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 店には普段着のおばちゃんたちと、シェフと思われるランニングシャツ姿のおじさんが休んでいた。
まだ食べられるか聞いてみたら、「入れ入れ」の手招き
イタリア語は分からないが、どうも昼の営業は終ったが、いっぱい余ってるから大丈夫、と言っているらしかった。

 初のイタリアで食べるイタリア料理なので、ここはしっかりコースを組み立てて、アンティパスト、プリモピアット、セコンドピアット、ドルチェと決め込もうと思ったが、カウンターに色とりどりのアンティパストの大皿と、リゾット類、肉料理が並べられていて、「もうシェフは休みにはいっちゃったから、ここから好きなの取りなさい」と言ってる。
ならばと、お米のサラダを大盛りと、イカとセロリのマリネと、その他少々を前菜にとる。
プリモピアットは残念ながらパスタ系はなく、チーズリゾットを。
イタリア北部はチーズとお米料理が有名なので、これはこれでよし。
セコンドにウサギのカチャトラを皿に盛る。
おばちゃんたちは「若いんだからもっととれ」と言っているようだった。

 しかし驚いた。どの皿も衝撃的なうまさだった。
どれもランチに余った料理を取ってあったもので、アツアツではないのだが、実にうまい。
ウサギ肉もフランス、イタリアではごく普通の食材。
食感は鶏肉に似ているが、もっと脂がすくなく、でも肉にコクがある。
カチャトラは冷めてもおいしい料理なので、これも大成功だった。
イタリア料理は日本で何度も食べてるはずなのに、どれもまさに本場のイタリアの味で、目からウロコが落ちた思いだった。

 お腹いっぱいになったところへ、おばちゃんの一人がドルチェ満載のワゴンを持ってきてくれて、やはり好きなのをとりなさい、とのこと。
このテラミスも衝撃的なうまさだった。
田舎町の片隅のレストランでこのハイレベルの味。
そして気さくなお母さんたち。
初のイタリア入りは、本場のイタリア料理の衝撃で始まった。



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