不妊治療病院の院長 福田愛作のブログ

IVF大阪クリニックは不妊治療専門クリニックです。「心と身体を癒す医療」をテーマとしています。

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 ブログでも書いておりましたが、風疹の関東地方での流行を契機として、テレビ報道でさかんに風疹について伝えられております。我々も、それを受けて風疹ワクチンを風疹抗体陰性の方に接種しておりました。また、報道の中で1回よりも2回の接種が好ましいとのことが言われましたので、従来厚労省が推奨していた接種1回から、2回に接種回数を変更いたしました。ところが、このところの頻繁な報道と、男性へのワクチン接種を薦めるとの報道により、ワクチンの需要が急増し、生産が追い付かなくなっております。当院でもワクチン製造会社より、ワクチンの供給が出来ないとの通告を受けました。
 以上のような理由で、現在既に1回目のワクチン接種終了の方には、申し訳ありませんが2回目の接種はできなくなりました。1回目の接種を既にお話した方には、残り本数がある限り接種させていただきます。
 もし、お近くの病院やクリニックで風疹ワクチン接種が可能であれば、早目に、ワクチンが残っている施設での接種をおすすめいたします。でないと、当院に来ていただいてもワクチンが残っている保証はありません。ご不便をお掛けし申し訳ありませんが、よろしく対処お願いいたします。

 いつも感じるのですが、テレビ報道等でさんざんワクチン接種の必要性を煽っておいて、ワクチンを準備していないことに合点がゆきません。このような事態が起こることは予測できるのですから、報道前にワクチン製造を増やす、もしくは増産の指導をしてから、このような報道をすべきではないでしょうか。

 いずれにしても、妊娠されている方は、風疹に限らず、感染症にかかる危険性の高い人込みには、必要がない限り、あまり近づかれないことをおすすめいたします。

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 民法見直し 第三者の精子提供に同意した夫を「父」に、と9月29日の毎日新聞朝刊の一面トップに大きくこの見出しの記事が出ました。生殖医療の記事がトップを飾ること自体が珍しいのに、第三者の精子を用いた生殖医療と、そんなに一般的ではない医療のことが一面に出ることの意図がよく分かりません。

以下に記事を原文のまま引用します。
 政府は、不妊治療で夫婦以外の第三者の精子・卵子を用いて出産した場合の親と子の法的関係を定めるため、民法見直しの検討に入った。明治時代に制定された民法は、第三者が関わる生殖補助医療で子どもが生まれることを想定しておらず、法整備の必要性が指摘されてきた。出産した女性を「母」、第三者の精子提供に同意した夫を「父」とする方向だ。
生殖補助医療を巡る課題は多いが、まずは子どもの法的地位の確定を目指す。10月に法務省が有識者研究会を設置して議論を開始。法制審議会を経て早ければ2020年にも通常国会に法案を提出する。
 生殖補助医療によって生まれた子どもの親子関係に関する法律上の規定はない。だが、国内では精子提供によって1万人以上が生まれているとされ、親子関係を巡る訴訟も起きている。
 国内での卵子提供については、従来は親族によるケースがほとんどで、当事者同士の話し合いで親子関係を決めていた。しかし、昨年初めてNPO法人の仲介で匿名の第三者から卵子提供を受けた女性が出産。今年も同様の事例が報告されており、トラブルの増加も予想される。
 これまでも法制化の動きはあった。旧厚生省の専門委員会は00年12月、親子関係の確定に関する法律の整備などを条件に、第三者の精子、卵子、受精卵の提供による生殖補助医療を認める報告書をとりまとめた。これを受けて法務省の法制審部会は03年7月、親子関係を整理する民法の特例に関する中間試案をまとめたが、議論は中断した。
 16年5月には自民、公明両党が議員立法で親子関係を定める民法の特例法案をまとめたが、国会への提出には至っていない。
 過去の検討ではいずれも、第三者の卵子を用いて出産した場合は、卵子の提供者ではなく産んだ女性を「母」と規定。夫が無精子症などのため第三者の精子を用いて妊娠した場合、夫は生まれた子の父であることを否認できない、と整理した。精子も卵子も提供を受けることは、遺伝関係が全くないので認められない。
 と記されています。

 第三者の精子を用いた治療は人工授精にしか認められていません。第三者の精子を用いた体外受精が認められていない中、あまり大きな意味はないかと思います。
 また、記事の中には第三者の卵子を用いた治療である卵子提供については、OD-NETというほんの数例しか行われていない特殊な場合のことに触れられているのみで、海外に渡航し多くの患者様が受けておられる卵子提供による体外受精のことには触れられておらず、現状を反映していません。これは、あくまでも今まで慶応大学を中心に行われていた、提供精子によるAID(ドナー精子による人工授精)を念頭に置いたものだと思われます。もちろん結果としては、海外で卵子提供を受けても、日本で出産すれば、生まれたお子さんとご夫婦には親子関係が成立すると公式に認められることとなり、結果的には良いことであるのに違いはありません。

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 連休の日曜日、9月23日午後10時からNHK-BSで上記のタイトルで、子宮移植に関する番組がありました。スウェーデンのマッツ医師による子宮移植についてのものでした。マッツ医師がこの治療についてアメリカ生殖医学会で初めて講演したときに、私もその場で聞いていました。その時の聴衆の感激とその後の大きな拍手を今でも覚えています。マッツ医師も偉業を成し遂げた達成感と、きっとアメリカ(若いころフロリダに留学していました)での大拍手に感激されたのでしょう、喜びで涙を流していました。
 子宮移植とは子宮がんで子宮を摘出したり、また先天的に子宮のない患者様(ロキタンスキー症候群といいます)などに、自身の身体で妊娠出産を可能とするには有効な治療法と言えます。ただ、日本ではどのように受け取られるかは、わからないと思います。というのは、子宮をもらう方も、子宮を提供する方にも、基本的には開腹手術が必要となります。また子宮をもらった方は免疫抑制剤の服用が必要となります。ですから、もし子宮をもらって妊娠できても、帝王切開で子供を出産後に子宮を摘出することが必要となります。でないとお母さんは一生免疫抑制剤を服用する必要が生じます。このように2人のヒトに対して複数回の手術を必要とする技術が、日本で倫理的に許されるでしょうか。
 私はいつも受精卵着床前スクリーニングのことを取り上げるのですが、自分たちの受精卵を、自分たちの意思で、誰も傷つけることなく、検査を行う。このような検査が、倫理的に正しくないかもしれない、ということで許されないのに、第三者の命の危険を伴う(全身麻酔下の手術を要する)子宮移植が許されるのでしょうか。日本でも子宮移植の研究がされていると、慶応大学チームのことが紹介されていました。もし、日本産科婦人科学会が子宮移植を承認するのであれば、受精卵着床前スクリーニングは明日にでも許可されるべきだと考えるのですが。
 この番組の一部で日本の不妊治療全般に関することが取り上げられていました。日本は世界最大の不妊治療大国であること。にもかかわらず、日本ではいまだに不妊治療を受けていることをオープンにできない環境にあることが、取り上げられていました。スウェーデンでは不妊治療を隠す人はまれであり、養子についてもオープンにしていることなども、街の人々のインタビューで示されていました。私がいつも言っていることですが、不妊治療をオープンにできない日本の社会の状況が、不妊治療を受ける患者様を苦しめていることが指摘されていました。
 不妊治療は日進月歩です。日本でもすべての最新技術が、不妊治療中の患者様が受けられることを切に願っています。治療中の皆様も、前を向いて、大きな顔をして、治療を受けて下さい。病気を治すのと同じように、不妊症という病気に立ち向かっているのですから。

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みなさま、風疹には注意しましょう。
風疹患者、昨年の5倍超 大流行の兆し と題して9月19日の新聞記事に
以下のように書かれていました。

 国立感染症研究所(感染研)は19日、今年の風疹患者数が昨年1年間の5倍を超える496人になったと発表した。関東地方を中心に感染が拡大。患者が1万人を超えた平成25年の大流行年前の状況に酷似しており、増加傾向が続けば2年後の東京五輪・パラリンピックへの影響が懸念される。
 感染研によると、9月3~9日の1週間に新たに報告された患者数は計127人で今年最多。都道府県別では東京が32人と最も多く、次いで、千葉(27人)、神奈川(19人)、埼玉、愛知(11人)、長野(5人)が続いた。
 流行はすでに34都道府県に及び、全患者数のうち男性が401人、女性は95人。30〜40代の男性が目立ち、ワクチンの接種歴が「なし」や「不明」が多くなっている。
 政府は東京五輪・パラリンピック開催年度までに風疹の「排除」を目指している。ただ、風疹は複数年にわたり流行が続くことがあり、排除は困難になる恐れもある。
 風疹は妊娠中の女性が感染すると、生まれた赤ちゃんに障害が出る可能性もある。風疹の症状は主に発熱や発疹など。症状のない患者の唾液が、くしゃみなどで飛散して感染を広げることもある。

以上のような記事が載りました。
当院でも、苦労を重ね妊娠された方が、不幸にも妊娠初期に風疹にかかり、中絶を余儀なくされた方がおられます。現在のところ関東が中心のようですが、新幹線に乗ればひとっとびですので、安心はできないと思います。当院では風疹の予防接種をしておりますので、ご希望の方はお申し出ください。ただし、予防接種後2か月間は避妊が必要となります。

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 9月13日の報道で、2016年に国内で行われた体外受精により、過去最多となる5万4110人が誕生していたと日本産科婦人科学会が発表したとの報道がありました。

要約すると以下のようになります。
 2016年の総出生数が97万6978人ですから18人に1人が体外受精で生まれたことになる。国内で初めて体外受精児が誕生した1983年以降、累計で53万6737人となり、50万人を突破したことになる。
 体外受精は、卵子に針を刺して精子を注入する方法(顕微授精)や受精卵を凍結保存する技術(ガラス化法)が開発されるなど、進歩してきた。特に凍結保存は妊娠時期を調整できることから利用者が多く、2016年の体外受精で生まれた子どもの8割を超える4万4678人がこの方法(凍結融解胚移植による出産)だった。
 「体外受精で生まれる子どもは、もはや珍しい存在ではない。不妊に悩む人たちの有力な選択肢として啓発することや治療に対する経済的支援など、環境整備が必要だ」と論評されている。


多くの報道で出生児の17人に一人と書かれているのですが、私の計算では18人に一人となりました。18人に一人と書いていたのは日経新聞だけでした。いずれにしても、2016年でこの数字ですから、今年2018年ではもっと多くの子供が体外受精で誕生しています。患者様の皆様も、一生懸命頑張って治療しているのですから大手を振って「私は体外受精を受けている」と言っていいのではないのでしょうか。これだけの子供が体外受精で授かっているのですから、不妊治療のみならず、体外受精も市民権を得ていいはずです。みなさん、大きな顔をして不妊治療をみんなで頑張りましょう。

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