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カトリック的。
信徒数13億人でも日本では知られていないカトリック。正統キリスト教会を気楽にご紹介します。

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(つづきです)
始めから読むにはこちら http://blogs.yahoo.co.jp/agnus_d_vir/39890508.html


前回、カトリシズムと科学との関係について、また「ガリレオ裁判」について、通説は間違っているんじゃないかというお話をしました。

これらの問題について、(偏った先入観を排し)科学史の立場から検証したものが、
今回ご紹介する『ローマのガリレオ』です。
(前置きが長くなりました・・・)

著者は、ウィリアム・R・シーア教授とマリアーノ・アルティガス教授。
シーア教授は、国際科学史・科学哲学協会および国際科学史アカデミーの元会長で、パドヴァ大学科学史「ガリレオ講座」の教授。
アルティガス教授はナバラ大学科学哲学教授で、物理学と哲学の学位を持つカトリック司祭でもあります。
両氏ともに、ガリレオ問題を論ずるに当たっては最適任者と言えるでしょう。


ここでは本書の詳しい説明は省きますが、まず行われているのがガリレオ神話の解体と言ってよいでしょう。
ガリレオは、「宗教権威に挑戦する孤高の学者」ではなく、生涯を通じて教会に忠実なカトリック信徒でした。
また、「孤高の学者」というよりは「宮廷での名声を求める世俗的な人物」という一面もあったようです。
どうやら彼のそういう性格が、問題を引き起こすことになったと考えられます。


当時のヨーロッパは、宗教改革とそれに続く対抗宗教改革の激動の時代でした。教会は、異端思想の出現に神経を尖らせていました。教会にとっても科学にとっても不幸な時代だったと言えましょう。

そんな中、ローマへ自分を売り込みに行ったガリレオは、懸命な営業努力のかいあって、高位聖職者たちの知遇を得ることができました。地動説についても好意的に受け止められたようです。
そのためガリレオは、地動説について大っぴらに語り、さらには自分の専門外である神学や聖書について、独自の主張をするようになっていったのです。
これは、とりわけ当時の情勢にあっては、危険なことでした(特に、ガリレオは地動説を証明しておらず、自説の根拠を示せなかったということを思い出す必要があります)

ガリレオと懇意にしていたベラルミーノ枢機卿は、地動説を支持しない方がよいと勧め、ガリレオは口頭・著述を問わず、その通りにすると誓約しました。これまたガリレオにとって大きな失敗でした。
後に地動説に基づいて異端説を唱えたかどで裁判沙汰になった時に、この誓約を記した文書が出てきたのです。ガリレオが高位聖職者の前で誓ったことを破って地動説を公に支持する本を出版した、つまり偽誓したということで大いに審問官の心証を損ねることになりました。

結局、ガリレオは有罪判決を受け、禁固刑に処せられることになりました(死刑宣告を受けたという俗説は間違い)。しかしすぐに、この判決は自宅謹慎に変更されました。高位聖職者たち、特に教皇ウルバノ8世がガリレオに寄せていた友情のほどがうかがい知れるエピソードです。

教会にとっては、証明されていない科学説を振りかざし、知りもしない神学・哲学の分野で異端的な説を唱えた男を、正当に裁き、不当なほどに軽い刑を与えることでむしろ温情を示した、程度の意識しかなかったのではないかと私は思います。
しかし、ガリレオの仮説が後に真実であると証明されたために、このさほど大きな意味を持たなかったかもしれない裁判が、教会を攻撃するための恰好のネタとして使われるようになってしまいました。


科学と宗教、信仰と理性、そしてガリレオ裁判の問題をどう捉えるか、実際に『ローマのガリレオ』をお読みになって考えていただければと思います。



◆書籍データ

著者 W.シーア・M.アルティガス
訳者 浜林正夫・柴田知薫子
書名 ローマのガリレオ
出版社 大月書店
ISBN 4-272-44032-2
価格 2800円

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