バイク 限定解除アーカイブ(自動二輪限定解除 愛知県/平針)

自動二輪限定解除について 愛知県平針運転免許試験場の1986年当時の記録

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・はじめに
・試験車両
・試験コースの概観

【その②】
・大型二輪の試験コースの詳細 (1986年の平針)
❶外周と急制動 ❷スラローム ❸外周および8の字 ❹波状路 ❺一本橋
❻クランク ❼たこつぼコース ❽鋭角ターンと坂道発進 ❾帰還
・合格のポイント

・当時の練習にまつわる話
・練習場について

・技能審査の受検体験記
・練習時間
・当時の受検状況について
・統計データ (1982年)
・限定解除審査を受けた感想
・運転免許試験場と教習所
・当時の免許証


限定解除アーカイブ
【その②】

大型二輪の試験コースの詳細(1986年の平針)

それでは以下、当時の平針運転免許試験場の大型二輪のコースを見ていきたいと思います。アーカイブなので、かなり詳細に記載しています。

わたしが受検した頃は、大型二輪は1コースしか設定されていませんでした。

❶ 外周と急制動

採点室から見て向かって左に出て右折し、突き当りを右折して外周を右回りに走行します。
外周では4速まで使用します(5速は使用しない)。制限速度は40km/hですが、
44〜 45km/hぐらいまでは許容されていました。グーグルマップを参考に外周の直線路の部分の距離を測ってみると、およそ120mあるようです。
図の右端のコーナーでは3速25km/hです。

そして、発着地点のすぐ向こう側にある急制動が最初の課題です。採点室の真正面でもあり、見物人がたくさん集まっているところから間近な場所でもあります。
急制動だけは今も当時も全く同じ場所で、要領も同じです。40km/hで進入して、ブレーキ開始の指定位置から前後ブレーキを同時にかけるだけです。

図1
イメージ 7

ここでよくあったミスが、ブレーキ開始指定位置よりも前にスロットルを放して完全に戻している人が多かったことです。せっかく40km/h出ていたのに、指定位置を通過する頃にはエンジンブレーキで35km/h以下まで減速してしまっていたケース。つまり、40km/hからの急制動に全然なっていなかったのです。
エンジンブレーキがダメと言っているのではありません。40km/h未満になってしまうのがダメなのです。

もちろん、指定位置よりも前でブレーキをかけ始めるのもダメです。早めにブレーキを開始して、停止線よりも5m以上も手前で停止していた受検者をよく見かけました。
また、5m以上手前で止まりそうになり、停止線直前でブレーキを緩めていた人もいましたが、これは論外です。

直前の直線路で42〜43km/hまで速度を乗せたらスロットルをゆっくり戻していき、40km/hまで減速した時点でスロットル位置を固定して定速走行モードにします(パーシャルと言いますね)。ブレーキ開始指定位置をよく見て、そこに到達するまで40km/hのまま、落ち着いて、かつ、我慢して待ちます(この我慢が大事)。
そして、指定位置通過と同時に、満を持して前後ブレーキをかける…これでOKです。


❷ スラローム

急制動のあとは平針名物のスラロームです。直線路上のスラロームではなくて、右カーブをしながらのスラロームでした(前ページ【その①】のスケッチを参照)。
4本目でグイッと右に曲げないと5本目で引っ掛かってしまいます。しかし、慣れればそんなに難しくもありませんでした。

図2
イメージ 9

スラロームについては、上飯田自動車練習場(後ページ【その③】で記述)の指導員から教えてもらったことで、少し驚いていたことがありました。そこの指導員はスラロームは3速でやればいい…というものだったのです。

スラロームって普通は2速で行うのが相場じゃないんですかね?
メリハリのある走りというか、ブォン、ブォン、ブォン、…とスラロームを2速で通過する人が多かったですし、別にそれでよかったと思います。

現在、二輪の教習を受けている方は指導員から2速だと指導されていると思いますし、わたしもやはり2速でいいと思います。

しかし、当時、指導員に言われた通り、実際に試験車両のGS750Gで3速でやってみると十分に可能でした。スラローム進入前までに3速シフトアップしてからやや減速してクラッチを一旦切り、切ったクラッチを半クラッチのようにスーッとつなぎながら駆動力をかけてゆく…というものでした。
ブォン、ブォン、ブォン、…とは程遠いものでした。

それにしても、GS750Gは下から粘るエンジンでしたね。高めのギヤでもグイグイと前に押し出す感がありました。


❸ 外周および8の字

スラロームが終わってそのまま外周を走行しますが、この後に右折があるため、車線内で右へとセンターラインに寄らなければなりません
当然、センターラインに寄る3秒前に右の方向指示器を出します。

 ①右方向指示器の点滅開始
→②右後方の安全確認をする
→③点滅開始から3秒後に右に寄る
→④減速して右折に備える

…という一連の動作を行います。こういった動作の開始位置やタイミングについては各自、事前の研究(イメージトレーニング)を要したものです。
*右折の方法に関しては、これ以降も ①②③④ は同じです。

もちろん、ストレートでは4速で40km/hまで出します。

図3
イメージ 10


なお、現在もそうですが、当時も技能審査開始前の時間帯に実際にコースを歩いて覚えました。なので、受検者はコースを歩きながら操作開始の位置やタイミングをイメージトレーニングしていたものです

再び外周に出た後、再び急制動のコースを通りますが、ここではもちろん急制動を行わず素通りです。右進路変更して右折し、8の字に入ります。8の字は今のS字コースみたいなものでしょう。
8の字自体は難しくありませんが、出口から出る時に右の安全確認が要るため、減速して出ることになります。一時停止しません。

図4
イメージ 1

ちなみに、この8の字に入る手前で右折の手信号が要求されていました。
既述の通り、この手信号は1986年5月頃、ちょうど当方が受験する直前に廃止されました。
手信号なんて、方向指示器の故障(ウィンカーの球切れ等)を想定したものですよね。これを試験課題に取り入れていたんですから、時代を感じさせます。


❹ 波状路

中型限定や小型限定、今の普通二輪ではこの課題はありません。当時の限定解除、今の大型二輪のみの課題です。
8の字を出る際に左の方向指示器を点滅させますが、この後すぐに再び左折し、波状路に入りますし、波状路の後はすぐに左折し一本橋に入ります。
この関係で、左の方向指示器は8の字の途中から一本橋手前まで出しっ放しにしていても許容されていました。それで、わたしは波状路の最中でも左の方向指示器をそのまま出しっ放しにしていました。

図5
イメージ 2

波状路自体は現在と同じです。
腰が引けてしまってはダメで、腰を少し前へ突き出すような感じで体重を前へかけます後輪が山に載ったタイミングでスロットルを開けクラッチをつないでパワーを駆けることが大切です。これができていない人は車体が安定していませんでしたし、見ていて危なげでした。
何を考えたか、勢いをつけて、ダダダダダッと通過していた人もいましたが、これは論外。

何よりも後輪が山に載る感覚をしっかり掴めていること…これができていれば難しくありません。かなりの低速でも安定して通過することが可能です。
そして、膝に少し余裕を持たせてショックアブゾーバーのように下からの突き上げを吸収するのもちょっとしたコツです。

波状路の後はすぐに左折なので右の安全確認が必要ですが、この左折で大きく膨らむと印象が良くありません。
そして、そのすぐ後にある小さな交差点までわずか4m強(車両2台分の距離)しかありませんが、ここも左右確認が必要です。

2台の車両が同時に走っていた時にこの交差点でかち合ってしまって、波状路から出てきた方の受検者が余裕なく、ふらついたり非常に焦っている姿が見られたことがありました。


❺ 一本橋

今と変わりません。大型二輪の一本橋は10秒以上です()。
停止線からスタートして、最初は「よっこいしょ」という感じで乗り上げますが、残りの3分の2は時間稼ぎのためリヤブレーキで若干減速すると同時に半クラッチで駆動力を調整しながら渡ります。
近くを見ると脱輪します。視線を遠くに置きます。
秒数は、ゼロイチ、ゼロニ、ゼロサン、…と、1、2、3、…の前に “ゼロ” を付けて数えると、速すぎず遅すぎず、ちょうどよく、実際の長さを反映するようです。

一本橋を降りた後は黄点滅の交差点を直進。交差点通過後は右にあるクランクに入ります。当然、右センターラインに予め寄っておきます。寄る3秒前には方向指示器を出さなければなりません。となると、逆算して 「交差点に入る直前ぐらいには右の方向指示器を出しておかなければならない」 ことになります。

【注】
*なお、当時の中型限定や現在の普通二輪は7秒以上ですから、一本橋上での減速は不要でしょう。そのままスルスルと渡っても7秒は確保できると思います。
*小型限定は当時も今と同じ、5秒以上でした。


❻ クランク

W字型のクランクに進入します。1985年頃まで、あるいは1986年春頃までは完全にW字型のキレイなカシオペア座の形をしていて、切り返し3連発が要求されていました(前ページ【その①】のスケッチを参照)。しかし、1986年頃には少し間延びした「右折+通常のクランク」のW字型に変更になりました。
つまり、
あああああああああああ あああああああ 
ああああああああああ あああああああ あ
ああああ←←←あああああああ←←←←←←
ああああああああああああ
ああああああああああああ
←←←あああああ←←←ああああああああになった

…というわけです。クランクの入り口部分の道は芝生上をコンクリート舗装で新たに埋め立てたものでした。
この変更、今まで難しすぎたからコースを少し易しくした…という意図だったのでしょうか?
コースを易しくせよ…との政治的な圧力があったのかどうかは不明です。

図6
イメージ 3

クランクでも何でも、切り替えしが続くコースでは視線を近くに置かず、遠くに置くことが大切です。

クランク出口には一時停止の看板があるため停車します。
出口を出て右折します。
交差点の赤点滅信号でまた一時停止し、交差点を右折。
その後、またしばらくしてから右折するのでキープライト。
交差点の前後では、キチンと右のセンターラインに寄せてなかったり、車両がラインに対して斜めに停止していたりすると減点です。

踏切を通過して左折しますが、ここの左折は後述する鋭角ターンとは異なります。
その後は外周を左回りします。ストレートは4速40km/h、図の左端の左コーナーは3速25km/hです。

図7 (図中の青い物は障害物なので、3秒前の方向指示と右への進路変更で避けます)
イメージ 5


❼ たこつぼコース

外周を左回りしてからたこつぼコースに入ります。S字コースを2つ連続でつなぎ合わせたようなコースです。

非常に難しいというわけではありませんが、それでもパイロンに接触する人や “力尽きて” コースアウトしていた人を通算で3〜4人見かけました。それまでの課題で疲れきってしまったのかな。
それ以上に、スムーズに走れない人は多数いました。ライン取りのイメトレが予めできてないと、スムーズに越えられません(イメージトレーニングは大切です)。

ちなみに、スムーズとは、曲率半径(R)のキツイ箇所からRの緩い箇所、あるいは直線にかけてはスロットルを開けて加速する、直線からRのキツイ箇所に入る前はスロットルを戻して減速する、そういうテンポのこと。一定速で走ることを言うのではありません。

 Rがキツイ → Rが緩い …加速する(加速すると車体が自然と起きる)
 Rが緩い → Rがキツイ …減速する(減速すると車体を倒しやすくなる)

出口には一時停止の看板はなく、停車する必要はありませんが、「徐行」の看板はあったと思います。なので、超低速で出ながら左右の安全確認をして脱出することになります。もちろん、停止するわけではないので足を着いてはいけません。

図8
イメージ 8

このたこつぼに入る際に左の手信号が実施されていました(前ページ【その①】のスケッチを参照)。しかし、手信号は既述の通り、1986年半ばまでに廃止されました。


❽ 鋭角ターンと坂道発進

たこつぼ後は右に出て黄点滅交差点を右折し、また左折。
この次が平針名物だった鋭角ターンです。実際、技能審査員の人たちも鋭角ターンと呼んでいました(前ページ【その①】のスケッチを参照)。

【写真は第二種免許の鋭角ターンのコース】
イメージ 11
全くの余談話ですが、鋭角ターンと言えばバスやタクシー等の第二種運転免許の技能試験で写真のような課題があります。第二種免許では一旦奥まで突っ込んでからバックギヤで後退し、切り替えしを行って60°の曲がり角を通過するものです。
二輪車ではバックできませんけどね。

今思えば、こんな第二種免許みたいな課題がはたして二輪免許で必要だったのか疑問に思いますが、平針の難所として名物になっていました。

場所は坂道発進の丘でした。まず丘を上り、60°の鋭角を左折して狭い下り坂を下りるというものでした。この斜面での鋭角ターンで脱輪し、270kg以上の巨体を派手に引っ繰り返していた人が多かった多かった!結構多かったです。

図9
イメージ 4


ここではブレーキワーク、クラッチワークを駆使した超低速走行での安定性が必要でした。道は狭いですし、フラつけば減点です。脱輪したら大変悲惨な目に遭います(斜面なので倒れたバイクをひとりでは起こせない)
何とか通過できたとしても、ここでパニクっているようでは技術的にも合格はまず無理でした。

坂をゆっくり下りながら右に方向指示器を切り替え、左右安全確認をします。

右折して、また右折して、1速ギヤで坂道発進の指定場所に停止します。坂道発進では1速に入れてから停まった方が楽ですね。2速で停止した場合は右足を着いて1速に入れ直すことになりますが、これでも問題ありません。
坂道発進では落ち着いて方向指示器を右から左に切り替え、後方の安全確認をして発進します。発進後は右を確認してすぐ左折。

この鋭角ターンから坂道発進まで、上って左折、下って右折、上って左折…と巨体を振り回す忙しいコースで、ギャラリーに対してはなかなかの見せ場でもありました。
近くばかりを見ているとスムーズな走りができません。基本的には少し遠方に視線を置き、落ち着いて操作します。事前にライン取りのイメージトレーニングがしっかりできていたかがポイントだったと思います。


❾ 帰 還

最後の課題の坂道発進までできたら、外周を左回りに走って発着点に戻るだけです。この外周までたどり着けると生還まであと少し。正直なところ、ホッとしたものです。
外周は4速ギヤを用い、40km/hまでキチンと加速して無事帰還します。
ただし、左コーナーは3速ギヤで25km/hまで減速して通過します。

図10
イメージ 6



合格のポイント

 
二輪免許の技能審査って、課題について一言で言えば巨体を安定させて超低速で走行できる腕前があれば受かります。フラツキなく安定した超低速走行ができていれば安全確認もしっかりできることになりますし、次の動作を落ち着いて開始できる余裕が生まれます。
結局のところ、ブレーキ、クラッチ、スロットルを上手に使いこなせるか否かということです。

その上で、8の字やクランクの課題走行にしても、外周走行にしても、事前の予習(ライン取り)をしっかり行っておくことも大切です。具体的は、試験前のコース下見の際に前輪がどこを通るかをイメージしながら前輪が通るところを歩いて確認しておくことです。

もちろん、加速すべきところはしっかり加速します(特に外周路)。加速不良のマイナス10点を取られる人も多いです。
スラロームは7秒以内で通過すること()になっていますし、トロトロと通り過ぎるだけでは絶対に合格はくれませんでしたから、しっかり走るところはしっかり走るというメリハリは大切です。

【注】
*中型二輪(今の普通二輪)のスラロームは8秒以内で通過します。
*小型二輪は今もそうですが、スラロームはありませんでした。

つまり、メリハリができている…とは、サッと走るべき箇所はどこなのか、超低速で走るべき箇所はどこなのか…状況的な判断ができているということです。


次の【その③】では、当時の練習にまつわる話を述べたいと思います。

【その②】は終わり 【その③】に続く)

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