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ご近所教会ツアーに行くと決まれば、まずは観光する教会を選ばなくてはなりません。
私は何といってもカトリック教会をお勧めします。
教会訪問の初心者にも安全・安心ですし、ベテランの鑑賞眼にも堪えられるという点でも、カトリックの右に出る教会はないでしょう。
教会「観光」にカトリックを選ぶメリットには次のようなものがあります。
◆建物が荘厳
海外旅行に行かれた時に、現地の大聖堂や美しい教会を拝観された方は多いと思います。
実は、観光客が訪れるような美しい教会は、その多くがカトリックなんです。
これには、「教会」というものに対するカトリック教会とプロテスタント諸教団の考え方の違いがあります。
イエズス・キリストは、使徒の頭ペトロに「汝は岩(ペトロ)なり、我この岩(いわお)の上に我が教会を建てん」と仰せになりました(マテオ16・18)。つまり、ペトロ(初代教皇)という実在の人物の上に、この世の生きた現実として、教会を設立したわけです。
神の聖堂は神にふさわしく荘厳で美しくあるべきだとカトリックでは考えられているのです。
このように聖書をそのまま受け入れているカトリックと異なり、プロテスタント諸教団では一般に、キリストは実は、生きた現実としての教会を設立しなかった、と考えられているようです。「教会」は目に見えない、抽象概念として受け止められている感じです。
そのため、信者の集まる建物は「神の家」ではなく、単に集会場の役目を果せばいいわけですから、カトリックに比してシンプルな建築になる傾向があるようです。
◆内装が華やか
プロテスタント諸教団でも、とりわけ古い会堂などには美しい建築も沢山あります。しかし、内装は概して簡素のようです。
というのは、プロテスタント教徒にとって会堂は聖書の朗読や説教を聴くのがメインの場所ですから、装飾は必要ないようなんですね。十字架もただの2本の棒ですし、飾りがあるとしても幾何学模様のステンドグラス程度、というのが一般的のようです。
これに対してカトリックの聖堂は、信徒が神の恵みに触れる聖なる場だと考えられていますので、神の愛や偉大さが、絵や像など視覚的にも表現されています。
また、カトリックの聖堂の特徴として、聖母マリアをはじめとして多くの聖人を記念する像や絵があります。聖人とは死んで天国に行った人のことです。
プロテスタントでは、まさか正しい人が天国に行けることを否定しているわけではないでしょうが、聖人というものを基本的に認めませんので、聖人の像や絵はないのです。
今、中高年男性の間で寺社訪問・仏像鑑賞が流行していますが、教会を観光する楽しみにも内装や聖像聖画の鑑賞というのは大事な要素です。
「見るべきものが多い」という点でも、カトリック教会はお勧めだと思いますよ。
◆平日も開いている
カトリックでは、教会とは神と触れ合い恵みを受ける所であり、神をヴィヴィッドに感じられる聖なる場です。
ですから、カトリックの聖堂は行事のない時でも常に開かれていて誰でも入れるようにしてあるのが原則です。
一方、プロテスタントの会堂は「日曜礼拝」等と呼ばれる集会を行うための建物ですから、行事のない時に中に入る意義があるとは余り考えられていないのです。平日は閉まっているという所も多いようです。
この「ご近所教会ツアー」では、宗教行事に参加するために教会へ行くのではありませんから、平日でも皆に対して開かれているカトリック教会が入りやすくてよろしいでしょう。
◆勧誘されない
宗教の何がイヤって勧誘されるからウザイっていう人、多いですよね。かく言う私もその一人。
その点、カトリックなら安心です。キリスト者として良いのか悪いのか分かりませんが、カトリックは一般に宣教に余り熱心ではないんですね。
何といっても全世界に10億人以上いますので、余裕があるのかもしれません。
また、宗教に求めるているものが他宗教・他宗派の人と違うということもあるでしょう。
世間では「心の癒し」や「連帯感(孤独感からの逃避)」を求めて宗教に走る人が多いようですけれども、カトリックでは個人個人が直接に神の恵みを受けることが重要だとされていて、感覚的・感傷的な満足感だとか、人間の横のつながりだとかいうものは本質的なものではないと考えられているのです。
それで、自分の属しているグループに他人を引き入れようとして必死になる、ということはカトリックでは考えられないのです。
むしろカトリックでは、初めて来た人や受洗したばかりの人でもほったらかしにされることが多く、信徒が
「放置プレイ」
と自嘲気味に呼んでいるくらいです。
◆正統教会である
カトリックはキリスト教の正統教会です。今から2000年前にキリストが設立して以来、ずっと続いてきた教会なんですね。ですから安心して訪れることができると思います。
カトリックであればどこの聖堂でも、建物の外見は様々ですが中身は同じですから、同じカトリックの聖堂同士で色々と比較するという楽しみもあります。
これに対してプロテスタント諸教団というのは、キリストから1500年以上も後になって、ルターさんやカルバンさんといった人たちが教会を離れて作った沢山の宗教団体の総称です。
カトリックのように「それは神の教えと違うよー」と監督して指摘してくれる権威を認めませんので、考え方の違う人たちがどんどん分裂してしまいました。あなたでも今思い立ってプロテスタント系の教団を作ると宣言すれば、新しい宗派を作れてしまうわけです。そんなこともあり、今では数万もの宗派が存在すると言われています。
もちろん、多くのプロテスタント教団は穏健で、まじめにキリスト教を探求しています。普通のカトリック信徒よりずっと熱心に勉強している方が多くいらっしゃいます。
ただ、同じ「プロテスタント系キリスト教」と名乗っていても、宗派によって内実が様々に異なっているため、初心者には見分けるのが難しいと思うのです。
また、もはやプロテスタントですらない、偽のキリスト教というものも存在します。
キリスト教と名乗ってはいるが実際には全く別の宗教、というものがあるのです。
有名なところでは、次のようなものがあります。
・ものみの塔聖書冊子協会(エホバの証人)
・世界基督教統一神霊協会(統一教会/原理運動)
・末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教)
上記3つは規模の大きい宗教団体ですが、世間にはキリスト教を自称するカルト集団が数多く存在します。そういう所と接点を持ってしまいますと、後々かなり面倒なことになりますので、足を踏み入れないのが得策です。君子危うきに近寄らず、ですね。
ちょっと怖い話になってしまいましたね。
次回は、楽しい(あとくされのない?)教会観光をするために、安全な教会をどうやって見分けるのか、その方法をお話しします。お楽しみに!
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