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信仰者の死者
◇等級:一級
◇祭色:黒
◇解説
11月1日には天国の諸聖人を祝った。続く11月2日には煉獄の霊魂を記念する。
煉獄とは天国に入る前段階で、大罪の状態にはないが赦され得る罪(小罪)があったり、あるいは既に赦された罪の償いを果たし終えていなかったりした霊魂が、「火を通るようにして救われる」(一コリント3・15)ための潔めの場である。
カトリックの伝統的な典礼色では、本日(信仰者の死者の記念日)と死者ミサには黒色を用いることとなっている。(また、第2バチカン公会議以前の典礼では聖金曜日の典礼にも黒色を用いた。)
ノブスの規定では、死者の典礼に紫色(本来は悔悛を表す色)も許され、司教協議会が許可すれば白色を使用することまでできるが、いずれにせよ、キリスト教本来の色彩感覚から外れていると言わざるを得ない。
死者の典礼に白色(主の祝日やその他の祝祭のための色)を用いるのに至っては、異端的でさえある。というのは、幼児の葬儀の場合は(まだ大罪を犯し得る年齢に達していないため天国に入ることが確実であるから)白色を用いることからも推察されるように、成人の葬儀で白色を用いることは喜びの先取りになってしまうからである。そればかりか、「審判」や「地獄」の概念を否定しようとする、万人救済論的な色彩まで帯びてくる。
個々の宗教において色彩感覚は教義と密接に結びついているものである。たとえ昔の日本で葬儀に白装束を用いていたなどの例があったとしても、ある宗教の色彩理論を安易に他の宗教に持ち込もうという企ては浅薄無思慮のそしりをまぬがれない。(実際現代日本では喪服は黒色なのだから尚更である。)
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