プー仔の( ̄∀ ̄*)日記♪

努力した分きっちり結果がでるわけじゃない。だけど、努力しなかったらまったく結果はでない。

小説 ◆旅人◇

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第14話 世界

旅人は歩いていました。
すると、向こうのほうに森が見えてきました。

旅人は森へ入りました。

そこは、アティスの森でした。

旅人は考えました。
アティス・・?
それは何のことだろう?

すると、旅人の前に可愛い女の子が現れました。
女の子は言いました。
「こんにちは、旅人さん」
旅人は答えました。
「こんにちは。あなたは誰ですか?」

女の子は言いました。
「あたしはアティス。この森でお花さんたちを育てているの」

見ると、森の中にはたくさんの花が咲いていました。
赤、黄色、緑、青・・・色とりどりの花です。

旅人は言いました。
「これを、あなた一人で育てているのですか?」
アティスは答えました。
「ええ、そうよ。だって、こんなにかわいいお花さんを、あたし以外の人になんか任せられないわ」
旅人は言いました。
「それはすごいですね。あなたは本当に花が大好きなんですね」

アティスはにっこり笑って答えました。
「ええ、すっごく大好き!お花さんは綺麗だもの。だから、あたしの手で育てたいの」

旅人は感心してアティスを見ました。

アティスはふと足元の花に気付きました。
「まあ!こんなところにあったのね!どこに種を植えたのか忘れてしまっていたの!」
旅人も下を見ました。
足元には、枯れた白い花が一輪ありました。

アティスは言いました。
「枯れてしまっているわ・・かわいそうに」
旅人は言いました。
「そうですね。もう元には戻れないのでしょうか」
アティスは言いました。
「それは無理ね。仕方ないわ。忘れてしまったんだもの。一輪くらいかまわないわ。それに、こんな枯れたお花、綺麗じゃないもの」

アティスは言いました。
「そういえば、この前植えた赤い花にまだ水をあげていないわ!ごめんなさい、旅人さん、それではまた」

アティスは去っていきました。
白い花のことなんて、忘れたかのように。


残された旅人は枯れた白い花にそっと触れました。
「完全に咲く前に、死んでしまったんですね・・」

旅人は白い花を綺麗に摘み取り、土の中へ埋めました。
「こんなことしかできなくて、ごめんなさい・・」

旅人は歩き出しました。
しばらく行くと、赤い花がぽつんと咲いていました。

赤い花は言いました。
「なあ、旅人さんよ・・さっきはありがとうな」

旅人は驚きました。
花は、話せるのか・・?
さっきは・・とはどういう意味だろう?

赤い花は言いました。
「驚かせてごめんよ。この森では、花も話せるんだ。まあ、あの女は知らねえだろうけどな」

旅人は尋ねました。
「あの女とは、アティスさんのことですか?」
赤い花は答えました。
「ああ、そうだ。あんなやつ、話しかける価値すらない」
旅人は尋ねました。
「それはなぜですか?」

赤い花は答えました。
「あいつは、俺達を物みたいに扱う。俺達が死んだところで、何も感じねえんだ。さっき、あんたも見ただろう?」
「白い花はあいつに殺されたんだ。白い花は、ずっと苦しがっていた。干からびていくのが辛い、苦しいと言っていた。自分は綺麗に咲くことができるのだろうかと。不安がっていた」
「俺の頭の中にずっと白い花の叫びが響いていたよ。俺達は花同士、離れていても会話ができるんだ」
「それでも、白い花は、あの女を憎んでいなかったよ」

旅人は言いました。
「優しい子だったんですね。白い花さんは」

赤い花は一瞬驚いたような顔をして、言いました。
「ああ。本当に優しい子だったよ。・・あんたも優しいな。さっきは、白い花を埋めてくれて、ありがとな」

旅人は言いました。
「いえ、あんなことしかできませんでしたが・・」

赤い花は言いました。
「あんなことなんて言うな。普通なら、何もしてもらえず、そのまま朽ちていくだけだったんだから」
「あの女は、そんなことしねえ。枯れたらもう、見てもくれなくなるからな」

赤い花は辛そうに言いました。
「俺は思うんだ。次は俺なんじゃないかって・・次は俺が死ぬんじゃないかって」
「枯れて、見向きもされなくなって、そのまま朽ちていくんじゃないかって」
「俺は、怖いんだ」

「なぜ自分の人生を人間が決めるのか」
「なぜ自分達の命を人間が握っているのか」
「なぜ・・なぜ・・なぜ」
「俺達の人生は、命は、あの女が楽しむだけの、そんなちっぽけなものなのか?」

「あの女がが手を抜けば、すぐに俺達は死ぬ。水をもらえなければ、すぐに俺達は死ぬんだ」
「ただ生かされているだけの存在なのか」

「人間は何様なんだ。俺達の人生を奪う資格のあるやつらなのか?」
「この森の世界で一番なのはあの女なのか?俺達の命を平気で奪うやつらが、一番なのか?」

赤い花は憎らしげに言いました。

「そんな世界、消えちまえ!!!」

赤い花はそれから一言も言葉を発しませんでした。

旅人は、赤い花に一礼すると、歩き出しました。


森は静かです。
しかし、耳を澄ますと、あちこちからすすり泣きが聞こえてきます。

旅人は思いました。
彼らは、ずっと死の恐怖と戦っているのか・・

旅人の脳裏に、さっき別れたアティスの笑顔が浮かびました。

旅人は思いました。
あの子は、これから先も、たくさんの命を奪っていくのだろうか。
あんな笑顔で。
この世界では、それが当たり前になっているのだろうか。
仕方のないことなのだろうか。

何もできない自分がもどかしい。

そう思いながらも、旅人は歩くことしかできないのです。
世界は、一人では変えられないのです。

旅人は、歩き出しました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

すっごく久しぶりに書きました!
これは、深夜の3時くらいにふと思いつきまして、
ケータイにメモしたやつをさっきまとめて書きました。

これからも、こんな感じに更新遅れるかもしれないですが、
どうぞお付き合いください^^

第13話 嘘

旅人は歩いていました。
気がつくと、前に村が見えました。
旅人は、村へ入りました。

その村はとても騒がしく、
高い高い建物があり、
何かの乗り物が道を行きかい、
人々は、疲れた顔をして急ぎ足で歩いていました。

旅人は思いました。
なぜこんなに、騒がしいのだろう?
そして、なぜ人々は、あんなに疲れた顔をしているのだろう?
・・・・なんだ?
・・何か今・・・
少し、懐かしい感じがしたのは気のせいだろうか・・?

その時、後ろから声が聞こえました。
「ちょっと、邪魔なんだけど。」

旅人が振り向くと、そこには、気の強そうな1人の少女がいました。

旅人は言いました。
「すいません。」
その少女は言いました。
「なんなのあんた?そんなとこにつっ立ってたら、ほんと邪魔だよ?」
旅人は言いました。
「すいません。・・・あの、1つ質問をしてもいいですか?」
少女は言いました。
「何?」
旅人は尋ねました。
「あの・・・そこを走っている、乗り物は・・何ですか?」
少女は驚いたように言いました。
「は?何言ってんのあんた。普通に車でしょ。」
旅人は言いました。
「クっクルマ・・・?」
少女は言いました。
「何?車も知らないの?・・・あんた、変わってるね。」
旅人は言いました。
「すいません・・・。」
少女は少し笑って言いました。
「別に謝らなくてもいいんだけどね。ところであんた、こんなとこで何してんの?」
旅人は答えました。
「旅をしているのです。そうして、ここにたどり着きました。」
少女は言いました。
「旅!?今時旅なんてしないよー。ほんとなの?びっくりー!・・・でも、ちょっと羨ましいな。」
旅人は言いました。
「そうなんですか?いっ・・イマドキ・・?ですか・・。旅、しないのですか・・。ところで、あなたは何をしているんですか?」
少女は言いました。
「私?私はね・・・。逃げてんの。」
旅人は言いました。
「逃げてる・・?何からですか?」
少女は答えました。
「全部からだよ。」
旅人は言いました。
「全部とは・・?」

少女は、少し間をおいて答えました。
「なんかね、全部嫌になっちゃったんだ。私、学校に行ってるんだけどね、全部が偽物って感じがして。みんなが嘘ついて生きてるような気がしたんだ。みんなって・・私も入ってるんだけどさ。小さい頃は、素直になれてたのに、歳を重ねるに連れて、色んなことを知ってさ、人に、本当の自分がだせてなくて、見栄はったりごまかしたりっていうのが、自然にできるようになってるんだ。だって、いくら仲のいい友達にだって、信頼している恋人にだって、ずっと一緒の家族にだって、見栄はったり、ごまかしたり、自分を全部見せてなかったりするじゃない?なんかね、世間の常識ってやつを知ってね、それにあわせようと嘘ついてごまかして、人に特別に見られたくて、嘘ついて見栄張っててさ。ほんと、全部が偽物って感じなんだよ。そんな世界に、うんざりして、もう、嫌になったんだ。だから、逃げてるの。」

旅人は言いました。
「そうなんですか・・・。でも、自分を全部見せるなんて、難しいんじゃないでしょうか?誰だって、自分の嫌なところは見られたくないものです。見栄をはってしまうものです。でも、あなたは、それが嫌なんですね。それが、苦しいんですね。嘘をついて生きるのが、とても辛いんですね。あなたは、強いです。だって、そうでしょう。見栄を張るのが世間の常識。そんな中で、それを嫌というあなたは、自分をちゃんともっているのです。ただ、その自分を見せられなくて、苦しいのです。大丈夫ですよ。いつか絶対、どんなに汚くて、醜くて、世間の常識からはずれていようとも、誰かに認めてもらえます。自分は自分でいいじゃないですか。」

少女は言いました。
「自分は・・自分・・・。・・そうだね。うん。自分は自分だよね!いつか、認めてもらえるのかな?認めてほしいな。こんな私だけど、でも、認めてほしいな。好きになってほしいな。ありのままの私を。」

旅人は言いました。
「はい。認めてもらえますよ。いつか、絶対。」

少女は言いました。
「ありがとう。あんたにあえてよかったよ。・・・私、戻るね。どうせ、戻らないといけなかったんだけどね。いつまでも、逃げてられないってことは、わかってたんだ。ただ、逃げないといられなかっただけなんだ。自分は自分!この言葉、忘れないよ。じゃあね。」

そうして、少女は、戻っていきました。

旅人も、村を出て、歩き始めました。




ps.更新めっちゃ遅れてすいません;
またよろしくお願いします。

第12話  飛

旅人は歩いていました。
空は、少し曇っていました。
そんな空を、鳥達が飛び回っていました。


旅人は、空を見上げました。


「鳥達はいいわね。自由に飛び回ることができて。」
どこからか、女の声が聞こえました。

その声は言いました。
「ねえ?そう思わない?」

旅人はどこからか聞こえた声を不思議に思いながらも答えました。
「ええ。人は1度は空を飛んでみたいと思うと思います。」

その声は言いました。
「そうよね。でもね、私はもう、飛んだのよ。」

旅人は、尋ねました。
「それは、どういうことですか?」

すると、目の前に、女が現れました。

旅人は驚きました。
「えっ・・。」

女は言いました。
「驚いた?私、もう、飛んでるの。」

旅人は言いました。
「え・・。あの、どういうことですか・・。」

女は言いました。
「私、死んだの。飛んだのよ。あそこから。」

そう言って女が指差したところには、大きな高い岩がありました。

旅人は尋ねました。
「なっなぜそんなことを、したのですか?」

女は答えました。
「辛かったからよ。もうこれ以上ってないくらい。私は、もう人間ってものが嫌になったの。だから、家に引きこもったわ。誰とも関わりたくなかった。でも、それも辛くて、自分がこれからどうなっていくのかもわからなくて、心配してくれる人を傷つけていって、みんな離れていって、それでまた自分も傷ついて辛くなって、どんどんダメになっていくのがわかって、こんなダメな自分なんて、生きていてもしょうがないって、そう思ったのよ。だから、飛んだの。あの鳥達のように、自由に飛びまわりたかったの。」

旅人は、言いました。
「そうですか。辛かったのですね。それで、あなたは鳥になれたのですか?」

女は答えました。
「そっ・・それは・・。・・なれなかったわ。ただ、虚しさが残っただけだった。生きているときと、辛さや、気持ちは、そう変わらなかった。でも、人を傷つけることはなくなったわ。」

旅人は言いました。
「あなたは、間違っていましたね。そして、あなたもその間違いに気づいている。自分の犯した過ちを、後悔していますね。自分で自分の命を絶つことは、とても辛い事です。怖いことです。そして、とても悪いことです。逃げるところなんて、どこにでも、あるじゃないですか。人と関わらないところなんて、どこにでもあるじゃないですか。命を絶って逃げても、結局は虚しいだけなのです。命を絶って逃げてしまうと、もうやり直しがきかないのです。辛くて逃げていたって、生きていれば、良い事だってあるかもしれないじゃないですか。あなたが感じていた辛さ、苦しみ、そんなものよりも、大きな喜びだって、味わえたかもしれないじゃないですか。命を絶っても、あなたは、楽にはなれなかった。それは、本当に大きな間違いだと思います。」

女は言いました。
「・・・・。本当ね・・。自分でも、気付いていたの。私は間違っていたって。もう少し、生きてみればよかったって、今なら、そう思えるわ。でも、今そう思っても、もう遅いわよね。旅人さん、あなたは、しっかり生きてね。私みたいに、命を絶とう、なんて、思わないでね。・・・あなたなら、私がそんなこと言わなくても、大丈夫よね。最後に、あなたに会えてよかったわ。次もし生まれ変われたなら、こんなこと、二度としないわ。それじゃあね・・。」

そう言い残し、女は空へとのぼっていきました。

まるで、鳥のように・・。


旅人もまた、歩き出しました。

第11話 心

旅人は歩いていました。
周りには、木しかありませんでした。
聞こえるのは、鳥のさえずりと、木々のざわめきだけでした。

タッタッタッタッ



タッタッタタタタタ

??

なんだろう??
何かが、近づいてきた。

その音は、足音のようでした。
だんだんと、音は大きくなっていきました。

タタタタタタッッッ

!!?

ドン!!!!

急に視界が暗くなりました。

なんだ!?
どうしたんだ!?

「す、すいません!!!びっくりさせてしまって!」

???

旅人の上から、声が聞こえてきました。

「本当にすいません!!!」

旅人の上には、一人の少女が乗っていました。
少女の瞳は、何もかも見透かしたような瞳でした。

旅人は言いました。

「あっいいですよ。大丈夫ですか?」

その少女は言いました。

「はっはい!!!」

・・・・。
この子、いつまで乗っているんだろう・・。

すると少女は、慌てて旅人の上から降りました。

???
何故わかったんだ?
それともただの偶然なのか?

少女は言いました。
「偶然じゃないですよ。」

!?

旅人は驚き、言いました。
「もしや、人の心が読めるのか!?」

少女は小さな声で、しかしはっきりと言いました。
「はい。」

ほんとうにこんなことが・・・
こんなことがあるのだろうか?

すると、少女は答えました。
「あります。」

旅人は言いました。
「わかりました。信じます。それで、あなたはこんなところで何をされているのですか?」

少女は言いました。
「旅人さん、聞いてくださいますか?」

旅人は答えました。
「いいですよ。」

そして、少女は話し始めました。
「私にこの能力が備わったのは、本当に最近のことでした。私は、とても小さい頃から、人の顔色をうかがい、みんなに嫌われないように、嫌われないようにと思い、生きてきました。そう思って生きていても、人を傷つけてしまうことや、嫌われてしまうこと、失望させてしまうことが多くありました。私は、そんなとき、自分を責めました。人は悪くない。全部自分が悪いんだ、と。そんなことが続くうちに、私は人と話すことが嫌になり、なるべくめだたないように、必要最低限の会話しかしないように、と思い、そうしてきました。独りのほうが楽だと思ったんです。」

そこで少女は話を止めました。
そして、こちらに瞳を向けました。

旅人は言いました。
「どうされたのですか?」

少女は言いました。
「いえ。少し、疲れただけです。」

少し休んでから、
また少女は、話し出しました。

「そんなことを続けているうちに、私の周りには誰もいなくなりました。そして、また私は自分を責めました。独りでも大丈夫。独りのほうが楽。でも、そんなことは、なかったのです。楽なわけが、なかったのです。ずっとずっと、独りで考えているうちに、私は気がついたんです。人に嫌われないためには、人の心が読めればいいんじゃないのか?それなら、会話もスムーズにできる。人の思っていることもわかって、その人のしてほしいことがわかる。そうしたら、また、私の周りに、人がいてくれる。それから私は希望をもてるようになりました。そして、私は毎日神様にお願いをしたのです。毎日毎日毎日・・・・ずっとずっと祈り続けました。すると・・・神様が私の願いを叶えてくださったのです。」

少女は、また話を止め、こちらを向きました。

旅人は言いました。
「そうなのですか。神様・・・。やはり、神は、いるのですね・・・。」

少女を見ると、少女はこちらを向いて微笑んでいました。
そして、言いました。
「はい。本当に、神様は、います!」

旅人は言いました。
「そして、あなたは何故こんなところにいるのですか?」

少女は少し黙ったあと、また話始めました。
「私にこの能力が備わったあと、私はまず、人に話しかけました。そして、心を読み、数年ぶりの会話はとてもうまくいきました。私はとても嬉しかったんです。自信もつきました。それから私はどんどん輪を広げていき、いつかのように、私の周りには人がたくさんいるようになりました。私はとても楽しかったのです。それから、数ヶ月が経ちました。私はいつものように、人の心を読み会話をしていました。でも、私はあることに気付きました。その人の言っていることと、心の中で思っていることが違ったのです。言葉では共感・賛成などをしていても、心の中では、思いきり否定をしているのです。私は、頭がおかしくなりそうでした。何故?何故心と言葉が違うの?それからというもの、そういう会話は増えていき、私と会話をしていながら、私の悪口を心の中で言っている人もいました。そして、私は人を信じることができなくなりました。だから、私は逃げてきたのです。人の心がもう、二度と読めないように。人のいないところを目指して、逃げてきたのです。」

旅人は言いました。
「そんなことが、あったのですか。確かに、人に嫌われたくない。そう思うのが人間だと思います。しかし、この世の中で、本当に誰からも好かれている人がいるでしょうか?誰からも好かれている人なんていないと、思うんです。人には、好きな人、嫌いな人が絶対いるのではないでしょうか?人それぞれ、相性があるんじゃないでしょうか?だから、みんなに好かれようとしなくてもいいんです。あなたが、支えてあげたいと思える人。逆に、支えてくれる人。そんな人が誰かいるのではないですか?今はいなくても、人と触れ合っていれば、いつかきっと、いつかきっと現れるはずです。人の心を読まなくても、心と心を通じ合える誰かが。そんな人を見つけるためには、まず、人と触れ合わなければいけません。辛くても、逃げてはいけません。お願いです。どうか、もう1度だけ、人を信じてみてはもらえませんか?人は、醜いです。しかし、美しいときもあるでしょう?その、美しいところを、信じてみませんか?ここで逃げ出したら、また、辛くなりますよ。独りは、淋しいです。あなたの周りには、人がいたほうがいいと思うんです。だから・・・お願いします。」

少女は泣いていました。
そして、静かに口を開きました。
「・・・・はい。信じてみます。あなたの言葉を、信じます。あなたは、最初から、ずっと、心と言葉が同じでした。旅人さん、あなたは、本当に綺麗な心をしていますね。旅人さん、・・・・あなたに会えて、本当によかった。」

少女は微笑みました。

そして、ゆっくりと今来た道を、引き返していきました。

旅人もまた、歩き出しました。

第10話  責任

旅人は歩いていました。
長く長く続く1本道を歩いていました。
聞こえるのは波の音と、旅人の足音だけでした。

すると、向こうに村が見えました。

村だ!

旅人はその村に向かって進んでいきました。


その村は小さな村でした。
しかし、活気がありました。
みんな、いきいきと楽しそうでした。

すると、1人の若い女が声をかけてきました。
「こんにちわ旅人さん!いらっしゃい!!」
旅人は答えました。
「こんにちわ」
女は言いました。
「この村はどう?いい村でしょう?」
旅人は答えました。
「はい。すごくいい村だと思います。」
女は言いました。
「そうでしょうそうでしょう!ここを治めるお方はそれはそれはすごいお方なのですよ!」
そう言って女は立ち去っていきました。

すると、1人の若い男が声をかけてきました。
「やあ!旅人さん!いらっしゃい!」
旅人は答えました。
「こんにちわ」
男は言いました。
「この村はどうだい?ほんとうに嫌な村だろう?」
旅人は答えました。
「・・・はい。」
男は言いました。
「そうだろうそうだろう。ここを治めるやつはそれはそれは最悪なやつなんだ!」
そう言って男は立ち去っていきました。


本当はこの村はどういう村なのだろう?
僕から見ればすごくいい村だと思うのに・・・。
悪い面でもあるのだろうか?

そんなことを考えながら歩いていると、
男が声をかけてきました。
「旅人さんこんにちわ」
旅人は答えました。
「こんにちわ」
男は、すごく疲れている顔をしていました。
「はあ・・・。」
男はため息をつきました。
「どうしたんですか?」
旅人は聞きました。

「聞いてくれるかい?旅人さん。僕はここを治めている長なんだ。僕がここを治めるときに、僕のほかにもここを治める権利がある若い女がいたんだ。その女は僕の幼馴染だった。そしてこの国で選挙を行い、僕がこの国を治めることになったんだ。でもね・・・。」
そこで男は言葉をきりました。

「でも、どうしたんですか?」
旅人は聞きました。
「でもね・・。僕が選挙に勝ち、国を治めることになったのだけど、僕は疲れてきているんだ・・・。」
男は言いました。

「何故疲れるのですか?」
旅人は聞きました。

「人の上に立つものには、色々と背負わなければならないものがあってね・・。ましてや、選挙をして、他の権利者をおしのけて長になった僕にはよけいね・・。責任。プレッシャー。幼馴染に対しての罪悪感、気まずさ。国民の批判。国の重さ。本当に背負うものが多くてね・・。僕は、疲れて、倒れてしまいそうなんだ。」
男は言いました。
目には涙が溢れていました。

「それでも、あなたは長です。長なのです。それを忘れてはならないんじゃないですか?幼馴染のためにも、国民のためにも、この国のためにも、あなたが頑張らなければならないんです。あなたが望んでなった長でしょう?それならば、最後までやりとげなければなりません。あなたがやらなければ、国民やこの国が壊れてしまいます。長をやっていて楽しいこともあるでしょう?嬉しいこともあるでしょう?その小さな幸せのために、辛い事も頑張っていかないといけないんです。」
旅人は言いました。

「旅人さん・・・。あなたはすごい人だ・・・。」

そう言って男は立ち去っていきました。
男の後姿は、きらきらと輝いているように見えました。

そして旅人は、また歩き始めました。

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