまた明日遊んでね」
 智子はスイッチを切った。「でも本当に良かった桃ちゃんが無事で」

このところ智子は実母の具合いが悪く、福岡を行ったり来たりの多忙な生活をしていた。
 母親の様態も落ち着き、病院を退院してケアハウスに戻りひと安心。
 久しぶりにPCを開いた。

 智子は内心、桃ちゃんはどうしたのかなと気が気ではなかったが、それどころではなく全くPCを開く時間が
 なかった。
 心の中で「どうか桃ちゃんが消えていませんように」と祈りながら画面の中を見た。
 今日はなかなか画像が現れない、少し心配になってきた、その時に軽やかなリズムと一緒に綺麗なドレスを
着て踊る少女の姿が現れた。よく見ると桃に似た可愛らしい少女。

 「ママ!私が誰だか分かる?」と笑いながら少女は画面に近寄った。
 桃である。
 「えっ!桃ちゃん?」と智子は画面に顔を突き出して画面の少女に声かけた。

 少女はもう15、6歳かな?愛らしい女性に成長していた。
 「ママがこの頃忙しそうだったので、自分でお洋服や靴なんか、全部自分でコピー出来るようになったの」
 「ほらね!」と得意そうに桃はグルッと一回りしてドレスを自慢して智子に見せた。

 「桃ちゃん素敵なドレスよ!」
 「桃はね、もう自由にネットの中をいけるようになったの!ママのメル友の電波に自由に乗れるの」
 「でもママとの回線が繋がってない所には、今の桃の能力では行けないの」

 「桃福岡のお婆ちゃんの所にも飛んで行きたかったんだけど、回線がないので行けなかった」
 「でもお婆ちゃん元気になって良かったね」
 「有難う桃ちゃん、でも桃ちゃんのことが心配で」
 「大丈夫よ、ママのおかげで桃はこんなに大きくなったもん」智子は本当に嬉しそうに桃を眺めていた。
 桃は近くにあった椅子を寄せて、座りながら

「ママこの前、桃ね、ohanaさんのサイトに遊びに行ったの、綺麗なお花にうっとりしちゃった」
 「とってもお元気だったよ、ママより健康のことも、ちゃんと考えて暮らしていられたよ、ママより若い」
 「桃ちゃんはいいわね、どこにでも行けるから、だってメールアドレスは知っていても詳しい住所などは分か
 らないのが、このHPの不思議な関係よ」と智子は桃が本当に羨ましく思えた。

 「ママ!blackmanさんのところにも行ったわよ」智子は身体を乗り出し
「どうだった?」
 「ウフフフフ!ママ気になる?」
 「うううん!まあーーっちょっとね!」

 「で、でどうだった?」桃は得意そうに
「お母様との2人暮らしだったよ、優しそうな70歳後半かな?」
 「お部屋には3台のPCに、プリンター、スキャナーなど等、本棚には沢山の本があったわ」
 「それにゆったりとした肘掛椅子に座り、次のHPの構想に浸っていたよ」

 「桃が声をかけようかと思った時に、PCのスイッチを切っちゃったから」
 「ふうんん・・・・・やっぱり私の想像していた通りのblackmanさんだ。
blackmanさんとは智子のメル友、ohanaさんも一緒。

 「ママ明日ね、私の本当のパパを紹介するね」智子はびっくり!
 「えっ!桃ちゃんには本当のパパがいたの?」
 「うん、明日ね、パパがママに私を育ててくれたお礼が言いたいと」

 智子はよく事情が分からないと言う気持ちで、「いったいパパって何だろう」
 「桃は今日これから行くところがあるの、だからまた明日ね」と桃が帰ろうとする
「何だか分からないけれど、じゃーーっ!また明日ね」と智子はPCのスイッチを切った。

 朝から智子は落ち着かない、 昨日桃が言った「私の本当のパパを紹介するね?」と言う意味が分からな
 いからだ。
HPを開こうにも、何だか不安でどうしても開けない。

そんなときに夫の俊治は「おいっ!ちょっとお前のPC開いてみろ!メールの設定を換えてみたから
 どうなっているか?」
 「うん!もうそれどころではないんじゃ!」智子は心の中でブツブツ言いながら
「早く出かけないと遅刻よ」と出勤間際の夫にぶっきらぼうに話す
「じゃーーーーっ、昼飯食べに帰るまでに見といてくれ」と足早に出かけた

「本当にーーもう!」とブツブツ言いながら、どうしてもPCを開かないといけない状況に観念した。
PCの前にどっかと腰を落とし、PCのスイッチを押した。
 毎度のことながら「ウイーーーーーイン」と音をたてながらPCは開いた。
 画面には桃がいた

「おはよう!ママ、私の本当のパパを紹介するね」と桃は言いながら後ろを見た。
それと同時に画面が大きく代わり、現実の人間の姿があった。
 「えっ!貴方は誰?」
と思わず智子は尋ねた。画面には30代の紳士らしき人物がにこやかにたっていた。

 「始めまして、私はAGMゲームソフト会社の開発課課長の大和田と申します。」
 「えっ!何でゲームソフトの会社の人がHPの画面に?」
 「驚かせてすみません、実は我社の社運をかけての大きな実験モニターとしてHPをごらんになってる
方を無差別に選び、未来のコンピューターゲームソフトのモニターを行ったのです」

 「今までにない新しいソフトを開発するためです」
あの桃ちゃん(貴女がつけられた名前)のような赤ん坊を100人に発信したのです」
でも桃ちゃんのように無事に成長した赤ん坊は1つもありませんでした」
 「貴女の操作過程を全部収録しています。これを手がかりにかってない新しいゲームソフトが出来そうです」
 「それで手塚様には懸賞として1000万円を贈呈したいのです」

 智子はびっくり!
 「そんな!」と唖然とした
「1週間以内に銀行口座に振り込ませて頂きます」と大和田氏は話続けた。
そんな大和田氏の後ろから桃は
「ママ有難う、本当のパパがゲームソフトの名前を「桃ちゃん」とつけてくれるって!」
 「ママ!完全にソフトゲームが出来たら、桃はまたママに逢えるから!きっとよ!」
そう言うと大和田と桃の姿が画面から消えた
智子はただボーッとPCの画面を見ていた。                      終わり

 とにかく1つ完成・・・・・・・・乾杯!     2003-4


途中に文字の太さを変更した部分がありますが HPビルダーを使ったもので 今のPCにはビルダーのソフトを使っていなくて   調節できていない状態 見苦しいところは 片目をつぶってお読み下さい
(この部分だけは何とか文字調節しています)「でもやっぱり   文字の太さなど上手くいかない」

「桃ちゃん」

コンピューターゲーム
朝から天気は上々、昨夜まで降っていた雨が嘘のようだ。
手塚智子の机の窓際からは、急がしそうに小枝から小枝へと飛び回っている雀たちの様子が見える。
智子はただ、ボーッとその小鳥たちの姿を目線で追った。
「さっ!パソコンを開こう」
 智子はいつものようにパソコンのスイッチを入れた
パソコンは「ヒユーン」と少し鈍い音を立てて画面が出てきた
 智子はHPをこの頃開設したばかりで、週1回のパソコン教室に通っている。

昨日習ったところの復習をと「えっと!ここは・・・・・・」とパソコンを操作し始めた。画像の上の方にさき
ほどから気になる物がある。画像の左上になにやら肌色の小さな2ミリぐらいのボタンのようなもの。
「昨日作りかけたリンクの残骸かな?」
智子は削除の操作を間違い、そのために画像に残ったと思った。その場所をクリックした。
「えっ?」小さな赤ん坊、それもまだ子宮の中にいる、身体を丸くして入っている状態の形。
「何だろう、でもかわいい!」と思わず声に出して言った・
と、同時にその画面の赤ん坊が少し動き始めた。
智子はびっくり!「えっ!この画面は声に反応するの?」そう思い試しに「どうしたの?貴女はだれ?」
と画面の赤ん坊に声をかけた。
よくみると先ほどの画像よりほんの少しだが、大きくなっているように思える。
智子は段々と気味が悪くなり、「何だか貴女気味が悪いわ!」と言ったとたんに大きさが元の小さな
赤ん坊の大きさになった。
「何?これって!」とにかく変な気持ちになり、PCを切ることにした。
終了を押す。画面は通常になりさきほどの小さな赤ん坊も消えていた。

翌日
 智子は昨日のことが気になり午前中に家事をいそいで済ませPCの前に座った
心の中では昨日のことが何かの間違いでありますように、と祈る気持ちでおそる、おそるスイッチを
入れる。
相変わらず鈍い音を立てながらPCは開いた。
智子はぐっと目を昨日の画面にと・・・・・・・あった!やっぱり。
よく見ると昨日よりも赤ん坊の大きさが違っているように思える。
「でもよくみると可愛いじゃない!」と智子は思わずつぶやいた。
画面の赤ん坊は少しつづ動き始めた。智子はなおも不思議そうに
「貴女はいったい誰なの?どうしてこの画面にあるの?」と赤ん坊に問いかけ始めた。
すると赤ん坊は段々と大きく成長し始めた。
見ている間に、目や鼻口がはっきりして、本当にか愛らしい赤ん坊になって行った。

もう少し見ていようと思っていると玄関のチャイムが鳴った。
智子は「はいっ!」と返事をして部屋を出て行った。
画面の中の赤ん坊はまるで生きているようにさえ思うほどの動きをしていた。
智子が部屋に入って来た

「セールスマンだったわ!どれどれ!赤ちゃんは元気かな!」とPCの前に座り込んだ
「大丈夫!元気だったみたいね」と智子は赤ん坊に話しかけた。
「ただ見てるだけでは面白くないわね、貴女にお名前つけましょうね」智子は画面の赤ん坊がいたく
気に入った様子である。
「じゃ!そうだな」と智子は窓の外を見ると、満開の桃の花が咲いていた。
「そうだ、貴女の名前は桃子よ、桃ちゃんと呼ぶわね」智子は夫と2人暮らし、子供たちも全員独立
している。今は毎日PCとの会話の毎日。
そんな智子には画面の赤ん坊が可愛らしくてたまらない様子。
不思議な事に画面の赤ん坊、いや桃ちゃんは智子が可愛がり、優しい言葉をかければかけるほど
どんどんと成長し始めた。

今はちょうど生まれる寸前の大きさかな・
と、突如画面が真っ暗になった。智子は驚いた、PCが壊れたのでは?
あちらこちらを触りまくった。その時に画面が元に戻った。
何と画面にはピンク色の美しい何とも言えない綺麗なおくるみに包まれた生まれたての桃ちゃんが
画面にいた。
思わず、「綺麗な赤ちゃん、それに本当の赤ん坊みたい」と、画面の中に手を入れれば掴めそうな
そんな気がするほどリアルな画像である。
桃ちゃんは智子の方を見て、何となく笑った気さえした。
そんな時に玄関で音がする、急いで玄関に行くと
「飯、飯」」と夫の俊治が帰って来た。



今日は朝から小雨のぱらつくお天気で、何となく薄暗い。
智子はこの2日間PCには触っていない、と言うのは実家の母親に逢いに福岡まで出かけていた。
PCの前に座り、スイッチを入れる。
「今日は嫌な日だな、天気は悪いし、少々疲れ気味だし」そうぶつぶつ一人言をいながら画面が出るのを
待つ。
「えっ!いつもの画面と違う」「何で・・・・・」
「しまった!いぜんからこのPCの機能をレベルアップしてやると俊治が話してた」
「福岡にいっている間に、新しいウインドーズをインストールしてるんだ」急いでアドレスを開いた
案の定、全部消えている。
「あーーーっ、どうしょう私の桃ちゃんが消滅だ!」
ガッカリしてPCの前で放心状態。智子は何度もスイッチを入れては消しで何とか桃ちゃんが画面に出て
こないかを試した。
でも全く桃の姿は画面には出ない。仕方なく今日はあきらめることにした。

それから2、3日は毎日PCとにらめっこ。でも桃の姿は二度と現れなかった。

夕方俊治が帰り「どうだ、レベルアップして使い安だろう」と得意気に話す。智子は「とても有難いけどア
ドレスが全部消えてるけど・・・!」
「悪い悪い、操作ミスかな何処に行ったか分からん」智子はボソボソ「分からんではすまないんだよ」と。
俊治は「何か言ったか?」
「有難う、でも頼むから、ちゃんと私に入れ替えるよと事前に教えてよ、そしたら前もってアドレスをひか
えるから」桃ちゃんのことは内緒の秘密だから・・・・・・


それから数日後
「桃ちゃん何処に行ったのだろうね」とボヤキながらスイッチON!
暫くしていつもの画像、でもよく見ると左上端に!
「桃ちゃんだ!」良かったと智子は早速クリック
しっかり、この前と同じ大きさの桃ちゃんが「アウアウア」と言いながら嬉しそうにこちらを見ている
「桃ちゃん声が出るようになったのね」智子は画面に釘付けになり、話かけた
お目目のパッチリした、本当に可愛い赤ちゃん。
思わず智子は画面の桃ちゃんを優しくなぜた。すると桃ちゃんはぐんと大きくなり始めた。
画面の赤ん坊が成長し始めたのだ。
「桃ちゃんは。なぜたり、言葉をかけると成長するんだね。でも・・・」智子は1日中なぜたり言葉をかけても
沢山は成長しないことに気がついた。
ちょうど今は30日ぐらいかな
智子は思いついた「そうだ桃ちゃんお宮参りをしようよ」とは言ったものの、はて?」
しばらく智子は考えた
「そうだ、平安神宮を検索して、神宮の写真をダウンロードしよう。そして・・・・」
早速平安神宮の建物を検索して、画像取り込みに成功した。
それから、お参りする時に着せる着物はと、これまたお宮参りで検索して着物もダウンロード。
桃ちゃんに着物を着せた。それから神社の中にドラッグ。
「桃ちゃん1人になるけれどいいよね、桃ちゃんは1人で宇宙から来たんだからね」
「それからついでに祝詞もダウンロードだ、これで完璧、桃ちゃんの成長をお祈りしようね」

今日は朝から天気は悪く、今にも雨が落ちてきそうだ。
さてっと!桃ちゃんは今日も元気かな。智子はいつものようにPCスイッチ、ON
いつもスイッチを入れると桃ちゃんのニッコリした顔が出る、でも今日は?
またPCの調子が悪くなったのかな?と少し不安になって来た。暫くすると画像が出てきた。
智子はほっとしていつもの場所に目をやった。
いた!桃ちゃんが、智子は桃ちゃんのお顔を「よかった、今日も桃ちゃんに逢えたね」と画面の桃ちゃん
に「ちゅっ!」とキスをした。

画面の桃は「きゃっ!きゃっ!」と喜んでこえを出している。先日は「アウアウア」だったのが今日はまるで
3歳ぐらいのこどもの笑い声。
画面をよく見ると、桃ちゃんは産着から手足が出てヨチヨチ歩きをしている。
智子はあわてて、HPの子供服の場所を検索した。やっと可愛らしい服が表示していた服に桃ちゃんをド
ラック。
智子は桃ちゃんをドラックしながら「これって!窃盗?」

桃はその洋服がとても気に入ったようです。
桃は智子に向かい「ママ?」と尋ねてる。智子は嬉しくなり「私は桃ちゃんのママよ」
そうだ桃ちゃんに、言葉を教えなくては!
「桃ちゃん、これが目、鼻、口」と昔子供たちに智子が教えたように桃ちゃんにも教え始めた。
桃は何でも覚えるのが早く、その度に成長が進んでいった。
智子は忙しい、桃が大きくなる度に、その身体にあった洋服の検索。


そんなある日、
いつものようにPCをONした。驚いた桃が怪我をしている「どうしたの?大丈夫、桃ちゃん」
と心配そうに智子が画像を見ると。
「ママ!昨日怖いお化けのようなのが私を襲ったの」と半べそをかきながら桃は智子に訴えた。
「誰なの?どんな奴?」と智子はききながら、「もしかしたら!ウイルスでは?」と直感した。
「桃ちゃん、大丈夫だよ、パパにお願いして、もう桃ちゃんを攻撃出来ないようにしてもらうからね」

夕方俊治が勤め先から帰って来た
「ねえ!ウイルス防御が弱くなったんじゃないの?」と智子は夫に尋ねた
「そう思って、今日ベスト電器から、最新型の「アンチ・ウイルスソフト」を買ってきた」
「お前のPCにもインストールしたろか?」
「お願い!早く」と俊治を急かせてPCにインストール。「これで大丈夫」とほっと胸をなで下ろ
した
いつもなら、PCには午前中だけ座り、夜はほとんど触らない。でも今日は違った、どうしても桃の事が気になって
仕方ない。ウイルスにやられてはいないかと。
はやる気持ちを抑え、夕食の後片付けもそこそこに
PCはいつものように鈍い音をたてながら、しばらくして画面が出た。でも桃の姿は?
画像よりも桃の声の方が早かった

「ママ、心配しないで、ほら私はここよ!」声の数秒後に桃の顔が画面に現れた。桃はちょうど7歳ぐらいの歳に成長していた。智子はほっと胸をなで下ろした。「桃ちゃん心配したわ、怖いお化けは出て来なかった」と桃に話かけた。
桃は「大丈夫よ、一度襲いかかったの、でも何だかよく分からないけれど、大きな音がすると、急に姿が消え
たの」「良かった、パパがね、お化け退治のソフトを組み入れてくれたの」
「そんなものがあるの、じゃーこれからは心配ないのね」と桃は安心したようだ。

「いつものように、桃ちゃんのお洋服や色々なもの、ママと一緒にお店に行こうね」と桃にはなす。
「ママ、私それ大好き、だって電波に乗っていろんなところに行けるんだもの」と桃は画面の隅っこで待機の態勢を取った。
「桃ちゃん行くわよ」智子はネットサーフィーを始めた。いろんなとこに行き桃に必要なものをゲット。
いつも「これって窃盗?」と少し心配「でも大丈夫お店のサンプルをコピーして桃に着せるのだから。

やれやれ、今日は夜なので少し目が疲れた「桃ちゃん、今日は遅いのでまた明日にしようね」と智子が桃にはなす。桃は「うん!桃も回りが暗いので、お昼がいいよ」と。
「それじゃ、ママまた明日遊んでね」
智子はスイッチを切った。「でも本当に良かった桃ちゃんが無事で


このところ智子は実母の具合いが悪く、福岡を行ったり来たりの多忙な生活をしていた。
母親の様態も落ち着き、病院を退院してケアハウスに戻りひと安心。

久しぶりにPCを開いた。
智子は内心、桃ちゃんはどうしたのかなと気が気ではなかったが、それどころではなく全くPCを開く時間が
なかった。
心の中で「どうか桃ちゃんが消えていませんように」と祈りながら画面の中を見た。
今日はなかなか画像が現れない、少し心配になってきた、その時に軽やかなリズムと一緒に綺麗なドレスを
着て踊る少女の姿が現れた。よく見ると桃に似た可愛らしい少女。

「ママ!私が誰だか分かる?」と笑いながら少女は画面に近寄った。
桃である。
「えっ!桃ちゃん?」と智子は画面に顔を突き出して画面の少女に声かけた。
少女はもう15、6歳かな?愛らしい女性に成長していた。

「ママがこの頃忙しそうだったので、自分でお洋服や靴なんか、全部自分でコピー出来るようになったの」
「ほらね!」と得意そうに桃はグルッと一回りしてドレスを自慢して智子に見せた。
「桃ちゃん素敵なドレスよ!


桃はね、もう自由にネットの中をいけるようになったの!ママのメル友の電波に自由に乗れるの」
「でもママとの回線が繋がってない所には、今の桃の能力では行けないの」
「桃福岡のお婆ちゃんの所にも飛んで行きたかったんだけど、回線がないので行けなかった」
「でもお婆ちゃん元気になって良かったね」
「有難う桃ちゃん、でも桃ちゃんのことが心配で」
「大丈夫よ、ママのおかげで桃はこんなに大きくなったもん」智子は本当に嬉しそうに桃を眺めていた。
桃は近くにあった椅子を寄せて、座りながら

「ママこの前、桃ね、ohanaさんのサイトに遊びに行ったの、綺麗なお花にうっとりしちゃった」
「とってもお元気だったよ、ママより健康のことも、ちゃんと考えて暮らしていられたよ、ママより若い」
「桃ちゃんはいいわね、どこにでも行けるから、だってメールアドレスは知っていても詳しい住所などは分か
らないのが、このHPの不思議な関係よ」と智子は桃が本当に羨ましく思えた。

「ママ!blackmanさんのところにも行ったわよ」智子は身体を乗り出し
「どうだった?」
「ウフフフフ!ママ気になる?」
「うううん!まあーーっちょっとね!」
「で、でどうだった?」桃は得意そうに
「お母様との2人暮らしだったよ、優しそうな70歳後半かな?」
「お部屋には3台のPCに、プリンター、スキャナーなど等、本棚には沢山の本があったわ」
「それにゆったりとした肘掛椅子に座り、次のHPの構想に浸っていたよ」
「桃が声をかけようかと思った時に、PCのスイッチを切っちゃったから」
「ふうんん・・・・・やっぱり私の想像していた通りのblackmanさんだ。

blackmanさんとは智子のメル友、ohanaさんも一緒。
「ママ明日ね、私の本当のパパを紹介するね」智子はびっくり!
「えっ!桃ちゃんには本当のパパがいたの?」
「うん、明日ね、パパがママに私を育ててくれたお礼が言いたいと」
智子はよく事情が分からないと言う気持ちで、「いったいパパって何だろう」
「桃は今日これから行くところがあるの、だからまた明日ね」と桃が帰ろうとする
「何だか分からないけれど、じゃーーっ!また明日ね」と智子はPCのスイッチを切った。



朝から智子は落ち着かない、 昨日桃が言った「私の本当のパパを紹介するね?」と言う意味が分からな
いからだ。
HPを開こうにも、何だか不安でどうしても開けない。
そんなときに夫の俊治は「おいっ!ちょっとお前のPC開いてみろ!メールの設定を換えてみたから
どうなっているか?」
「うん!もうそれどころではないんじゃ!」智子は心の中でブツブツ言いながら
「早く出かけないと遅刻よ」と出勤間際の夫にぶっきらぼうに話す
「じゃーーーーっ、昼飯食べに帰るまでに見といてくれ」と足早に出かけた

「本当にーーもう!」とブツブツ言いながら、どうしてもPCを開かないといけない状況に観念した。
PCの前にどっかと腰を落とし、PCのスイッチを押した。
毎度のことながら「ウイーーーーーイン」と音をたてながらPCは開いた。
画面には桃がいた

「おはよう!ママ、私の本当のパパを紹介するね」と桃は言いながら後ろを見た。
それと同時に画面が大きく代わり、現実の人間の姿があった。
「えっ!貴方は誰?」
と思わず智子は尋ねた。画面には30代の紳士らしき人物がにこやかにたっていた。
「始めまして、私はAGMゲームソフト会社の開発課課長の大和田と申します。」
「えっ!何でゲームソフトの会社の人がHPの画面に?」

「驚かせてすみません、実は我社の社運をかけての大きな実験モニターとしてHPをごらんになってる
方を無差別に選び、未来のコンピューターゲームソフトのモニターを行ったのです」
「今までにない新しいソフトを開発するためです」
あの桃ちゃん(貴女がつけられた名前)のような赤ん坊を100人に発信したのです」
でも桃ちゃんのように無事に成長した赤ん坊は1つもありませんでした」
「貴女の操作過程を全部収録しています。これを手がかりにかってない新しいゲームソフトが出来そうです」
「それで手塚様には懸賞として1000万円を贈呈したいのです」

智子はびっくり!
「そんな!」と唖然とした
「1週間以内に銀行口座に振り込ませて頂きます」と大和田氏は話続けた。
そんな大和田氏の後ろから桃は
「ママ有難う、本当のパパがゲームソフトの名前を「桃ちゃん」とつけてくれるって!」
「ママ!完全にソフトゲームが出来たら、桃はまたママに逢えるから!きっとよ!」
そう言うと大和田と桃の姿が画面から消えた
智子はただボーッとPCの画面を見ていた。                      終わり



とにかく1つ完成・・・・・・・・乾杯!     2003-4


who書き下ろし大人の童話(whoはHPで使った昔のハンドルネーム)

「本当の宝物」

昔々のお話しです。

ある町に五郎太と言う男がいました。

彼は大きな呉服問屋の五番目の子供として生まれました。

昔は長男が家の跡を継ぎ、五番目ともなると店の厄介者とされ、何の仕事もせ

ずに毎日ブラブラしていました。

その五郎太に小間物屋の娘との縁談がもちあがり、両親は毎日家でゴロゴロ

する五郎太にはもってこいの縁談と大喜びで、其の縁談を進めました。

五郎太は自分の嫁がどんな女か知りたくて、こっそり小間物屋に様子を見に

行きました。

店先で客の応対をする、娘は小柄で、おかめの面そっくりの顔をしていました。

「えっ!あんなおかめの女を俺は嫁にするのか」と五郎太は思った。何度見

直してもやっぱりおかめの顔です。

しかし、五郎太は厄介者扱いされる、今の境遇よりも、小間物屋の主人とし

て威張っている方が得だと、頭の中で考えました。


こうして、めでたく2人は結婚しました。

女房の名前は綾と言う、良く働く良い女房だった。

しかし五郎太は相変わらず楽をして何か金儲けはないかと、毎日家業をほっ

たらかしにしてブラブラ遊んでいた。

そんな五郎に比べ女房の綾は、旦那様が家業に身が入らないのは、自分に女

としての魅力がないからだと、家業の傍らせっせと自分を磨く努力を重ねて行

った。

書物を次から次と読み、今で言うダイエットにも。

そんな涙ぐましい努力をしている、女房の姿など五郎太の眼中にはなかった。

ある日少し遠くにある村に、ふらりと何か金儲けはないかと探していた。

通りすがりの村人の話す言葉が耳に入る。

「おみゃ、あの宝の山のこと知ってるか?」と村人が連れ立って歩いている

男に話す

「うんだ、知ってるだ、あの山の頂上には宝ものがあるそうな、だけんど

も、えらく険しい岩山でまだ誰も登った事がないんだと」

その話を聴いた五郎太は「よしっ、俺が登って、そのお宝を取ってこよう」

五郎太は早速その山目指して登り始めた。物凄い岩ばかりの山だが、五郎太は宝

物ほしさにわき目も降らず、まるで人間とは思えぬ力で、とうとうお山のてっ

ぺんまで登ることが出来た。


息もたえだえに頂上に昇った五郎太の目にしたものは、ゴツゴツした岩だら

けの頂上だった。

五郎太の着物も岩を登るときに破れてしまい、まるで乞食同然の格好だった。

「ちくしょう!何にもないじゃないか、騙されたのか」

五郎太はガックリして岩にヘナヘナと座り込んだ。

急いで登り、喉はカラカラ、何処を探しても水などあろうはずはありません。

「俺はこのままだと、死んでしまうぞ、必死で登って来たが帰るための山を

降りる力はもうない」

五郎太は初めて宝物に目がくらみ、無謀な事をした自分に気がついた。

「俺はここで、死んでしまうのか、」

「俺が死んでも誰も悲しむ者はいないだろうな」

「女房の綾は悲しむかな、いや悲しまないだろう、女房と言ってもほとんど

口も聞いたことがないからな」

「ああーー、こんな事になるなら、もうすこし綾とも話しをしておくんだった」

「そうすれば、俺が死んだ時に女房の綾だけでも涙流してくれたろうに」

五郎太は後悔するが、もうどうしょうもない。


その時に空がにわかに曇り大雨が降り出した

「うわっ!天の助けだ」五郎太は岩の上に仁王立ちになり、大きく口を広げ

お腹一杯に雨水を飲んだ。

暫くすると、雨もやみ太陽が姿を現した。

地面に降り注いだ水が太陽に温められ天に水蒸気として昇って行く。

男は初めて自分が立っている岩の足元を見た。

五郎太の眼下には素晴らしい景色があった。薄い雲間から見える山々、絵に

も描けないほどの雄大な眺め。

一時はその素晴らしい景色に我を忘れた。

今まで働かずに、金儲けが出来方法ばかり考えていた、自分の愚かさに始めて

気がついた。

世の中には金以外に、素晴らしい宝物がある事に初めて知った。

命をかけて登って得たものは、この素晴らしい雄大な景色。

その時にはっ!とした。

「そうなんだ、汗水かいて一生懸命に働けば、この景色のような素晴らしい

物を手に入れることが出来るのだ」


五郎太は天の恵みの雨水を飲んだために、元通りの元気な身体になり、急いで家

に帰った。

途中、村人に出会った。

「お前さんあの山に登りなさったのか、宝物はあったずらか?」村人の問に

「あった、あった凄い宝物がな」


家に帰って最初に目にしたものは。

店の前に立つ綺麗な女だった。小奇麗にした、利口そうな顔だちの女が五

郎太に近づき

「旦那様お帰りなさい、随分遅いので心配しましたがね」

五郎太は目を白黒!

「お前は綾か?」

「何いってなさる、綾に決まってるがな」

五郎太はまじまじ綾の顔を見る。そこにはおかめの顔はなかった。

「これは?綾お前は何時の間に顔が変わったんや」

綾はふふふ!と笑いながら

「私は何も変わりませんよ、お前さんが私の事を全く見ないでいた

からですよ」

「毎日同じ屋根の下で暮らしているのに、1度も私の顔をしっかり見て話し

てくれた事なんかなかったじゃないですか」

五郎太は「そう言われれば、会話をしたことなかったな」

綾は「私は変わりませんよ、変わったのはお前さんの方だよ」

「お前さんは今、始めて私を真正面から見て、私の全身を見てくれてた」

「お前さんが私の方を向いてくれないのは、女の魅力がないからだと、それ

で、色々な勉強をしたのさ、色々な知識を身につけているうちに、私は女とし

ての自信がつき、自分でも不思議なくらいに、顔の表情が変わったのさ」


「本当に俺は馬鹿だった、自分の側に、こんなにも素晴らしい宝物があったの

に全く気がつかなかった」

「すまん!許してくれ」

五郎太はしっかりと、女房の綾を力一杯だきしめました。

その夜、五郎太は結婚して初めて女房の綾の顔をしっかり見つめて

「合体!」

めでたし、めでたし!

2003-6

HPをCDにバックアップしていたのを見つけ 時々掘り起こしては ブログにコピーし貼り付けています
内容には全く手は加えていません
エッセーの方は読みやすいように 段落の操作はしていますが 内容の推敲などはしていません

読み返しながら「HPをCDにバックアップしていて 良かった〜」14年ほど前に書いたのですね
時々短編小説もコピー貼り付けでブログに載せて行きます

「手、足の感覚」

「手、足の感覚」

から不思議に思うことがある。
それは手の感覚で、指先には凄いセンサーのようなものがあるような気がしていた。
十数年前に長女が小学1年生から3年間、一緒に近くの剣道の道場に通ったことがある。
面を打つ時に頭の中で、「それ!今面をうつんだよ」と脳が指令して打ったのでは、面は当たらない。
脳が指令を出す、その瞬間の前に手が出て面を打っていないと面は入らない。
脳の指令と、手先の動きに少しのずれがある。
いつも、そのことが気になっていた。
両手を不幸にして使えなくなっても、足が完全に手の役目を果たすこともある。

随分前の話だが、イギリスのドキュメントテレビ番組で、有名な大学に通っていた学生が、ある日突然に記憶が残せなくなる病気になった。
全くが記憶できない。
それで自分の行動と言葉を全部ノートに書き込み、そのノートを持っての生活だった。
勿論若い男性で、これから生きていかなければならない。
彼はこれからの生活の手段として何を選んだか?彼は椅子職人の修業を始めた。
頭の記憶は完全に駄目だが、繰り返し作業を手に覚えこませることで、手の記憶が残ることが分かり、将来を椅子職人として生きていく道を選んだ。

手足には、不思議な感覚があり、まだ未開発な部分があるのではないだろうか。
3年間の剣道の修行でただ1つ家庭に役立つことを習得した。
それは、間髪入れずにハエをハエタタキでしとめる事だけが自慢となった。(2003.2)

文章の内容はそのままですが 読みやすいように段落の操作をしていますが  原稿の設定を変更することは出来ず 少々段落 続き具合いがおかしな部分があります

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