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ブルージュから列車に乗って1時間半。私たちはベルギー第二の都市アントワープ(アントウェルペン)に到着した。ここの駅もヨーロッパの主要都市でよく見かける引き込みエンド式で、駅のエントランスは先頭車の先にある。この中央駅からアントワープの中心部までは少し距離があるためトラムを利用する。 トラムは普通、駅前広場や車道の中央を走っているものだが、ここの停留所は駅の地下にある。重いバックパックを担いで地下への階段を下りると、地下鉄のようなホームがあった。でもトンネルの暗闇の中から出てきたのは紛れもなく4両編成のトラムだった。いや、もしかしてこれはメトロなのだろうか。行き先を確かめて乗り込む。中央駅を出てすぐに地上に出た。やはり道路の上を走っているのでトラムなのだろう。 窓越しに目指すノートルダムの高い尖塔が見えてきたので次の停留所で降りてみた。ヨーロッパの町が便利なのは大聖堂の尖塔を見つけたらそれを目印に向かっていけば街の中心広場に出ることである。最悪、地図もいらない。歩いて2,3分でノートルダム大聖堂の前の広場に出た。 とにかくこの大聖堂の尖塔は高い。123mもある。パリのノートルダムが69mだから倍近い高さである。14世紀から約400年かけて建てられたが、普通,左右対称に2つの塔があるのがノートルダムの特徴なのに北塔の一つしかない。建設当時、予算が続かなかったため、南塔の建設は放棄されたらしい。 ここに来たのはほかでもない。ここは「フランダースの犬」のネロとパトラッシュが昇天したあの大聖堂なのである。この大聖堂にはルーベンスの大作「聖母昇天」「キリスト昇架」「キリスト降架」の三部作が納められている。ネロは一枚は見たことがあるが、他の二枚はベールがかけられて見ることができなかった。絵心のある彼はどうしてもそれを見たかったのだが…。 いじめが子供心にきつすぎて見続けるのが少しつらかったが、ネロがあんなにも見たかったルーベンス三部作を私もこの目で見たかった。ついでに彼らが昇天したあの礼拝堂内部も。 ちなみに「フランダースの犬」は日本人にとっては有名だが、地元ベルギーでは知る人はほとんどいない。そもそも原作者はイギリス人であるし、身よりのない少年を町中の大人がいじめて死に追い込むなど、ベルギー人なら考えられない話だかららしい。確かにベルギーを含むベネルスクと北欧は、世界で最も福祉と人権が重んじられている福祉先進国である。あれはイギリス人のベルギー人に対する偏見で、ベルギー人はあんなに薄情ではないというのだ。 確かにイギリスとオランダ、ベルギーは昔、商業上のライバル国だっただけに、英語には彼らに対する偏見に満ちた言葉が今でも残ってる。たとえばDutch uncle(オランダ人のおじさん)といえば変人を指すし、Dutch account(オランダ人の会計)といえば割勘、つまりケチというニアンスで使われる。 そのようなわけでベルギー人は最近までこの作品の存在すら忘れていたが、近年、私のような例のアニメーションを見てやって来る日本人観光客が後を絶たないため、市としてはささやかながら町外れにネロとパトラッシュの小さな像を建てた。ただ残念なことに、私も写真でその像を見たが、アニメのイメージとあまりにもかけ離れているため見に行く価値はないと感じた。で、せめてここノートルダムには来たわけだが。 なんということであろう。大聖堂の扉は硬く閉じられていた。実は見学時間は夕方6時までだったのに、私たちがそこに到着したのは6時15分ごろだったのである。そういえば広場のカフェやレストランは店じまいの準備をしている。ブリュッセルやブルージュの街が素晴らしすぎて、予定よりそれらの街の滞在時間が長くなってしまったのである。
少しベルギーをなめていた。どの町もそれぞれ宿泊して1日滞在するだけの価値が十分にあったのである。本命の大聖堂に入れないとなれば、いったい何のためにアントワープに立ち寄ったのか。もちろんフランダースの犬のゆかりの場所だけでなく、この街には見所が他にもたくさんあるので、大聖堂の外観だけでも見られたことに満足して他を見て周ることにした。少し泣く泣くではあったが・・・ |
ベルギー




リコさん:愛想笑いはしないけど話すとみんな気さくでいい人たちが多いですよね。
2007/5/8(火) 午前 2:07
青山さん:ねえ、しかも担いでるバックパックは重いし、なかなか敏速には動けんのですよね。
2007/5/8(火) 午前 2:09
はるはるさん:私も出発前はベルギーには全く期待してなかっただけにうれしい誤算でした。次も絶対行くぞ!
2007/5/8(火) 午前 2:11
せんろさん:ただの素人の雑学ですが、でもそう言ってもらうとうれしいです。
2007/5/8(火) 午前 2:12
フランダースの犬の秘話?勉強になりました。最後に昇天して逝った教会はこんなに大きかったのですね!
2007/5/8(火) 午前 7:36
予算がなくなって放棄とは笑いますね。たった15分の遅刻なのに残念でした〜
2007/5/9(水) 午前 9:31
w(゜o゜)w オオー!柿の葉寿司のあとはベルギーですか! ワッフルを思い出してしまうわ〜(笑)400年もかけて建築というのがすごい!です。
2007/5/9(水) 午後 6:56
タロパパさん:そういや礼拝堂内でけっこう長い間浮いてましたよね、彼らw
2007/5/9(水) 午後 7:38
kazeさん:まったく15分に泣きました。・゚・(ノ∀`)・゚・。
2007/5/9(水) 午後 7:39
youkaさん:あれ食べながらここに来たんじゃないけどねw。やっぱりワッフルだよね〜ベルギーとくればw
2007/5/9(水) 午後 7:40
フランダースの犬の裏話面白かったです。大聖堂残念でしたね。でもまた来る理由ができましたね。
2007/5/10(木) 午後 7:27
アントワープのノートルダムもすごそうですね!!次のヨーロッパはベネルクス3国ですかね^^;
[ 昔tomopfc ]
2007/5/13(日) 午前 0:45
amalfiさん:今まじめに、またいこうかどうか悩んでますw
2007/5/13(日) 午後 5:33
tomopfcさん:ベルギーってドイツっぽいようなフランスっぽいような、やはり似ているようで違います。ベネルスクは小粒でもピリリと興味深いですね。
2007/5/13(日) 午後 5:35
大聖堂6時に店じまい???はやいですね〜。それにしてもクラシックな建物になぜかモダンなトラムが良く似合う・・・日本ではありえませんね。
2007/5/14(月) 午後 10:37
現役ですからミサがあるんでしょう。そう、ヨーロッパの町並みにはモダンなトラムがよく似合いますよね。
2007/5/15(火) 午前 1:55
ほんとに、残念としかいい様がありません。。
私もベルギーをなめていました。アントワープがこんな素晴らしいところだったなんて。
あまりに素晴らしいので、私達は逆にアントワープにいすぎて、
ブリュッセルがとんでもない事になってしまったのですが。。。
まあブリュッセルは一度行っているので自分的にはこのアントワープに時間を掛けて正解だったとは思いますが。
でも旅は予測不可能ですから、後でこうすればよかった、ああすればよかったと思うものです。完全な旅は2回目からでしょう。
でもそれもまた旅を振り返る絶好のつまみになります。
私も後悔している場所は山ほどありますが、それもまた旅の一部。
こうして話をできるのも、同じ場所に立ったからこそ。
また同じ場所に立てるのを楽しみにしています!!
2007/10/16(火) 午前 1:40
私もベルギーなめてましたw。日本じゃあまり取り上げられないしね。どうせたいしたことないだろうと思って1日でパリから3都市を回ってオランダに抜けるという無謀な計画でした。おかげで今年訪れた時はブリュッセルだけでしたが2日滞在しました。しかし同じとこ行ってこんな話ししてるなんて、不思議ですね。しかもイギリスと日本www
2007/10/16(火) 午前 9:52
自分もネロのように、画家になりたかったクチなので、フランダースの犬は好きなお話だったんです。
ちなみに、フランドル犬っているんですけど、日本のアニメのパトラッシュはフランドル犬じゃないらしいです。
笑っちゃいますね。
[ nou**soy* ]
2007/11/1(木) 午前 0:27
懐かしく拝見させて頂きました★
短い期間ですが住んでいました。
TBさせて下さいね★
ポチ!
2009/4/25(土) 午後 11:45