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愛されたい

【思春期外来】
母親の、実母や夫との関係が思春期病の誘因となる、
そんなことを数日前に書きましたが、
2つとも当てはまる、というメールを頂きました。
「私は、母にも夫にも愛されたという記憶がありません。
私は、何ごとにも自信がありません。
愛を求めることを、我慢し諦めなくてはならないでしょうか」
と文章は続いていました。
・・・
愛は、求めるものではなく、受け止める心です。
求める愛は、与えられたところで、
もっともっとと求めるばかりで、絶えることがありません。
永遠に満たされた気持ちにはならないでしょう。
・・・
愛というのは、他者を受け止める心であり、
愛しているという言葉も、
抱きしめるという行為も、
所詮は、好きだという表現であって、本当の愛ではありません。
・・・
つねづね、「心は鏡」と書いていますが、
人から愛されたければ、
人を愛することです。
好きになることではありません。
・・・
SDKS+Cが、少なからずお役に立てると思います。
・・・
・・・
【お知らせ】
2012.10.17.
広告の煩わしさから解放されるため、ブログのアドレスを変更します。
このブログは、アーカイブスとしてこのまま残します。
 
 

第三の目

【思春期外来】
ある母親の話。
「つねづね『いつも自分を観察している第三の目をもち、
人の価値観を尊重することを目指しましょう』、
と先生に言われ続けてきましたが、
ようやく少し分かってきました。
・・・
イライラしたとき、(なんでそんなことにイライラするの)、
と自分に問いかけるもう一人の自分が出てきました。
今まで、本当に、なんであんなにイライラしていたのでしょう。
先生は、ブログで、親の言葉が子どもの自立の邪魔をしている、
と書かれていましたが、これから私は何をしたらよいでしょうか」
・・・
「私たち凡人にできるのはそこまでだと思っています。
心の波立ちもついしゃべってしまったことも、
第三の目によって、いつも気づけるようにしておけば、
それで十分だと思います。
管理、支配、上目線を排して、異なる価値観を尊重する、
基本の目標に近づいてゆくことができるでしょう」
・・・
SDKS+Cは、夢のような方法ではありません。
コツコツと、自らの言動考を見張りながら、
目標からはずれるひとつひとつを削り落とす地道な作業なのです。
しかし、人の思いは外面ににじみ出るものなので、未熟であっても、
外見には、他者を信じる人として映り始めるものです。
・・・
(お母さんが信じてくれている!)子どもは動き始めます。

不決の決

金木犀が今を盛りと、しっとりとした芳香を放っています。
気持ちが静かだからそう感じるのか、
そういう作用をもった香りだからか、
ゆっくりと空気を吸い込んでみました。
・・・
尖閣問題について、かつてある元外務官僚は、
日本有利の宙ぶらりん状態でいいという、両国で暗黙の了解があり、
へたに手を出さないほうがよい、と言っていました。
ところが、手を出した結果が現在のありさまです。
(その方によると、竹島は韓国有利の宙ぶらりん)
・・・
尖閣問題について、村上春樹氏は朝日新聞にエッセイを寄稿し、
「政治家や論客は威勢のよい言葉を並べて人々をあおる」と書き、
結果的に、民間の個人を苦しめることになる、と終えていますが、
まさしく、白黒つけてやるという発想のもつ危険性への警告です。
・・・
何ごとも、解決のつけにくい問題は懸案としておけばよい。
これはなかなか奥深い人生訓といえると思います。
SDKS+Cに応用すると、子どもと親の価値観が異なっていても、
どちらの価値観に正当性があるかなど正否を決めないこと。
これは、異なる価値観を共存させておく、と換言できます。
・・・
決めない、と決めておくこと。
「不決の決」とでもいえばいいのでしょうか。

褒める

ある母親からのメール。
「不登校をしていた子どもが、適応教室ながら通い始め、
勉強もするようになり成績も上がり始めました。
先生も、私も、喜んで褒めていますが、
ここのところ体の症状を訴えるようになりました、
褒めることは上目線なのでしょうか」
・・・
褒めることは、完全な上目線行為です。
褒めることは、自分の価値観で子どもを評価し、
こちらの価値観に合っているという表明であり、
さらに、こちらの思い通りに動いてほしいという、
期待と強制の意味が含まれています
・・・
幼い子どもに様々な価値観を教え込むために、
褒めておだてて育てることはやむをえないとしても、
すでに多くの価値観を授かり育った子どもには不要なもの。
喜ぶ子どもの心に共感するだけで十分なはずです。
・・・
追:適応教室登校は、子どもからの気遣い・サービス登校であり、
まだまだ期待を抱けるレベルではありません。

上目線

【思春期外来】
五月雨登校中をしている子どもの父親の話。
「朝、出勤前にひと声かけて出かけるようにしていますが、
先日、『起こしてほしい時は頼むから』と言われました。
寝坊すると必ず学校を休むので起こしていたのですが、
子どもの好きなようにさせておけばいい、と反省しました」
・・・
指摘されたからとはいえ、冷静な反省のように聞こえますが、
この反省にはちょっとした間違いが含まれています。
親として排除が望まれる、管理、支配姿勢が保たれたままなので、
せっかくの反省も、その効果は限局的でしかありません。
・・・
同じ状況であれば、ほとんどの父親が同じことをするはずですし、
子どもの心が萎びていなければ、容認されるかもしれませんが、
ひとたび、心のしぼんだ思春期病への対応を決意したのであれば、
声かけの時点で、上目線としてチェックしたかったところです。
・・・
そして、最後の“させておけばいい”という言葉に、
基本姿勢が上目線のままであることがありありと表れています。
所詮は習性なので、上目線を嫌悪するくらいの気持ちでいないと、
言葉の端々に、上目線のにおいが漂ってしまうものなのでしょう。
・・・
もちろん、習性なので難ずる※には値しませんが。
(※今日の天声人語にあり、初めて使ってみました、非難の意)

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