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『ダ・ヴィンチ・コード』をどう思う? …って、最近よく訊かれる。
「キリスト教の話でしょ?」って。
あの本、世間では大ヒット、ベストセラーなんですってね。
そういえば、単行本が出た時から派手に宣伝していたし、今度は映画になったとかで、またまた金をかけて広告していたし。そりゃあ流行るでしょ。
で、冒頭の質問。 どう思う? …って訊かれても。
別に。
というのが正直な話だったりして。
だってフィクションだし…。
私の愛読書『薔薇の名前』もそうだけど、キリスト教(カトリック)をネタにした伝奇サスペンスフィクションですからね。
フィクションの内容をどうこう言うのもねぇ。
昨年、竹下節子女史が雑誌に寄稿していたけど、ヨーロッパではああやって荒唐無稽に陰謀やらオカルトやらの視点から、教会を歪めて描写して(要するにからかって)楽しむ、また読む側もその「ウソ」の理論を楽しむ、という文化があるんですってね。
そう言われれば『薔薇の名前』も似たようなものかも。
「ウソと知っているがゆえに、ウソをウソとして楽しめる」ってことかしら? なんだか「大人の余裕」ですねぇ〜。
ただね、個人的には『ダ・ヴィンチ・コード』、どうかと思う部分もあるのよ。
竹下女史が看破していたことだけども、
当時は一種の「マグダラのマリア」ブームで、タブー視されることなどなく、マリアを男性に偽装して描く必要なんて全くなかったんですってよ、実際は。
プロットの根本が崩れてしまう夢のない話で、なんだか申し訳ないようなのですが(汗)
それよりなにより、あの本の思想的な根本には「キリスト教は父権主義的な女性抑圧を強権的に推進してきた」という前提がありますよね。
ずいぶんと手垢にまみれたキリスト教批判を持ち出してきたものだなぁ、と思うわけですよ。
それでもって、母性の象徴でもある大地母神への回帰、というニューエイジ的な志向。
おいおい何十年前だよ、流行遅れも甚だしい…、と感じてしまうのも無理はないわけで。
ちょっとね。いただけませんね、個人的には。
あ、そうそう、先ほど「フィクションだからどうでもいい」ともとれる発言をしましたけども。
どうでもいい、とは言い切れないところもあります。
キリスト教(カトリック)を侮辱するのはね、まぁいいんじゃないのって思うんですよ。
カトリック教会の巨大さゆえに「陰謀」を嗅ぎ取ったり、歴史の長さゆえにオカルト的な「秘密」を探し出そうとしたりするのは、無理もないような気もするんです。
一種の有名税みたいなものかと。
そういう意味で、カトリックのようなある種の公的機関みたいなものは仕方がない。
また、テンプル騎士団のように今から何百年も前に解散した修道会の悪口を言ったとしても、直接の利害関係者なんてもういないんだから許されるのかな、という気もします。
ただね、現代に実在するカトリック信仰団体(オプス・デイ)を、あたかも邪悪な組織のように実名を挙げて描写するのは、これはルール違反ですよ。
まったく根も葉もない誹謗中傷で、ひどいもんです。
「この小説はフィクションであり、実在する個人や団体とは一切関係がありません。」
そんなことを冒頭に書いとけ、とまでは言いませんよ。
ただ、人としての最低限のマナーは守らなくちゃ。そう思いました。
ということで採点!
キリスト教(カトリック)の歴史を歪めて説明するのはセーフ。史実を知っていれば「面白いフィクション」と分かるはずだから。…面白くないけど…(ぼそっ)
ただし、そのフィクションの理論が時代遅れの上につまらないので減点。
実在する個人・団体を根拠なく誹謗中傷するのは、小説だけでなく人としてのルールに反しているのでNG!
…ま、こんなとこですかね。
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コメントありがとうございます! 『薔薇の名前』とは、著名な記号学者ウンベルト・エーコの小説で、ショーン・コネリー&クリスチャン・スレーター主演で映画化もされています。映画はしょぼいですが、原作はお勧めです。但し、飽くまで虚構に基づいた反キリスト教です(笑)
[ カトリック的。 ]
2006/4/7(金) 午前 1:19
私パッションDVD買ってまだ見てない。半年経つのに。
2006/4/7(金) 午前 9:52
オプス・デイと『ダ・ヴィンチ・コード』については、こちらもご参考まで。 http://www.opusdei.jp/art.php?w=23&p=8934
[ カトリック的。 ]
2006/4/7(金) 午後 9:44
履歴から参上いたしました。個人・団体を根拠なく誹謗中傷するのはまさにあなたの言う通りNGですね(特に個人)。ただ「時代遅れ」ではないと思います。むしろ時代に合わせすぎて、歴史的事実に全く基づかないことに腹を立ててるのではないですか? また是非僕のブログで宗教等に関して違った目線から意見して頂けたら光栄です。
[ tko*a19*9 ]
2006/4/8(土) 午後 4:22
うーん、私の文章が下手だったかしら。 「歴史的事実に全く基づかない」のは勿論です、『ダ・ヴィンチ・コード』に出てくる「カトリック教会」は実際の「カトリック教会」と全然違いますから。私は、カトリック教会を事実に反して描く、その描き方が古臭い反キリスト教理論に乗っかっているだけだったので不満だったのです。せっかくフィクションで教会を事実に反して冒涜するなら、もうちょっと面白い仮説を立てて欲しかったのですよ。
[ カトリック的。 ]
2006/4/9(日) 午後 4:07
私は天邪鬼なので、この本を読んでいません。が、絶対『薔薇の名前』の方が面白いと根拠もなく思っています。agnus_d_virさんの書評を読んで、「さもありなん」です。読まないで批判する私もルール違反なのですが……。キリスト教文化が根底に無いこの国で、こういうタイプの本が流行るのはあまり好ましくないのかもしれませんね。
[ - ]
2006/4/10(月) 午後 11:55
おっしゃる通りです。「歴史を歪めて書くのはセーフ」と安易に言ったことを反省しています。あの話を事実だと思い込んでしまう素朴で無邪気な人たちが余りに多いということが最近になって分かってきました。困ったものです。
[ カトリック的。 ]
2006/4/11(火) 午後 8:50
「もしこうだったら面白いな」と歴史を歪めるのは良く見る手法ですし、面白ければいいのでは、と私も思います。ただ、註か何かを付けた方が良いのではとも思います。映画化したら、更に誤解が広がってしまいますね。その誤解が殊に宗教絡みとなると、良い心地がしないというのが正直なところです。
[ - ]
2006/4/11(火) 午後 9:36
リテラシーの問題なんでしょうかね。あの話を「事実に基づいている」と思い込んでしまう、知識もリテラシーも批判精神も欠如した人々が多いようです。そういう意味で『ダ・ヴィンチ・コード』という悪意のある嘘は、有害な本と言っていいのかもしれません。
[ カトリック的。 ]
2006/4/23(日) 午後 1:16
とはいえ、真実は虚構よりも磐石ですから、とやかく言う必要はないでしょうね。「天主は全能にましますがゆえに、悪からもより大いなる善を作り出し給う」と言った教父がいます。実際に、あの小説によってオプス・デイのサイトへのアクセス数が激増したそうです。つまりそれだけ、実際のカトリック教会が伝えている真の福音の精神に触れ得る人も増えたということですね。
[ カトリック的。 ]
2006/4/23(日) 午後 9:06
初めましてマリオンさんのところから来ました。opus dei についてはこんな事仰っている方もいますね。 http://plaza.rakuten.co.jp/kuroganeyashiki/diary/200604270000/#200604291039271024
[ loki ]
2006/4/29(土) 午後 5:36
この映画封切りを目前にして、これからの子供達が、間違った考えをしないといいのですが、あとは、主の御手にのうちに、、。このハリウッド映画について、カトリックの正しい教えをと二冊本が出ています。日本語版は、知りませんが。ボストンよりお便りさせて頂きました。
[ - ]
2006/5/19(金) 午後 11:02
先ほどダヴィンチ・コードについてみたいな特番見ました。 求道者の私が迷子にならないようにとそれはそれは必死にお話くださった神父様のお怒りの様子からこれは絶対に見ておかなくては!!と思いましたがバカバカしいと思いつつ怒りも同時に起こりました。これも主が必要だからと思われた試練なのかしら・・・と思うことにしました。
[ rico ]
2006/5/20(土) 午後 11:39
イェーイェー! しこたま金をかけて必至に宣伝した甲斐があったわさ。防衛すれば防衛するほど疑問は残る。イヒヒヒッ!ザマー見ろ!マンネリ化したテロより話題性には効果的かも、最近にない大当たり、ドンドン続けて話題にして下さいね、大魔王様に褒めてもらえる!
[ あ!kuma ]
2006/5/22(月) 午前 6:18
そうそう、話題にすればするほど手をコスッテ喜ぶ人達がいます。あ!uma さんが、尻尾の長いフォーンを持ったちょっと頭の悪い者はこう考えていると面白く書いた、そのとおり。世の中お金なのですね。情けないけれど。とにかく封切り後、人気が無い。よかった!
[ - ]
2006/5/24(水) 午前 7:12
何せ、歴史についてもルネサンス絵画についても間違った記述満載の小説とその映画化ですから(笑)冒涜的という以前の問題で、お金かけた割りには無知をさられけ出していて、しらけちゃいますよね。
[ famiglia ]
2006/5/24(水) 午前 9:57
おはようございます。履歴から来ました。わたしもうーん、『ダ・ヴィンチ・コード』見ましたよ。おっしょるとおり、フィクションだと思ってみている分には面白いですけど、子どもは混同しちゃいますね。キリスト教国フィリピンで18才禁止映画になったのも分かる気がします。製作側の監督も主演のトム・ハンクスもフィクションと言っています。だったら、「この小説はフィクションであり、実在する個人や団体とは一切関係がありません。」と断って欲しいです。おっしゃるとおりです。
2006/6/17(土) 午前 5:45
少し、いや、大いに無理のあるストーリの展開でついていけませんでした。カトリックはどんと構えてフィクションなんだからほっといたら良いと思いますが・・反論するからよけいにそうかなと思うひとが出るかもよ・・
[ coc**i54 ]
2006/6/17(土) 午後 6:24
要は、蜂の巣をつついたようにしたいだけなのでしょう。 カトリックを落としめたい勢力があるのでしょうね 私は仏教なので、何も感じませんが、エンタメとして見ればいいのでは? 同じイエスを信仰するもの同士がいがみ合うのが理解できません 神のもとにお互い譲歩して歩み寄るのが本筋のような気がします イエス様もそれを望んでおられるのでは?(^^;門外漢が失礼しました
[ - ]
2006/6/18(日) 午前 2:36
エンタメやフィクションとして見てもできの悪い作品だな、と思います。実際カトリック系のメディアは、駄作でカトリックに対してあまり脅威はないと言っていました。それから、この件に関してはカトリック・正教会・プロテスタント諸教団、さらにムハンマド風刺事件で抗議したムスリムの一部も譲歩無しに意見が一致していると思いますよ。ただし相対主義者とは「真理」について一致は見出せませんが。
[ famiglia ]
2006/6/19(月) 午後 1:07