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へぇー。

5年前、太陽系外の恒星間天体が地球に衝突していた

2019年4月22日(月)18時45分
松岡由希子
dottedhippo-iStock
<「オウムアムア」の飛来に先立ち、2014年1月にも、恒星間天体が地球にたどり着いていた可能性があることがわかった>
2017年10月、米ハワイ州マウイ島のハレアカラ天文台で、ハワイ大学のパンスターズ1望遠鏡が太陽系外から飛来した恒星間天体をとらえた。直径400メートル程度の大きさで高速移動するこの物体は「オウムアムア」と名付けられ、天体観測史上初の恒星間天体とされてきたが、「オウムアムア」の飛来に先立ち、2014年1月にも、恒星間天体が地球にたどり着いていた可能性があることがわかった。
小惑星のかけらなどが大気圏に到達して爆発し、閃光を放つ現象を「火球」という。その主なものは米国政府のセンサーで測定されており、位置情報や速度などの測定データはアメリカ航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所(JPL)の地球近傍天体研究センター(CNEOS)で保管されている。

2014年1月の流星が極めて速いスピードだった

米ハーバード大学のアビ・ローブ教授を中心とする研究チームは「『オウムアムア』よりも小さな恒星間天体はもっと多く存在し、その一部が頻繁に地球に衝突しているのではないか」との仮説のもと、地球近傍天体研究センター(CNEOS)が保有する過去30年分のデータを解析
2014年1月8日午後5時頃にパプアニューギニアのマヌス島近くで観測された長さ45センチ未満の流星が極めて速いスピードであったことがわかった。この流星の速度は太陽を通過した時点で毎秒約60キロメートルと超高速で、速度データから流星の軌道を計算したところ、その軌道は太陽と結びついていなかった。
その突出した速度から、この流星は、太陽系外の、惑星系の深部もしくは厚い銀河円盤の星からやってきた可能性があるという。一連の解析結果をまとめた研究論文は現在査読中で、これを通過すれば、学術雑誌「アストロフィジカルジャーナル・レター」に掲載される見通しだ。

「人類が二番目に発見した太陽系外の天体」

研究論文の筆頭著者である天文学者のアミル・スィラージ氏は、本誌米国版において「この流星は、人類が二番目に発見した太陽系外の天体であり、地球に衝突したものとして初めての天体だ」と主張。米アリゾナ大学のキャット・ボルク博士も、米誌「ナショナルジオグラフィック」の取材に対し、「この超高速の流星が恒星間天体からやってきたと結論づけるのは妥当だと思う」との見解を示している。
一方、ジェット推進研究所のエリック・ママジェク博士は、科学メディア「サイエンスニュース」の取材において「この研究結果は興味深いが、一つの事象の測定データに基づくものにすぎない」と述べ、さらなる検証の必要性を示唆している。


「できない1%の人」を捨てる組織が弱いワケ

出口治明氏と繁盛店の店主が語る「チーム論」

出口治明さんと小林せかいさんが考える「強いチーム」とは?(写真提供:祥伝社)
東京・神田神保町にあるカウンター12席の小さなお店、「未来食堂」が話題だ。1度来店した人なら誰でも50分のお手伝いで1食無料になるシステム「まかない」をはじめ、メニューは日替わり1種のみ、着席3秒で食事ができる、決算や事業書を公開するなどのユニークで合理的な仕組みで飲食業に新風を吹き込んでいる。
仕組みが面白いだけでなく、ランチ時には約60人のお客が訪れ、ひと月の売上高が110万円を超えることもある繁盛店でもある。
店主の小林せかいさんは、元エンジニアという異色の経歴の持ち主。日本IBM、クックパッドに勤めたのち、1年4カ月の修業期間を経て、2015年に「未来食堂」を開業した。その活動は「食堂の枠を超えた食堂」と共感を呼び、新しいことを始めたい人がお手伝いに訪れる。
その数、年間500人。このような不特定多数の人たちと、どのように「強いチーム」をつくっているのか? 未来食堂の取り組みを題材に、これからの組織論・リーダー論について、立命館アジア太平洋大学学長の出口治明さんと語り合った。

「出戻り社員」を歓迎する理由

出口治明(以下、出口):アメリカの社会学者、ロバート・D・パットナムは、『われらの子ども 米国における機会格差の拡大』という著書の中で、“ゆるいつながり”が人生を豊かにすると言っています。例えば、弁護士の知り合いがいたら、ちょっと困ったことがあったときに聞くことができるし、お医者さんの知り合いがいたら病気になったときに聞くことができますよね。
富裕層の人たちはそうした“ゆるいつながり”を、いろいろな分野のいろいろな人たちと持つことができるというわけです。
僕はパットナムの本を読んで、なるほどと思いましたが、せかいさんの新しい著書『誰でもすぐに戦力になれる未来食堂で働きませんか ゆるいつながりで最強のチームをつくる』を読んで、“ゆるいつながり”にはもう1つの意味があることに気づかされました。
自分とまったく接点のなかった人であっても、さらに言えば特別な知識や技術を持っていない普通の人であっても、ゆるいつながりを持つことによって、助け合い、一緒に何かを作り、1人を乗り越えていくことができる。これがもう1つの「ゆるいつながり」ですね。
小林せかい(以下、せかい):ありがとうございます。出口さんも、以前、ライフネット生命で働いていた方が別の会社に行って、別の会社でいろいろ経験を積んだ後、またライフネット生命に戻ってくるというのもオッケーだとおっしゃっていました。それもまたゆるいつながりですよね。
出口:日本の古い体質の会社では、出ていくのは裏切り者みたいに思うんですよ。そんな人を再雇用するなんてありえへんと、要するに見せしめにするんですよね。
出ていくほうは、青い鳥を探して出ていくわけです。でも、青い鳥なんていなかったということがわかって、帰ってくる。そうしたら、きっとものすごく働きますよね。合理的に考えたら、出ていくときは頑張ってこいと、いつでも帰ってきていいよと、気持ちよく送り出すほうが絶対いいんです。
帰ってこなくても別にいいし、出ていく人というのは仲間に対して申し訳ないなと思っているんだから、そこで頑張っておいでよといったら、出ていく人は自然とその会社のファンになる。そして、そのファンが帰って来れば強力な戦力になる。 
せかい:はい。今までは、ずっと同じ会社で、ずっと同じ人と働くことが普通でした。でも、これからは「ゆるいつながり」で、そのつど、そのつどでチームをつくっていくことが、求められていますね。
出口:せかいさんは、見ず知らずの人、何が得意か不得意かわからない人と毎日一緒に働き、未来食堂を運営しているわけですが、そもそもなぜ特定の誰かではなく、誰とでもやっていこうと思ったんですか?
せかい:私はもともと会社員でしたので、未来食堂を開店するため、いろいろな飲食店で修業をしたのですが、思い返せば本当に“使えない人間”でした。
初日に電気コードを包丁で切ってしまったり、とあるレストランではようやく厨房に立てたと思ったのもつかの間、手際の悪さにレジ打ちに戻されたり。でもどうしても「未来食堂」を開店したい、という思いで修業を続けました。
そのときの体験から、誰であっても、スキルがないことを理由にチャレンジの機会を奪いたくないと思い、誰でも参加できる「50分働くと一食無料」という仕組みを作りました。これが、誰でも参加できる「まかない」というシステムです。

必要なのは、タスク整理ではなく仕組みづくり

出口:不特定多数の「まかない」さんと一緒に、いろいろなお客さんが次々にやってくる食堂を運営するというのは、非常にハードルが高い仕事ですよね。でも、未来食堂は実験的な食堂にとどまらず、繁盛店としてしっかり利益も生み出しています。
「まかない」さんが全員優秀だったら楽ですけれど、優秀な人はそうそういるわけではないですよね。ところが、せかいさんは「どんな人でも参加できすぐに戦力になれる」仕組みを作った。そこが面白いですよね。要するに、パズルをはめればいいわけですから。
せかい:この話になると、よく「やるべきタスクが整理されているから、誰でも戦力になれるんですよね」と勘違いされるのですが、タスクが整理されているから、誰でも戦力になれるわけではないんです。
もちろん、未来食堂でのタスクは整理されてはいますが、いちばん大切なのは、全体の中で個々人がどうあるべきかをデザインすること、つまり組織づくり。ここがしっかり機能しないと、ただ人が集まるだけでは、最強のチームにはなりません。
誰かとやっていくには、作業の切り分けが必要になるのですが、意識してふるまわないと、ただ人が集まっているだけの弱いチームになってしまいます。
出口:せかいさんは、人と仲良くする必要はない、ときには距離をとることが大事だとか、人は仕組みで気持ちよくなるとか、言い切っていますよね。
せかい:“誰とでも一緒に働く”というと、笑顔でニコニコ働けばいい、みたいな精神論的なことで終わらせてしまうことが多いのですが、理念には何の意味もないですから。わかりやすい仕組みや使いやすい仕組みをどれだけ作れるかが、勝負を決めるのだと思います。そこを本ではしっかり書きたかった。読者の方に好かれるために“いいこと”だけを書くようなことをしていないので、最初はどこまで書いていいのか、悩んだんです。
出口:書いていいと思います。ここまではっきり書かないと、わからない人が日本には多いように思います。よく、社員の意識を変えて無駄な会議をなくしましょうと、訓示を垂れるような管理者がいますが、そのような管理者は即刻クビにすべきですね。管理者の仕事は、意識を変えることではない。仕組みをつくって意識が変わらざるをえないようにする、それがマネジメントなんですから。

できない1%の人を見捨てない仕組みを作る

出口:仕組みについて、もう少しお聞かせください。
せかい:赤と緑のピーマンの見分けがつかないという「まかない」さんがいらしたんです。あるお皿は赤ピーマンだけだったり、こちらのお皿は緑ばかりだったりと偏りがあったのですが、じつは色盲のため、色の違いがわからずアトランダムに盛り付けていたためだったのですね。そこで、どちらのピーマンも均等に盛り付けられるように、赤いピーマンと緑のピーマンを別々の容器に分けて入れる、という仕組みを作りました。
おかげで、誰もが盛り付けしやすくなりました。誰であれ、そもそも見分ける必要がない作業にできれば、ずっと楽に仕事ができるようになります。
“できない人”だけでなく“できる人”も、できるとはいえ無意識のうちに、作業をこなすには何らかのコストを負担しているのですが、できることを当たり前にしてしまうと、そのことに私たちは気づかない。“できない人”が、その見えないコストに気づかせてくれたのです。
出口:単なる経験に終わらせず、そのときの気づきをベースにして仕組みづくりに落とし込んだところがすごい。不得意なことがある人や能力が高くない人をも生かすという仕組みをつくることは、ビジネスで大いに役に立つと思います。
せかい:99%の人ができていれば、できない1%の人をできるように矯正したくなります。でも、それではできない人を切り捨てることになってしまう。「できないから来ちゃダメ」というのは本当にナンセンス。
できない1%の人を切り捨てるのではなく、どうやったら参加できるだろうかと考え、考えた結果を仕組みとしてつくり出すことが大切だと思います。

つぶれたモチベーションは元に戻らない

出口:「モチベーションを上げる」ではなく「モチベーションをつぶさないことが大事」という点も、同感ですね。
だいたい人間は、大したモチベーションなんて持っていないと思ったほうがいいんですよ。それぞれにみんなモチベーションは持っているけれど、それほど高いものではないので、誰かから「あかん」とか「違う」とか言われたとたんに、たやすく消えてしまうんです。
だから、人を育てようと思ったら、どんな人であっても絶対につぶしてはいけないんです。組織でダメなのは、一度つぶしてから鍛え直そうとかいう発想。鍛え直すどころか、壊れたものは元には戻らないんですよ。
せかい:繊細なものを壊してしまうたとえとして、私は“アリと巨人”という言い方をしています。アリはメンバー、巨人はリーダーです。巨人は足元のアリをつぶしていることに気づかない。ワンマンな方は、場をあっという間に壊してしまいます。
出口:パワハラとはそういうものですね。人の気持ちは有限なものです。人の気持ちと同様、善意も、意欲も、能力も、体力も、時間も、すべて有限。人生は有限の中でのゲームですから。いちばんまずいのは、無限大の考え方。頑張ればなんとかなるとかいうのは、根本から間違っています。
せかい:はい。「頑張ろう」という精神論は、もろいですから。
出口:例えば、自分自身を成長させるために「週に1つはチャレンジを設定してみる」と決められているそうですが、せかいさんをはじめ、いい仕事ができる人というのは、自分で仕組みがつくれるんですよね。
僕は、ある人から、「会社の同僚と飲みに行くのは楽しいけれど、違う人と行くのは嫌なのですが、どうしたらいいいでしょう」という相談を受けたことがあったんですね。そこで「今日から、机の上に1カ月に1回見知らぬ人と飲みに行く、と書いておいたら」とアドバイスしたことがあります。そうしたら年間12人の友達ができると。
せかいさんは週に1つだけれど、月に1つでもいいんです。こうした仕組みを上手に作り、自己暗示にかかってその仕組みどおりに動く人が、いい仕事ができるんだと思います。
出口:「一人」を超えていく方法、つまり人をどのように巻き込んでいくかについてお聞かせください。
せかい:未来食堂のように、誰でもすぐにゆるいつながりによって、「一人」を超えていく方法には、2通りあります。自分の元にメンバーを集め「縦の関係」を作るのか、すでにある「横の関係」から力を借りるのか。

リーダーシップには縦だけでなく横の関係もある

出口:リーダーシップというと、リーダーとフォロワーという「縦の関係」だけのように思われがちですが、いろいろなリーダーシップの形がある。フラットな「横の関係」において協力してもらうにも、リーダーシップって必要になりますからね。縦横のリーダーシップがすべて書かれていますと、この本のことをまとめていいですか。
『誰でもすぐに戦力になれる未来食堂で働きませんか ゆるいつながりで最強のチームをつくる』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)
せかい:人を巻き込むためには、その人の欲やアイデンティティーを見る必要があります。
出口:なるほど、先ほどもちょっと述べましたが、せかいさんは、「人と仲良くする必要はない」とか「ときには距離をとることが大事だ」とか「人は仕組みで気持ちよくなる」と言い切っていて、人間に対する甘い幻想がどこにもない。リアルに人間を洞察したうえで、腹落ちするまで考え抜いて、自分の考えを組み立てているから説得力があるんですよね。
先程も申し上げたように、マネジメントとは仕組みを作り、仕掛けをつくって、人の意識が変わらざるをえないようにすることです。そのためには欲とか自尊心とか、快楽とか、人間の本質に正面から向き合わないといけない。
そういう意味で、せかいさんの本は、とくにビジネスパーソンに読んでほしい。あるいは人事担当の人とか、人事部長とか。そして根拠なき精神論を深く反省して欲しいです(笑)。

ほうほう。

マドリードがブチ上げた「民泊規制」がスゴい

マンション住民からの苦情殺到を受けて

外国人観光客が急増する中、マドリード市はついに……(写真:jjfarquitectos/PIXTA)
外国からの年間訪問者数が8000万人を越えて、世界2位に位置しているスペイン。2012年までは訪問客数は5000万人にとどまっていたが、それ以後訪問客数は増加の一途をたどっている。
こうした中、問題となっているのが、外国人観光客による迷惑行為だ。スペインに手頃な価格で滞在するために、観光客相手の安価なマンスリーマンションを利用している人が多いことがその一因だ。

「地区の質落ちた」住民から苦情が殺到

いわゆる「民泊」だが、マンション所有者にとっては収入につながるほか、観光客需要が高いこともあって不動産業者がマンションそのものを買い取って民泊用のマンションに転換させる例も増えている。とくに外国人観光客の多いマドリードやバルセロナではその傾向が顕著で、これが深刻な「観光公害」につながっているようだ。
とりわけ、外国人が滞在するマンションの住民にとっては深刻な問題だ。スペインには、それぞれのマンションに日本でいう理事会に相当する「住民の会」があり、エレベーターなど共有部の設備投資を住民負担で行っている。こうした住民の会から、「住んでいる地区の質が落ちた」「マンションの騒音がひどい」「共用部の清掃が大変」「玄関やエレベーターの傷みが激しくなった」という苦情が殺到しているという。
マドリード市の調査によると、同市中心街の外国人観光客向けマンションに滞在した人の数は、2012年に1万656人だったのが、2016年には21万6341人と20倍に膨らんでいる。同調査によると、2016年の1人あたりのマンション宿泊料金は1泊27ユーロ(3500円)。中心街のホステルだと1泊80ユーロ程度なので、こうしたマンションがいかに安いかわかる。
こうした中、3月27日付のエル・パイス紙によると、マドリード市内の中心地、プエルタ・デル・ソル周辺のマンションでは、滞在者の半数が外国人観光客になっているという。
また、観光客向けマンションへの転換を図るために、不動産業者がマンションを買収する例も後を絶たない。マンションを「空」にするために、マンションの家賃を不当に値上げて事実上、住民を追い出すといったことも起きており、中には前年比17%も引き上げたケースもあるという。
こうした中、マンションの部屋を貸し出すという形の民泊は結局のところ、マンション所有者や不動産業者だけに経済的メリットがあり、観光産業そのものの発展にはつながらない、というのが観光業関係者での共通した見方となっている。

観光客向けマンションの95%が消滅?

そこで、この問題に対する解決策を打ち出したのが、4年前にマドリード市長に就任した元判事のマヌエラ・カルメナ(75)氏である。同氏が率いる市議会は、3月26日、マドリード市内に1万軒以上あるとされている観光客相手のマンスリーマンションのレンタルを規制することを可決したのだ。
とくに規制の標的となったのが、中心街にあるマンションで、今回市議会はこのエリアにあるマンションを3つのブロックに分けて、ブロックごとに規制内容を変えた。共通しているのは、マンションを観光客にレンタルするビジネスをするには、住民用とは別に観光客向けの専用出入り口を設置するということだ。
例えば、最も中心外に位置するブロック1と2の場合、仮にビルの4階を観光客向けに貸し出すには、階下の住民に迷惑がかからないように、観光客が出入りできる専用出入り口が必要というわけだ。ブロック3の場合は、4階の住民にだけ迷惑がかからない規制となっている。
スペインの大半のマンションの1階は、ガレージかテナントになっているので、1階に住民が住んでいるというケースは少ない。2階から上に住む人に迷惑がかからないような専用出入り口を設置せよ、というわけだが、それにはリフォームが必要となってくるわけで、それが容易ではないマンションは少なくない。それこそが、マドリード市の狙いなので、同市はこの規制を通じて観光客向けのマンションの95%を減らそうとしている。
さらに、年間90日以上貸し出す場合、営業許可書の取得が必要になる。許可書は単にそれを申請すれば取得できるというのではなく、同じく建物の住民の迷惑にならないように前述したようにリフォームをせねばならなくなるような条件がついている。目下、スペインでは闇サイトを通じて安価で部屋をレンタルするビジネスが問題となっているが、許可書制にすればこうしたビジネスも撲滅できるとみている。
市役所は違反した場合のマンション所有者に対する罰則を科す権利は備えていないが、規定を満たさない持ち主を法的に訴えることが可能だとされている。
社会労働党の調査では、マドリード市内には観光客向けマンションの数はおおよそ1万5000軒あると試算(国民党によると1万467軒としている)、その10%が中心街に位置しているという。社会労働党は、今回、可決した規制の適用により、9944軒がビジネスの継続が難しくなるとみている。

5つ星ホテルが続々進出を狙っている

これに対して、国民党は家賃が急騰しているのは観光客が殺到しているからではなく、マドリードの人口に対してマンションそのものが足りていないから、とのスタンス。例えば、バルセロナには2万5000軒、ロンドンには7万8000軒、パリには3万5000軒の観光客用マンションがある中、マドリードでこれを500軒近くにまで減らすことは、何らかの弊害をもたらすと批判している。
一方、マドリードは5つ星級の高級ホテルの誘致に力を入れている。バルセロナ市が新たなホテル建設に厳しい規制を設けた反発もあって、高級ホテルがマドリードへの進出を急いでいるのだ。
マドリードにはすでに、5つ星ホテルは8軒あるが、このほかにカナダのフォーシーズンズ、香港のマンダリン・オリエンタル、サウジアラビアのオラヤングループなどが名乗りを上げている。こうした中、リッツホテルが改装工事を始め、現在営業を停止しているなど、今後高級ホテル競争が過熱することは間違いない。
マドリードの観光産業は同市のGDPの7・7%を担っている(スペイン全体だと、観光産業はGDPの10.8%)。ただ、マドリード市からすると、観光客向けの安価なマンションを利用する観光客よりは、高級ホテルに滞在する観光客を増やしたいというのが本音なのだろう。そうすることによって、「裕福な観光客」を増やすだけでなく、ホテルで働く人の数を増やしてスペインで社会問題となっている失業率(14.4%)を減らしたい考えだ。
厳しすぎる規制は、はたしてマドリード市の思惑どおりの効果をもたらすか。

新人もベテランも「メモ」を取るべき科学的根拠

メモを取らない人の仕事はかなり非効率だ

記憶に関するミスを減らす近道はメモを取ることです。メモの効能を知れば、仕事の効率がさらに上がります(写真:Yagi-Studio/iStock)
「メモを取れ」――。今も昔も、新人の頃には誰しもがこう言われます。しかし、「メモなんかしなくても覚えているから大丈夫」「めんどくさい」「意味がない」と思っている人も多いのではないでしょうか? 本稿では、記憶術・勉強法の専門家である宇都出雅巳さんの新著『図解 仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方』の内容を抜粋・再構成して、そんな疑問にお答えします。

1日経つと7割忘れてしまう

メモの効能の前に、まずは人間の記憶についてお話ししたいと思います。
例えば、仕事におけるミスといえば、「上司の指示を忘れる」「書類をどこに置いたか忘れる」「人の名前を忘れる」といった、記憶に関するものが真っ先に思いつきますよね。「しっかり覚えた!」「忘れないだろう」と思っても、いつの間にか忘れてしまう。私たちの脳は、予想以上に頼りないのです。
(出所)『図解 仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方』
図は記憶に関する研究の草分けともいえる「エビングハウスの忘却曲線」と呼ばれるものです。
グラフの縦軸は「節約率」と呼ばれ、最初に完全に記憶する手間(時間・回数)に比べて、どれだけ再び完全に記憶するまでの手間が節約できたかを表す指標です。いわば、記憶の保持率、逆に考えれば忘却率ともいえます。
ここで注目してもらいたいのは、覚えた直後の急速な忘却カーブです。「完全に記憶した」と思っても、20分後にはすでに42%を忘れ、1時間後には56%、1日後には74%を忘れるという結果になっています。
この実験は、「意味をなさないアルファベットの組み合わせ」を実験材料に行われたので、われわれが日ごろ接する意味のある情報や知識であればもう少し曲線は緩やかになるでしょう。しかし、人が「覚えた!」と思った直後に、その多くを急速に忘れてしまうという脳の性質は変わりません。
この実験結果を見て「こんなに早く忘れるの?」と驚いている人は、これまで自分の記憶に期待しすぎていた可能性があります。「覚えた!」と思っても、人の脳はこれだけ急速に物事を忘れていくということを、“忘れないよう”に、しっかり頭にたたき込んでおきましょう。

忘れる原因は「ワーキングメモリ」にある

「ワーキングメモリ」という脳の機能をご存じでしょうか? 実は、これが記憶に関するミスの主犯格です。
ワーキングメモリは「脳のメモ帳」にたとえられ、「作動記憶」「作業記憶」などと訳されます。情報を長期間にわたって貯蔵する「長期記憶」とは異なり、何かの目的のために「一時的に」貯蔵される領域であることが特徴です。
コンピューターで言えば、「長期記憶」に当たるものがHDD(ハードディスク)で、ワーキングメモリがRAM(メモリー)です。HDDはデータを長期保存する場所ですが、RAMはソフトやアプリが稼働するにあたってデータを一時的に蓄えたりする「作業領域」です。
例えば、今この瞬間もあなたのワーキングメモリが働いているからこそ、この文章が読めるのです。文章を読んで理解するためには、直前の文章の内容を記憶しておくことが必要です。もし、読んだそばから本の内容を忘れてしまったらどうなるでしょう? 引き返して読むこともできますが、引き返してばかりいたらいつまでたっても前に進むことはできません。
また、会話であればさらに大変です。言葉は話すそばから消えていきますから。相手が発した言葉をワーキングメモリに記憶しているからこそ、言葉をつなぎながら理解することができるのです。
では、これだけ便利な記憶が、なぜメモリーミスを起こすのでしょうか。それはワーキングメモリの容量がとても小さいからです。
ここで、ワーキングメモリとその容量の小ささを実感してもらうために簡単なテストをしましょう。まずは次の文章を読んでみてください。
「上司の木下課長に呼ばれ、高橋工業宛に会社案内のPDFを送ってほしいと依頼されました。自分のデスクに戻ると、見積もりを待ちわびていた渡辺金属から新着メールの通知。見積もりの結果次第では、いまいち営業担当者が信用できない城島産業と仕事をしないといけません。期待と不安でメールを開き、添付されていたファイルを開こうと思った瞬間に電話が入りました。佐藤通信から上田先輩宛てでした。電話をつなぎ終えるとスマホのライン通知。学生時代の悪友、広瀬から飲みの誘いでした」

ワーキングメモリは「注意」によって成り立つ

さて、会社案内はどこに送らないといけなかったか、思い出せますか? あなたは今、「頭の中がパンパンになった」感覚があると思います。それがまさにワーキングメモリがいっぱいの状態です。会社名や人名でワーキングメモリが埋まってしまったのです。
ワーキングメモリが貯蔵できる事象は、せいぜい7つ前後(7±2)と言われていますから、これは当然です。また、最近の研究ではもっと少なく、4±1という説もあるほどです。
(出所)『図解 仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方』
もう少し詳しく説明すると、新しい情報を記憶するにはそれに「注意」を向ける必要があります。
この場合、「注意」とはいわば、情報をつかむことができる「腕」であり、ワーキングメモリでの「記憶」とは、「情報がその腕につかまれている状態」だと表現することができます。
そして、この腕は7本ないし4本前後しかないわけです。図のように、注意の腕でつかんでいるときは「確かに覚えている」と感じても、新しい情報をつかむために元の情報を放してしまえば、あっさりと忘れてしまうのです。
記憶に関するミスをなくす第一歩は、「今はしっかり覚えている感覚があるけど、この腕を放したら忘れてしまうんだよな」と、ワーキングメモリの特性を認識することです。
また、「ワーキングメモリの負荷を減らす」ことも大きなポイントになります。その方法はいくつかあるのですが、原始的で、最もわかりやすい例がメモなのです。

メモを取らない人は仕事が非効率

メモを取る習慣がない人からすれば、メモを書く手間を省いて仕事を少しでも効率化している気になっているかもしれません。しかし、メモに書かずに頭で「覚えておかなきゃ」と思うこと自体がワーキングメモリのムダ遣いであり、仕事の非効率化の要因になっているのです。
『図解 仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)
ワーキングメモリは短期的に記憶を保存するだけではなく、脳の作業台でもあるのです。覚えておかないといけない量が増えるほど、作業台が狭くなり(=注意を消費し)、複雑な情報の処理ができなくなります。
その点、メモに書き残せば、即座にワーキングメモリを解放できますので、仕事の精度やスピードも自然と上がるのです。
先輩社員が新人に対して「メモをとれ」と口うるさく言うのは、今までの新人たちの姿や、自分の若い頃の実体験から、どうせすぐに忘れることが目に見えているからです。
とくに新人の頃は新たに覚えないといけないことが膨大にあります。
ぜひメモを活用して効率的に仕事を覚えていってください。ベテランの方も、これを機にメモの効能を再確認し、仕事のミスを減らしていってください。

30代主婦は「扶養内パート」で生涯1億円損する

「妻は家を守る」にこだわると老後は暗い

「夫が稼いで妻は働くとしても扶養の範囲内で」という女性も多い。しかし、妻が家事だけをするのはもったいないかもしれない。そもそも、女性はどれだけの生涯収入を「損」しているのだろうか(写真:プラナ/PIXTA)
「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」――。
私は、主に「家計改善」についてご夫婦から相談を受けることが多いのですが、生きていくうえでの価値観は、それぞれのご夫婦で実に多様です。でも、「夫は外、妻は家」という古い(?)性役割分業の意識は今も根強いような気がします。専業主婦を望む若い女性も多いです。
今回は、「妻にはなるべく家にいてほしい」と夫が望む一方で、パート勤めの妻は「もっと働きたい」と考えている、アラフォーのご夫婦からの相談です。なぜ妻がもっと働きたいかといえば、家計を補いたいからですが、社会的には専業主婦のまま、夫の扶養の範囲内で働いているほうが得?とも考えています。妻がどれくらいの収入を目指せば、家計はどう変わるのか。老後への備えも念頭に、具体的に見ていきましょう。

扶養内でパート勤務、社会保険料ゼロは本当に得か?

ご夫婦は、41歳のご主人と36歳の奥様です。ご主人の月収は手取りで23万円。奥様は子どもが小学校に入学した頃からパートを始め、週3日の勤務で月8万円。合わせて夫婦で毎月31万円の収入があります。
ところが、毎月の家計の支出は38万円。毎月7万円を貯蓄から取り崩しており、今のままでは家計が破綻しそうです。
奥様は年収96万円ですから、「夫の税金の壁(年収150万円以内)」と「妻の社会保険の壁(年収130万円未満)」の両方とも「クリア」しています。ご主人は満額(38万円)の配偶者控除を受けることができますし、奥様は会社員のご主人の社会保険の扶養に入ることができて、保険料を払わずに済んでいます。週3日パートで働いた給与額がそのまま手取り額となっています。
では、奥様が今のパート勤務を、今のペースで続けていったら、この先どうなるでしょうか。
現在の36歳から、一般的な定年の60歳になるまで、あと24年間このまま働き続けた場合、奥様は2304万円の収入を得ることになります。ご主人の扶養内、すなわち専業主婦(国民年金の第3号被保険者)として過ごすわけですから、保険料の負担はありません。
奥様は結婚前に会社勤めの経験があり、そのときは厚生年金に加入し、保険料を自分で負担していました。その数年間の厚生年金も合わせると、奥様の65歳以降の年金受給額は額面で7万円(年間84万円)。65歳から90歳までの25年間受給すると2100万円になります。さっき計算した60歳までに得る就労収入と65歳以降の年金収入を合わせると、4404万円です。
これから先の生涯収入として4000万円以上得られるので、「結構多いな」と感じるかもしれません。しかし問題は、前述したように、いま月7万円を貯蓄から取り崩していること。奥様の65歳以降の年金受給額を、先取りして使い込んでいるようにも見えます。このままの状況が続けば、やがて間違いなく行き詰まるでしょう。

年収250万円まで増やせれば手取り額は大幅回復

詳しく話をうかがうと、奥様は、結婚前に働いていた職場から「戻ってこないか」と声がかかっているそうです。子どもは小学校の中学年になり、留守番や自分で習い事に行くこともできるようになりました。職場復帰は現実的な選択肢です。
職場復帰すると、「年収は250万円ほど」とのこと。「妻の社会保険の壁」(年収130万円)を越えてしまい、奥様は自分で社会保険料を払わなければなりません。しかし、ここまで年収を増やすことができれば、社会保険・税負担はあるものの、「働き損」にはならず、手取り額は十分回復できます(分岐点は年収153万円くらいが目安です)。
計算してみると、職場復帰した場合の奥様の手取り月額は17万円。これで毎月7万円の赤字を出している家計は相当改善するでしょう。この職場に戻り、今後24年間、同じ条件で就労すれば、60歳までに4896万円の収入が得られます。また、「妻の社会保険の壁」を越えて働くメリットとして、厚生年金に加入することで老後の年金額が増えます。
奥様の場合、標準報酬月額22万円で働き続けたとすると、老後の年金収入は月額約9.7万円(年間117万円)に増え、65歳からの25年間で2925万円を得ることになります。これに60歳までの収入を合わせると7821万円。ご主人の扶養の範囲内で今のパートを続けていく場合に比べ、生涯収入は1.8倍になります。
ただし、ほぼ専業主婦として過ごしてこられた奥様ですから、職場復帰してフルタイム勤務になれば、家庭にいる時間が減り、それでストレスを感じるかもしれません。毎日掃除機をかけられない、晴れた日にお布団が干せない、ご主人が帰宅する夕方から夜にかけて慌ただしい……。
筆者も、忙しい日々が続くと「お嫁さんが欲しい」と思ったりします。外で働き、帰ってきたときに部屋がきれいに掃除され、温かい食事も用意されている……こんなありがたいことはありません。でも、そうした役割は「妻」が担うべき、とは限らないと思います。便利な家電を使ったり、家事代行に任せたりもできます。費用はかかりますが、長い目で見た生涯収入と比べると、十分に利用価値はあるはずです。

夫の収入は「ガラス張り」、妻の収入は「伏魔殿」

今回のご夫婦にさらにヒアリングすると、ご主人の「自宅から自転車で通える範囲で働いてほしい」という要望を受け入れて、いま奥様は「自宅近くでパート勤務しています」とのことです。しかし、驚いたことに奥様は、ある資格を持っていて、それを生かして正社員で働くことができれば「年収500万円は見込める」というのです。しかも、自宅から通勤時間はかかるものの、採用してくれそうな会社もある、と。
もし、そうなった場合、ボーナスはないものの手取り月額は32万円と、現状の4倍になります。24年間で9216万円となり、生涯収入は大幅増。標準報酬月額41万円とすると厚生年金の上乗せ分も増え、老後の年金額は月12万円(年間147万円)、65歳からの25年間で3675万円。両方を合わせると1億2891万円となり、今のままの働き方に比べ、差し引きで8487万円も生涯に得る金額が増えます。
このようなことを書くと、しばしば「専業主婦は経済的な損失が大きいと言いたいのか!」と責められます。私は、決してそんなことを伝えたいわけではありません。家計を補うために働く必要があり、働く意思もある妻がいるならば、夫は「妻は家にいるべきだ」という古い(?)モデルを前提にした考え方を見直してみたらどうかと思うのです。なぜなら、妻が稼げる機会を得れば家計は助かりますし、今回のご夫婦のように、妻は今のパートを続けるだけだと、生涯収入1億円以上稼ぐチャンスをみすみす手放すことになりかねません。それはあまりにもったいないからです。
ただし、妻が収入を増やした場合、それは夫と同様に家計のものとして取り扱うこともお伝えしています。夫の収入は「ガラス張り」になっていて、お小遣い以外は自由度がない。その一方で妻の収入は「伏魔殿」で、妻が好き勝手に使える、という家計をよく見かけるからです。そんな不公平なお金の取り扱い方では、やっぱり夫のほうは「妻は家にいるべきだ、稼ぐ必要なし」と思っても仕方ないでしょう。
こうした点を踏まえたうえで、家計が赤字なのに「妻は家にいるべきだ」と主張する夫がいる場合、それで失う経済的損失が妥当かどうかを考えてみてはいかがでしょうか。

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