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今日、ふと、思い出したのだが、ちょっと前に、こういう事があった。
その患者さんは高齢の犬を飼っていらっしゃるのだが、お昼に、心臓の薬を取りに来られて、「状態はどうですか?」と聞くと、「朝から、ぐっすり寝ています、昨日もご飯食べました。でも、今、目を開けたまま、寝てるんですよね」とちょっと、?がつく解答だったのです。状態の把握が、できないので、一応、連れてきてもらったほうが良いですと強く念押ししました。
15:30ごろ、「一応、見てください」と軽い口調で来院され、診察すると、呼吸機能低下、瞳孔散大、眼球振盪、全身虚脱、のショック状態だったのです。
飼い主さん>朝からこんな感じで、ぐっすり寝ているだけかと思ったとのこと。
獣医師>「すぐに、気管挿管、静脈点滴確保、酸素吸入、心電図の計測の緊急蘇生処置を行います」
飼い主さん>「はあ、お願いします」
獣医師>「先ず、挿管するから、気管チューブと酸素準備して!」AHTに叫ぶ。
獣医師>「次に、静脈点滴確保するから、22GのIVカテ準備して!」そのときには、すでに準備されていた。
獣医師>「ショック状態で、血圧が低下しているから血管確保がスムーズにいきにくい、、」。ぎりぎりで、右足の血管から点滴確保。
AHT>「心拍、薬で、あがって来ました。落ち着いてます」
獣医師>「じゃあ、飼い主さん、呼んでお話するから」
獣医師>「一時的に、ショック状態は回復しましたが、意識なし、全身虚脱の状態です」
飼い主さん「・・・・・・・」
獣医師>「次に、ショックが起こって、心肺停止した場合は、蘇生処置を行いますか?」。獣医師は尋ねた。飼い主さんは、まだ、状況が飲み込めていないようだった。現在の、厳しい状況をわかりやすく説明したが、納得はできないようだった。
飼い主>「さっきまで、ぐっすり気持ちよさそうに寝てたのに、、昨日もご飯食べてたし、、、」
そうこう、している間に、再び、心肺停止。心電図のピーーという長い音を聞いて、飼い主さんもやっと飲み込めたらしく、これ以上の心肺蘇生処置は、行わないでほしいとのこと。そのまま、そのワンちゃんは亡くなった。
飼い主さんは、自分の犬の状態の変化に気づいてあげられなかった事を悔やんでいた。世の中で100%確実なのは、「死」だけだけど、受け入れるのは難しいですよね。我々も、日常の一コマですが、身にしみる思いです。
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