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ほうほう。

学ぶ力を伸ばすには? 赤ちゃんの脳は豊かな愛情があってこそ「学習脳」に発達する

Plant the Seed, Water the Soil
2019年04月12日(金)12時00分
デボラ・ホジソン
ぐんぐん育って 赤ちゃんという「種」を育てる「土壌」は親からの愛情いっぱいの働き掛けだ 2xSAMARA.COM/SHUTTERSTOCK
<安心感と愛情で乳児の「生き残り脳」は「学習脳」に。知っておきたい発達的変化のプロセスと最適のサポート法>
0sai_2019mook_cover-200.jpg※ニューズウィーク日本版SPECIAL ISSUE 「0歳からの教育 学習編」が好評発売中。シリーズ最新刊となる今号のテーマは「学ぶ力の伸ばし方」。個性と興味、能力を上手に磨くには? 赤ちゃん脳と心理の秘密から、親の働き掛けのコツ、算数・英語・運動・音楽といった才能の育て方まで――最新研究で読み解く体と心の発達。

赤ちゃんの誕生から最初の数年間、その成長を見守るのはミステリアスで素晴らしい体験だ。発達的変化は受胎の瞬間から起きているとはいえ、誕生直後からわが子が刻々と個性を開花させて身体的に成長する様を目にするのは驚異そのもの。こうした変化はそもそもなぜ起きるのだろう?
幼児の脳の発達を説く『ブレイン・ルールズ・フォー・ベビー』の著者で発達分子生物学者のジョン・メディナによれば、赤ちゃんの成長には「種」が欠かせない。私たちは親として遺伝物質を子供に与えるのだから、当然といえば当然だ。だがそれだけでなく、種に栄養を与える「土壌」も重大な意味を持つという。
ただしその土壌とは、親たちが思い浮かべがちな高価なおもちゃや完璧な育児室ではない。抱き締める、アイコンタクトをするといったシンプルな行動だ。
赤ちゃんが潜在能力を最大限に発揮するために必要なのは何よりもまず、しっかりと守られ、愛されているという感覚だと、メディナは指摘する。「乳児の脳は学習ではなく生き残りの準備が整った状態だ。生存の基本条件が満たされて初めて、学習に注意を向けることができる」

「たくさん動く」がカギ

新生児はできるだけ早く、生き残れる状態の確保を目指すようにできている。聴覚は抜群で、おなかの中にいたときに聞き慣れた声、自分を守ってくれるはずの人の声を識別する。視覚もまずまずで、誕生から数分後、または数時間後にアイコンタクトをしようとすることがある。目の焦点が合うのは30メートル先、つまり自分を抱いている人の顔を見るのに最適の距離だ。
一方、どうやら親の側も赤ちゃんの愛着と学習を促進するようプログラミングされている。無意識のうちにゆっくりと歌うような高い声音の赤ちゃん語で話し掛け、わが子が安心と愛情を感じて自分に耳を傾けるよう促す──これはどんな文化の親にも共通して見られる。
親との絆を結ぶことに加えて、新生児には自分の小さな体の動きを制御するという大きな仕事がある。生後1カ月を過ぎる頃は、周囲の状況を把握するための一歩として、頭部や首をかなりコントロールできるようになる時期。だからこそ、小さな体を自然に強化する機会をたくさん与えたい。
具体的には、ベビーカーに乗せたり抱っこひもに入れるだけでなく、素手でさまざまな姿勢で抱えたり抱っこしたりするといい。バイオメカニクス(生体力学)専門家のケイティ・ボーマンはこう助言する。「たくさん動くほど発達が確かになる。栄養の一種だと思って運動を重視してほしい」
とはいってもジム通いの必要はない。大切なのは、好奇心に従って自由に動ける空間だ。とりわけ効果的な強化法は、腹ばいにして過ごさせる「タミータイム」。腹ばいの赤ちゃんが重い頭をもたげるのには、大変な力が必要だ。タミータイムは体幹を鍛えると考えられており、適切な監督の下でなら新生児期からトライしてもいいと、イギリスの乳児発達専門家で、育児アドバイス企業を率いるレベッカ・シコは言う。
体幹を鍛え、四肢を伸び伸び動かす機会が多ければ、生後9週目に入る頃には腕や脚の運動制御能力がぐっと上がる。視力もアップし、顔から30センチ離れたところでゆっくりと左右に動く対象を目で追えるようにもなっているはずだ。
笑い掛けると、笑い返すようになるのもこの頃だ。親にとってかわいくてたまらない笑顔は、神経細胞の成熟や社交性の発達の重要な証しでもある。
とはいえ全ての成長の段階と同じく、個人差は大きいと、シカゴ大学幼児学習・発達研究所のアマンダ・ウッドワード所長は指摘する。「目安どおりでないからといってパニックにならないで。ただ、いつまでも笑顔が出ないなら医師に相談してほしい」
発達の専門家によれば、次のヤマは生後4カ月。より上手に手指を動かせるようになり、物をつかむ動作が可能になる。とはいえ、これは簡単なことではない。つかめない場合はしばらく待ってみよう。対象を見て、目をそらしてまた見るという行動を繰り返しているうちにつかめるようになることもある。
肝心なのはイライラせずに待つことだと、シコは言う。「何度もトライさせて、たくさん励ますことが必要だ」
この月齢になると、子供は心理学者が「物の永続性」と呼ぶものを理解し始める。手やタオルで隠しても、その向こう側の人や物はそこに存在し続けるという概念だ。「いないいないバア」に喜び、笑い声を上げる。これが交互に話す会話のスキルにもつながっていく。

個性のあるハイハイの形

首と肩に筋肉がつき、うつぶせに寝ているときも頭を持ち上げられるようになる。5カ月にもなると、手を突いて体を起こせるようになる子も少なくない。すると視界が広がり、周囲の人との関わりが活発になり、そこから学ぶことも増えていく。
生後6カ月になると、たいていの子は上半身を起こせるようになる。このとき、大人が支えながらお座りの姿勢をさせてあげると、やがて自分でお座りができるようになる。そうなれば次はハイハイだ。
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トレーニング 腹ばいにして過ごさせる「タミ―タイム」は体幹を鍛える効果的な方法 
EKATERINA POKROVSKY/SHUTTERSTOCK
実は、ハイハイの形は子供によってかなり違う。匍ほ匐ふく前進のような「ずりばい」で、ものすごいスピードを出せる子もいれば、カニのように左右に動く子もいる。活発に体を動かしているなら、典型的なハイハイでなくても気にする必要はないと、専門家は言う。
ただし、もし明らかに左右非対称のハイハイをしているなら、念のため医者に知らせておくといいだろう。ごくまれに神経学的な問題を示している場合があるからだ。また、動き回れるようになると触ってほしくない危険なものにも触れるようになる
から、大人は注意が必要だ。
好奇心に導かれるままに動き回り、何かに触り、場合によっては口に入れるのは、子供にとって最高の学習方法だ。この時期は自分で食べる訓練を始めるいいタイミングでもある。スティック状に切ったパンなど、赤ちゃんが簡単につかみ、口に運べるものを用意してみよう。
生後8カ月になると、物を左右の手に持ち変えることができるようになる。これは右脳と左脳の連携が取れてきたことを意味する重要な発達だ。大人が積極的にサポートしたり、励ましたりして練習するチャンスをつくってあげるといいだろう。
心理面ではこの頃、愛着のある物(または人)から離れると泣きだす「分離不安」を示す子もいる。これは認知能力の発達の副作用で心配する必要はない。
10カ月になるとつかまり立ちができる子も出てくる。手の指を器用に動かし、リモコンを押すといった細かな動作もできるようになる。
簡単な言葉を口にするようになるのもこの頃だ。記念すべき最初の言葉がパパを意味する
「ダダ」で、ママをがっかりさせるケースも多いが。

性格が影響するように

11〜12カ月の子には社会的・認知的な変化が起きる。何かを指差して、周囲の大人にそれを見てもらう「共同注意」という伝達行動も見られるようになる。伝達行動は言語学習の第一歩だから、一緒に絵本を眺めたりして、その行動をサポートするといいだろう。
「赤ちゃんが何かを指差したり、バイバイと手を振るのは、新しい成長の段階に達した証拠だ」と、ウッドワードは語る。「それまで積み重なってきた周囲への関心と、四肢の筋肉の制御能力、表情、それに相手の意図への理解が組み合わさって、かわいらしい社会行動につながる」
1歳になると伝い歩きが上手になる。ただしそのタイミングが1歳2カ月で訪れる子もいれば、もっと遅い子もいるから焦ることはない。親は安心して子供の成長を見守ろう。
中には、歩き回ることに関心を示さない子もいる。それよりも座ったまま、あれこれつまんでみたり、ふたを開けたりすることに関心を示す子もいる。行動に性格が表れ始めるのだ。そして何より親を興奮させる瞬間はやはり、子供が自力で歩いたときだろう。
ひとたび身の回りの世界を探求する身体的能力を手に入れたら、子供の好奇心を抑え付けておくものはない。「子供が歩き始めたら、行動範囲を小さな部屋にとどめないほうがいい」と、ボーマンは語る。「二足歩行は人間の最も重要な運動能力だ」
さらにボーマンは、親が歩く手本を示すことを勧める。「子供はそのまねをするだろう。ただし、親と同じペースで歩いたり、親と同じ方向に歩くと思わないほうがいい。子供は探検しながら歩くのが好きだから」
そのとおり。生涯にわたる親子の関係にも、この言葉が当てはまるのかもしれない。
<発達の目安>

自分のペースでゆっくり成長 
身体能力は頭から首、手足と上から下へ発達する。個人差は大きいが、月齢に沿った発達の目安は......。
生後0〜1カ月 原始反射
突然驚いたように腕を突き出すなど、原始反射が見られる。手を目や口の近くにもっていく。うつぶせで頭を左右に動かす
生後2〜3カ月 動き始める
うつぶせで上体を腕で支える。脚を突っ張って蹴る。手を握ったり広げたり、ぶら下がっている物をつかもうとする
生後4〜7カ月 お座り
寝返りが打てる。お座りができるようになる。脚で全体重を支えることができる。片手だけを伸ばして物をつかもうとする
生後8〜12カ月 ハイハイ
自力でお座りの姿勢になれる。腹ばいで前進やハイハイをする。つかまり立ちや伝い歩きをし、一瞬立つこともできる
1〜2歳 上手に歩く
独り歩きをする。おもちゃを抱えて歩く。爪先で立つ。走ったり、ボールを蹴ったりする。支えがあれば階段を上り下りできる
2〜3歳 活動的になる
高い場所に上手によじ登る。足を交互に動かし、階段を上り下りする。三輪車をこいだり、走るのがうまくなる
<ニューズウィーク日本版SPECIAL ISSUE「0歳からの教育 学習編」掲載>
※詳しくはニューズウィーク日本版SPECIAL ISSUE 「0歳からの教育 学習編」をご覧ください。

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(* ̄- ̄)ふ〜ん

8年続く内戦で荒廃したシリア復興は難事業

2019年4月12日(金)11時25分
ハワード・シャッツ(米ランド研究所上級エコノミスト)
首都ダマスカス近郊では復興が進んでいるが(東グータ地区) Omar Sanadiki-REUTERS
<テロ組織を一掃した後の本当の試練は独裁者アサドが居座り続ける国の復興だ>
3月、トランプ米大統領はテロ組織ISIS(自称イスラム国)のシリア内の最後の拠点を解放したと発表した。だが、大変なのはこれからだ。内戦を完全に終わらせ、荒廃した国を立て直し、国内外に逃れていた数百万人の市民を帰還させなければならない。それには人々が希望を持って暮らせる安全な環境を整え、紛争の再発を未然に防ぐ必要がある。
すぐには難しいだろう。シリアの独裁体制は変わっておらず、和平合意がなされても中身が伴いそうもないことを考えれば、紛争やテロの温床になり続ける可能性は否定できない。
内戦の損害は膨大だ。50万人近くが犠牲となり、人口の約半分が家を追われた。11〜16年のGDPの累計損失額は、世界銀行の推定によると2260億ドルに達するという。
他方、復興に必要な費用についての正確な試算はまだない。シリア政府は4000億ドルと見積もるが、アサド大統領が権力の座に居座る限り、多額の資金が入ってくるはずはない。
しかも復興は無計画なまま始まりそうだ。政府は復興予算を自分たちの思惑に沿った分野に配分し、国民は外国からの送金と自分の稼ぎを家の再建に充てざるを得ないかもしれない。ロシアとイランの関与は原油とガスなどのインフラや、予算や権益が得られそうな事業の再建に限られるだろう。しかし、こうした復興計画さえも、制裁が続けば頓挫するかもしれない。

支援に手を挙げるのは誰

しかるべき環境が整えば、外国政府や欧米の民間企業からの支援が期待できる。実際、シリアとロシアの両政府は、欧米からの援助を期待している。
しかし、アメリカもドイツもフランスも支援の可能性を否定、ないしは避けている。国連安全保障理事会は「世界最高水準の透明性と説明責任の確保」「信頼に足る包摂的で非宗派的な政府の樹立」「自由で公正な選挙の実施」を求める決議を全会一致で採択した。アサドの下では無理なことばかりだ。
欧米が認めない限り、世銀などの国際機関から本格的な協力を得られない点は特に注目に値する。一方、ロシアにもイランにもそこまでの資金力はない。「一帯一路」経済圏構想を進める中国は、戦闘地域への投資には慎重だ。しかも中国の場合、資金は貸し付け、実施は中国企業となる場合が多い。
アラブ諸国の関与も限定的だろう。サウジアラビアは昨年、1億ドルを拠出したが、シリア北東部の生活支援が目的だった。財政が厳しいサウジ政府は、事業をするならもっと友好的で安定した国を選ぶだろう。
シリア国民もある程度費用を負担する必要がある。余裕のある実業家が投資を行う可能性はあるが、政府が没収した避難民の家や土地で「復興計画」が進められるかもしれない。今年1月、EUは避難民から没収した土地で建設を行っているとして、個人11人と5団体を制裁リストに加えた。米議会も、厳しいシリア制裁案を可決する可能性が高い。
現在シリアはトルコが支援する北西部(国際テロ組織アルカイダ数千人が潜伏)、アメリカが支援する北東部(クルド独立組織の拠点)、アサドの支配地域に分かれている。平和のためには、これら3地域をまとめる形での復興が必要なのだが、アサドがいる限り難しそうだ。それどころか、シリア国民はそもそも内戦の引き金となったような弾圧に直面するかもしれない。
<本誌2019年04月16日号掲載>

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(* ̄- ̄)ふ〜ん

花粉症、温暖化、放射性廃棄物の処分──「昭和」からのツケを引き継ぐ「令和」

TAGSTOCK1-iStock
「令和」の時代に期待感が高まる。とはいえ、残念なことに「昭和」「平成」とわが国が選択してきた資源・エネルギー政策のもたらした人の健康や環境問題のツケは、新時代に持ち越される。典型は、花粉症、温暖化による被害、そして放射性廃棄物の処分である。いわば自然界からのしっぺ返しとも言える未解決課題だが、その解決に向けて「令和」の時代には、人と自然との「調和」が一層迫られることになる。

戦後の拡大造林が生んだ「花粉症」

今や「国民病」ともいわれる花粉症。気象予報によると、関東地方ではスギ花粉の舞うピークからヒノキ花粉の時期に移ったとされるが、4月中旬までに収まりを見せるだろうか。前年夏の日射量に影響されて春先の花粉飛散が増える傾向があるだけに、今年の花粉症の発症に苦しめられた知人の声を多く耳にする。
そもそもスギ花粉症問題は、戦前・戦中の軍需や戦後の復興用の木材需要に応じるために森林の伐採が増大し、ハゲ山になるまで山林が荒廃したことに起因する。荒れた国土を襲う台風などの自然災害も招いた。昭和31年から国内の木材需要に対応して、全国で針葉樹のスギ、ヒノキを積極的に植樹する「拡大造林政策」が推し進められた。ブナなどの天然林を切り倒し、木目が真っすぐで軟らかく加工しやすいという経済性の理由だけで、スギ、ヒノキが選ばれた。
その後、燃料革命を迎えた昭和40年代には、生活に使用する燃料は薪炭から石油・天然ガスに転換していった。木材の需要もコストの安い外国の輸入材に依存した。このため、ますます山林経営が成り立たなくなり、人工林の間伐や伐採が進まなくなった。そして育っていたスギ林は、花粉を付ける樹齢30年以上のものが増加していった。
林野庁によると、国土の約7割を占める森林面積(2508万ヘクタール)のうち人工林は約4割(1029万ヘクタール)。この人工林のうちスギの人工林は44%(448万ヘクタール)、ヒノキの人工林は同25%(260万ヘクタール)に上る(2012年調査)。1000年を超すものもある長寿命のスギだが、仮に短く見積もって樹齢100年まで花粉を飛ばすとして、この花粉の大量飛散はいつまで続くのだろうか。
花粉症対策として林野庁は、花粉が付きにくい品種に改良したスギの苗木を開発、植樹を進め、2016年までに通常の苗木生産量に対する割合を3割に、2033年には約7割まで増やす計画だ。しかし今後、この割合が100%に達成しても、その苗木の効果が表れる樹齢30年まで成長を待つことになる。それでも樹齢30年以上100年までの通常のスギは存在し、すべて入れ替わるにはさらに70年かかる計算だ。スギ、ヒノキの利用促進が、むしろ解決策につながる。

石炭・石油の消費による「温暖化」

産業革命以降、人類は石炭、石油という地下に眠る「化石燃料」に依存した。その燃焼による大気中の二酸化炭素の増加と、大気の温度上昇に関係があるとの警鐘が鳴らされたのは約30年前。国連環境計画と世界気象機関によって1988年に設立された「国連気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)の科学者たちの予測である。ちょうど「昭和」が終わる前年のことであった。
IPCCの報告によって、温暖化問題は国際政治の舞台に登場した。1992年にはブラジルのリオデジャネイロで「地球サミット」が開かれ、気候変動枠組み条約が署名された。その後、温暖化防止の各国の義務をめぐり、常に南北間の対立が伴ったものの、2016年に発効した「パリ協定」ではようやく途上国との足並みがそろった。とはいえ米国のトランプ大統領が同協定の離脱を宣言したことから、国際政治の上で先が見えなくなった。
当初、政治家や科学者の間でも、温暖化は二酸化炭素が原因であるかとの「懐疑論」もあった。しかし、この平成の30年間に世界では洪水や干害、山火事といった災害が多発してきた。国内の気象現象も激しくなり、集中豪雨が長く停滞する「線状降水帯」による災害をはじめ、山からの土石流や流木被害が目立つようになった。西日本豪雨、九州北部の災害は、その象徴だ。政府も温暖化への「適応策」として防災強化などに支出するようになった。
IPCCは、2018年の報告書で「産業革命以降、地球の気温は約1度上昇し、このまま続けば、2030〜2052年の間に1.5度上昇する」と、パリ協定で決めた以上の意欲的な対策を呼び掛けた。人や自然は「適応」にも限界があり、1.5度を超えて2度の上昇になれば、さらに健康や水供給、食糧、経済成長、人間の安全に対するリスクが増大すると警告した。地球が誕生した46億年前、高温で二酸化炭素も高濃度だった大気から、生物が長い時間をかけて地中に封じ込めた炭素の化石燃料。その消費をどう節制するか。

先が見えない原発の廃炉

常磐炭田(現在の福島県いわき市周辺)での石炭時代の繁栄と衰退を見ながら、原子力エネルギー導入の道を選んだ福島県。昭和35年、大熊町・双葉町に原発の誘致を決め、その東京電力福島第1原子力発電所の1号機は同46年3月に運転を開始した。40年間運転中だった平成23年3月11日の東日本大地震と大津波に続く事故で、周辺市町村の住民避難を強いた原子力災害を引き起こしたのだった。
拡散した放射性物質によって汚染したため、除去されて中間貯蔵施設に集積されている土などは今後どうなるか。さらに第1原発の格納容器の底に塊となっている「燃料デブリ」はどう処理されていくか、いずれも先が見えていない。
燃料デブリは1、2、3号機の原子炉下部に、核燃料が溶けて燃料棒から落下し、圧力容器や格納容器の床を溶かして高い放射線を出し続けている。人も近づけないためにロボットでデブリの状態を探っており、どのように取り出すかは探査次第である。高いレベルの放射性廃棄物を含むだけに、取り出した後にどこに廃棄するのか決まっていない。東京電力は、福島原発の「廃炉には30年も40年もかかる」という。
政府がこれまで掲げてきた核燃料サイクル政策では、原発で発生した使用済み核燃料は各原発サイト内のプールに一定期間置かれ、冷却された後に、青森県六ケ所村の再処理工場で再処理されることになっていた。ここで生じる高レベル放射性廃棄物はガラスで固められ、地下300メートル以上の深さの地下に埋設、万年単位で放射線が減衰すると推定しながら長期管理する方法だが、その最終処分地をどこにするか選定できていない。
大きな意味で言えば、昭和、平成時代のエネルギー消費のツケを先の世に押し付けることになる。花粉症、地球温暖化、放射性廃棄物とも「昭和」時代の政策が生んだもので、人の健康被害、生態系・環境の破壊を引き起こしたことが、人間の寿命を超える自然界の時間によって明らかになった。「昭和」は遠くならず、解決にはさらに明治にさかのぼる近代150年を振り返ることも必要となる。

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ほうほう。

日本のVR市場は停滞期?爆発のカギは「女子高生」とも—— 研修や教育などB2B向け用途は広がる

コンテンツ東京
「コンテンツ東京2019」に出展されたアトラクション型VRゲーム。
「VR元年」と呼ばれた2016年から3年。Oculus Rift、HTC VIVE、プレイステーションVRなどのデバイスが登場し、次々とVR用ゲームが発売されて話題になった。そのまま大きな流行になるかと思いきや、3年経った今もすっかり浸透したとは言いがたい状況だ。
そんななか、数多くのVR関連企業が出展する「コンテンツ東京2019」(4月3〜5日、東京ビッグサイト)を見て回ったところ、足元ではB2B向けに広がっていることがわかった。

企業担当者も「日本のVR市場は停滞気味」

コンテンツ東京その6
クロスデバイス社が展示していたサイクリング形式のVR。
VR関連企業のブースが集まるエリアを訪ねると、数年前と同様、ヘッドマウントディスプレーをつけて楽しめるレーシングゲーム、ガンアクションゲームなど、アトラクション施設で楽しめる体感型ゲームの展示が目立った。また、実写映像をVRで体感させるブースも多かった。
コンテンツの配信システムや制作などを行うクロスデバイス社は、サイクリング形式で世界中の絶景を楽しめるサービスを展示していた。自転車に似せた機器に乗ってペダルを漕いで、ヘッドマウントディスプレーに映し出された実写の景色を移動して楽しめる。360度どの向きでも楽しめる仕組みだ。同社の担当者は「映像を見るだけではなく、インタラクティブ性のある実写VRをしたかった」と説明した。
VRの現状については、やはり停滞気味と感じているようで、「2016年は賑やかしのプロモーションが多かったが、2017年と2018年は企業の研修映像や不動産の内見など、B2B向けにシフトしている印象。エンタメ系はまだまだ先になるのでは。そもそも一般向けのVR機器がまだ普及していない。アメリカや中国と比べて日本は遅れている」と話した。

着実に増えているB2B向け

コンテンツ東京その4
マイクロソフトのホロレンズを活用した、工事現場サポートサービスを展示したネクストスケープ社。
クロスデバイス社の担当者が話してくれたように、B2B向けの展示は確実に増えていた。2、3年前のB2B向けVRといえば、家屋内部を内覧できる3DCG映像や、歴史的建造物などが使われていた当時の姿を復元した映像を、ヘッドマウントディスプレーで楽しむといったものが多かった。
それが研修や教育の用途に使えると注目されたことで、B2B向けVRサービスの出展が目立つようになっていったようだ。
VR関連のシステム企画・開発・運用サポートを提供するコミュニケーション・プランニング社は、航空機の牽引訓練のためのVRシュミレーターを展示。実機を使ってのトレーニングが難しいため、シュミレーターを開発することになったという。4月8日にはJALグランドサービスが導入することを発表している。
同社の担当者は、企業の教育用途でのVR利用が増えていると教えてくれた。
「ここ3年でトレーニング用途が増えました。変わったところで言うと、大手飲食店からアルバイト研修を全部VRでやりたいと相談されました。教える人によって差が生じるなどの教育偏差がなくなるし、効率が良いということだそうです」
コンテンツ東京その3
CADネットワークサービス社は危険学習VRを展示。
建築図面や産業用の2D・3Dコンテンツなどを制作するCADネットワークサービス社は、「危険学習」のためのゲーム感覚のVRを展示していた。工場内で問題が発生しているのを解決するゲームでは、ヘッドマウントディスプレーの目の前に広がる工場の機器を選別しながら、コントローラのボタンを押していく。記者も体験してみたが、途中で間違ったボタンを押して、工場は爆発してしまった。こうやって、社員に現場教育を施していく。
同社の担当者もやはりトレーニング向けのVRが広がっていると実感する。
「1年ほど前から案件が増えてきたので、今年、来年くらいには何とか採算が合うようになっていく感じがします。これまでのVRコンテンツは体験して終わりのものが中心でしたが、そこからさらに改善までつなげられないかと開発を進めています。例えば、工場の熟練工の方をモーションキャプチャーして、若手社員にVR上でその動きを見て学んでもらうといったものです」
また、今後の発展にはさらなる技術革新が必要だとも指摘する。
「デバイスと通信環境が進化すれば、VRもさらに進化して、みんなが同じ空間で作業を学んだりすることもできるようになるはず」
B2B向けの教育・訓練VRは、今後も着実に広がっていきそうだ。
米17%、英14%、日3%。これ何の比率?
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グラビア女優と楽しめるVRが人気

コンテンツ東京その1
グラビア女優のVR映像が楽しめるフューチャーリープのブースは人気だった
一方、エンタメ向けVRもまったく盛り上がってないわけではない。
ブース面積こそ小さいが、ひそかに来場客から注目されていたのが、グラビア女優と間近で触れ合えるVR。2018年のコンテンツ東京にも出展していたフューチャーリープ社が展開しているVRコンテンツ制作サービスだ。
ヘッドマウントディスプレーとヘッドホンを着けると、目の前にグラビア女優が現れ、彼女が戯れる姿を楽しめる。展示会の都合上、ブースでは女優と同じ空間にいてVRを体験する形だったが、女優が別室や遠隔地でカメラの前にいる場合でも、リアルタイムの動きをVRを通じて見ることができる。
VR映像の中で、女優がお菓子を持って筆者に食べさせようと近寄ってくると(実際にはカメラに近づいているだけなのだが)、思わずこっちも照れながら口を開けかけてしまった。視聴感覚では距離感ゼロ。少しでもリアルな映像をつくり上げるために、高性能なカメラを組み合わせて撮影している。
このコンテンツを体験した男性ビジネスマンは「すごく生々しくて、面白い。視覚だけじゃなくて、ヘッドホンから聞こえる声で肌の感覚まで刺激されている感じになった」と驚いていた。
同社の担当者は「グラビア女優のリアルタイムVRイベントを以前実施したときは、1回5000円の有料にしたのにかなり好評でした。今後はこの機材で結婚式、お子さんの成長や卒業式などのVR映像を制作するサービスにも取り組みたい」と話してくれた。

VR普及の鍵は「女子高生」?

ここ数年は伸び悩んでいたVRだが、企業向けの教育用途では着実に広がりつつあるようだ。
では、これから一般のユーザーに幅広く浸透するのだろうか。ある出展社の男性は、VR普及の鍵は「女子高生」だと言い切った。
「日常生活においてニーズがあるかどうかがまず大事。こういったVR機器が爆発的に広がるには、大前提として女子高生に流行らないといけないというのが持論です。携帯電話、スマートフォンもそうでした。今のヘッドマウントディスプレーは“ごつい”。女性にとっては、化粧も取れるし、髪も乱れるし、遠い存在だと思いませんか?」
そもそも現状の機器のあり方がハードル、ということか。普及はなかなか簡単ではないかもしれない。
(文・写真、大塚淳史)

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へぇー。

ウォーリーを4.5秒以内に探し出すロボットとは?

「ウォーリーをさがせ!」5秒以内に探せないと、ロボット「There's Waldo」には勝てない。
「ウォーリーをさがせ!」5秒以内に探せないと、ロボット「There's Waldo」には勝てない。
YouTube/redpepper
  • ある企業は「ウォーリーをさがせ!」のどのページでも、おそらく人間より早く、ウォーリーを探し出すことができるロボットを作成した。
  • ロボット「There's Waldo」は画像認識と機械学習を使ってウォーリーを探し出す。
  • 所要時間は、4.5秒以内。
  • 一覧表示
  • スライドショー

クリエイティブエージェンシーRedpepperは、先端にカメラを取り付けたロボットアームを作り、それをグーグルの機械学習サービスAutoMLにつないだ。どのページを開いても、ウォーリーを探し出すことができる。

クリエイティブエージェンシーRedpepperは、先端にカメラを取り付けたロボットアームを作り、それをグーグルの機械学習サービスAutoMLにつないだ。どのページを開いても、ウォーリーを見つけることができる。
YouTube/redpepper

ロボット「There's Waldo」は95%以上の信頼度でウォーリーの顔を判別すると、アームを動かし、少し不気味な指先でウォーリーの顔を指し示す。

AIロボット「There's Waldo」は95%以上の信頼度でウォーリーの顔を判別すると、アームを動かし、少し不気味な指先でウォーリーの顔を指し示す。
YouTube/redpepper


ラズベリーパイ(Raspberry Pi)で制御されているロボットアームは、パイソン(Python)でプログラミングされ、まずアームを伸ばして「ウォーリーをさがせ!」のページの写真を撮る。

ラズベリーパイ(Raspberry Pi)で制御されているロボットアームは、パイソン(Python)でプログラミングされ、アームを伸ばして「ウォーリーをさがせ!」のページの写真を撮る。
YouTube/redpepper

次にラズベリーパイに搭載されたOpenCV(パイソンで画像処理を行うためのプログラム)がページ上のすべての顔を認識し、ひとつひとつに分ける。

ページの写真を撮影した後、OpenCV(パイソンで画像処理を行うためのプログラム)がページ上のすべての顔をひとつずつ認識する。
YouTube/redpepper

そして画像をグーグルのCloud AutoML Visionに送る。画像は事前に学習済みのウォーリーの画像と比較される。

そして顔の画像をグーグルのCloud AutoML Visionに送る。顔の画像は事前に学習済みのウォーリーの画像と比較される。
YouTube/redpepper

グーグルのCloud AutoML Visionはプログラミングの知識がなくても、機械学習を使った画像認識モデルを構築できるサービス(しかも無料で試すことができる)。今回のケースでは、グーグルの画像検索で見つけた数十のウォーリーの画像と比較するよう学習済み。

グーグルのCloud AutoML Visionはプログラミングの知識がなくても、機械学習を使った画像認識モデルを構築できるサービス(しかも無料で試すことができる)。今回のケースでは、グーグルの画像検索で見つけた数十のウォーリーの画像と比較するよう学習済み。
YouTube/redpepper

画像が95%以上の信頼性で一致した場合、その画像の正確な場所までアームを伸ばし、画像を指し示すようプログラミングされている。

画像が95%以上の信頼性で一致した場合、その画像の正確な場所までアームを伸ばし、画像を指し示すようプログラミングされている。
YouTube/redpepper

Redpepperによると、ロボット「There's Waldo」はプロトタイプに過ぎないが、どのページでもウォーリーを4.45秒以内に探し出すことができる。

Redpepperは「There's Waldo」はプロトタイプだが、どのページでもウォーリーを4.45秒以内に探し出すことができると述べた。
YouTube/redpepper

動画は以下。





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