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何がほしいんだ。 何が言いたいんだ。 それを、いつもはっきりさせたいんだ。 『成りあがり』 大好きだね、この言葉。 素晴らしいじゃないか。 こんな、何もかもが 確立されきったような世の中で、 成りあがりなんて…… せめて、やってみろって言いたいよ。 「何だかしらないけど、やれるからやってる」 って感じ。オレ、そういうのは嫌いなんだよ。 まわりにキャーキャーいわれて。 金も、そんなにはないけど サラリーマンやってるよりはメシ食えるし。 それにドップリつかったらダメなんだ。 オレは、自分をとりまいてる社会の仕組みを、 わかろうわかろうとしてた。 前に進むためには、どうしたらいいか。 いろんなことを知ろうとしたし、わかってきてた。 むこうは、完全なディスコバンドだよ。 オレは、違う。 オレは、おまえらとは、夢が違うんだ。 ディスコで終わるバンドじゃないって プライドが常にあった。だから、強かった。 うちのドラムに 「悪いけど、今日限りでお疲れさま。ごめんな。 おまえ、もう、この機会にやめたほうがいい。 この世界には、むいてない」 シビアなこと言った。 むこうもそういう雰囲気、わかってたんだよ。 オレは、あの当時、完全にプロを目指してるわけよ。 広島から、スーパースターになるために追ん出てきたの。 だから、東京で親のスネかじってるやつ、もう必要ない。 「学校に帰りなさい。就職しなさい」ってことさ。 『成りあがり』(1978)より 矢沢永吉 角川書店
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