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社労士試験の正常化を願って
第8,まとめ
原告準備書面,文書提出命令申立書,求釈明申立書により,「総得点21点・4点下げ:(1点以下の比率のみで決定)」の基準で留まった説明を求めたが,得られなかった。「選択式1点で不合格処分を受けた多くの受験者(控訴人)」は,主要事実に反して,何らかの事情で発表のとおりの合格基準になった合理的理由があれば,その事情の説明を求めている。
被控訴人の「絶対的(修正する余地のない事柄を理由)」から,審査基準:選択式難易度の考え方を突然変更した事実だけが残り,平成27年度の合格基準「総得点21点・4点下げ」の適正かつ合理的な理由は示されなかった。
平成27年度の合格基準は,「社労士たる能力を担保する(社労士法9条)」に値する合格基準:「主要事実」の基礎を欠き,「選択式科目の難易度の考え方」の審査基準を突然変更した行政庁の合格基準決定手続き上の明白な瑕疵であり,違法性は阻却されない。
社労士法と社労士試験事務規定に記載されていないことをもって,合格基準の決定手続き全てが「厚労大臣の専門的かつ技術的な裁量権」のなかに包含されると解釈するのであれば,『審査基準:選択式難易度の考え方の突然の変更』も「厚労大臣の専門的かつ技術的な裁量権」のなかに含まれることになる。
『審査基準:選択式難易度の考え方の突然の変更』が「厚労大臣の専門的かつ技術的な裁量権」のなかに含まれるのであれば,社労士法,試験の実施要領,平成26年度までの合格基準「主要事実(総得点23点以下・5点下げ)」を指標に臨んだ平成27年度の受験者(4万人)を錯誤に陥らせる行為「受験者(4万人)を欺く行為」である。
平成27年度の受験者(4万人)は,受験料(9,000円)を支払った時点で,厚労省と契約したことになる,『契約内容は「社労士たる能力を担保する(社労士法9条)」ため,「主要事実(総得点23点以下・5点下げ)」の結果を残すことができた受験者は「合格の二文字」を手にすることができること(社労士法3条)』である。
平成27年度の受験者(4万人)が示した結果「選択式平均点,得点分布状況等(乙5−8)」と過年度の受験者が示した結果「選択式平均点,得点分布状況等(甲11等)」の審査基準「選択式難易度の考え方」に突然の変更を設ける事は,合格基準の決定過程が非公開であること,行政権の裁量権を考慮しても,社労士法を執行する「厚労大臣の専門的かつ技術的な裁量権」のなかに,審査基準の突然の変更は決して含まれない。ゆえに,「総得点21点で選択式科目のあと1点を補正しない」とする適正かつ合理的な理由が示されなければ,平成27年度の受験者(4万人)を錯誤に陥らせる行為「受験者(4万人)を欺く行為」であるとともに,選択式科目1点格差で不合格処分を受けた多くの受験者に対する背信的な行為であり,信義則に反し,「行政庁による裁量権の逸脱(濫用)である」と言わざるを得ない。
したがって,控訴の趣旨のとおり
 1 原判決を取り消す。
 2 厚生労働大臣が控訴人に対してした,平成27年度社会保険労務士試験について控訴人を不合格とする旨の処分を取り消す。
 3 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。
  との裁判を求める。
最後に,『公務員の職業倫理,すなわち,「公務員としての客観的良心ないし職務的良心」とする考え方』に立って決定した平成27年度の合格基準が,『審査基準:選択式難易度の考え方の突然の変更』により,故意にもたらされたのであれば,言うべき言葉もない。
                                                                                                               以上


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第7,審理の過程において,明らかになったこと
  1. 合否判定委員会は会議体方式ではなく,持ち回り事前協議を幾度となく繰り返す審議方式であること。
  2. 「平成27年度は7人の委員と事務局により,決定案を策定する為,幾度となく繰り返す事前協議」は行ったが,事前協議内容を記載した書面は事務局の判断で「必要が無いから廃棄された」こと。
  3. 起案用紙の存在が明らかになった,7人のサイン又は印鑑を用いて,「7人の委員と事務局により,持ち回り協議を幾度となく繰り返し決定した合格基準をさらに承認(決裁)をした」内容であること。
  4. 平成26年度までの時の7人の委員が『「社労士たる能力を担保する(社労士法9条)」・「試験水準を一定に保つ」ため,「相対的(修正する余地がある事柄を理由)」』において,行政裁量で決定した主要事実があるなか,平成27年度の7人の委員は『「試験水準を一定に保つ」ため,絶対的(修正する余地のない事柄を理由):「1点以下の比率のみで決定」』と主張していること。
  5. 合格基準の決定手続き全てが過去の判例を持ちだして「厚労大臣の専門的かつ技術的な裁量に委ねられている」と主張していること。これについては最重要な争点であるため,本書面の「第8,まとめ」に記載する。
  6. 主要事実があるなか,被控訴人より「1点補正を行わなかった理由:選択式科目の難易度の考え方」は示されること無く結審を迎えたこと。
「公権力の主体となる行政行為に対し,客観的な国民目線から」
イ)合格基準の考え方の削除行為について(甲4,18,乙5−6,7)
「社労士たる能力を担保する(社労士法9条)」ため,「合格基準の補正は,試験水準を一定に保つため,各年度において,総得点及び各科目の平均点及び得点分布等の試験結果を総合的に勘案して行う」に基づき,合格基準を決定した後,決定した「難易度の考え方」を重要な引継書の役目を果たす「合格基準の考え方」に詳細に数値化された「難易度の考え方」を追記する行政行為は十二分に理解できるが,合格基準を決定した後,詳細に数値化されて記載された「難易度の考え方」を(削除する意図は想像の域を超えないが)削除する行政行為は,社会通念上,理解に苦しむ。なぜならば,毎年,選択式試験の難易度と「合格基準の難易度の考え方を解釈しそれを行使する」職務上の行政裁量を発揮する10名が毎年のように変わる。詳細については『原告第1準備書面12頁(3)「合格基準の考え方」を削除する行政行為について』と『原告第3準備書面30頁(2)「憲法第22条第1項」の視点』。
ロ)起案用紙について(乙5−1,2,17,18)
原告第3準備書面6頁「(4)起案用紙の記載不備」に加え,事前協議や持ち回り決議が行われた後の最終起案であるとされる起案用紙に記載されている『なお,社会保険労務士試験の合格基準については,「社会保険労務士試験合否判定委員会要領」基づく委員会において決定することとしている』,『また,〇〇の委員については,別途○○局において決裁中である』との記載内容は至って不自然である。なぜならば,すでに,事前協議や持ち回り決議を行っていた委員なら,それらの委員会要領や他局の決裁につては熟知しており,わざわざ起案用紙に「この起案用紙の趣旨」を記載してまで,各委員に伝える必要はないはずである。そのことを記載する必要があるとすれば,合否判定委員以外(第者)で合否判定の「確定案」が決まっており,その承認(決裁)を得るためにだけに各委員に回した起案用紙であったと考える方が至って自然である。(社労士法10条違反の疑い)。
ハ)合否判定委員会のあり方について(乙5−11,12)
委員会は会議体を規定し,難しい局面等(裁判の重要な争点である,主要事実があるなか,あと1点を熟慮したのか)がある場合,多数決で決する為,奇数人(7名)で構成される。委員会は「社労士たる能力を担保する(社労士法9条)」に値する合格基準決定手続きの中枢を担っているから,公権力の主体となる厚労省(行政権)みずから規定した「会議体方式(議事録必須)」を「幾度と繰り返す持ち回り審議方式」とよみかえ,変更する行為については,重責「3,委員会の職務」を果たすことができるのか不信を抱く。また,社会通念上,会議体の議事録(①決議権限②招集手続③決議要件④決議の有効要件⑤決議の付款⑥署名)等,明確性を確保し,後日の紛争を防止することを意義としている。
事務局と7人の委員により,持ち回り事前協議を幾度となく繰り返し行ったことが事実であれば,事前協議内容(議事録相当)だけは当然に残すべきである。
詳細については『原告第3準備書面27,28頁「2,合否判定決定機関である委員会の方法と証拠」・「3,公文書管理法第4条・厚生労働省行政文書管理規則第9条」違反の疑い』。
 
次回は「第8,まとめ」を投稿します。

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第6,行政裁量の妥当性について(違憲の視点)
 合格基準をどのように決定するかは,社労士法,社会事情,受験者(国民)の感情など総合的に考慮した上で,社労士法を執行する厚労省(行政権)の合理的な裁量判断に委ねられるとしても,「社労士たる能力を担保する(社労士法9条)」に値する合格基準:主要事実を指標に臨んだ平成27年度の受験者(4万人)が示した結果「選択式平均点,得点分布状況等(乙5−8)」と過年度の受験者が示した結果「選択式平均点,得点分布状況等(甲11等)」の「選択式難易度の考え方」に区別を設ける事は,合格基準の決定過程が非公開であり,社労士法と社労士試験事務規定に記載されていないことをもって,絶対的(修正する余地のない事柄を理由)として,平成27年度の選択式合格基準(総得点21点・4点下げ)の「1点格差」で不合格処分を受けた受験者に不利益を及ぼすことは許されず,厚労省(行政権)の裁量権を考慮しても,過年度の主要事実(総得点23点以下・5点下げ)の合格者とを区別する合理的な根拠は失われており,憲法第14条の趣旨に明らかに反している。
各年度,難易度が生じることを前提に試験を実施しているのであるから,各年度の受験者が示した結果「選択式平均点,得点分布状況等」にさまざまな事実上の差異が生じる。それをまったく無視して,機械的に均一「絶対的(修正する余地のない事柄を理由)」に扱うと,かえって不平等となる。平成26年度までは,同一事情と同一条件の下では均等に取り扱うべきこと「相対的(修正する余地がある事柄を理由)」を意味するものとして,「社労士たる能力を担保する(社労士法9条)」に値する合格基準である主要事実(総得点23点以下・5点下げ)が明確に示されてきた。 
係る視点から,「総得点21点で選択式科目のあと1点を補正しない」とする合理的理由が示されなければ,「不合理な差別的取り扱い」と証され,社労士法(法律)を執行し適用する厚労省(行政権)が受験者(国民)を差別してはならないという「法適用の平等」にも反する。
 
次回は
第7,審理の過程において,明らかになったこと
「公権力の主体となる行政行為に対し,客観的な国民目線から」を投稿します

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第5,選択式難易度の考え方について
選択式難易度の考え方は,難易度が一機に上がった平成18年度「総得点22点・2点適用5科目補正(基準点:5点下げ:4点+1点)」の補正理由「同年度の平均点を小数点第2位(2,482,51)を用いて比較した記述,選択式科目補正の難易度の考え方(甲15−2)」に示され,平成20年度(総得点25点・4点下げ:3点+1点)(甲5−1),平成22年度(総得点23点・5点下げ:3点+2点)(甲6−2),平成23年度(総得点23点・5点下げ:2点+3点)(甲4−2)にも明確に示されている。
特に,同水準である『平成25年度(総得点21点・5点下げ:4点+1点)の1点下げの記述は「平均点の他,得点分布1点以下:60,7%(平成25年度:総得点21点,5点下げ)と60,5%(平成22年度:総得点23点,5点下げ)の他年度と比較(甲7)」』と明確に1点下げの主要事実が詳細に示されている。
これらの選択式難易度の考え方(総得点23点以下,5点下げ)は,言うまでもなく「社労士たる能力を担保する(社労士法9条)」ため,内部審査基準である『「合格基準の難易度の考え方」=「合格基準の補正は,試験水準を一定に保つため,各年度において,総得点及び各科目の平均点及び得点分布等の試験結果を総合的に勘案して行う」』に基づき,時の厚労省のトップである「厚労大臣の専門的かつ技術的な裁量に委ねられている」とする公権力の主体となる厚労省(行政権)が裁量権を発揮して決定してきた。
念のために,平成23年度に記載された科目最低点の補正基準②(甲4−2)は平成18,20,22,25年度には記載されていなくても,選択式科目補正の難易度の考え方:「主要事実(総得点23点以下,5点下げ)」は平成26年度までは何ら変わっていない。詳細については『原告第1準備書面5〜8頁「(1)合格基準を決定した過去の判断過程・(2)平成23年度のみとする被告の主張には理由がない」』。
合格基準を決定する過程において,「例外を許さない絶対的(修正する余地のない事柄を理由)なものなのか,それとも例外を許す相対的(修正する余地がある事柄を理由)なものなのかが問題となる局面」で,社労士試験は,後者を選択し,平成26年度までは,「社労士たる能力を担保する(社労士法9条)」ため,「合格基準の補正は,試験水準を一定に保つため,各年度において,総得点及び各科目の平均点及び得点分布等の試験結果を総合的に勘案して行う」を審査基準の難易度の考え方として,時の厚労省のトップである「厚労大臣の専門的かつ技術的な裁量に委ねられている」とする公権力の主体となる厚労省(行政権)が裁量権を発揮して,主要事実(総得点23点以下,5点下げ)を決定してきた。詳細については『原告第1準備書面5頁「第2,過去の合格基準の検証」・「原告第3準備書面15〜26頁」』。
平成27年度の選択式難易度は,原告第1準備書面10頁,下から8行目に記載したとおり,補正科目に適用(1点以下の比率で適用)された2科目(2点以下58,0%,56,5%,平均点2,3点)より,外形上,客観的にみて難易度が高い科目(1点以下の比率で適用除外された労働者災害補償保険法:2点以下62,9%,平均点2,2点)が存在する。
主要事実に反し,「社労士たる能力を担保する(社労士法9条)」・「試験水準を一定に保つ」ため,『「総得点21点で選択式科目のあと1点を補正しない」:絶対的(修正する余地のない事柄を理由)』とする「選択式科目補正の難易度の考え方」の合理的理由はいまだに明らかになっていない。合理的理由が示されていないなか,「他事考慮(考慮不尽)の有無」について判断するのは早計である。
 
※次回は「第6,行政裁量の妥当性について(違憲の視点)」を投稿します。

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訴訟の背景

第3,訴訟の背景
開示された『選択式得点分布状況等(甲11等),合格基準について(甲4−2,5,6,7,15)(公文書:平成27年4月3日決定)』と平成27年度の選択式得点分布状況等(乙5−8等)を元に精査すると,そのすべてが,選択式科目の補正のあり方(難易度の考え方)である。これらの記述の内容は「社労士たる能力を担保する(社労士法9条)」ため,内部審査基準である『「合格基準の難易度の考え方(乙5−6中段:2 年度毎の補正)」=「合格基準の補正は,試験水準を一定に保つため,各年度において,総得点及び各科目の平均点及び得点分布等の試験結果を総合的に勘案して行う」』に基づき,過年度の7人の委員が行政裁量を発揮し,克明にこの1点の判断過程(甲4−2,5,6,7,15)を示し,その結果:公知の事実を詳細に記載している。平成27年度の選択式科目の難易度の考え方(行政裁量)が,平成26年度までと比較して明らかに違う(この裁判の重要な争点である)。
また,合格基準の決定は,「合格基準の考え方」を内部審査基準として,内部規定である「合否判定委員会要領(7人の委員の会議体)」に基づき行われてきたことも分かった(訴状提出時点では,委員会を7名の奇数人よる会議体と捉えていた,また,客観的に判断してその内容である)。
内部審査基準・内部規定・合否判定資料・公知の事実があるなか,「総得点21点で,なぜ4点下げにとどまったのか」,平成27年度の7人の委員は内部審査基準「合格基準の考え方」の選択式難易度の考え方をどのように解釈したのか,平成26年度までと比較して,解釈に大きな差異があるため,厚労省の試験事務担当者(・・氏)に問い合わせて「選択式補正科目の難易度の考え方を変更したのか」確認したところ,「選択式補正科目の難易度の考え方は過年度より一切変更していない」との明確な返答があり,行使された行政裁量(難易度の考え方)にさらに疑義が膨らみ,・・氏(宛先は・・氏からの聞き取り)への意見書(甲12),塩崎大臣への通知書(甲13)を送付して,説明,回答をお願いしたが,説明,回答は一切得られていない。「問い合わせ,意見書等の送付は1,2件ではないはずである」。

第4,例年と変わったこと
例年と変わった事は,選択式試験の難易度(合否判定資料:乙5−8)と職務上の行政裁量を発揮する人「厚労大臣(塩崎大臣),7人の合否判定委員(・・氏を含む7名),試験事務担当者(・・氏,・・氏)」(関係者合わせて10名:起案用紙等から)だけである「毎年,変わるようである」。社労士法3条・9条・10条,試験の実施要綱,「合格基準の難易度の考え方(内部審査基準),合否判定委員会要領(内部規定)」は変わっていない。
したがって,選択式試験の難易度以外,平成27年度に職務上の行政裁量を発揮する人10名が変わっただけで,文書化された社労士法3条・9条・10条,試験の実施要綱,「合格基準の難易度の考え方(内部審査基準),合否判定委員会要領(内部規定)」は変わっていないのであるから,それらの文書,特に合否判定手続きに用いられた「社労士たる能力を担保する(社労士法9条)」ため,「合格基準の難易度の考え方(内部審査基準)」を職務上の行政裁量を発揮する人10名が適正かつ合理的に解釈した上で,「合否判定資料」を適正かつ合理的に精査し合格基準を決定したか,発揮された行政裁量の妥当性が問われる裁判である。

※次回は「第5,選択式難易度の考え方」を投稿します。




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