北永劫回帰線

かつて我々は精神であった。ところが、今や我々は欲望である。

大三次文学

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 「撤退します」

           「撤退します」

 十年以上このブログに投稿して来ましたが、今年で終了するとの
ことですので、今後は投稿しません。実はだいぶ前からこの日が来
ると思っていましたので、というのは最近は特にYAHOO!は収益に
拘ってこの手の儲けにならないサイトから手を引くだろうと思ってい
まし
 数少ない読者の皆さまには改めてこれまでのご訪問のお礼を申し
上げます。
「ほんとうに ありがとうございました」
 実は、すでに「GOO BLOG」にて新たなブログ「南永劫回帰線」を立
ち上げています。もし、引き続き閲覧して頂けるなら、是非お越しくだ
さい。

            「異感」に思う (補説)

 

 前に『「異感」に思う』(2019年2月26日)という記事を投稿して、

その中で儒教道徳とは差別道徳でありダブルスタンダードであると語っ

たが、まさにそれを証明するような事態が行われている。

 以下は、中国政府によるファーウェイ副会長兼最高財務責任者(CFO)

である孟晩舟(モン・ワンジョウ)を拘束したカナダ政府への非難と、そ

れに対抗するために拘束したカナダ人への対応を巡る記者とのやり取り

です。

           *       *       *




4日の中国外交部定例記者会見で、カナダで起訴されたファーウェイの孟晩

舟(モン・ワンジョウ)副会長兼最高財務責任者(CFO)について「中国は

ダブルスタンダードでは」との指摘を受けた陸慷(ルー・カン)報道官が

反論した。

陸報道官は、孟氏の弁護士が「空港で孟氏を3時間にわたって監禁し、憲

法で定められた孟氏の権利が侵犯された」としてカナダ政府と警察当局に

対して訴えを起こしたことについて、「中国政府としてこの訴訟を支持す

るか」と質問を受けた。

 これに対して陸報道官は「法的な行動については直接ファーウェイに聞
てほしい」としたうえで、カナダ政府に対して直ちに孟氏の釈放を求める

姿勢に変わりがないことを強調した。

 また、「孟氏がカナダ当局に対して訴訟を起こす一方で、中国当局が中

国国内で逮捕されたカナダ人2人による弁護士との面会を認めないのはダブ

ルスタンダードではないか」と聞かれると、「わが国は中国・カナダ領事

協定の義務を履行している」とした上で、「カナダ人容疑者は中国の安全

を脅かす活動をしたために当局が強制措置を取った」と説明。「国の安全

に関する他国のやり方と、中国のやり方に何ら違いはない」と反論した。

(川尻)

 
                「あほリズム」

                  (481)

 世界限界論の下では、近代社会は限界の壁によって生じた逆流に

阻まれて前に進めない。最近の政治の状況を見ればそれが窺える。

 身近な例ではアベノミクスの限界、米軍基地問題、そして日韓対

立の再炎、日露平和条約交渉の決裂、世界では、プレグジットの停

滞、米朝交渉の決裂、であるとすれば、間もなく再開する米中貿易

交渉も決裂するに違いない。

 そもそも自国第一主義の下では如何なる対外交渉も成立しないだ

ろう。
               「異感」に思う(改稿)

 
 来年に迫った東京オリンピックでメダル獲得が期待される女子水泳選手

が、突然選手生命を絶たれるかもしれないほどの重病に罹って、オリンピ

ックへの出場が危ぶまれる事態となって、そのオリンピックの開催を準備

している行政のトップが、記者たちの質問に対して「ガッカリした」と答

えたテレビのニュースを見て、私は最初それほどの「違和感」を抱かなか

った。それは、彼は彼女が病気に罹ったことに対して「ガッカリした」の

ではなく、オリンピック全般を取り仕切る担当大臣としての立場から、有

力選手が出場できないかもしれない状況に「ガッカリした」(落胆した)

と言ったまでで、彼女に向けられた言葉とは思わなかったからだ。そもそ

も一番「ガッカリして」いるのは彼女にほかならないのだが、大臣の言葉

が「ガッカリしている」彼女にとって追い打ちをかけるようで相応しくな

いという見方は少し穿っているのはではないかと思う。もちろん、大臣た

る者は在らぬ「誤解」を招かぬように慎重に言葉を選ばなければならない

が、そして今さら彼の政治家としての資質を云々するつもりもないが、そ

れにしても野党が国会審議の場で、些細な言葉じりを捕えて彼を追い込ん

でも国民の共感は得られないのではないかと思った。我々は「曲解」され

て伝えられることの怖ろしさに少し感覚が「鈍感」になっていないだろう

か。

 さて、いまや日韓の対立は止まるところを知らないが、先ごろも彼国の

政治家が慰安婦問題への天皇の謝罪を求める発言が物議を醸しているが、

誤解されることを恐れながら言うと、そもそも天皇制に関する他国の覚め

た見方は、「天皇」という言葉を耳にしただけでも「畏れ多くも」思考停

止に陥る日本国民にとっては、他国のいかなる干渉も「異感」に思うに違

いないが、ただ彼国が過去にわが国から受けた国辱の責任を、旧憲法下で

は天皇が国家元首であったことは明白で、つまり彼国が被植民地化の責任

を昭和天皇に求めることは間違っているとは思えない。ただ、昭和天皇は

すでに崩御され、皇位継承者にもその責任が及ぶかどうかは疑わしい。た

だ日本政府が現憲法下での今上天皇の立場を象徴的存在であるからと言っ

て反論するのは、彼国の政治家は敢えて「息子」と名指ししているのだか

ら、彼らの非難に答えていない。ここで天皇の戦争責任を問うつもりはな

いが、その責任が皇位を継承した今上天皇にも及ぶと考える彼国こそ勘違

いしていると言わざるを得ない。そもそも南北朝鮮の分断は旧日本政府が

無関係だとは思わないが、しかし、いずれ彼らが朝鮮統一を実現した暁に

は、日本への非難と同様に、北朝を三代に亘って独裁支配してきた金一族

に対しても、その非人道的行為の責任を問うというのであれば、統一交渉

は間違いなく破たんするだろう。つまり、天皇は許されないが、金一族は

許されるというのはダブルスタンダードであり、一筋縄で南北の統一が達

成されるとは到底思えない。それどころか、統一朝鮮の覇権を巡って再び

戦火を交えることだって起こり得る。

 そもそも儒教道徳とは身分道徳であり、それぞれの身分の違いによって

良い悪いが異なる不平等道徳である。つまり、ある行為において「お前は

許されないが、おれは許される」というダブルスタンダード(二重基準)が

生まれる。中国や韓国、もちろん日本も同じで、たとえば役人が政治家の

意向を忖度して正義を歪めるのは序列を重んじる儒教道徳に縛られている

からにほかならない。儒教道徳とは「相対」道徳であって、目上の者(序列

上位者)に対する反意は反道徳的(反儒教的)と見做される。アメリカのジ

ャーナリスト、マルコム・グラッドウェル氏は、かつて頻繁に起こった韓

国の航空機事故を、序列を重んじる儒教道徳の遺産であると書いている。

(マルコム・グラッドウェル著『天才!成功する人々の法則』)1997年

に起きた大韓航空801便墜落事故は、グアム国際空港への着陸に失敗し

て手前の丘に墜落、乗客乗員223人が死亡した。その原因は悪天候や計

器着陸装置の運用停止などのさまざまな不運が重なったことに加え、機長

の判断ミスに副操縦士が異論を挟めなかったことが決定打となった。副操

縦士は儒教道徳の呪縛に囚われて目上の機長の誤りを指摘することができ

なかったのだ。こうして儒教社会の下での正義はその序列道徳によって歪

められる。さて、昨今の韓国による日本政府に対する対応の変化は、簡単

に言えば統一朝鮮によせる彼らの想いが日韓関係よりも優先して主従の序

列が逆転したからにほかならない。そして祖国統一への強い想いは当然祖

国分断の苦々しい過去を想起させずには措かず、そもそもの原因である日

本の統治に対する憤りを蘇えらせたとしても無理もないことだと、我々は

覚悟しなければならない。その上で、かの儒教社会は論理的な社会正義よ

りも情緒的な社会道徳に重きを置き、統一朝鮮問題よりも優先順位の序列

が低下した日韓関係に以前ほどの理解がなくなったとすれば、これまでと

は対応が異なるダブルスタンダードも彼らにとっては何の衒いもない応対

なのだ。つまり、立場が変われば言動も変わるのだ。わが国はかつては韓

国経済を飛躍させるための頼りになる副操縦士だったかもしれないが、統

一朝鮮の蜜月の下ではわが国の存在は忌わしい過去を思い出させるうざ

ったい隣人に過ぎないことを肝に銘じなければならない。そして、もう一つ

肝心なことは、彼らが展望するその先には儒教思想の宗主国としての「中

国」があることを忘れてはならない。そもそも中朝韓の儒教主義国家から

見れば、民主主義国家たるわが国こそが異端国家にほかならないのだ。
 
                                        (おわり)

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