医学部受験で「手を抜ける」大学の傾向と対策「高難易度・高倍率・多科目型」をかわす裏技
医学部受験の壁を乗り越えるため、負担が少ない大学を選ぶのも1つの選択肢だ(写真:z_wei/iStock) 夏休みは、進路を定めなければならない重要な時期。医学部に進むべきかどうか、まだ悩んでいる高校生と親御さんを対象に「医学部受験のスペシャリスト」である代々木ゼミナールの加藤広行さんがその心得を解説する。第3回のテーマは「負担が少ない大学(方式)」(次回は8月29日配信予定、第2回はこちら)。
医学部受験の常識は「高難易度で高倍率、科目負担が多い」ことだ。片や、「負担の少ない(手を抜ける)」大学(方式)が少なからず存在する。
以下、具体例を紹介しよう。
なお、該当する大学(方式)は「入試の募集枠」としては全体の一部分にとどまる。また、状況によっては高倍率などのデメリットもある。
3科目以下で受験可の大学は年々縮小の傾向センター試験が不要の国公立
第2回で話したとおり、国公立の医学部合格には、センター試験7科目で90%の得点率が必要となる。この第1関門は極めて高いハードル。ところが、推薦やAO入試の中には「センター試験を課さない」方式もある。東北・筑波・群馬・京都・高知の各大学がそれに該当する。
2次試験科目の少ない国公立
国公立前期日程の2次科目(学科試験)は、英語・数学・理科2科目の4科目型が「定番」だ。ただし、一部の大学では、学科試験が3科目以下の場合もある。
連載一覧はこちら(今回が第3回です) 具体例として、英語・数学の2科目型が旭川医科・弘前・秋田・島根・徳島・宮崎の各大学。数学・理科2科目の3科目型が群馬大学(代わりに英文が題材の小論文が必須)。英語・数学・理科1科目の3科目型が奈良県立医科大学。
ただし、3科目以下で受験可の大学は年々縮小の傾向にあり、上記の大学についても今後は科目数の増加が見込まれるので注意が必要だ。
このような大学は、同時にセンター試験重視の配点比率が多い。2次試験は記述式中心で高難度となる。そのため、2次試験で高得点が望めない場合、もしくはセンター試験で高得点を取って合格にぐっと近づきたい場合は、センター試験重視の配点比率の大学から選んで受験するのも一手となる。
だからといって、油断はできない。2次試験でも1点でも多く得点を積み上げ、合格の可能性を手繰り寄せよう。ただし、センター試験重視の大学も年々縮小の傾向である。
3科目で受験可の私立
私立の一般入試の学科試験も、国公立と同様に英語・数学・理科2科目の4科目型が「定番」だ。ひるがえって、帝京・東海の2大学は、英語・数学・理科1科目の3科目で受験できる(帝京大は英語・理科2科目なども可)。
科目の組み合わせ次第で合格に近づける受験生にとっては選択肢の1つとなるだろう。しかし、1科目少ないがためにこの2大学は例年高倍率が際立っている。合格最低点も非常に高いので、受験する場合はその点の認識が必要となる。
推薦やAO入試は基本、数Ⅲの試験が不要「数Ⅲ」が不要の国公立・私立
数Ⅲは難易度が高く、苦手とする受験生も多い。現役生の場合は、学校の授業内では履修が終わらないケースもあるだろう。そこで医学部入試において、数Ⅲを除いて受験する方法を紹介しよう。
まず、私立の一般入試では、帝京・近畿の2大学は「数Ⅲ」の範囲を課さない(金沢医科大も後期のみ該当)。センター試験利用入試については、数学の範囲は(全大学共通で)「数ⅠA」と「数ⅡB」まででよい。各大学の2次(個別)試験も面接や小論文が主体で、数学自体が課されない。
続いて、国公立・私立ともに推薦やAO入試の場合は、「数Ⅲ」は基本的に不要と考えてよい。国公立の大半と私立の一部はセンター試験を課しているものの、前述のとおり「数Ⅲ」は範囲外である。また、各大学の基礎学力試験などで数学が必要なことがあっても、「数Ⅲ」はほぼ含まれない。
私立は、基本的に入試日程が重複しなければ何校でも受験が可能となる。遠方の大学を併願する受験生も多い。
ただし、受験校の試験会場が大学所在地の近辺のみの場合は、その会場までの移動や前日からの宿泊が必要だ。つまり、「移動と宿泊の時間・体力・費用面の負担」がかさむということになる。
そこで遠方の大学については、「居住地の近くに(1次試験の)会場が設定されている大学を優先」して選ぶのが得策である。
難易度の高さにめげず挑戦をこの対応策の具体例(2018年度入試での実績)を紹介しよう。
東京都内の会場で受験可能な大学
金沢医科・愛知医科・藤田保健衛生・大阪医科・関西医科・兵庫医科・久留米・産業医科・福岡の各大学 大阪府内の会場で受験可能な大学
岩手医科・国際医療福祉・昭和・日本・東海・金沢医科・愛知医科・藤田保健衛生・福岡の各大学 このほかに、自治医科大は出願する都道府県を1つ選ぶシステムなので、「出身高校」または「本人または保護者の居住地」が所在するところで受験できる。
医学部の難易度が高いからといってあきらめず、このような方法を参考にして挑戦してほしい。次回(8月29日配信予定)も、合格に役立つ「裏技」を解説する。 |
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