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研究発表 「アカデミック・ジャパニーズ」と
ワークショップ「シナリオ発想で考えるアカデミック・ジャパニーズ
〜読み手(他者)を意識し、意図を伝える〜」


日時:201322日(土)1000分〜1700
場所:東京海洋大学 品川キャンパス 白鷹館

毎年、この時期の研究会は午前中が研究発表、午後が研究会という盛りだくさんの一日となります。3月1日締切のアカデミック・ジャパニーズ・ジャーナル(AJJ)にご投稿いただくためにも、この時期、研究発表をしているのです。

今回の会場は、AJGでも度々お世話になっている東京海洋大学白鷹館です。ここ東京海洋大学は、品川駅から徒歩15分という抜群のアクセス。そのため、様々な学会や研究会の会場で利用されています。この日も別団体の会合が白鷹館で開催されていました。

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AJGの受付はこちらですよ。(*年会費の納入は、現在、企保的に銀行振り込みのみとさせていただいております。会員の皆様のご理解とご協力をお願いいたします <m(__)m> )


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研究発表の様子。ボイクマン聡子先生(東京大学)の「しょきゅ前期からのアカデミックジャパニーズ―初級前期の段階で実践可能なこと」」 


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白鷹館で開催されていました 会員の皆さん 真剣に聴き入っています。思わず前傾姿勢似なっている!(笑) 


この日の口頭発表は全部で4つ。同時開催なので、そのうち2つしか参加できないのが悩ましいところなのです。以下 詳細をご紹介いたします。

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◇口頭発表1A:盒興喇廖平斉狎邯立横浜桜陽高等学校)・盒況住辧陛賤梁膤悄
「高校における「コミュニケーション・トレーニング」の実践報告」
高校での選択科目「コミュニケーション・トレーニング」において、単なるコミュニケーション
のノウハウ伝授にとどまらない、自己表現と相互理解、更には人権尊重や世界理解を目指した
実践を試みた。軸に据えた理論と方法は次の3つである。
1)演劇教育で開発された「シアターゲーム」
2)開発教育において提唱され実践されている「参加型活動」
3)日本語教育において実践されている「会話」のための諸活動
結果として、生徒達の積極的参加と相互コミュニケーションの促進という点は
十分成功したと考える。しかし、人権や世界の問題の認識という点については、
一定の成果はあったと思うが、その結果を検証できるところに至ってない。
今後さらに授業全体の目標・構成の精緻化を図りたい。

◇口頭発表1B:ボイクマン総子(東京大学)
「初級前期からのアカデミックジャパニーズ―初級前期の段階で実践可能なこと」
本発表では、日本語初習者に対するアカデミックジャパニーズの授業実践報告を行う。
受講者は正規学部生で専門の教育は英語で受ける英語コースに属している。
しかし、その専門は「国際日本研究(Japan in East Asia)」であり、在学中、日本語を
使用して研究を行う可能性もある。発表では、日本語での学術研究が求められる学生に
対して初級第1学期からできる/提供すべきアカデミックジャパニーズについて議論したい。

◇口頭発表2A :脇田里子(同志社大学)
「学部留学生を対象にした文章構成分析による論説文読解」
読解と連携した文章作成支援を行うことを目的に、論説文の文章構成に着目した読解方法に
ついて発表する。学部留学生を対象とする。その方法は論説文の読解後、構成要素ごとに
内容要約と機能を提示し、文章構成を可視化し、「文章構成図」や「ロジック・チャート」
として示すものである。新聞の投稿オピニオン(約1000字)を分析例として挙げ、具体的な
分析方法を述べる。分析を通じて、学習者が文章理解を深めるだけでなく、文章作成において
文章構成をイメージできることを期待している。

◇口頭発表2B :瀬尾匡輝(香港理工大学)
「海外の高等教育におけるアカデミック・ジャパニーズ(AJ)とは
−香港の学習者へのインタビューを通して−
本研究では、香港の大学副専攻の日本語履修者6名へのインタビューから、彼・彼女らが
盲目的な日本への憧れから娯楽と消費(Kubota 2011)として学習し、メディアなどで
目にした日本語や日本文化を無批判に受け入れていることがわかった。目標言語圏への
ステレオタイプが問題となる海外の日本語教育(e.g. 熊谷 2008)では、門倉(2003)が
述べるような論理的・批判的思考能力が特に重要であるといえよう。本発表では、調査の結果
を踏まえ、海外の高等教育におけるAJのあり方を参加

****************

お昼休みは、ランチをしながら幹事紹介や、会員の近況報告など、いつもアットホームな雰囲気のAJG。こういうところがAJGの良さでございます。

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そしてそして、午後はいよいよワークショップ
今回は、「シナリオ発想で考えるアカデミック・ジャパニーズ〜読み手(他者)を意識し、糸を伝える〜」と題し、ワークショップファシリテーターに(株)シナリオ・センターの新井一樹氏をお迎えしました。


シナリオ・センターは、喜劇「駅前」シリーズをはじめとする映画脚本約300本、ラジオ・テレビドラマの脚本2000本を執筆した新井一氏が創設した、プロのシナリオ・ライターを要請する学校です。プロのシナリオ・ライターを業界一輩出している名門です。

そして、なんとなんと、新井一氏はこのようなご履歴の方なのです。

★★★
1915年1月1日東京生まれ。理髪店の長男として生まれ、成城中学卒業後、理髪師、美容師として、理容学校の教師を勤める。
その後水産講習所(現水産大学)入学。卒業後魚河岸の魚河岸新聞「魚商通信」の編集に従事。戦中、「魚の配給に軍部の不正あり」と公表した為「事変惑乱罪」で逮捕される。出征後、無罪となる。
★★★ 

「躓く石も縁の端」などと申しますが、まさか、ご自身が学ばれたこの東京海洋大学(旧:東京水産大学←水産講習所)で、お孫さんの新井一樹氏がシナリオ・ワークショップをなさるとは想像されなかったことでしょう。世の中って本当に面白いですね。

閑話休題

さて、当初この企画を提案させていただいた時、世話人の間でも「?」が多く飛び交っていました。「アカデミック・ジャパニーズとシナリオ・ライティングってどんな関係があるの? シナリオを書いて、そして、どうなるの??」といった具合です。「この疑問はもっともであります。また、この疑問があるからこその、本日のワークショップなのです」そんな趣旨説明をさせていただきました。

またまた話が横道にそれますが、シナリオ・センターさんのご紹介に、現在放映中の大河ドラマ「八重の桜」の脚本家 山本むつみ氏や「最後から二番目の恋」の脚本家 岡田惠和氏を挙げた時の、会場のざわめきが楽しかった。先生たちだってドラマ大好きなんですよー!

ワークショップは以下のような流れで進んでいきました。

・シナリオとシナリオ発想
・シナリオを書いてみよう
・シナリオ発想とアカデミックジャパニーズ〜教育現場での活用法を考える〜

まず、「シナリオとシナリオ発想」についてですが、シナリオを書くことで、私たちは三つの視点「虫の目」「鳥の目」「魚の目」を獲得することができます。「虫の目」は物事をじっくりと見つめる、たとえば人物のキャラクターをじっくり観察する目です。「鳥の目」は俯瞰する目。それぞれの人物同士のアクション・リアクション全体を見つめる目です。「魚の目」は全体の流れを読む目。ドラマで言えば、その場(シーン)だけでなく、全体の流れを見通す視点です。

はたと気づいてみれば、これは大学生活(学生にとっては大学生活すべてにアカデミック・ジャパニーズが関係します)、そして論文執筆に必要な視点だ! と会場で気づきが生まれてきました。

そしていよいよ、実際にシナリオを書いてみます。

シナリオを書くには具体的に3つのものが必要です。柱(いつ、どこで等)、ト書き(状況や動作等)、そして台詞です。それを簡単にレクチャーしてもらってから、いよいよ書き始めます。表参道(注:シナリオ・センターは表参道にあるのです。素敵❤)の交差点で、二人の男女(元カレと元カノ)がすれ違うという設定です。A4一枚の短いものでしたが、さらさら書く人、うんうんうなる人、様々でした。

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シナリオ執筆中〜。その後のシナリオの教育現場での活用法の話し合いのために、普段教えている学習者の属性別(留学生・日本人・ミックス・日本語学校・大学等)に分かれ座っています。皆さん 思わずマジになってる。ほとんどの方がシナリオ執筆初体験。この新鮮さもシナリオ・ライティングの醍醐味です。


出来上がったシナリオを、ファシリテータの新井さんが数人分読み上げてくれました。ははは(笑)、オーソドックスなものから、毒気を含んだものまで、たったA4一枚にこんなに豊かな世界が広がるなんて!シナリオの面白さを実感した私たちでした。でも…(シナリオって、ちょっと怖い。だって…書いた人の性格や生き方が投影されている気がする…) 誰も口に出せませんでしたが、多くの人が心の中で、そのことも実感していました。苦笑

その後、いよいよ各々の教育現場でも活用例を考えるワークに入りました。2時間前に、「アカデミック・ジャパニーズとシナリオ・ライティングのつながりがわからない…」と思っていたことが嘘のように、様々な活用案が生まれました。そして、その活用案に対して、新井一樹氏のみならず、シナリオ・センター代表の小林氏(新井一氏の実の娘さんで、一樹さんのお母様)が二人タッグを組んで、コメントやアドバイスをくださいました。なんて贅沢なワークショップなのでしょう。

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シナリオ・ライティングの可能性の種が生まれています。いろいろな案が出ました。


ここからは後日談ですが、(ご報告が遅くなり大変申し訳ないと思っておりますが、こうやって後日談も載せられるのはちょっといいかな、と。すみません、言い訳です…)

この日ご参加くださった、東京経済大学の久川伸子先生、同志社大学の脇田里子先生のところでは、その後、シナリオ・ライティングのワークショップが開催されています。
詳細は、新井一樹氏の「一億人のシナリオ。プロジェクト」をご覧ください。
 ◆「一億人のシナリオ。プロジェクト」 http://scenario.co.jp/power_scenario/ 

ここからは後日談ですが また、この日の総括で、AJGの旧代表である門倉先生から、「一億人のシナリオ。」ではなく、全世界をターゲットにした65億人のシナリオ。」プロジェクトにしてはどうかという提言がありました。

シナリオの力で、私たち皆が、人間関係をはじめとする様々な関係に慧眼を持つことができますように!

最後の最後ですが、シナリオ・センター代表の小林様のブログもご紹介させていただきます。


(文責:第29回研究会 世話人 影山陽子) 

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