映画
愛を読む人
15歳の少年と21歳年上の女性の情事。性の目覚めを描く青春映画のごとき発端だが、ナレーターとして時折顔を出すレイフ・ファインズの沈鬱な表情が、この物語の行く末を暗示しているようで、胸がざわつく。その不安が的中。輝く夏の恋が終わりを告げてから8年、大学生になったマイケルは、かつて熱愛したハンナが、ナチス戦犯を裁く法廷の被告席にいるのを発見するのだ。 スティーブン・ダルドリー監督と脚本のデビッド・ヘアは、「めぐりあう時間たち」と同じように、物語の時間軸を寸断し、ハンナとの関係に苦悩するマイケルの心情に沿って再構成していく。過去と現在を行き来する時間が、戦後育ちの青年に突然突きつけられた戦争の影をスクリーンに広げ、甘い思い出に終わるはずだった恋が、マイケルの人生を苦渋の色に染めていく経緯をくっきりと描写していくのだ。 マイケルだけが知っている
すべて表示



