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天国泥棒【てんごくどろぼう】
死の直前に受洗すること。または、その人。
用例:
「あたし、おばあちゃんになるまで生活を改める気はないわ。そして、死ぬ前に洗礼受けて天国に行ってやるの」
「天国泥棒を狙ってるんだね。でも人間いつ死ぬかわからないんだから、回心するのに早すぎるってことはないよ。それに、神に従って正しく生きるのも案外いいもんだよ」
解説:
天国には一点の汚れもない霊魂しか入ることはできないが、洗礼の秘跡はそれまでに犯したすべての罪とその償いとを除去し、受洗者を成聖の状態にするので、受洗直後に死亡すれば直ちに天国に入ることになる。
一般の信者は受洗後の人生で大なり小なり何らかの罪を犯し(聖人でも小罪は避けられない)、たとえ改悛の秘跡を受けて大罪の状態から回復しても償いは残るため、生前に償いが完了しなければ天国に入る前に煉獄で清めを受けることになる。死の直前に全贖宥(全免償)を得るのでもない限り、死後直に天国に入るのはなかなか難しい。
そのため、放縦な生き方をしてきた人が最期に受洗してすぐ死去するようなことを、やっかみ半分、冗談半分に「天国泥棒」と称することがある。
なお、神学者たちの意見によれば、天国には階層性があり、霊魂の聖性の度合いに応じて神との近さが変わってくるという。したがって、自堕落な生活の果てに最期に受洗した者と、聖なる生涯を送った者とでは、享受する至福直観の程度に差があるものと考えられる。■
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