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へぇー。

楽天・三木谷氏が熱弁する「携帯キャリア事業 成功への道」 ── 「メンテ人員70分の1」「AIシステム管理でコスト圧縮」

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創業から現在に至る楽天のポートフォリオ。当初2人で始めたベンチャーは、ECを中心としたITサービスのほか、フィンテック事業、投資にも力を入れる。アメリカで上場したばかりのライドシェア大手Lyftは楽天が筆頭株主だ。
4月22日〜24日、東京・丸の内で開催されるAIサミット「AI/SUM」が開幕した。初日の対談セッション「Fireside chat」では、楽天会長兼社長の三木谷浩史氏が登壇。AIに絡めて、楽天モバイルのキャリア参入戦略を熱弁した。

楽天・三木谷氏が熱弁「第4のキャリア」参入の勝機

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楽天 会長兼社長の三木谷浩史氏。左はモデレーターをつとめた日本経済新聞社 編集委員の滝田洋一氏。
10月に控えた楽天のキャリア参入については、Business Insider Japanでもすでにさまざまな記事を出してきた。
注目は、そもそもなぜやるのか? そして世界でも非常にめずらしい「コアネットワークまでフルクラウド」の通信キャリアになぜ挑むのかだ。
三木谷氏は、通信事業に参入する勝機を10年前に始めた楽天カードになぞらえて説明する。
「楽天カードに参入したのがちょうど10年前。最初は1日50人の(ユーザー)獲得だったのが、いまや1700万人を超えて2000万人が見え、業界ナンバー1。引き続き20%成長している“お化けカード会社”になった。基本的に、(キャリア参入の)ビジネスロジックとしては、(楽天カードと)同じことをやろうと」
三木谷氏がとりわけ熱心に語ったのは、「ネット企業が携帯にフル参入するのは世界で初めて」であり、「楽天だけが、世界で唯一、まったく違う発想で始まった携帯会社」だという意気込みだ。
第4のキャリア楽天は、ドコモ、au、ソフトバンクの大手3キャリアとは違い、仮想化技術を全面的に採用したキャリアを目指している。
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一般的に「(携帯ネットワークの構築は)アウトソーシング(外注)でインテグレーション(構築)してもらう。(組み合わせる専用ハードは)およそ600(種類)くらい。これが非常に複雑に結びつき合ってできているのが、現在の携帯事業者」(三木谷氏)、これが世界共通の一般的なキャリア構築の手法だ。
楽天が世界でもめずらしいフルクラウド構築のキャリアに挑戦するのは、門外漢ならではの発想からだったと三木谷氏は言う。
「僕らはそもそも素人だから、“なんでそんなもの(600ものハードと、それに伴う莫大な投資)が必要なの?”と。(それで)アンテナからコアネットワーク(基幹回線網)まで全部クラウドコンピューティングにしてしまった。
(ソフトウェアで仮想化されたシステムだと)当然、新しいAIサービスをつけていくのも、新しいメニュー(料金体系や機能)を付け加えるのもすごく簡単。1つの機能がダウンしたときに別の機能で置き換えていく、というようなこともできる。
我々が20年間(楽天の事業で)培ってきたノウハウを使った、最初のフルクラウドの(携帯)ネットワークが楽天モバイルだ」(三木谷氏)
とはいうものの、仮想化技術自体は、楽天のみが追求しているものではない。
ケータイジャーナリストの石川温氏が、KDDIとソフトバンクに仮想化技術の業界の状況を聞いた記事では、設備の一部に仮想化技術を取り入れることは既定路線として他キャリアも検討を進めている。
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仮想化とAIによる効率化でメンテ人員「70分の1」に

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フルクラウドでのキャリア構築は、ほとんど誰も成功させたことがないという意味で、通信業界では挑戦的だととらえられている。
三木谷氏も、「携帯業界では(楽天モバイルのスタートは)世界的に有名なプロジェクトになっている。1日に何千というアプリケーション(ベンダーからの連絡)がこのプロジェクトに参加したいとやってくる。本当にフルクラウドにできるのか?と」と、注目度の高さに胸を張る。
しかし、裏を返せば安定・安心が求められる「インフラビジネス」と、業界から注目が集まるほどの「技術的ユニークさ」は相反する要素がある。それでも三木谷氏がフルクラウドにこだわった理由はシンプルだ。通信コストの劇的な圧縮が望めるからだ。
この日、三木谷氏は初期投資だけではなく、「人的資源でも大きく有利」なのだと語った。三木谷氏が語ったメンテ要員の規模は、一般的なキャリアの70分の1という、にわかに信じがたい水準だ。
「初期投資額が低い以上に、圧倒的に機器メンテナンスの人が少なくて済む。AIでシステムを管理するので、人間がいなくてもいい(からだ)。他の会社さんは、(ネットワーク機器の管理業務の人数が)少ない会社で6〜7000人。多いところは1万数千人。楽天モバイルは、全部合わせて100人いない」(三木谷氏)
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2018年11月1日に第二四半期決算会見の中でKDDIが発表した楽天とのローミング提携。第4の通信キャリアの立ち上げ当初、手薄になる「主要都市や混雑エリア以外」の地域をKDDIが通信網を貸し出す提携。期間は2026年3月末までとされる。
当初の楽天モバイルは、主要都市(東京・大阪市・名古屋市など)以外はKDDIのキャリア網にローミングして、サービス構築をする。つまり、そもそも自社展開する地域は限られている。とはいえ、メンテナンス要員がここまで大幅に圧縮できるという宣言は驚きだ。
KDDIがローミング提供期限としている2026年3月末でもこの規模で済んでいたとしたら、まさに革命的なコスト圧縮ということになる。

楽天モバイルは「2年縛りをしない」を強調

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対談は、気になる料金戦略にも及んだ。
三木谷氏は「料金自体のことはあまり言えませんけれども」としながらも、あらためて、2年縛りは基本的に設けないと断言した。
2年縛り排除は従来から口にしているが、AI/SUM参加者にもあらためて強くアピールした形だ。
「最初の2年(を縛るの)は100歩譲ってわかるにしても、その後1〜2カ月(の変更期間が)経ったら、またもう1回2年縛りが始まるのは、これはどう考えてもおかしいと僕は思っている。我々は超シンプルに、基本的には“いつ入っても、いつ止めても自由です”と。何年縛りというのは、基本的にはもうやらない」(三木谷氏)
楽天モバイルのサービスインまで半年を切り、人材も続々と集まっているという。
「モバイル部門のトップはアメリカ人。その下にはインド、東欧、中国の人もいらっしゃる」(三木谷氏)という、多国籍の頭脳を集めたチームで開発が進む。
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楽天は創業22年間でいまや売上高1.1兆円。多忙な三木谷氏は約48分の登壇を終えると足早に会場をあとにした。
こうした海外の優秀な理系人材を集められる理由を、三木谷氏は「AIを本当に進めていくには、お金でAIエンジニアを引っ張るのではなく、彼らに面白いプロジェクトを用意することだ」と説明する。
以前から三木谷氏自身が何度か口にしているように、楽天モバイルのチャレンジは、携帯業界にとっては「アポロ計画」、つまり技術的な飛躍の度合いが大きい。
「もしこれが成功すれば、楽天グループにとっても、彼らにとっても(エポックメイキングな出来事になる)。“昔アポロ計画に参加したんだぞ”という、宇宙工学にあったことが、通信工学の中でも起こる、ということなんだと思う」(三木谷氏)
実際の通信品質がどうなるのかなど、楽天モバイルには、まだ実情が見えない部分も多い。ロケットサイエンスのようなイノベーションの機会なのだとすれば、なおさら数百万単位の加入者に向けて実際に電波を吹いてみるまで、品質はわからない。
楽天モバイルのキャリア参入に向けた残り時間は、関係者にとってもアポロ並みに激動の半年になるのだろう。

ふんふん。

選挙の日に歩いた桜咲く渓谷と平成の町

2019年04月23日(火)14時00分
選挙の日に歩いた桜咲く渓谷と平成の町
撮影:内村コースケ
第6回 藤野駅(神奈川県相模原市)→梁川駅(山梨県大月市)
<平成が終わり、東京オリンピックが開催される2019年から2020年にかけて、日本は変革期を迎える。名実共に「戦後」が終わり、2020年代は新しい世代が新しい日本を築いていくことになるだろう。その新時代の幕開けを、飾らない日常を歩きながら体感したい。そう思って、東京の晴海埠頭から、新潟県糸魚川市の日本海を目指して歩き始めた>

◆平成最後の月に見る平成元年の「ラブレター」

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「日本横断徒歩の旅」全行程の想定最短ルート :Googleマップより
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これまでの5回で歩いてきたルート:YAMAP「活動データ」より
前回は、裏高尾からの登山道ルートで山越えし、東京を脱出。そこから繋ぐ旅路の続きは、中央本線の藤野駅からのスタートとなった。平成の大合併によって2007年に相模原市に組み込まれた旧藤野町は、神奈川県の北西端に位置する。新潟県糸魚川市を目指すこの旅では、ルートの約3分の2をほぼ甲州街道(国道20号)に沿ったエリアを進むが、そのうちのごく短い神奈川県部分が、今回の歩きの序盤を占めることになる。
藤野駅付近から見て相模川の先にある山肌に、巨大なラブレターのオブジェがある。中央自動車道の藤野PAや中央本線の車窓からも見えるので、見たことがある人も多いと思う。これは、『緑のラブレター』という地元造形作家、高橋政行さんの平成元年(1989年)の作品で、テニスコート一面分くらいの大きさがある。国が地域振興のために地方自治体に1億円を交付した「ふるさと創生事業」(1988-89)をはじめとする、平成最初の町おこしブームがあった時代の産物だ。
藤野町には、戦時中に藤田嗣治や猪熊弦一郎ら著名芸術家が疎開してきた影響で、戦後にかけて多くの芸術家が集まってきた。この『緑のラブレター』は、その「芸術の町」にちなんだ町の「ふるさと芸術村構想」の一環として作られたもので、ほかにも当時の作品が駅周辺に多く残っているという。平成の終わりに一つの時代を総括するこの旅では、今後もこうした"平成の遺産"に多く出会うことになるだろう。
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藤野駅前から見える高橋政行作『緑のラブレター』=神奈川県相模原市

◆ブラックバス釣りは「懐かしもの」になる?

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相模湖の延長の相模川では、ブラックバス釣りを楽しむ人たちの姿が見られた=神奈川県相模原市
前回の「山越え」によって国道沿いのルート上にある相模湖は迂回していたが、その延長の相模川の川幅はまだ広く、湖の雰囲気を残していた。満々と湛えられたコバルトブルーの水が、春の山あいに映える。午前の陽光に輝く水面には、ブラックバス狙いのルアーフィッシングを楽しむ人たちが点々とボートを浮かべていた。
一見したところ、バサーたちはいずれも、1970年生まれの筆者と世代が近い30~50代に見えた。僕がブラックバスという魚を初めて知ったのは、小学校5年生くらいの時だと思う。当時は東京の品川区に住んでいたが、都会っ子の僕らにとっては、釣りの対象魚と言えばせいぜい大井埠頭のハゼくらい。雑誌などでブラックバス釣りが紹介され始めると、その強そうなカタカナの名前と、「ルアー」「ゲームフィッシング」といったナウい言葉に胸を踊らせたものだ。
そんな僕ら昭和生まれの平成世代を直撃したバスフィッシングもまた、ゴルフなどと同様、バブル期にピークを迎え、平成末期に向かって下火になりつつあるレジャーだと言えよう。要因は言うまでもなく、ブーム時から言われていた在来の湖沼・河川環境への悪影響である。魚食性で極めて繁殖力が強いブラックバスは、今ではワカサギなどの日本固有の魚を駆逐する害魚として各地で駆除の対象になっている。そんな先細りの状況だから、そう遠くない将来、ブラックバス釣りは「昭和〜平成の懐かしもの」の一つに数えられるかもしれない。

◆ウグイスの鳴き声をかき消すウグイス嬢の絶叫

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これからしばらくは相模川(桂川)の渓谷に沿って歩くことになる=神奈川県相模原市
相模川は山梨県に入ると桂川と名前を変え、この先はしばらくその谷あいを進むことになる。川底に向かう急斜面には、上から順に中央自動車道、JR中央本線、国道20号が通り、国道沿いから川沿いにかけて町が展開する。川にかかる橋の上からそんな地形を眺めていると、関東平野を横断する東京の街歩きから一転、狭い地形に立体的に広がる山村を歩き始めたことを改めて実感した。
この日(2019年4月6日)は、東京では散り始めた桜がちょうど見頃。青空が広がり、あちこちからウグイスの声が聞こえてくるのどかな散歩日和であった。同時に、統一地方選前半戦の投票日前日でもあり、ウグイスの声が人間のウグイス嬢の絶叫にかき消されることもしばしばであった。静かな山間地故に、候補者の名前の連呼が谷全体に轟音となって鳴り響く。
候補者の名前連呼の選挙運動と共に、でかでかとした顔写真の選挙ポスターで溢れる街頭風景も、日本独特ではないだろうか。せめてポスターのデザインセンスを上げて街頭風景のレベルを少しだけ上げることはできないものだろうか。ちなみに、ポスターデザインには公平を期するために公職選挙法で厳しい制約があると思いきや、デザイン・内容ともに原則自由だそうだ。
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散歩日和の土曜日は、統一地方選の投票日前日でもあった=神奈川県相模原市

◆選挙カーとポルシェの集団を見送って山梨県へ

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県境の橋でも選挙カーに行き合った=神奈川県相模原市
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ポルシェの列と共に山梨県に突入=山梨県上野原市
選挙カーは、県境の橋にも容赦なくやってきた。橋の上で今回の歩きに同行していた高校の同級生がスマートフォンを構えて写真を撮っていると、候補者の名前の連呼の合間に「良いお写真が撮れましたかあ!」という声。僕は「ここの選挙民でもないし、大きなお世話だ」と思ったが、大人な彼女は選挙カーに曖昧な笑顔を返していた。
選挙カーが遠ざかり、ようやく静けさが戻ってきたのもつかの間、今度は水平対向4気筒エンジンの重低音の重奏が聞こえてきた。列をなして次々とやってくるポルシェ。近年は、インターネットを通じた交流の普及で、あらゆるジャンルで同好の士によるオフ会が盛んになっている。若者の車離れが進んでいると言われるが、自動車愛好家の世界などその最たる例で、同一車種が集まってドライブしている様子は、八ヶ岳山麓の観光道路沿いに住んでいる僕には見慣れた光景だ。
僕自身、30年以上前のイタリアの大衆車に乗っていて、年に1回のオフ会に参加している。ポルシェにも一時期乗っていたことがあるので、こちらの騒音には寛容な気分であった。我ながら勝手なものである。なかなか途切れることのないポルシェの列を見送って、山梨県に入った。

◆桜咲き誇る桂川河川敷

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旧街道沿いの集落で出会った芝桜とご婦人ら。地元住民との出会いも裏道歩きの魅力だ=山梨県上野原市
藤野駅をスタートしてからここまで、交通量の多い国道を避けてなるべく裏道の県道と市道を歩いてきた。その分、アップダウンが激しいくねくね道が多いが、町の人と会話を交わす機会にも恵まれやすい。山梨県に入って間もなく、旧甲州街道の関所跡の先の集落で、水路の土手にきれいに植えられた芝桜に迎えられた。写真を撮っていると、それを植えた御婦人に声をかけられた。村の花だよりを尋ねると、今は上野原駅に向かう途中の桂川の土手の桜並木が見事だと教えてくれた。早速、ルートを変えてそちらに向かうことにした。
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川に下ると、見事な桜並木に迎えられた=山梨県上野原市
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桜咲く桂川の河川敷=山梨県上野原市
果たして、桂川の豊かな流れと延々と続く桜並木のコントラストはなかなか見事であった。東京あたりなら、たちまち花見客が押し寄せる一大名所になっていそうなロケーションだ。しかし、花盛りの土曜日なのに、河原には何組かの子連れのママさんたちとボールを追うサッカー少年たち、数人の釣り人がいたくらい。僕らも河原に腰を下ろし、贅沢な休憩時間を過した。
日帰りで繋いでいく旅だとはいえ、歩いてここまでやってくると、余計に都市部と地方のコントラストを実感する。東京で近年人気の桜の名所と言えば、中目黒あたりの目黒川沿いだが、スケール感はこの桂川の桜並木とは比べるべくもない。もちろん、今や都内有数のオシャレな街で見る桜に、独自の代えがたい魅力があるのはよく分かる。一方で、幼い頃、当時は「世界一汚染された川」と言われた目黒川の悪臭に苦しみながら幼稚園に通っていた元地元民としては、わざわざ人混みにもまれながらそこで花見をする気にはなれない。
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絶好の花見スポットにも関わらず、人影はまばら=山梨県上野原市・桂川河川敷

◆心温まる田舎の風景

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桜を背景に並ぶ地蔵=山梨県上野原市
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渓流釣りを楽しむ釣り人=山梨県上野原市・桂川
ここまで来ると、川にいる釣り人もブラックバスから渓流魚狙いに変わっていた。いよいよ本格的に自然と共生できそうな風景が広がっていく。上野原の中心部を抜けて国道に出ても、自給自足ができそうな畑の一角にある鶏小屋や、見事な桜と花桃の木に彩られた旧家の佇まい、番犬が威勢よく吠える軒先、いい具合に色あせた木製の鳥居がある神社など、大都市近郊ではなかなかお目にかかれないホッとする風景が続いた。
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畑の一角にあった鶏小屋=山梨県上野原市
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桜と花桃に彩られた旧家の門=山梨県上野原市
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軒先で吠える番犬。都会では見られなくなってきた光景=山梨県上野原市
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木製の神社の鳥居も色あせて味がある=山梨県上野原市

◆「山梨のスペースコロニー」

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国道20号に現れた「コモアしおつ」の看板=山梨県上野原市
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下界とニュータウンをつなぐ全長200mのエスカレーターが通る「コモアブリッジ」=山梨県上野原市
しばらくローカルな気分に浸っていたところ、四方津(しおつ)駅の手前で都会に引き戻されるような地名が国道20号の看板に現れた。実は、以前からその「コモアしおつ」はとても気になっていて、初見ではない。わざわざ訪問して町をぐるりと歩いたこともある。国道の上の丘に広がる一大ニュータウンで、麓の中央本線四方津駅とは、エスカレーターとケーブルカーのように斜めに上がっていくエレベーターが通る全長200mのSFチックなチューブでつながっている。自分と同じガンダム世代にしか通じないかもしれないが、僕は密かに、『山梨のサイド7(アニメ『機動戦士ガンダム』に出てくるスペースコロニーの名称)』と呼んでいる。
「コモアしおつ」は、積水ハウスがバブル期後半に開発したニュータウンで、1991年から販売開始されている。80万平方メートルの敷地には、コモアしおつ1〜3丁目と、独自の地番も与えられている。開発から間もなくバブルが崩壊したため低迷した時期もあったようで、前に来た時は、リーマンショックや東日本大震災の影響も冷めやらぬ景気のどん底にあった頃でもあり、やや寂れた印象を受けた。
しかし、最近は半年に1件くらいのペースで物件が売れていて、活気を取り戻しているようだ。総戸数も最新の情報で1,413戸と、前に来た頃よりもだいぶ増えている。とはいえ、今の時代のことだから、ここに来るまでに通過してきた世田谷の住宅街や多摩ニュータウンのように、高齢化がじわじわと進んでいる様子も予想していた。しかし、エレベーターに乗って実際に街に降り立つと、小さな子供がいる若いファミリー層の姿があちこちに見られた。後に街を降りてから出会った地元の老人に聞いた話によれば、開発当初は都会からの移住者がほとんどだったが、今は周辺の既存市街地や山村からの若い世代の"プチ移住"も多いのだという。
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都会的な雰囲気のコモアしおつの町並み=山梨県上野原市
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背景に山が見えるニュータウン=山梨県上野原市「コモアしおつ」

◆親切な老人と山村の優しい光景

バブル期の産物の多くは、今では寂れていて哀愁を感じることも多いが、この平成初期生まれのニュータウンは今のところ、少なくとも、自分のストリート・スナップ写真家としての街に対する嗅覚を信じれば、うまく新しい時代へのバトンタッチができているように感じた。そこを歩くのは、「衰退期」という言葉で語られる今の時代の日本にあって、明るい気分になれるつかの間の白昼夢のような時間でもあった。
コモアしおつの標高は340mで、333mの東京タワーよりもわずかに高い。裏口にあたるワインディング・ロードを徒歩で下り、渓谷沿いの山道を抜けて国道20号に戻る。しばらく国道の狭い歩道を歩いていると、上野原市から大月市に入った所で一台の軽トラックが止まり、老人が降りてきた。僕が登山者のような格好でカメラを持っていたので、大月の里山からの富士山の絶景スポットを教えようと思ったのだという。
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大月の富士山絶景スポットを網羅したパンフレットをくれた男性=山梨県大月市
老人は、地元の写真家による美しい富士山の写真がたくさん載ったパンフレットを手渡してくれた。もともとは藤野の出身だといい、それからしばらく、僕らが歩いてきたルートにまつわる昭和から現在までのよもやま話をしてくれた。先に書いた「コモアしおつ」の人口構成も、その中で出た話だ。
老人と別れた後、桂川対岸の山村を通る裏道に戻った。斜面に点在するこの地域独特の石垣がある村々に来ると、ニュータウンとは対照的な日本の原風景に心が安らぐ。地図にかろうじて載っているような小道を辿り、再び桂川を渡って国道に復帰。夕方5時、ちょうど中央本線の梁川駅が見えてきたので、本日のゴールとした。選挙カーの声は、駅で現地解散する直前まで山里に鳴り響いていた。
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この地域独特の石垣がある桂川対岸の山村=山梨県大月市
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春の山村の葱畑=山梨県大月市
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上流部に差し掛かり、桂川もスタート地点よりも渓谷の様相を深めてきた=山梨県大月市
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今回歩いた藤野駅--梁川駅のコース:YAMAP活動日記
今回の行程:藤野駅--梁川駅(https://yamap.com/activities/3381024
・歩行距離=15.7km
・歩行時間=8時間5分
・高低差=178m
・累積上り/下り=559m/479m

(* ̄- ̄)ふ〜ん

スリランカ同時多発テロの背景にある宗教対立

内戦を乗り越え観光も振興するさなかの惨劇

爆発の被害に遭ったスリランカの聖セバスチャン教会(写真:ロイター/アフロ)
スリランカの最大都市コロンボなどで、現地時間4月21日午前9時頃、同時多発的に3つのホテルと3つのキリスト教の教会で爆発が発生、午後にはコロンボ郊外の民家と国立動物園付近のホテルで2度の爆発があり、被害は合わせて8カ所に及んだ。
地元警察は、一連の爆発による死者は290人、負傷者は500人以上にのぼると発表。その後も、コロンボ郊外のバンダラナイケ国際空港付近で、新たにパイプ爆弾とみられる爆発物が見つかり、軍が撤去するなどし、空港の警備やセキュリティーチェックも最大限の厳戒態勢が敷かれた。
帰国や入国で空港を利用するスリランカ人や海外からの観光客などで溢れ返り、騒然としている様子がツイッターなどに相次いで投稿された。夜間外出禁止令が出され、営業可能なタクシーの数が限られたため、市内への足を確保できない人たちで空港の外にも列ができるなど、混乱は続いている。スリランカ大統領府は、4月23日午前0時からの非常事態宣言の施行を命じたと発表した。

3つの高級ホテルと3つの教会で爆発

爆発があったのは、キリスト教のイースター(復活祭)を祝うため、多くの人が集まっていた最大都市コロンボの「聖アンソニー教会」、国際空港に近い漁村で、近年はリゾートエリアとしても開発が急速に進むネゴンボの「聖セバスチャン教会」、そして東部バティカロアの「シオン教会」に、5つ星ホテル「シャングリラ」や「シナモン・グランド」「キングスベリー」など3つの高級ホテルだ。
スリランカは、反政府武装組織LTTE(タミル・イーラム解放のトラ)と政府軍との間で26年間にわたる内戦が続き、7万人以上が犠牲となったと言われている。LTTE側は、少数派の主にヒンドゥー教徒のタミル人が多く暮らす北東部の分離独立を掲げ「人間の盾」などを利用して戦うなか、2009年にスリランカ政府軍がLTTE支配地域を制圧、当時のラージャパクサ前大統領により内戦終結が宣言された。
それから10年が経ち、内戦の傷跡を少しずつ乗り越え、今、スリランカは急速な発展を遂げつつある。世界遺産やビーチリゾートなど豊富な観光資源を目当てに世界中から観光客が集まり、有名な外資系ホテルブランドが続々と進出している。
その1つが、亡くなった日本人女性が家族と朝食を取っていたとされる、ゴールフェイス沿いにあるシャングリラホテルだ。中国資本などによりコロンボ港沖合を埋め立て急速に再開発が進む「コロンボフォートシティ」の向かいに建設され、2017年冬に満を持して開業した。ガラス張りのラウンジは青く輝くインド洋を眼下に称え、欧米各国を中心に世界の観光客を迎えるラグジュアリーなホテルの代表格として、国内外の賓客をもてなす場としても活用されるなど、圧倒的な存在感を放っていた。
さらに、現場の1つとなったコロンボのシナモン・グランドホテルは、格式ある5つ星ホテル。AFP通信やインドのテレビ局などによると、自爆テロ犯は朝食会場のビュッフェに並び、自分の番が来て皿を取った後に、背中に装備した爆弾を爆破させたとの情報が報じられている。イースターの休暇中ということもあり、欧米諸国からの観光客は多かったとみられている。すでに、これまでに確認されている外国人死者の国籍は、イギリス、デンマーク、インド、トルコ、そして日本など、合わせて32人以上に及ぶ。
近年は、こうした観光業の急速な発展の一方、宗教間の対立もたびたび発生していた。

昨年3月には内戦終結後初めての非常事態宣言

昨年3月には、一部の過激化した多数派シンハラ人仏教徒の集団が少数派のイスラム教徒への憎悪を煽り、イスラム教徒のみの商店や住宅を狙って放火や破壊活動に及んだ。内戦による非常事態宣言が2011年まで28年間にわたり続いていた同国において、内戦終結後初めて、10日間に渡って非常事態宣言が全土に発令される事態となった。
イスラム教徒が礼拝に集うモスクも襲撃の被害に遭い、コーラン(イスラム教の聖典)も燃やされた。事件後、被害に遭ったモスクを訪れると、襲撃に使われた石や木の枝、ガラスの破片が散乱し、大勢のイスラム教徒は仮で用意した手狭なスペースで祈りを捧げていた。
内部を片付けに訪れていた近所に住むイスラム教徒の男性は「この国でイスラム教徒は少数派ですが、平和に暮らしてきたのです。一部の過激な人たちの間で宗教間の憎悪が煽られ、このような事態が起きてしまった。スリランカで生きてきた“スリランカン・ムスリム”として、とても悲しい」と目を伏せた。
2018年に襲撃の被害に遭ったイスラム教のモスク。イスラム教の聖典コーランも燃やされた(2018年3月、筆者撮影)
その襲撃事件から1年以上が経過し、その後は目立った宗教間の対立は発生していなかった。しかし、小さな火種は実は国内メディアでたびたび報じられてきてはいた。去年12月には仏像を傷つけたとして、2人のイスラム教徒の男性が逮捕されたほか、今年1月にはイスラム教徒の大学生グループが、仏教の古代の遺跡の前で、一様に腕組みをするポーズをして集合写真を撮影し、Facebookに投稿するなどしたことが、仏教の冒涜に当たるとして逮捕されている。
さらに、イスラム過激主義者の関係先とされる場所から爆発物が押収されるなどの事案も報じられているほか、地元メディアなどによると、2016年時点でスリランカ人32人がISに参加するためシリアに渡航したという情報もあり、イスラム教徒への取り締まりが密かに厳戒化しているのではないかとも指摘されている。
今回、襲撃を受けたのは、同じく国内で少数派のキリスト教徒であり、犯行の背景としてさまざまな憶測が各国のメディアでなされるなか、スリランカ政府報道官は、国内のイスラム過激派「ナショナル・タウヒード・ジャマア(NTJ)」が関わっているとの見方を示した。スリランカ警察内部では、海外の情報機関から「NTJ」が教会やコロンボにあるインドの高等弁務官事務所を狙った自爆テロを計画しているとの内部情報を事前に把握していたとされている。

「警告がなぜ無視されたのか」

スリランカの閣僚はツイッターで内部文書の画像を投稿し、「この事実を把握していたにもかかわらず行動が遅れた。この警告がなぜ無視されたのか、当局の真剣な対応が求められる」と強い姿勢で追及している。ウィクラマシンハ首相はこの情報が事前にあったことを認めつつ、すでに「地元の者とみられる」24人を逮捕していることを明らかにし、同時に国際的な組織との繋がりも調査しているとしている。
スリランカの閣僚はツイッターで、海外情報機関からの内部情報が生かされなかったことを批判している
CNNの記者はコロンボからの中継で、「イスラム過激派が背景にあるとするならば、ISISと関わりを持つグループが、ニュージーランドの都市、クライストチャーチのモスク襲撃事件の報復を考えていた可能性がある」とも指摘しているが、現時点で海外組織について確固たる情報は明確になってはいない。
今回の逮捕者には、NTJ関係者も含まれているとみられており、同時多発的なテロの実行には、要員の確保や緻密な情報収集など、背後に大規模なネットワークの支援があったことも考えられている。インドを拠点とするイスラム過激派の流入なども指摘され、国内の過激派組織や国際的なグループとの繋がりなど全容解明には時間を要しそうだ。
スウェーデンの南アジア研究ネットワーク(SASNET)で、スリランカの過激派やイスラム教徒について詳しいアンドレアス・ヨハンソン博士は、「ここ数年で起きてきたヨーロッパでのテロ事件との類似性が見られる。事件の甚大さを鑑みると国際的なテロ組織の関与も疑われる。NTJについてはこれまであまり知られてこなかったが、スリランカで仏像を破壊するなどの行動で知られている。もし彼らが背後にいるならば、他のジハード組織やISIS、アルカイダなどとの関連性も考慮に入れる必要がある」と指摘している。

日本人が驚くドイツ人の「空気を読まない」気質

「忖度」なんてあり得ない徹底した個人主義

「自分中心主義」であるドイツでは、他人の感情よりも規則や理屈を重んじる考え方が当たり前なのです(写真: MIyabi-K/PIXTA)
日本人と比べて、他人の感情を尊重したり、まわりの空気を読んだりしないドイツ人。そんなドイツ人特有の気質が醸成された背景を、在独ジャーナリストの熊谷徹氏が解説します。
ドイツに29年住んで、この国ではもはや良好なサービスを期待しなくなった。「ここはドイツなので、よいサービスはない」と思うようにしている。
以前、食堂の店員がコースターを客の前に手裏剣のように投げた姿を見かけたことがある。その場にいたある日本人は「ドイツに5年間住んでいるが、こうした態度には、いまだに慣れない。客に対して最低限の思いやりがない」と憤慨していた。
多くの日本人は、目の前に物を投げられると「邪険に扱われている」と不快に思う。繊細な客の中には、犬や猫の前に餌を投げる情景を連想する人もいるだろう。
しかし私はこのとき、店員がコースターを客の前に投げるのを見てもまったく怒りを覚えなかった。その理由は、「この国のサービスというのはこんなものだ」と悟っていたからである。以前私は会議の席で、ドイツ人が自分の名刺を客に1枚ずつ手渡さずに、テーブルの上に投げたのを見たことがある。名刺すら投げる人がいるのだから、飲み物のコースターを投げられたくらいでは驚かない。冷静に考えれば、それで何か不都合なことが起こるわけではない。あくまで気分の問題である。

サービスに期待してはいけない

つまり、サービスに対する期待度を下げてしまえば、サービスが悪くてもあまり不快に思わない。「自分はお客様なのだから、よいサービスを受けて当たり前だ」と思い込んでいると、サービスが悪いと頭にくる。腹を立てると、その日は損をしたような気がして楽しくない。いやな思いをするのは結局自分である。
私もドイツへ来た1990年ごろには、サービスの悪さについてしばしば腹を立てていた。だがこの国に長らく住んでいるうちに、「ドイツだけでなく、日本から一歩外へ出るとサービスは基本的に悪い」という考え方が身についてしまった。いくらじたばたしても、他人の行動や考え方を変えることはできないので、自分の感受性を変えたのだ。サービスに対する期待度を下げると、スーッと気持ちが楽になる。私の態度について、「悪いサービスの前に降伏したのか」とあきれる人もいるかもしれないが、このほうが精神衛生上、メリットが大きい。
レストランで店員がなかなか注文を取りに来ず、待ちぼうけを食わされても「経営者が人件費を節約しようとしているので、従業員の数が足りないからすぐに注文を取りに来られないのだろうなあ。かわいそうだなあ」と思うくらいだ。
大半のドイツ市民も、この国のサービスについて「こんなものだ」と思っており、際立って悪いとは感じていない。多くのドイツ人は日本に行ったことがないので、日本のような「サービス先進国」があることを知らないからだ。

ドイツを覆う強烈な「個人主義」

私がドイツ人から高い水準のサービスを期待しないもう1つの理由は、サービスが未発達である背景に、彼らの強烈な個人主義があることを知っているからだ。
ドイツ人の店員は客に対してへりくだらない。客に向かってペコペコせず、つねに堂々としている。ドイツ語でサービスに相当する言葉はDienst(ディーンスト)である。この言葉の動詞はdienen(人に仕える、サービスをする)だが、派生語にDiener(従者、下僕)という言葉もある。つまり、ディーンストという言葉は客との目線の違いを感じさせるので、個人主義が強いドイツ人には聞こえがよくない。誇り高きドイツ人たちは、人に仕えること、サービスをすることが得意ではないのだ。
さらに、ドイツ人は日本人ほど他人の感情を重視しない。感情よりも規則や理屈を重んじる。ドイツ語ではこういう人のことをコップフメンシュ(Kopfmensch=頭を優先する人、感情よりも理屈を優先する人)というが、この国にはコップフメンシュが多い。
例えば、アンゲラ・メルケル首相はコップフメンシュの典型だ。彼女は政治家になる前は、物理学者だった。メルケル氏はどんな状況でも感情を顔に出さず、冷静沈着に振る舞うことで知られる。演説の内容も理詰めで、聴衆の感情に訴えかけるような話し方ができない。感情よりも合理性を重んじる典型的なドイツ人である。
日本人のAさんはドイツ人の知り合いに「こんなひどい目にあった」と自分の体験を話した。その知り合いはAさんに慰めの言葉をかけるどころか「そうですか。自分はそんなひどい目にあわないでよかった」と言っただけだった。他人の感情への配慮という意味では、不可解な反応である。もしもこのドイツ人がAさんの感情に気配りしていたら、こんなことは絶対に言わないだろう。忖度社会・日本に慣れた人の目には、ドイツ人の態度は不思議なものに映るだろう。
他人に対してきめの細かいサービスを行うには、他人の感情に配慮すること、空気を読むことが不可欠だ。「自分が客だったら、こういう状況のときに何を求めるだろうか、どう感じるだろうか」とつねに先回りして考えなくては、よいサービスはできない。
だが、大半のドイツ人のモットーは個人主義、自分中心主義だ。集団の和を重んじる社会ではない。このため、忖度したり空気を読んだりすることが苦手だ。ドイツの学校や家庭でも、他人の感情に配慮するよりも自分の考えを率直かつ正直に述べることのほうが重視される。ドイツ人の間に、他人の心を傷つけるような、歯に衣を着せない発言を平気でする人がときどきいるのは、そのせいだ。
人間にはみな得意・不得意がある。例えば、私は音痴なので歌を歌えないし、楽器も弾けないし、ワルツなどのダンスもできない。そんな人間にうまく歌を歌ったり、楽器を弾いたり、ダンスをしたりしろと言うほうが無理である。それと同じように、私はドイツ人のメンタリティーがサービスに向いていないことを知っているので、初めから日本のような高水準のサービスは求めない。そうすれば、悪いサービスを受けてもイライラしないのだ。

「24時間営業」がなくても困らない理由

ただし、サービスの水準が低いためにドイツで非常に困ることがあるかというと、そういうわけでもない。例えば、日本のように24時間開いているコンビニエンスストアがなくても、生活には困らない。深夜から早朝まで、好きなときにおでんや鶏の唐揚げ、電球、靴下、のし袋から漫画本まで買える店がたくさんあるのはすごいことだとは思うが、そういう店がなくても、それが当たり前になれば、別に不便は感じない。
ドイツでは平日の午後8時以降や、日曜日・祝日にはガソリンスタンドなどを除くほとんどの店が閉まっていることは前述したが、事前に買い物をしておけば問題はない。要するに買い物の段取りを少し変えればよいだけの話である。ドイツに来たばかりの日本人駐在員は戸惑うだろうが、時間が経てば慣れていく。
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ホテルでも、深夜に腹が減ったときのおにぎりなどは準備されていないし、ズボンのファスナーが壊れたときに無料で直してくれるサービスもない。1990年代の後半に東京のあるホテルに泊まったときには、エレベーターの前に和服姿の従業員が立っていて、客のためにエレベーターを呼ぶボタンを押してくれた。こんなサービスもドイツではありえない。
ドイツ人にとっては、このようなサービスよりも宿泊代が安くなることのほうが重要だ。ドイツは社会保障制度が充実した高福祉国家である。企業は社会保険料の一部を負担しなくてはならないので、人件費が高くなる。客のためにエレベーターのボタンを押す係を雇うと、そのための人件費が宿泊料金を押し上げる。ドイツ人の目には、そのような仕事は「無駄」と映る。そして「過剰サービスを削って、そのぶん宿泊料金を安くしてほしい」と考えるのだ。

ほうほう。

駐韓米国大使 対北朝鮮制裁「非核化まで緩和はない」

記事一覧 2019.04.22 21:20
【ソウル(共同取材団)聯合ニュース】ハリス駐韓米大使は22日、ベトナム・ハノイで2月に開かれた2回目の米朝首脳会談が合意なく終わったことについて、トランプ大統領には大きな取引(ビッグディール)と十分な取引という選択肢があったのではなく、非常に悪い取引と取引なしという選択肢から、取引なしを選んだと説明した。ソウルの大使公邸で行われた外交部担当記者団との懇談会で述べた。
ハリス氏(共同取材団)=22日、ソウル(聯合ニュース)
ハリス氏(共同取材団)=22日、ソウル(聯合ニュース)
 ハリス氏はまた、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)が対話のテーブルに載せた選択肢には十分なものはなかったと説明した。
 北朝鮮側がハノイでの会談の直前に、米国側に対し、国連安全保障理事会の北朝鮮制裁決議のほとんどを解除すれば、将来的に寧辺の核施設を廃棄すると約束し、金委員長もハノイで同じ提案をしたと伝えた。
 これを北朝鮮の提案通りに実施すれば、北朝鮮は制裁解除により収入を得て、北朝鮮内には大量破壊兵器やその運搬手段、ほぼ全ての兵器生産能力がそのまま残ることになるとし、韓国、米国、日本、中国、ロシアなどの地域が安全にはならず、さらに危険にしていたと指摘した。
 北朝鮮がハノイでの会談で出した提案について、ハリス氏が公の場で酷評したのは今回が初めて。
 ハリス氏はまた、ハノイでの会談以降も米国は北朝鮮との対話を続けており、金委員長はハノイでトランプ大統領が求めるものが何か分かったはずだとし、「テニスで言えば、トランプ大統領は金委員長に打ちやすいボールを返し、ボールは金委員長の側にある」と説明した。
 また3回目の米朝首脳会談が開催される可能性については、「トランプ大統領は3回目の首脳会談を望んでいるが、金委員長が望んでいるのかは分からないため、ボールは再び北朝鮮にあるとみなすことができる」と話した。  
 その上で、「金委員長は非核化を約束した」とし、「すべきことはあるが、引き続き進展するだろうと自信を持っている」と明らかにした。
 韓国政府は非核化の具体的方法の一つとして非核化の進展に必要な中間段階での取引を指す「早期収穫(アーリーハーベスト)」を提案しているが、これについてハリス氏は、中間段階が制裁緩和を示しているのであれば、検討対象にはならないとし、「完全な非核化まで制裁緩和はない」と強調した。
 米日の同盟が強化される一方で、韓国だけが孤立する恐れがあるとの見方については、「韓国は孤立していないと考える」とし、「米日同盟があり、米韓同盟があるが、もし韓日両国が意見を一致させることができれば、韓米日の3角同盟もやはり強化されるだろう」と指摘した。
yugiri@yna.co.kr

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