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「歌」を楽しむ

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山上憶良

前回に引続き私の好きな「万葉集」について私の知識の範囲内でご紹介させて頂きます。
歌の詠みかたの異同だとか、言葉の解釈など細かい点までは触れる事は出来ませんが、万葉の世界を楽しく探っていきたいと思います。
 
【万葉集】
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 山上憶良は、大伴旅人(大伴家持の父親)と同じように、ちょうど聖武天皇の神亀・天平の初めに、筑前国守となって、九州に行っておりました。『万葉集』に山上憶良の歌は、約八十首ほどありますが、ほとんどがこの九州で作られたものです。この点も大伴旅人と似ています。そして歳は、旅人よりも五歳ほど歳上で六十歳と七十歳の間に、九州の筑前守となって行っています。
この山上憶良の生い立ちはどうかというと、旅人とは全く違い家柄も何も無い人です。
最近では帰化人だったという説もありますが、今その事は別にして、全く家柄も何も無くてただ学問一つで出世した人らしいです。
 憶良は中国の学問がよく出来たので、七〇一年、遣唐使の遣唐少録という役をもらって選ばれ、そして大陸へ渡っています。そして日本に帰ってきてから伯耆国守になり、また東宮の侍講 という、いわば先生になって、その後、六十歳と七十歳の半ばごろに筑前国守となって赴任しているのです。そこで旅人と共に大いに歌を詠み、それで筑紫歌壇のようなものが出来上がるほどの活躍をするのです。
 この様に山上憶良という人は、非常に苦労して出世した人でその上、大陸の学問である儒教にも仏教にも詳しい人ですから、大伴旅人のように夢の世界に遊ぶというようなことは出来なかったようです。
 物の考え方がいつも現実生活と密着し、生老病死、あるいは家庭生活の問題、あるいは貧困の問題、その、術なき人生に正面から取り組んでいるのが、この山上憶良です。山部赤人は、この世から脱して、自然の世界に情熱を見出す。また、大伴旅人は、我身の苦しさから離れた夢の世界、芸術の世界に入りこんでゆく。それらとは方向が全然違います。憶良は、そういうふうにこの世に対する反応を、外へ向けていく方ではなく、逆に内に向け、現実生活の中に入りこんで、時には社会の矛盾を突くような情熱を、既に七十の齢を重ねた老人になっても持っていました。たとえば、皆さんがよくご存じの貧窮問答の歌などというのは、その代表的な姿だろうと思います。
而して、九州で大伴旅人は望郷の歌をうたいました。その点では憶良も同じです。同様に、“天離る都”にいてやりきれない心持ちを歌ってもいます。また、旅人は酒を讃むる歌を詠んでいますが、憶良にも宴会の時に詠んだ歌が有ります。その歌が次の歌なのです。
 
 
【今日の一首】
 

憶良らは 今はまからむ 子泣くらむ
それその母も 我を待つらむそ    (巻三−三三七)                   山上憶良(やまのうえのおくら)

 
(歌の意味)
 
宴より中座する時の挨拶代わりの歌です。
 
当時、憶良は齢(よわい)70を過ぎていますから、幼い子どもが居る年ではないのですが、奥さんが待っているというのはちょっと帰宅の挨拶としては恥ずかしいので、「子どもが泣いてその母も待ってるんですよ」と面白おかしく歌って退出したのでしょう。
 
 
″憶良、私は帰ります″と言うんです。「今はまからむ」というから、今まで我慢してたんでしょぅね。帰ろう帰ろうと思っても、まだ宴会の初めに帰る訳にもいかない。でも″もう私は帰りましょう。子供が泣いているでしょう”
と言うんですね。そして “それにその子供たちの母さんも、私を待っているでしょうからね” と詠んでいるのです。非常に洒脱な、とぼけたようなところがありますね。非常に家庭的な内容の歌ではないでしょうか。
 
又憶良は子供への愛を歌っています。
 

銀も 黄金も玉も 何せむに
優れる宝 子にしかめやも

    (しろがねも くがねもたまも なにせむに まされるたから こにしかめやも)

 これは有名な歌ですから、どなたでもご存じかと思います。
(歌の意味)
 
 「銀も金も宝石も、何の役に立とうか。 (それらよりも)すぐれた宝である子に及ぶことがあろうか。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

「歌」を楽しむ

 
前回に引続き私の好きな「万葉集」について私の知識の範囲内でご紹介させて頂きます。
歌の詠みかたの異同だとか、言葉の解釈など細かい点までは触れる事は出来ませんが、万葉の世界を楽しく探っていきたいと思います。
 
【万葉集】
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【今日の一首】
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万葉作者では私が最も好きな大伴家持の歌です
 
わが宿の いささ群竹 吹く風の
 
音のかそけき この夕べかも               (巻十九−四二九一)
 
                           大伴家持(おおとものやかもち) 
大伴家持は天平勝宝三年、西暦七五一年に少納言になって都へのぼってきました。
そして西暦七五八年、因幡国守となって因幡へ行くまでの七年間ほど都にいたわけです。この間は一言で言えば、家持はもう苦悩の絶頂と言ってもいいかも知れません。長い間、越中にいて都のことを噂
には聞いていたでしょうが、実際、自分の目ではあまり見たことはなかったと考えられます。
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それはどういうことかというと、大伴家と橘家が特別にあがめる聖武天皇は御病気がちで実際の力を持たれなくなっていました。やがて光明皇太后、それから孝謙女帝、そして藤原仲麻呂、ことに藤原仲麻
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呂の勢力が次第に大きくなって、皇太后宮というのを形成していくわけです。それを中国風に紫微中台といいます。何しろ、光明皇太后は不比等の娘であり、孝謙天皇は不比等の孫にあたります。さらに、仲麻呂も不比等の孫ですから、その一連の藤原氏の系統の人達が勢力を持ってきたわけです。そんな時代ですから家持は大伴家の没落をひしひしと感じたことでしょう。
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                                         日本史年表(元号入り)
それでは天平勝宝五年の家持の超有名な歌を三首上げてみましょう。皆さん誰もがご存知の絶唱と称えられている歌です。
 
春の野に 霞たなびき うら悲し
この夕かげに 驚鳴くも
 
 
わが宿の いささ群竹 吹く風の
音のかそけき このタベかも
 
 
うらうらに 照れる春日に 雲雀あがり
心悲しも ひとりし思へば
 
 
(歌の意味)
 

春の野に 霞たなびき うら悲し
この夕かげに 驚鳴くも

「春の野に霞がたなびいて、何となく心悲しいこの夕暮れの光の中でうぐいす  が鳴いているよ 」
 
 

わが宿の いささ群竹 吹く風の
音のかそけき このタベかも

「私の家の、ささやかな竹林を吹く風が竹の葉をそよがせてさやさやと
葉のすれ合う音が聞こえる。 その音のいかにもかすかなこの夕べであるよ」
 

うらうらに 照れる春日に 雲雀あがり
心悲しも ひとりし思へば

 
「うらうらと照っているのどかな春の光線の中で、雲雀が上がっていて鳴いているけれど、私のこころは悲しい、 ひとりでもの思いをしているというと・・・・」
 
 
春の野に霞がたなびいている、それが普通だったら喜びなのに悲しいといっています。しかも、今日の日、この夕方の光の射している所で、鴬が鳴いている″という、実に細かな心の世界を見事に詠んでいますね。そしてまた、「わが宿の いささ群竹 吹く風の 音のかそけき この夕ベかも」というのも、カサカサと風に吹かれる竹の音とともに、自らの淋しさを訴えています。何だか涙が出て来そうなくらいの心のふるえですね。
また、おだやかな春の日に雲雀が上がっているのを見たとき、一般の庶民だったら、「わあこれで春だ、うれしいなあ」と思うところを家持は、「うらうらに 照れる春日に 雲雀あがり 心悲しも ひとりし思へば」と、一人ものおもいに耽っているとたまらなく悲しいというように詠んでいます。
これは、真に家持が感じている“春愁”というものをうたって個人の心の裏を打ち出した純粋な抒情詩の極致といえる事が出来るでしょう。
 
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ご挨拶

皆さん、これから私の好きな「万葉集」について私の知識の範囲内でご紹介させて頂きます。
歌の詠みかたの異同だとか、言葉の解釈など細かい点までは触れる事は出来ませんが、万葉の世界を楽しく探っていきたいと思います。
 
                       【万葉集】
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何しろ『万葉集』は、およそ千三百年前の歌、一番古い歌集ですから、学校で、日本人の教養としても知っておかなければならないから習う、とお思いになるかも知れません。その通りだと思います。しかし『万葉集』は、ただ古いから勉強するというだけではありません。万葉の歌は今日も生きているんです。千三百年前の一番古い歌が一番新しく、現代人の心に生きてくるんです。
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では、『万葉集』を生きた形で理解しようとするのにはどうしたらいいでしょうか
 一つは万葉の時代は、たいへん古い時代ですね。一番新しい歌でも、天平宝字三年、西暦七五九年に詠まれたものです。そうすると、今から千三百余年前でしょう。そうした古い時代ですから、その歴史の中に自分の身を置いてみないと万葉の歌は理解できません。歌が生きてこないんです  たとえば、『万葉集』四千五百余首の中には恋の歌がとても多いんです。どうしてそんなに多いのでしょうか。
それは、今とは結婚生活が全然違うからです。今日は、たいがいつきあって、結婚式をあげて新婚旅行に行き、そしてアパートやマンションなどに住まれるでしょう。すると年中夫婦一緒にいるから、恋しいのなんのって言う必要が有りませんね、その上脇で赤ちゃんが泣いていたりすると育児の事で手一杯でしょう。
ところが万葉時代は、夫婦は相当長い間別居なんです、ゆくゆくは一緒になりますけれど。
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所謂 通い婚 というものです。そういう別居だということを知れば、なるほど両方でもって恋し合うことの多いのもよく解ると思います。
 
『万葉集』の第三期から、さらに第四期にまで渡って活躍した人で、量質ともに優れた一人の女流歌人がおります。
それが、大伴坂上郎女という人です。今日はその人の話を致しましょう
歌数も多く、この人は全部で八十四首も詠んでいます。その中には長歌も六首ほどあります。
この大伴坂上郎女という人は、大伴安麻呂の娘で大伴旅人の異母妹なんです。 
この大伴坂上郎女は、初め天武天皇の皇子、穂積皇子に愛され、それから次には、藤原不比等
の子藤原麻呂に愛され、三番目に異母兄の大伴宿奈麻呂という人と結婚するんです。そして二人
の娘を生み、その後、宿奈麻呂とは別れ、他の異母兄と結嬉したようです。万葉時代にはこのよ
うに、異母兄妹と結婚するというようなことはずいぶん多いんです。
さて、その藤原麻呂と別れて、旅人が亡くなってのちに、大伴坂上郎女は一族の後見役になり
ました。旅人が死んでしまいましたから、大伴家の大事な世話役です。
そして、この人は非常に、才色兼備の人といっていいと思います。多才の生涯であっただけに、
この人には恋の歌もたくさんあるし、母性愛の歌もあるし、それからいろいろと大伴家の行事、
公式な歌などもあります。また、そればかりではなく大伴坂上郎女は、歌人大伴家持を生み出
事な蔭の人になっていると思います。家持が歌が好きになっていったのは、この叔母にあ
たる大伴坂上郎女の後楯がずいぶん有ったからだと思います。そういう意味でも大事な人なん
ですが、何よりも彼女は本当の歌人であり、歌作りといえましょう。
 
 
 
【今日の一首】
 
こ              こ              こ
来むといふも 来ぬ時あるを 来じといふを
こ                 こ
来むとは待たじ 来じといふものを    (巻四-五二七)
 
                      大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)               
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大伴坂上郎女
 
(歌の意味)
 「きっと来る」と、言って、来ない時があるのですから、「来ない」と言って、来るだろうと待ったり
 しないでいよう。「来ない」と言っているのだから・・・・・・
 
 こういう意味なのですが、何を言っているのか、何のことなのか、わからないでしょう。だから、
 次のように少し簡略化して
 
 「来るったって来ないことがあるのに、来ないって言うのを来ると思っては待ちますまい、来ないって言っているんですもの」
 というふうに言えばわかるでしょう。
 
  これは、大伴坂上郎女が、藤原不比等の息子の麻呂と恋愛中なのです。そして、麻呂がやってくるのを待って いる。ところがちっとも来ないものだから、もういらいらして、「いったい来るのか、今度来たら思う存分恨みごと  を言ってやろう」と思うくらい、いらいらしながら相手にからんでいるのです。
 それでは麻呂がやって来たら、本当に恨みごとを言うかというと、そうではない。これが愛の表現なんですね。  恨みだらけの表現をしながら、わざと愛情でからんでいるんです。
 
 ここで注目したいのは、五、七、五、七、七の頭の韻を「こ」の文字で揃えています。これを頭韻を揃えるとい  います。そうする事により非常に音楽的な響きになっています。
                                                  
 
 
 
 
 
 

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