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設定された放射能の暫定基準値を超える放射能が19日、生鮮品から検出された。専門家からは「仮に出荷され、口に入ったとしても、人体に全く影響のない数値」として、過剰な反応をしないよう呼び掛ける声が上がっている。
厚生労働省の発表では今回検出された放射性物質で最も高かったのは、茨城県高萩市のホウレンソウから検出されたヨウ素で、1キロ当たり1万5020ベクレル。
放射線医学総合研究所(千葉市)の吉田聡・環境放射線影響研究グループリーダーによると、このホウレンソウの数値を人体への影響を示す単位である「シーベルト」に換算した場合、0・24ミリシーベルトになる。
人体に影響があるのは一度に100ミリシーベルトを受けたときとされており、小鉢1人前のホウレンソウを100グラムと仮定すると、今回のホウレンソウは4200人分を口にしないと人体に影響を及ぼさない計算になる。
吉田リーダーは「妊婦や子供など、放射性物質の影響が大きいとされる人たちについても、摂取しても問題がないレベルだ」と冷静な対応を呼び掛けている。
環境放射能・放射線に関する分析専門機関「日本分析センター」(同)の森本隆夫理事は「空から降ってきた放射性物質は、水で洗えば落とすことができる。水洗いをして食べれば、ほとんどが落ちてしまうだろう」と指摘。吉田リーダーは「放射性物質がついているかもと気に病み、偏食になる方が体に悪い」と話している。
厚労省では規制値が厳しい設定になっていることを強調、「ただちに健康に影響を与えるものではない」と呼び掛けた。
しかし、汚染された農作物の出荷規制をどうするのか、今後の対応については「(政府)原子力対策本部が決定していくことになる」と述べるにとどめた。
食品衛生法では、同じ農場で同じ日に生産された農産物などについては出荷規制できるものの、その影響を踏まえた広域的な規制をかけることが難しい。そのため、政府では原子力災害対策特別措置法に基づく出荷制限ができないか検討に入っている。
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